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2008.04.12

静粛な自動車禁止法?

Response より「プリウス に騒音は必要?…車の静かさ防止法案

アメリカ議会では早ければ2010年の実施を目指し、車が出す音の最低限レベルを決定する法案を検討中。

「ハイブリッド、EVなどの音が静かすぎて危険」という不満が、特に視覚障害者などから聞かれることから、歩行者の安全を守るために、車が出す騒音の最低レベルを決定する必要があるかどうか、米運輸省にリサーチを実施させる。

実はこうした法案は州レベルではすでに実施されており、今年3月メリーランド州では実際に音の最低レベルを設定する法案が州議会を通過している。

法案は各自動車メーカーに対し2年間のコンプライアンス期間を設定するもので、今年中に法案が可決されれば2010年に販売予定のモデルから、「最低騒音」が義務づけられることになる。

しかし問題視されているハイブリッドの無音は特にトヨタの『プリウス』、ホンダ『シビックハイブリッド』などが対象で、より大型の2モードハイブリッドを採用しているビッグ3のモデルは特に問題が指摘されていない。

アメリカでは「プリウスは日本政府の支援で作られた」発言など、日本のメーカーに対する警戒感を思わせる動きが高まっており、今回の「騒音は必要」議論も結局は日本車をターゲットにしたもの、と言えるかもしれない。

まあ確かにアメリカがなりふり構わずに日本のハイブリッド車の増加を抑えに掛かるというの大いにあり得ることですが、ハイブリッド車(正確には電動自動車)がエンジン駆動の自動車と騒音発生レベルのが全く違う、というのは社会的に問題になると思います。

たまたま今日「ありゃ??」という経験をしました。

今日(2008/04/12)の昼過ぎに歩いてとなり駅まで行ったのですが、途中の信号付き交差点でエスティマハイブリッドが目の前を横切っていきました。

今エスティマハイブリッドには非常に興味があるために、普通のエスティマと僅かな外形の違いを見分けることが出来ます。
それで、ちょっと向こうにいるエスティマハイブリッドを見て「ハイブリッドだ」と分かったのですが、目の前を通りすぎていく車の姿と音が頭の中で合成しないような感じになりました。

思い出してみますと、目の前を通るところと通り過ぎた後の音が期待していた音ではないと感じたのですね。 明らかに「ヘンな音」というより「なんだこの音の変化は」でした。

エスティマハイブリッドは十字路の交差点をまっすぐに通り抜けてきたのですが、道は交差点に進入する前にはダラダラと続く下り坂です。交差点を通り抜けるとすぐに上り坂になって一時停止になります。

普通のエンジン付きの車であれば、近づいてくるときの音はエンジンを吹かしていない下り坂、通り抜けてすぐに一時停止という状態では、通常走行からエンジンブレーキで減速中でしょうから、非常に静かでしょう。
目の前を通り過ぎると、排気音がはっきり聞こえるから「通過後に音が大きくなる」と判断するようです。

それが、通過前も通過中も通過後も同じような音でした。ほとんどはタイヤの音だったと思います。

これが違和感の原因だと思うのですが、決して無音ではないのです。しかし、聞き慣れている自動車の音でもありません。

そういう違和感を無くそうというアメリカの考えは分からないでもないですが、法律で決めるよりも社会の慣れの方が有効だろうとは思います。

以前、初代プリウスが目の前でバックを始めたときにもビックリしましたっけ。難しいものですね。

4月 12, 2008 at 08:54 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

トラックホイルー脱落死亡事故

中日新聞より「脱落タイヤは全ボルト破損 東名バス事故、点検ミスか

静岡県牧之原市坂部の東名高速道路で11日、大型トラックのタイヤが外れて対向の「名阪近鉄バス」(名古屋市中村区)の観光バスを直撃、バス運転手の関谷定男さん(57)=岐阜県大垣市浅草2=が死亡、乗客7人が負傷した事故で、ホイールを車軸に固定するボルト8本がすべて折れてタイヤが脱落した可能性が高いことが、国土交通省中部運輸局静岡運輸支局の調べで分かった。

乗客の証言やバス会社によると、関谷さんはタイヤの直撃を受けて倒れながらもブレーキをめいっぱい踏み込んだままで、バスは中央分離帯の縁石に乗り上げた後、約60メートル進んで止まった。

国交省などによると、脱落したタイヤは6カ所計10本のうち左後輪の外側の1本(直径約1メートル、重さ約100キロ)。中央分離帯にぶつかり、幅3・4メートルの分離帯を飛び越えバスを直撃。高さ約3メートルの運転席上部のガラスを破って車内に突き刺さった。

タイヤは1本当たり8本のボルトでホイールごと固定され、うち2本は破断面がさびていた。既に折れていた可能性があるという。

ボルトの破断は整備不良で発生するケースが多く、県警高速隊はトラックを運転していた静岡市の産業廃棄物処理会社「京阪産業」の男性社員(37)=浜松市=から、自動車運転過失致死傷容疑で事情を聴いている。国交省はトラックメーカー「いすゞ自動車」に調査を指示した。

トラックは1回の走行距離が長いため、ボルトの締め付けが強すぎても弱すぎてもボルトにかかる負荷が大きくなる。このためボルトが1本折れただけでも残りのボルトの負荷が高まり次々折れることがあるという。

バスには乗客乗員計41人が乗り、愛知県犬山市の50-80代の男性1人と女性6人が軽傷を負った。

写真を見ると確かに錆びています。

Up

これはスタッドボルトですよね。そしてナットでホイールを留めている。
錆びているということは、普通に考えて8本中2本のボルトがナットごと抜け落ちて、ホイールに穴が開いていたということになりますよ。

点検を怠ったと言うにしても程度が悪すぎるとなりますね。

4月 12, 2008 at 07:55 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

管制官有罪・東京高裁

昨日(2008/04/11)東京高等裁判所で、2001年1月31日に焼津市上空で起きた、日本航空機同士(747とDC10)の異常接近と回避操作によって、747機内で乗客7名及び客室乗務員2名が重傷を負い、乗客81名及び客室乗務員10名が軽傷を負った、事件で管制官の刑事裁判の控訴審が開かれました。
事故の詳細については「航空事故一覧/2001年」に詳しく出ています。

サンケイ新聞、東京新聞、朝日新聞、読売新聞の記事を並べてみました。

新聞記事にもあるように、地裁判決は管制官だけの責任とは言えないとしたのですが、高等裁判所は管制官に責任があるとしました。
この場合の責任とは刑事責任のことです。

サンケイ新聞は、地裁判決と高裁判決の違いについて説明しています。
東京新聞は、事故調査と刑事責任追及が対立する問題について説明しています。
朝日新聞は、個人に対す類似責任追及よりも事故原因の解明に重点を置くべきだという主張のようです。
読売新聞は、高裁判決があった事実だけを伝えているように見えます。

わたしの意見は、この高裁判決は社会的に意味がないと思います。

高裁判決そのものが、事故原因が複合的であるとしているのですから、その上で管制官の刑事責任を認めて罰することは、法的な意味しかなく社会的には法律が見捨てられような結果しか引き起こさないでしょう。

その意味では、真に必要な法的な判断は、事故調査と刑事責任追及のあり方というより高いレベルの判断であるべきでした。
地裁判決は、そこに踏み込んだ判断であったのだと考えますが、高裁判決は「そういう高級なことを裁判所は考えない」とメッセージしたわけで、世間は「裁判所は信用ならない」と考えるでしょう。

被告が上告するのも当たり前だと思います。

サンケイ新聞より「ニアミス事故で管制官2人に逆転有罪

静岡県上空で平成13年、乗客57人が重軽傷を負った日航機同士のニアミス事故で、便名を言い間違えて事故を起こしたとして業務上過失傷害罪に問われた管制官、蜂谷秀樹(33)、籾井(もみい)康子(38)両被告の控訴審判決公判が11日、東京高裁で開かれた。須田● (=賢の又が忠)裁判長は1審東京地裁の無罪判決を破棄し、蜂谷被告に禁固1年、執行猶予3年、籾井被告に禁固1年6月、執行猶予3年を言い渡した。

便名言い間違いと事故との因果関係などが争点となったが、1審判決は「誤指示は不適切ではあったが、言い間違いがニアミスを招いたとはいえない」と判断。その上で「事故の刑事責任を管制官や機長という個人に追及するのは相当でない」として、2人に無罪を言い渡していた。

検察側は「管制官が重大な人為的ミスを犯しているのに、1審判決は個人の過失責任の追及を放棄している」として控訴。弁護側は控訴棄却を求めていた。

事故は13年1月31日午後3時55分ごろに発生。実地訓練中だった蜂谷被告は、日航958便を降下させようとしたが、誤って同907便に指示。訓練監督者だった籾井被告も誤指示を聞き逃し、907便が緊急回避行動を取ったために乗客57人がけがをした。

管制官、「業務」負担大きく

管制官の指示をめぐる航空機のトラブルは、昨年から今年にかけても各地で相次いで発生した。聞き違いや勘違いといった単純なミスが原因とみられているが、管制業務の負担の大きさが背景にあると危惧(きぐ)する声もある。

今年2月、新千歳空港で日航機が無許可で離陸を開始するトラブルが発生。管制官が指示の中で「テークオフ(離陸)」という用語を使用したのを、乗員が離陸許可を受けたと誤解した可能性が高まっている。

昨年11月には、中部国際空港で中国南方航空機が管制官の指示に従わず、停止線を越えて滑走路に無断進入。直後に着陸予定だった全日空機が着陸をやり直している。

昨年9月には、大阪(伊丹)空港で着陸した日航機が、別機への管制官の指示を誤認して、無許可で滑走路を横断。同空港では翌10月にも、全日空機が管制官の指示とは異なる滑走路に着陸している。

航空評論家の青木謙知さんは「システムがいくら更新されても、管制官の業務は軽減されていない。本来なら管制指示は復唱が当然だが、忙しさの中でなおざりになることもある。人間のミスを百パーセントなくせない以上、バックアップするシステムの構築が必要」と指摘している。

管制官の単純ミスは「危険行為」 ニアミス公判解説

降下を指示すべき便名を言い間違えた管制官2人を逆転有罪とした11日の東京高裁判決。1審判決とは正反対の結論になったのは、便名言い間違いというミスを「実質的に危険な行為」ととらえたか否か、その認定の差に尽きる。

1審判決は、たとえ907便が誤指示により降下しても、958便は航空機衝突防止装置(TCAS)が作動しなければ水平飛行を続けていた-という前提で判断。「その段階では衝突を招く危険な指示ではなかった」として、言い間違いミスには実質的な危険性はなかったと判断した。

しかし高裁判決は、TCASによって907便には上昇指示が、958便には降下指示が現実に出ていた点を重視。958便が水平飛行する前提で判断した1審判決を「両機が急接近しているという切迫した状況を踏まえておらず、事実から目を背けた空論」と批判した。

その上で、管制官が907便に誤って降下指示を出したことこそが、958便とニアミスを起こし、急激な回避措置によって乗客がけがをする恐れのある「実質的に極めて危険な管制指示」と明確に認定した。

管制官による誤った指示、TCASによる指示、機長判断による緊急回避措置-と、このニアミスは複雑な要素がからみ合って発生している。ただ判決は、管制官の単純ミスは大惨事につながりかねないということを厳格に示した点で、航空行政に携わる者への大きな戒めとなろう。(福田哲士)

東京新聞より「2管制官に逆転有罪 日航ニアミス 東京高裁『誤った指示が原因』

静岡県焼津市沖の上空で二〇〇一年に起きた日航機同士のニアミス事故で、業務上過失傷害罪に問われた管制官の蜂谷秀樹(33)、監督役の籾井(もみい)康子(39)両被告の控訴審判決が十一日、東京高裁であった。

須田賢裁判長は両被告を無罪とした一審の東京地裁判決を破棄、籾井被告に禁固一年六月、執行猶予三年(求刑禁固一年六月)、蜂谷被告に同一年、同三年(同一年)の逆転有罪を言い渡した。

管制官の刑事責任を問えるかが焦点だったが、判決は「便名を間違え危険な管制指示を出した初歩的誤りで、指示と乗客の負傷との間には因果関係が認められる」と、ニアミス事故で刑事責任を初めて認定した。

航空機事故では、刑事責任より原因究明の重視が世界的な流れだが、今回の判決はそれに逆行する形となった。

一審は「管制指示は不適切だったが(管制官の)指示通りなら両機の間隔は保たれ、危険性はなかった」と判断した。

事故空域では当時、最低二千フィート(約六百十メートル)が安全な垂直間隔の基準だったが、事故後に千フィートに変更された。

須田裁判長は「便名を間違え、二千フィートを切ったから衝突防止装置(TCAS)が作動した。誤った指示がなければ事故は起こり得ず、刑法上の注意義務に違反する」と述べた。

両被告は上告する方針。

■再発防止より責任追及

<解説>日航機ニアミス事故で、管制官に有罪を言い渡した十一日の東京高裁判決は、航空機事故で個人の責任を追及するより、原因追及によって再発防止につなげることを重視する世界的な流れに逆らう格好となった。

判決は、ニアミスに至るまでの流れを(1)管制官の誤指示(2)指示後に両機の衝突防止装置が作動(3)一機の機長が装置の指示に従わず両機が接近-と認定。

弁護側は「管制官は装置の作動を予見できなかった」として(1)と(2)(3)に関連はないと主張したが、判決は(1)がなければ(2)(3)はなかったとして管制官の刑事責任を認定した。

航空機事故は複雑な要因で生じる。個人に責任を負わせるだけでは、裁判に不利になるとの理由で証言を拒まれて事故防止策には生かされない。国際的に原因究明を重視する背景にはそうした事情がある。

一九九七年に三重県上空で日航機が乱高下し乗客らが負傷した事故の刑事裁判で、原因究明を目的とした運輸省(当時)の調査報告書が証拠採用された是非が問題になったのも同じ理由からだ。

ある管制官は「人為的ミスを完全に防ぐことは難しいが、事故を教訓にするには責任の追及よりも優先して取り組むべきことがある」と指摘。実際、事故後に管制官の指示ではなく装置の指示に従うとのルールに改められ、再発防止に生かされている。

航空需要が増大する中、日本の空は安全を確保しつつ便数の増加が求められている。ニアミス回避の管制業務をどう行うのか。個人に責任を帰した判決が現場を萎縮(いしゅく)させないか。判決が及ぼす影響を見守る必要がある。(寺岡秀樹)

<日航機ニアミス事故>2001年1月31日午後3時55分ごろ、静岡県焼津市上空で羽田発那覇行き日航907便と韓国・釜山発成田行き日航958便が接近、管制官が便名を取り違えて907便に降下を指示した。直後、907便の機体に取り付けられたTCASが上昇を、958便のTCASは下降をそれぞれ指示。907便の機長はTCASの指示に反して管制官の指示に従ったため両機は異常接近し、907便が回避のため急降下した際、乗客乗員計100人が重軽傷を負った。

朝日新聞より「「もう管制できない」ニアミス逆転有罪、現場に衝撃

「危険は決して生じさせてはならない」――。01年に起きた日本航空機のニアミス事故訴訟で、東京高裁は管制官の職務上の義務を厳しく指摘し、管制官2人に有罪判決を言い渡した。様々な要因が絡む航空事故で、個人の刑事責任が認定されたことで、関係者に驚きと不安が広がった。

「明日からというか、今日から管制業務はできない」。籾井康子被告は判決後の会見で、現場への影響をこう語った。一瞬の「言い間違い」が厳しく断じられた点について、「現場に不安と緊張を強いるもの。安全にとって有害」と声を詰まらせた。

国土交通省航空局の幹部は「実務への影響が心配」と話す。日本上空の交通量は、事故当時の年間約410万機(全空域の延べ数)から現在約500万機と約22%増加。だが管制官は1732人から1950人と約13%しか増えていない。今後成田空港の滑走路延伸や羽田の再拡張などで、より多くの機体をギリギリの間隔でさばくことが求められている。

今回の事故は、同省航空・鉄道事故調査委員会の報告書でも、システムの不備や運用の不徹底など複数の要因が指摘された。こうした状況を踏まえ、一審・東京地裁は、個人への刑事責任追及は「相当でない」としていた。

欧米では影響が大きい事故の場合、当事者を免責したうえで真実をすべて語らせ、再発防止に役立てる考え方が主流になりつつある。過度な責任追及は、原因究明に支障をきたす恐れもある。処罰を逃れようと、当事者が真実を語らなくなる可能性があるからだ。この点で、今回の高裁判決は国際的な流れに逆行する形となった。

管制官ら運輸行政に携わる労働者で構成される全運輸労働組合(組合員約9千人)も「再発防止より個人の責任追及を優先する対応は問題」と批判する声明を出した。

管制交信ミスによるトラブルは最近も多発。ほとんどが「聞き間違い」や「誤解」だ。ベテランの事故調査官も「声だけに頼る交信に誤りはつきもの」と言う。国交省も「人間は間違える」ことを前提に、二重三重の安全策の構築に乗り出したところだった。

10月から事故調査委は「運輸安全委員会」となり、海難も扱う総合的な機関として調査力の向上が期待される。同委が当事者から再発防止の核心に迫る証言を引き出すことが必須で、航空関係者には「免責」を含めた検討が必要とする意見もある。

一方で、多くの犠牲者が出たり、過失が明らかだったりした場合には「刑事責任は当然」という意見が強くなる。被害者感情もある。再発防止と刑事責任追及のどちらに重きを置くか、議論を求める声が高まっている。(佐々木学)

読売新聞より「日航機ニアミス事故の控訴審、管制官2人に逆転有罪判決

静岡県焼津市上空で2001年、日本航空機同士が異常接近(ニアミス)して乗客57人が重軽傷を負った事故で、業務上過失傷害罪に問われた国土交通省東京航空交通管制部の管制官、籾井(もみい)康子(39)、蜂谷(はちたに)秀樹(33)両被告の控訴審判決が11日、東京高裁であった。

須田賢裁判長は「便名を言い間違えるなど、管制官に要求される最も基本的で重要な注意義務に違反し、多数の乗客に傷害を負わせた」と述べ、無罪とした1審・東京地裁判決を破棄し、籾井被告に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑・禁固1年6月)、蜂谷被告に禁固1年、執行猶予3年(求刑・禁固1年)の逆転有罪判決を言い渡した。

ニアミス事故で管制官が有罪となったのは初めて。両被告は上告する方針。

判決によると、蜂谷被告は01年1月、焼津市上空を上昇中の日航907便と水平飛行中の同958便が急接近した際、誤って907便に降下を指示し、両機を異常接近させた。監督していた籾井被告も間違いに気付かず、衝突回避のため急降下した907便の乗客57人にけがをさせた。

判決はまず、「2人が958便を降下させる管制指示をしていれば、事故は起こりえなかった」と指摘。管制ミスと事故の因果関係を認め、「極めて危険な管制指示で、刑法上の注意義務に違反することは明らか」と述べた。

1審判決は、管制ミスの後、907便の機長が衝突防止装置(TCAS)に従わずに降下したことなど複数の要因が事故につながった点を考慮し、「管制官の誤った指示が直接の事故原因とはいえない」としたが、この日の判決は「誤った指示が機長の急降下を余儀なくさせた」と認定した。

一方で、判決は「当時の管制システムには、管制官の人為ミスを事故に結びつけないようにする観点から、不備があったことは否めない」と述べた。

4月 12, 2008 at 09:38 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2008.04.10

ホーイング787・納期の再々延期

CNN.co.jp より「787型機の納入、3度目の延期 米ボーイング

航空機製造大手の米ボーイング社は9日、製造中の次世代中距離機787型「ドリームライナー」の引き渡し時期を、2009年7─9月期に延期すると発表した。
同社が787型機の納入を延期するのは、今年1月に続いて3度目となる。

最初の納入先は全日本空輸。当初の予定では、今年5月に引き渡す予定だったが、昨年10月に部品納入の遅れが原因だとして、2008年11月から12月に。

今年の1月には、再度の延期で引き渡しは09年にずれ込んでおり、3度目の延期に全日本空輸は「非常に落胆した」としている。

引き渡しの延期理由は、製造工程の遅れや各国企業が生産する部品の到着遅延などとしている。

  • 2008年5月
  • 2008年12月
  • 2009年3月
  • 2009年9月

と引き渡しが延びてきたわけで、もう単純に四半期単位で延びてますね。
それにしてもまだ初飛行していないんですよね。
「納期がいつになるのか言えない」ということなのでしょう。

もうすでに複数の機体が完成しているという情報もあり、必ずしも1号機を先に飛ばすということにはならないのかもしれませんが、それでは1950年代のジェット機揺籃時代と同じです。
作ってみなければ分からないというか作ってみても分からない、なのかもしれません。

同じく飛べないのが、川崎重工が作っている自衛隊の次期輸送機C-Xでこれは強度不足で設計からやり直ししたそうです。

飛行機はすでに100年の歴史がある技術で、設計については充分に枯れていると思っていたのですが、複合素材を使ったりすると、とんでもないことが起きるのでしょうか?
全日空・日航共に燃料費高騰と787の導入遅れが株価に影響しているそうで、788カスタマーはボーイングに対して続々と賠償請求を起こす可能性があると、AFP BB は報じています。

4月 10, 2008 at 08:23 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

小林温・選挙違反高裁判決

読売新聞神奈川版より「出納責任者の控訴棄却

昨年7月の参院選神奈川選挙区で当選した小林温・前参院議員(辞職)派幹部の選挙違反事件で、公選法違反の罪に問われた出納責任者で元私設秘書の控訴審判決が9日、東京高裁であった。

原田国男裁判長は「違法性の認識があった」と述べ、懲役1年2月、執行猶予5年の1審・横浜地裁判決を支持し、控訴を棄却した。
被告は即日、最高裁に上告した。

1審では、現金を受け取ったアルバイト学生らの活動が、公職選挙法で認められた労務かビラ配りなどの選挙運動かが争われ、2審では被告の違法性の認識の有無が焦点になっていた。

原田裁判長は「設営隊(アルバイト学生ら)が選挙運動を行っていたことは、小林陣営すべてが知り得ていた。選挙の中枢にいる被告が、違う認識をしていたとは言えない。違反が認められる」と認定した。

判決によると、被告は昨年7月29日~8月1日、自民党県連職員と、大学生ら24人に、小林氏への投票を依頼するビラ配りなどの選挙運動への報酬として、1人1万~12万円の計151万円を手渡した。

県連職員の有罪判決は確定しており、東京高検が、連座制の規定に基づき、小林前議員に同選挙区から5年間、立候補を禁止することを求める行政訴訟を起こしている。

弁護団の高原将光弁護士は「有罪にするため、都合の良い事実だけをつまみ食いしたような判決。
裁判所は選挙の実態を知らないのではないか」と話した。

自民党県連の竹内英明幹事長は「被告が最高裁までやるというなら、県連としても支援したい」と話した。

◆「有罪ショック 戦い続ける」◆

前参院議員の小林温氏(43)は9日夜、東京・赤坂の会社事務所で読売新聞の取材に応じ、「報酬は正当なもので判決は非常にショック。無罪を信じていたが残念、これからもさんをサポートし、戦い続ける」と語った。現在は政治活動から身を引いており、「今後のことはまだ考えられない」としている。

小林氏が取材に応じるのは、議員辞職した昨年9月の記者会見以来。
1、2審を通じ、小林氏は、公判を傍聴していないが、秘書だった被告とは頻繁に連絡を取り合っているといい、この日の判決後も「納得が行かないので、上告することにした」と電話で伝えてきた被告に、「無罪を勝ち取るまで頑張ろう」と話したという。

再び、有罪が言い渡されたことに、小林氏は「秘書だから何でも知っているのか。(被告は)地元の選挙活動にはノータッチだった。つぎはぎの供述を結んだ推測で有罪と決めつけている」と批判した。

その上で、県民に対しては、「たくさん票を頂いたのに、仕事を出来ずに申し訳ない」と謝罪。「無実を勝ち取ることが、有権者に対する一番の説明になる」と話した。

小林氏は被告と、県連職員の男性に有罪を言い渡した昨年12月4日の1審判決後、横浜市内から現在の事務所に移り、現在はIT関係の仕事を始めたという。事務所の会議室には、支持者に配る予定だった著書などが入った段ボールが無造作に積まれたままになっていた。

被告側の言い分に「選挙の実態を知らない」とありますが、実際に2007年4月統一地方選挙をやっていた者としては「選挙の実態を知らないのは、小林元議員側だ」と強く指摘します。

わたしが参加した選挙でも、2003年の選挙ではバイト代を払うのが一般的でした。
公選法の解釈ではどうなのか?は当時も議論しましたが、小林元議員側の主張のように「学生の活動が選挙運動なのか、労務なのかをどうやって区別するのだ?」が常に論点になっていました。

もっと考えてしまったのは「金額はどこまでOK?」でした。選挙の事務なんてのは、考えようによっては、30分で終わりもあれば、16時間・20時間という仕事もあります。要するに管理からして大変。そこで、日当1万5千円として、それを30分の仕事に払ったら問題だろうということです。

2004年の選挙では「普通のアルバイト時給なら良いだろう」が一般的でした。しかし、この時も「根拠はないよな」と思いつつやっていたのが実態でした。

2007年の統一地方選挙では、4月の選挙なのに、1月頃から「規制が厳しくなった」という情報は飛び交っていました。
選挙運動の悩ましいところは、法的には選挙運動は公示後ですから一週間(わたしのやった選挙)なのですが何ヶ月か前から「政治運動」は継続しているわけです。どこかに「選挙運動とみなす」という線があるわけですが、それが分からない。

政治運動にアルバイトを動員して、バイト代を払うのは正当な行為ですが、どこかで「今日からは選挙運動とみなされるから、バイト代は払いません」とやることになります。
言葉では簡単に言えますが、事務所としては「明日から人が来なければどうしよう?」です。

そういう困難を乗り越えるのも、選挙の一部なのでしょう。

小林元議員側が選挙の実態を知らないで選挙運動に突入した、と指摘します。

4月 10, 2008 at 09:53 午前 選挙 | | コメント (5) | トラックバック (0)

手形偽造事件・拡大

サンケイ新聞より「偽造手形事件で文科省 「受取人」財団を調査 理事長は富士通前副社長

神戸製鋼所など有名企業の子会社などの偽造手形が相次いで見つかっている事件で、栗本鐵工所子会社と松下電工の関連会社の偽造手形の受取人や裏書人になっていた財団法人「科学技術教育協会」(東京)について、所管の文部科学省は9日、「重大事案にもかかわらず報告がない」として調査に乗り出した。

財団の理事長は、8日付で富士通副社長を突然退任した小野敏彦氏(60)だったことも判明。富士通は「財団理事長をしていたとは知らなかった」としている。

富士通によると、小野氏は8日、副社長と3月に設立された半導体子会社「富士通マイクロエレクトロニクス」社長の両役職について、「一身上の都合で退任する」と届け出た。

詳しい理由を説明せずに退社したといい、広報IR室は「本人から説明もなく突然辞められ、対応に困っている。新会社を立ち上げて自ら記者会見したばかりなのに」と困惑している。

文科省によると、小野氏は昨年9月、財団の非常勤理事長に就任し、役員名簿には本職を富士通副社長と記載していた。ところが、富士通側には本人から理事長就任の報告が一切なかったという。財団は「理事長と富士通の前副社長が同一人物かどうかは、理由があって話せない」と不可解な説明に終始している。

栗本鐵工所子会社の偽造手形6通の受取人欄には、財団名と理事長名が記載。松下電工関連会社の偽造手形2通の受取人欄にも財団名が記され、振出人の横には小野氏個人の氏名と住所、押印があったという。

財団は一連の経緯を自ら文科省に報告しておらず、文科省初等中等教育企画課は「偽造手形の受取人になっていたとなれば重大な話なのに、なぜ報告が一度もなかったのか。今後、財団から詳しい話を聴いて実態を調べたい」としている。

これだけだと単に連絡不十分なように思えますが、こんな報道がありました。
Tech Oh! より「富士通マイクロエレクトロニクス代表取締役社長の小野敏彦氏,就任後わずか18日で辞任

富士通マイクロエレクトロニクスの代表取締役社長の小野敏彦氏が一身上の都合のため2008年4月8日付けで辞任した。

富士通マイクロエレクトロニクスは2008年3月21日に富士通のLSI事業を会社分割により分社化して設立された(関連記事)。小野氏は2008年3月21日の社長就任後,わずか18日間で辞任したことになる。

富士通マイクロエレクトロニクスの後任の代表取締役社長は岡田晴基氏である。岡田氏は1973年4月に富士通に入社し,同社で購買本部長,経営執行役上席常務,取締役上席常務などを歴任してきた。岡田氏は2008年3月21日に決定した富士通マイクロエレクトロニクスの役員人事では取締役(非常勤)に就任していた。

時系列で並べるとこんな事になります。

「手形偽造事件拡大」に書きましたが、ゾロゾロとつながりのある一連の事件の様相を呈してきました。

2007年9月8日松本引越センター社長が自殺/大阪・四条畷
2007年9月25日松本引越センター会長、無断で数億円手形に裏書 関連2社の印使い
2007年10月4日「松本引越」が会長を解任 手形裏書問題で 大阪府警に特別背任の告訴状提出
2008年2月500万円の「栗本鉄工所」子会社の手形が「本物か確認してほしい」と問い合わせがあり
2008年3月21日富士通マイクロエレクトロニクス設立。小野氏社長就任
2008年4月3日「栗本鉄工所」子会社の偽造手形、3億円分が出回る
2008年4月4日手形偽造グループ、松本引越センター元会長の手形問題にも関与か
2008年4月8日富士通代表取締役副社長.富士通マイクロエレクトロニクス社長小野敏彦氏が両役職から退任
2008年4月10日偽造手形事件で文科省 「受取人」財団を調査 理事長は富士通前副社長

よく分からないことの方が多いのですが、松本引越センターの会長、富士通の副社長といった有名人の名前が出てくるところが不気味です。
しかも、これだけの大事件になっているのに誰も事情説明をしていない。何が起きているのでしょうか?

4月 10, 2008 at 09:22 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.08

統一教会が巨額賠償に応じた

朝日新聞より「統一教会、2.3億円示談「国の責任問う」で一転増額

「夫が病死したのは先祖からの因縁のせい」と脅され多額の献金をさせられたなどとして、世界基督教統一神霊協会(統一教会)などに約2億6千万円の損害賠償を求めた千葉県内の女性(70)に、統一教会側が2億3千万円を支払うことで示談が成立した。
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)によると、統一教会側が1人に支払う示談額としては過去最高という。

示談交渉で教会側は、1億3千万円を最高額として提示していた。
しかし女性側が統一教会を所管する文部科学省の責任も問う姿勢をみせたところ、約1億円を上乗せした。
民事訴訟としては昨年7月、統一教会側に2億7620万円の賠償を原告1人に払うよう命じた東京高裁の判決が最高額(確定)。

女性側代理人の紀藤正樹弁護士によると、06年8月、賠償を求める通知書を初めて送った。
これに対し統一教会側は当初、最高約1億3千万円の提示だった。女性側は昨年12月、「統一教会が誠意ある対応を取らない責任は文科省にもある」とする通知書と訴状案を送付。
訴状では、宗教法人である統一教会を所管する文科省も被告とし、不作為を追及する姿勢を示した。

統一教会側はその後、歩み寄り、約2億2千万円だった女性の被害額を約1千万円上回る解決金を払うことに先月合意し、支払いを始めた。

宗教法人法は、文科省が事業停止を命じたり、裁判所に解散命令を求めたりすることができる、と定めている。

紀藤弁護士は「統一教会は伝道活動、資金獲得活動といった宗教活動の根幹部分について、最高裁で違法性を認められた稀有(けう)な宗教法人で、違法集団と呼んでいい」と指摘し、文科省は同法に基づく是正措置を取るべきだと主張している。
全国弁連事務局長の山口広弁護士は「統一教会側が高額の示談に応じたのは、文科省を刺激し、事業停止などの措置を受けたくないという思惑が働いたからではないか」とみている。

統一教会広報部は「信者間の和解で法人は関係ない。信者のプライバシーにかかわるのでコメントは控える」としている。

統一教会が文科省を巻き込むとしたら、支払に応じたというのは自ら宗教法人法に抵触している可能性があると認めているようなものでしょう。
しかし「信者間の和解で法人は関係ない」とは何を言いたいのだろうか?

カルト宗教の認定システムが必要だと思う。

4月 8, 2008 at 05:49 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)

裁判員裁判・来年秋から本格化?

サンケイ新聞より「裁判員制度、来年5月21日に施行 法務省、政令案を公表

法務省は8日、裁判員制度の施行日を来年5月21日とする政令案を与党に公表した。政府は近く閣議決定する。

方針通り5月21日施行となれば、同日以降に殺人や強盗致傷などの罪で起訴された事件については、裁判員裁判として公判が開かれる。

初めての裁判員裁判は、早ければ7月下旬から8月上旬になる見通しだ。

裁判員法では、施行日について公布日(平成16年5月28日)から5年以内と定め、来年5月27日が期限だった。施行日を5月21日としたことについて、法務省は、

  1. 国民への周知、体制整備のためできる限りの期間を確保する必要がある
  2. 5月21日は裁判員法の国会での成立日で丸5年にあたり、施行日としてふさわしい

としている。
最高裁や日弁連も5月中旬以降を希望していた。

裁判員制度の審理対象は施行日以降に起訴された殺人、強盗致傷、危険運転致死罪などの重大事件。

すべての対象事件は、初公判前に争点を整理するための公判前整理手続きがあり、初公判の原則6週間前までに裁判員候補者に呼び出し状を送付する必要があるため、施行後、実際に裁判員裁判が開かれるのは、早くても7月下旬から8月上旬になる見通しという。

法務省はあわせて、裁判員候補者名簿の作成準備を始める期日について、今年7月15日とする政令案を公表。

同日以降、裁判員裁判を実施する各地裁・支部は管内の市町村にどれぐらい有権者がいるかを照会した上で、9月1日までに各市町村に必要な裁判員候補者数を知らせる。
裁判員候補者には今年11月以降に通知が届く予定という。

18年から始まった捜査段階での容疑者の弁護活動に国費を出す「被疑者国選弁護制度」の対象事件を5月21日から拡大するとした政令案もまとまった。現在は、殺人や強盗など一部の事件に限定されているが、拡大後は窃盗や詐欺、恐喝などの事件にも適用される。

自民党は裁判員法制定過程で、施行日の政令について閣議決定前に了承を得るよう求めていた。

与党は8日、裁判員法の施行日を来年5月21日とする政府案を了承した。政府は近く施行日を定めた政令を閣議決定する。

同じくサンケイ新聞より「裁判員制度施行日、「希望通り」と最高裁 日弁連は最大限努力

「希望通り。あとは準備を進めるだけ」。
裁判員制度を来年5月21日から始動させる政府の施行日案が8日示され、最高裁幹部らは安堵(あんど)の表情を見せた。準備の遅れが指摘されている日弁連は「最大限の努力をしていく」としている。

最高裁の小川正持刑事局長は「具体的な日にちが決まり、国民の間に制度への『現実感』が一層高まると思う。気持ちを新たにし、準備する」と述べた。今後、裁判員選任手続きや審理、評議の進め方などについて細部を詰める。

一方、日弁連関係者によると、個人加入の各弁護士会は組織で対応する最高裁や法務省・検察庁に比べ、準備が効率的に進まない。
裁判員裁判の弁護人確保や弁護技術の向上が課題で、今年1月に陪審制度の米国から弁護士を招いた研修会後、弁護技術はレベルアップが図られているという。

2009年5月21日に起きた事件が裁判員裁判になるまでの手順は、逮捕・送検・起訴・公判前整理手続,裁判員呼び出し手続、第一回公判となるのでしょうから、計算上は最短だと7月16日には初めての裁判員裁判が開かれる可能性があります。
新聞記事にある「7月下旬」というのは容疑者逮捕が5月21日であっても検察が起訴するまで時間の掛かるややこしい事件であった場合に7月29日と計算できるので、このことを指しているようです。

現実には、事件直後に逮捕・送検にならずに10日間ぐらい警察の捜査に時間が掛かるようですと、8月は裁判所も夏休みですから、9月になってから裁判員裁判が数多く開かれることになるでしょう。

4月 8, 2008 at 02:34 午後 裁判員裁判 | | コメント (1) | トラックバック (1)

裁判員裁判の難点

朝日新聞より「一審は裁判員…「市民の常識」覆せるか、悩む高裁裁判官

一審で裁判員が意見を出し合ってまとめた結論を、これまで通り裁判官だけで審理する高裁、最高裁が覆せるのはどんな場合か――。
来春始まる裁判員制度で「手つかずの最大の課題」と言われているのが控訴審のあり方だ。高裁の裁判官も悩んでいる。

「一審で決着する裁判はまれです。二審、三審は裁判官が独自に判断するのなら、一審判決は事件の決着に何の影響も及ぼさないのでしょうか」

朝日新聞社に1月、読者から寄せられた質問メールの疑問は、裁判員制度がつくられた時からの課題だ。司法制度改革推進本部の03年の議事録には、弁護士や学者らのこんなやりとりがある。

「控訴審は一審の記録の検討が中心。市民には負担が重すぎる」

「一審の内容に誤りがないかを、記録に照らして事後的にチェックすることに裁判官が徹すればよいのではないか」

結局、控訴審や上告審は裁判官だけで審理することで固まったものの、昨年7月と10月に全国から裁判官が集まった研究会では、さまざまな意見が出た。

「検察、弁護側とも一審を主戦場にするべきなのは間違いないが、結論に影響のある新たな証拠が控訴審で提出された場合は、どうするのか」

「仮に、経験則に反するとして一審判決を破棄すれば、国民の常識が反映された結論が誤っていると宣言することになってしまう」

二審で一審判決を破棄する場合は、自ら結論を出す「自判」をするか「差し戻す」かどちらかを選ぶことになる。

「有罪から無罪に変える」など被告にとって有利な変更ならまだしも、「無罪から有罪に」という判断を下すことに、抵抗を感じる裁判官は少なくない。差し戻すとなると、改めて裁判員を選び直し、一審と二審の記録を市民に読み込んでもらうなどの必要があり、大きな負担となる。

最高裁の司法研修所はいま、高裁の裁判官や若手裁判官、刑事訴訟法学者を交えたチームをつくり、「控訴審の審理のあり方」をテーマに研究を続けており、今秋には報告書を公表する予定だ。

高裁での経験が豊富な裁判官の一人は「これまでよりは当然、一審の判断を尊重することになるだろう」と話す。別の高裁裁判官は「実際に制度が始まり、一審の裁判が一般の国民にどのように受け止められるかによって、控訴審のあり方も変わってくるのではないか」と予測。まさに手探りだ。(岩田清隆)

ここまで踏み込んだ議論は今までほとんど無かったと思うのですが、いよいよ実施が近づいてくると色々と考えてしまいますね。

日本の裁判は地裁・高裁・最高裁の三審制ですが、その内容について実際的なところはあまり知られていないかと思います。

もちろん地裁の判決に不満があれば高裁に控訴審の判決を求め、それでも不満なら最高裁に上告するのはよく分かっていることです。
もうちょっと細かく考えて、高裁は地裁と同じ裁判をやり直すのが仕事でしょうか?と考えてみます。
それでは単に二重にしているだけになってしまって意味がありません。地裁と高裁は役割が違っていて当然です。

建前として、地裁(第一審)で全ての事実が法廷に出されて、審理した結果が判決になります。
もちろん判決に不満がある側は「地裁の判断がおかしい」とするわけで、高裁はこの「おかしい」について審理するのです。

だから、地裁と高裁では判断するところが違っています。
こういうことを踏まえて、新聞記事を読んでみるとわたしが重要だと思うのは

二審で一審判決を破棄する場合は、自ら結論を出す「自判」をするか「差し戻す」かどちらかを選ぶことになる。

差し戻すとなると、改めて裁判員を選び直し、一審と二審の記録を市民に読み込んでもらうなどの必要があり、大きな負担となる。

つまり、差し戻しするよりも高裁が自判した方が良い、とするかどうかという問題が出てきそうです。
もちろん、差し戻し審で新たに集められた裁判員は、記録を読んで改めてやり直しの判決を出すのでかなり大変な作業になるでしょう。

こうなりますと、裁判員裁判制度の広報で「3日で判決」とか言っているように進むのが、現実的には無理という場合(裁判)も出てきそうです。
いくら迅速に進めるとしては「結論が出せないから打ち切り」には出来ませんから、裁判員裁判でも「予想外の長期審理」というのはありうることだと思います。

現在のところ、新聞記事のように「差し戻し審をどうする」とか「予想外の長期審理にどう対応する」といった、「起こりうる事柄」についての検討が十分ではないと思います。
一応の目安ぐらいは出しておきませんと、裁判員が全員ストライキといったことが起こるかもしれません。

4月 8, 2008 at 11:03 午前 裁判員裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

弁護士会除名処分

サンケイ新聞より「報酬受け事件放置 弁護士を除名処分

仮処分申立請求の代理人になり、報酬を受け取ったが事件を放置したなどとして、東京弁護士会は7日、同会所属の長谷川豊司弁護士(44)を除名処分とした。

除名は弁護士法に基づく懲戒処分の中で最も重く、弁護士資格がなくなり一切の弁護士活動ができなくなる。同会で除名処分となった弁護士は平成18年以来。

同会によると長谷川弁護士は16~18年、報酬を受け取ったのに破産手続き開始の申立をしないなど計7件を放置するなどした。長谷川弁護士は、国選弁護人を務めた判決公判を無断欠席したなどとして、昨年10月に業務停止2月の懲戒処分を受けている。

  • 仮処分申立請求事件を放置
  • 破産手続き開始の申立など計7件を放置
  • 国選弁護人を務めた判決公判を無断欠席

なんかすご過ぎます。

東京弁護士会のサイトではすでに情報が削除されているのですが、事務所のホームページがあるのですが、すごいことになっています。
これ!

なんなんでしょう?

4月 8, 2008 at 10:24 午前 事件と裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2008.04.07

海峡横断6事業棚上げ

日経新聞より「海峡横断6事業棚上げ、国交省方針

国土交通省は大規模な橋やトンネル工事を伴う道路計画「海峡横断プロジェクト」を棚上げする方針を固めた。

計画は神奈川県横須賀市と千葉県富津市を結ぶ「東京湾口道路」など6カ所。
道路建設への批判を受け、採算の見込めない大規模事業をようやく見直す。今後は「10年間で59兆円」という道路整備の中期計画の圧縮が焦点となる。

海峡横断プロジェクトは1998年に閣議決定し、建設を前提に調査してきた。中期計画には含まれない道路計画で、国交省は6カ所とも着工年度や完成年度、建設費など具体的な整備計画を公表していない。
これまで道路特定財源から68億円の調査費が費やされてきた。

6つの海峡横断プロジェクトとは

Up

だそうです。

東京新聞が特集記事「【道路を問う】」の第3部で「怪しい優先順位<中> 懲りない大橋の夢 海峡連結構想 採算遠く」にまとめ記事を書いています。

旧日本陸軍の要塞(ようさい)があった和歌山市の加太(かだ)岬。丘の上にある国民休暇村からは、二つの無人島を挟んで淡路島が見える。

「あそこから見ると近いでしょ。だから淡路島まで橋を架けられそうな気になるんだろうな」と地元の土産物店主(48)。

加太岬と淡路島・洲本市(兵庫県)を橋で結び、神戸淡路鳴門自動車道と接続する構想がある。地域高規格道路の候補路線、「紀淡連絡道路」だ。完成には、神戸淡路鳴門自動車道の明石海峡大橋(三千九百十一メートル)をしのぐ超・長大橋の建設が必要となる。

一九九八年の全国総合開発計画(五全総)に、紀淡連絡道路の名前が挙がった。加太の老舗ホテル従業員(56)は「確かにその前後は盛り上がってた。漁業権を高く売るなんて景気のいい話もあった。でも今は皆、忘れてる。夢だよ、夢」。

対岸の淡路島・洲本市。「地方分権というならそれなりの環境も必要だ」と柳実郎市長(62)は紀淡連絡道路の必要性を訴える。だが、市民からの要望は「非常に低い」と率直に認める。明石海峡大橋についても「宿泊観光客が減り、神戸への買い物客が増えて地元商店街に悪い影響がある。これでよかったのかという思いはある」と複雑な表情だ。

大阪・兵庫・和歌山・徳島の二十五市町でつくる「紀淡連絡道路実現期成同盟会」事務局の吉増健・和歌山市交通政策課長も「機運はかなり冷めてますわ」と認める。ではなぜ、同盟会は存続しているのか。「まだ国が調査を続けているから、こちらからは…」と言葉をのみ込んだ。

国土交通省は九四年、紀淡連絡道路や東京湾口道路、伊勢湾口道路など六カ所で、「海峡横断プロジェクト」を地域高規格道路の候補路線と位置付け、延々と調査を続けている。これまでに道路特定財源から投下した調査費は約六十八億円にも上る。

中でも、国交省の天下り先の財団法人「海洋架橋・橋梁(きょうりょう)調査会」は、過去六年間で約八億円の調査業務を随意契約で受注してきた。同財団は旧建設省道路局長だった理事長をはじめ、国交省や旧日本道路公団幹部OBが理事や監事に十一人も名を連ねる。収入の大部分は道路財源からの委託事業。常勤の専務理事の給与は約千八百万円とみられる。

財団の幹部は受注額や職員数など一切を「答えられない」と繰り返し、「わが社はアカデミックな団体。海峡プロジェクトを推進していたわけではない」と語る。

瀬戸内海に三本の長大橋を建設して三兆八千億円もの借金を抱え、民営化に際して一兆五千億円近い税金が投入された旧本州四国連絡橋公団。一兆四千四百億円の建設費をかけながら、当初見込みの利用者数を大きく割り込んでいる東京湾アクアライン。長大橋道路は採算性からみれば、ことごとく失敗した。

それでも、今月末に閣議決定される見通しの国土形成計画には「湾口部、海峡部等を連絡するプロジェクトについては、熟度に応じた取り組みを進める」と、抽象的ながら構想を維持しようとする文言がある。過去の失敗を顧みず、税金による巨大プロジェクトに固執する道路官僚の「無謀な夢」は、いまだついえてはいない。

<国土形成計画>

国土整備の長期計画として1962年から5次にわたった全国総合開発計画(全総)に代わってつくられる計画。個別事業名を挙げて国主導で開発を推進してきた全総から転換し、国土形成計画は指針のみを掲げ、具体的な計画は全国を8ブロックに分けた広域地方計画で決める。

川崎木更津間のアクアラインと、倉敷坂出間の瀬戸大橋は通ったことがあります。
特に木更津方面にはフェリーを利用して割とちょくちょく行っていた時代もあったのですが、その後東関東自動車道が使えるようになりますと、首都高利用で不便を感じなくなりました。

結局、フェリーで交通需要がまかなえるところに道路を作っても交通量が増えるわけではない、という当たり前のことを証明したのでしょう。

改めて、6つの海峡横断プロジェクトの図を見ると「橋が架けられるところはどこか」を基準に計画したとしか思えませんね。
それでも「棚上げ」なのですから「中止ではない」と言い張るのじゃないでしょうか?

トラック便などのためには、高速道路などは必要不可欠であると思いますが、人の移動についてはもっと航空機利用が使えないかと考えています。
首都圏で見ますと、飛行場は現在でも20キロぐらいに一ヶ所はあります。意外と密集しているわけです。

これをもっと計画的に増やして、例えば東京大阪間を数カ所の飛行場同士を結ぶようなネットワークを作り、小型旅客機で頻繁に運行する、といった方式の方が道路と新幹線を拡大するよりも安いのではないか?と考えています。

4月 7, 2008 at 10:18 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2008.04.06

手形偽造事件拡大

毎日新聞より「偽造手形:大都市圏で出回る…億単位、上場関連会社狙い

東証や大証の1部上場企業の複数の関連会社の偽造約束手形が東京、大阪、福岡などで出回っていることが分かった。

額面総額が億単位に上る会社もあり手口が似ていることから「広域偽造団」が暗躍している可能性が浮上している。捜査当局も有価証券偽造、同行使容疑などを視野に実態解明に乗り出した。

被害が判明しているのは

  • 栗本鉄工所(大阪市)の子会社「栗本建設工業」(大阪市)
  • 松下電工(大阪府門真市)の関連会社「九州SUNX」(鹿児島県南さつま市)
  • 神戸製鋼所(神戸市)の子会社「神鋼環境ソリューション」(神戸市)。

栗本建設工業には2月下旬、福岡市の金融業者から「手形を割り引いたが、実際に振り出したものか」と電話があった。
実在の手形と番号や額面は一致したが、受取人名が福岡市の会社に改ざんされていた。
また、この会社の社長が栗本建設工業の偽造手形のコピー2通を所有。
東京の財団法人を受取人とする額面5000万円の偽造手形6通が出回っていたことも分かった。

4月には九州SUNXが、この財団法人に振り出したなどとする偽造手形3通が大阪や東京で見つかった。
同社には3月下旬にも東京の不動産関係者から「男が5000万円の手形コピー6通を持ち込んだ」と連絡があったばかりだった。

この財団法人は両社と取引がなく「名前を使われた」と困惑ぎみ。偽造手形のコピーも確認されていることに関係者は「サンプルとして見せるため、コピーを持ち歩いているのでは」と推測する。

一方、神鋼環境ソリューションの偽造手形は1月末ごろから、東京と福岡の金融業者が計7通持っていることが確認された。

大手銀行関係者は「大企業は電子処理が普及して手形をあまり使わなくなったが、中小企業はまだ手形を使うことが多い。大企業の子会社なら信用が高く疑われにくいためだろう」と指摘している。【田辺一城、山口朋辰】

この一連の偽造手形事件の報道では、サンケイ新聞が「手形偽造グループ、松本引越センター元会長の手形問題にも関与か」という報道もあります。

「栗本鐵工所」(大阪市)の子会社「栗本建設工業」(同)の偽造手形が相次いで見つかった問題で、偽造手形の受取人が、大手運送会社「松本引越センター」(大阪府四條畷市)の松本博文元会長(73)が昨年8月に個人名義で振り出した計2億円の約束手形の受取人と同一だったことが4日、わかった。

手形に無断裏書して解任された松本元会長の手形と偽造手形の受取人が同じだったことは極めて不自然で、一連の偽造グループが松本元会長の手形問題にも関与していた疑いが浮上した。

松本引越センターをめぐっては、昨年秋、松本元会長が6億円を超える個人名義の手形を振り出し、取締役会などの承認を得ずにグループ会社2社に裏書保証させていた問題が発覚。
手形は同社の執行役員などと名乗る元会長の周辺者2人が金融業者に持ち込み、換金を図っていた。

また、手形問題の発覚直前の9月7日には、当時社長だった松本元会長の長男=当時(43)=が社内で自殺している。

栗本建設工業によると、偽造手形の受取人になっていたのは福岡市中央区の電子機器販売会社。同社の社長(54)は偽造手形が発覚した後、一時消息不明になっていたが、今年2月に東京都内で見つかった際、額面1000万円などの偽造手形のコピー8通を所持していた。栗本建設工業と同社との間には取引実態はなかったという。

一方、産経新聞が入手した松本元会長を振出人とする額面1億円の手形2通のコピーによると、手形はそれぞれ昨年8月に振り出されたが、どちらも受取人として偽造手形と同じ福岡市の会社が記入されていた。翌9月ごろにはこの手形が出回り、金融業者に持ち込まれるようになった。

松本元会長が振り出した手形は、松本引越センターの子会社に機械装置25台を計2億1000万円で販売したとする注文依頼書が添付された状態で、金融業者に持ち込まれていた。
しかし、松本引越センターによると、そうした取引は実際にはなかったといい、注文依頼書が架空だった可能性も高いという。

偽造手形は今年に入り、栗本建設工業のほか、神戸製鋼所(神戸市)の子会社や、松下電工(大阪府門真市)の系列会社でも相次いで発見。
受取人や裏書に、いずれも取引実態のない団体名が書かれているなど共通点も多く、同じ偽造グループによる犯行との見方も出ている。

この「松本引越センター手形事件」というが最初から不可解な事件で、読売新聞記事データベースのタイトル一覧はこうなっています。

67/9/8松本引越センター社長が自殺/大阪・四条畷東京朝刊
77/9/8松本引越センター社長が自殺 大阪の本社で 「仕事悩む」家族に漏らす大阪朝刊
47/9/25松本引越センター会長、無断で数億円手形に裏書 関連2社の印使い東京夕刊
57/9/25松本引越センター会長、関連2社に無断で手形の裏書させる 額面数億円?大阪夕刊
37/9/26松本引越センター 裏書手形は6億円 会長の解任も検討大阪朝刊
27/10/4「松本引越」が会長を解任 手形裏書問題で 大阪府警に特別背任の告訴状提出大阪朝刊
17/10/4松本引越センター、会長を解任 裏書手形問題で東京朝刊
YouTube に「松本引越センター 手形裏書6億円の謎」という会長解任当時の当時のニュース映像があり、松本会長に直接取材していますが会長の対応自体が謎で「何かあるな」と感じさせるものです。

こんないきさつがあった上に、今回同一人物の名前が出てきたわけです。
なんかとんでもない方向に拡大するのでしょうか?

4月 6, 2008 at 12:27 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)