« 2008年4月20日 - 2008年4月26日 | トップページ | 2008年5月4日 - 2008年5月10日 »

2008.05.02

通販でのクレジットカード利用についての判決

毎日新聞より「ネット決済:「確認不備」カード会社敗訴 長崎地裁支部

インターネット上の決済で、長男が父親のクレジットカードを無断使用したことを巡り、父親に支払い責任があるかが争われた訴訟で、長崎地裁佐世保支部は「父親の過失は問えない」として、原告の大手カード会社側の請求を棄却した。
決済では本人確認として父親の名前とカード番号、有効期限を入力させていたが、竹村昭彦裁判官は「カード会社が不正使用を防ぐ方法を構築していたとは言えない」とネット決済上の安全管理システムの不備を指摘した。

暗証番号がいらない本人確認の手法はネット決済では広く一般的に使われているため、ネット決済の運用に影響を与えそうだ。判決は4月24日。

判決などによると、長崎県佐世保市の会社員男性(58)の長男は19歳だった05年1~2月、携帯電話でネット上の有料アダルトサイトを複数回閲覧し、閲覧料約285万円を父親のカードで決済した。
父親は利用した覚えがない高額の請求書が届いたため、カード会社・ユーシーカード(現クレディセゾン=本社・東京都)に問い合わせたところ、携帯電話番号から長男の利用が判明した。長男は父親が就寝中、財布からカードを取り出し番号などを控えていた。

カード会社は父親の管理に落ち度があったとして支払いを求めたが、被告の父親は「暗証番号の入力が不要な決済方法が(ネット上に)あることを事前に知らされていなかった」などとして、支払いを拒否していた。

竹村裁判官はネット決済について「決済時に暗証番号などの本人確認を入力する必要がなかったことから、会員になりすまして利用することが容易に可能だった」と指摘。決済時の安全管理について「可能な限り会員以外の不正使用を排除する方法を構築しておらず、不十分と言わざるを得ない」と会社側の責任に言及した。
【近松仁太郎】

このニュースはMatimulogさんの記事「jugement:NET決済無断使用でカード会社が敗訴」で知りました。

町村先生は記事の最後に次のようにコメントしています。

安全と利便の衝突する典型的問題であり、過去にも電話料金・電話付加サービス料金、キャッシュカードなどで繰り返されてきた問題である。

関連記事:ネット決済:厳格確認普及せず 「利便性損なう」抵抗も
これまた従来の不正利用対策強化に常に決済業者が示してきた反応と同じだが、難問であることは間違いない。

町村先生の記事を読んだときには、あまり考えなかったのですが毎日新聞の記事を読んでことの重大性に気づきました。

  1. 携帯電話でネット上の有料アダルトサイトを閲覧
  2. 閲覧料約285万円を父親のカードで決済
  3. カードを取り出し番号などを控えて
  4. カード番号と有効期限を入力したのでインターネットで買い物が出来た
  5. カードの名義人は、暗証番号が不要だからと支払いを拒否
  6. 裁判官は「決済時に暗証番号が無いのは不十分」と会社側の責任に言及した。

これは、インターネット(通販)での買い物一般の手法の否定ですね。

確かに、285万円の買い物が出来ることは大問題だとは思うけれども、だからと言って現在世界的に通用している手法そのものの問題として良いものか?
町村先生が指摘する「難問」ですね。

こんな請求が通ってしまう、クレジットカード会社は問題だと思うのだが、その理由を手法に求めるのは社会全体を考慮すると、違うと思う。
現実的には難しいのかもしれないが、クレジットカード会社が請求先ごとに一つのカード/月の上限を設定するぐらいのことは出来ても良いように思う。

今朝、ワイドショーで買い物詐欺のリポートがありました。

  1. SNS で「仕事あります」と女性名義で、女性を勧誘。
  2. 仕事の相手として男が現れ、店に一緒に行って、携帯電話+電子オモチャなど90万円を購入させる。
  3. 女性は危険を感じて、直ちに携帯電話を解約するが、90万円の負債は確定。
  4. 警察も事件に出来ない(詐欺の共犯になる)
  5. 男の連絡用の携帯電話は使えない。
  6. 取材で携帯電話の名義人を突き止めたら、その人も携帯電話の名義人詐欺の被害者。

現在、クレジットカード会社は「利用パターンが違う」といった警報を出していますが、犯罪に利用されているのですから、もっと精密に機能させて犯罪を抑止するべきだし、そういう機能が働けば結果的に今回の裁判のようなことにはならないでしょう。

5月 2, 2008 at 11:23 午前 事件と裁判 | | コメント (12) | トラックバック (0)

2008.05.01

裁判所長襲撃事件・検察が上告断念

朝日新聞より「地裁所長襲撃、成人2人無罪確定へ 大阪高検が上告断念

大阪市住吉区で04年、当時の大阪地裁所長(65)が現金を奪われて重傷を負った事件で強盗致傷の罪に問われ、一、二審で無罪とされた会社員の二人の被告(33)と(30)について、大阪高検は上告を断念する方針を固めた。

上告は原則として下級審の判断に憲法違反や判例違反がある場合に限られ、「上告理由が見当たらない」と判断したとみられる。上告期限の1日いっぱいで、2人の無罪が確定する見通しだ。

事件ではほかに少年3人が逮捕・補導された。当時14歳の少年(19)と、同16歳の元少年(21)については少年審判で「無罪」や「再審無罪」にあたる判断が示されたが、検察側が争う姿勢を崩していないため、司法手続きがなお続いている。

今回2人の無罪が確定することが少年らの審理に影響を与えるのは確実とみられ、「全員無罪」とされる見通しが強まった。

大阪高裁が4月17日に言い渡した判決は、実行犯の1人で被害者に体当たりしたとされた当時13歳の少年(18)について犯行時間帯にアリバイが成立すると明確に認定。
さらに、2人の指示で、当時13歳の少年とともに犯行に及んだ――とする同14歳の少年と同16歳の元少年の捜査段階の自白についても、一定の信用性を認めたうえで、同13歳の少年のアリバイと矛盾することなどから「証明力は相当に減殺される」と指摘。2人を無罪とする判断を導いた。

上告理由は刑事訴訟法で憲法違反と判例違反に限られる。
ただし「重大な事実誤認」や「量刑が甚だしく不当」などの事情があれば、最高裁は職権で下級審判決を破棄できる。このため、「経験則や論理則に反する認定をした」として上告する例もある。

今回の高裁判決について検察側はこうした検討も行った結果、(1)アリバイ成立の認定はメールの送受信記録や知人少女の証言など複数の証拠に支えられている(2)一審判決とは逆に、少年らの「自白」の信用性を一定程度認めており、取調官の示唆や誘導は認定していない――などの点を踏まえて「重大な事実誤認があるとまではいえない」との結論に至ったとみられる。

当時14歳の少年と同16歳の元少年は昨年12月と今年2月、大阪家裁でそれぞれ刑事裁判の「無罪」と「再審無罪」にあたる決定を受けたが、いずれも大阪高裁が検察側の抗告を受理。
同14歳の少年については「審理が不十分」との理由で「無罪」の決定を取り消し、再び家裁へ審理を差し戻したため、少年側が最高裁へ再抗告している。

児童相談所に通告された当時13歳の少年も昨年4月、「虚偽の自白を強要された」として、国や大阪府に賠償を求めて提訴している。

「地裁所長襲撃事件、3度目の家裁」の別の法的結論ですね。
今回の上告断念は「地裁所長襲撃事件・成人の高裁判決は無罪」に対するものです。
成人の被告の無罪決定に対して、少年の被告はまだ争いが続いています。

この事件では、実際に重症の怪我人が居るのに、被告らにアリバイが成立するとして無罪だとなると、警察・検察の捜査は何だったのか、と強く非難されるべきでしょう。

一件落着ではなくて、実際に何があったのかを捜査して犯人を捕らえる義務が警察にはあります。

5月 1, 2008 at 08:34 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.29

鳥インフルエンザに警戒

陸奥新報より「十和田湖で白鳥の死骸から鳥インフルエンザ検出

秋田県は28日、十和田湖畔で回収した死んだ白鳥3羽と衰弱した白鳥1羽から、H5亜型の鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。発見場所から半径10キロ以内に養鶏農家はないが、農水省は秋田、青森、岩手各県に対し養鶏場への緊急指導を要請した。本県は同日、県内養鶏場に異常がなかったことを確認。鶏への感染防止のため警戒を強めている。

発見されたのは秋田県小坂町の十和田湖畔。今月21日に白鳥の死体と衰弱した白鳥が2、3キロにわたって点在しているのが見つかった。

同県が23日実施した簡易検査でA型インフルエンザウイルスと推定されたため、検体を動物衛生研究所(茨城県つくば市)に移送。

同研究所で27日夜、「H5亜型」のA型インフルエンザウイルスと判明した。強毒タイプか弱毒タイプかなど詳細は検査中。水鳥など野鳥が低病原性の同ウイルスを保有していることは知られており、同省は「鶏への感染がなければ、大きな問題はない」(動物衛生課)としている

本県は26日に第一報を受け、27日夜に鳥インフルエンザウイルス検出の連絡を受けた。半径10キロ以内に本県の養鶏場はないが、30キロ以内に黒石市、平川市など4市町の39農場がある。
県は28日、黒石市と平川市の2農場で、野鳥が敷地内に入らないよう改めて指導したほか、1000羽以上を養鶏する農場163戸すべてで鶏の異常死がなかったことを確認。
また十和田湖周辺や県内の白鳥飛来地を調査した結果、ほかに白鳥の異常死はなかった。県農林水産部畜産課は「鳥から人に感染することは通常ない」とした上で、「ウイルスが鶏に伝染する事態はなんとしても避けなければ」と警戒を強めている。

Up

こんな事になったので秋田魁新報より「ハクチョウの餌付け自粛を要請へ 県、鳥インフルウイルス検出で

鳥インフルエンザウイルスの検出を受け、県は今冬、ハクチョウの餌付けが行われた県内7カ所に対し、来季に向けて餌付けの自粛を求めていくことを決めた。

渡り鳥の持つウイルスが、人を介して鶏舎などに持ち込まれるのを防ぐための措置。大館市の長木川では、すでに今冬から餌付けが禁止されている。

県自然保護課によると、今冬県内で餌付けが行われていたのは秋田市の雄物川や横手市の皆瀬川など7カ所。同課は「これまで野鳥に触ったら手を洗うとか、靴に付いたふんを落とすといった対応を呼び掛けてきた。だが、具体的にウイルスが確認されたことで、注意喚起にとどまらず、自粛の方向に向かわざるを得ない」と説明。地元自治体を通じ、保護団体や市民らに協力を求めていく方針だ。

日本では現時点では、白鳥から鳥インフルエンザのウイルスが見つかったという警戒・予防レベルですが、韓国の事態はずっと深刻です。

韓国朝鮮日報韓国KBSより

2008/04/04 10:37:35全北・金堤で鳥インフルエンザ発生
2008/04/11 11:18:54鳥インフルエンザ、全南地域でも発生
2008/04/16 13:50:06鳥インフルエンザ、京畿道でも感染確認
2008/04/17 11:17:51鳥インフルエンザ警報、韓国全土に拡大
2008/04/18 09:19:47鳥インフルエンザ:防疫活動に軍隊を投入
2008-04-22 10:39:02鳥インフルエンザに感染か、作業の兵士1人を隔離
2008/04/26 08:18:33]鳥インフルエンザ:忠清南道でも感染確認
2008-04-28 15:44:00鳥インフルエンザの被害、最大規模に

4月1日に全羅北道金堤の養鶏場で高病原性の鳥インフルエンザ(H5N1)が発生して、18日には軍隊を貿易作業に200人投入しました。
結果として現時点では沈静化しつつあるとのことですが、処分した鶏やアヒルは634万羽に達しました。

警戒しすぎることは無いと言えるでしょう。

4月 29, 2008 at 01:21 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (0)