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2008.03.15

精神鑑定書流出事件

読売新聞関西版より「奈良の調書漏えい、初公判を前に鑑定医が経緯語る

奈良県田原本町の医師方の放火殺人事件を巡る秘密漏示事件で、フリージャーナリストの草薙厚子さんに少年の調書などを見せたとして、刑法の秘密漏示罪で起訴された精神科医(50)が、4月14日に奈良地裁で開かれる初公判を前に、読売新聞の取材に応じた。精神科医は「草薙さんが出した本は自分の意図とはまったく逆。少年に殺意がなく、殺人者ではないと主張したかったのに」と本の内容を批判するとともに、調書漏えいの経緯、無罪を主張する根拠などについて語った。

精神科医は2006年2月ごろ、広汎性(こうはんせい)発達障害の講演会で草薙さんに出会った。少年の鑑定人となったあとの同8月、草薙さんからメールで「少年のことでお話を聞きたい」と連絡があった。その後、メールのやりとりや面談を重ねた。調書を見せる際、草薙さんは「調書はそのまま出さないし、コピーもとらない。記事を事前にチェックしてもらいます」と約束したという。

精神科医は広汎性発達障害の専門家。「少年は殺人をしたんじゃない、殺意はなかったという点を世間に知ってもらいたかった」と説明する。

しかし、昨年5月、単行本「僕はパパを殺すことに決めた」を見せられ、少年が直筆で書いた殺害計画を使った装丁や、「過熱する受験戦争へ警告の書!」などの宣伝文句が書かれた帯に、「あぜんとして、言葉を失ってしまった」。

実際に全部読んだのは、拘置中。「少年に殺意がないことを主張したかったのに、逆になっていた。受験が事件の真相ではないのに、的を射ていない」という。

裁判では無罪を主張し、草薙さんと講談社の担当者も証人申請する方針。「秘密漏示罪は、医師などが秘密を漏えいした場合に適用されるが、医師として治療したわけでも、カルテを見せたわけでもない。少年の更生を願って良心に従ってしたことで、秘密漏示罪にはあたらない」と訴える。

主な一問一答は次の通り。

無罪主張の理由は何か
起訴状にある『医師が秘密を漏らした』という表現に違和感を抱いた。カルテを見せることと、鑑定書を見せることを混同してもらっては困る。本が出たことと秘密漏示の罪にあたるかは別の問題
講談社についてはどう思うか
責任ある出版社なら、自主的に出版を取りやめたはず
草薙さんは取材での会話を録音していたのか
了解を取って録音していた。しかし、データを残していたのは不思議だった。それぞれの発言が正確にわかり、結果的によかったが
少年に伝えたいことはあるか
公判が終わって真実が明らかになり、謝るべき部分があれば謝りたい。少年が殺人者というレッテルを張られて生きていくのは、絶対にあってはならないと思った

■秘密漏示事件

2006年6月、奈良県田原本町で、高校1年だった長男が自宅に放火、家族3人を死亡させた。07年5月、草薙厚子さんが長男の調書などを引用した単行本を講談社から出版。奈良地検が同年11月に、長男の精神鑑定をした精神科医を秘密漏示罪で起訴、草薙さんは不起訴処分(嫌疑不十分)となった。
(2008年3月15日 読売新聞)

この精神科医(被告)の主張が事実であれば、法的にはとにかくとしても驚くべき話だと言えます。

こういう問題が起きる可能性がありますから、専門家にはある程度の情報の管理をする社会的な義務があり、それが法律に規定されている場合もある、と理解するべきでしょう。 その意味では「鑑定書はカルテではありませんから」というのは、全体としては了解しがたい主張だと思います。

広く一般に、記者会見とか公文書の形で広まった情報ならとにかく、法的問題は別にしても社会一般に広まっていないことが確実な情報を特定の記者にだけ示した場合、その記者の書く記事が元の情報を歪めてしまうことは大いにあり得ることです。
まして情報源(精神科医)の意図を記者が再現する保証がないこと確実なのですから、この点からもこんな形で情報を出すべきではなかったという証拠にしかならないように思います。

3月 15, 2008 at 12:03 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

チベットの暴動について

AFP BB より「チベットの抗議活動、暴動に発展

【3月14日 AFP】(一部更新、写真追加)中国のチベット自治区の中心都市ラサで数日間続いている中国のチベット統治に対する抗議活動は14日、激しさを増し、中国の国営新華社通信や旅行者の情報などによると、店舗に放火するなどの暴力的な事態に発展しているという。放火で焼けたり、休業したりする店舗も出ているもようだ。

新華社は、少なくとも数十人の負傷者が病院に運ばれたとも伝えている。また現地に滞在する米国人が米大使館に寄せた情報では、銃声も聞かれたという。

暴動が発生しているのは、ラサ中心部にあるチベット仏教で最も聖なる寺院とされるジョカン寺院の近辺。

米ワシントンD.C.を拠点とするチベット支援団体「チベットのための国際キャンペーン」が得た現地情報によると、同寺院の参道沿いに店を並べる露店が放火されたという。また、警察車両が放火されたとの情報もあり、一般市民も抗議活動に参加している様子だという。

ラサを旅行中の複数の外国人がAFP記者に語ったところによると、市内全域で僧侶と市民が一体となって抗議活動を展開しており、旅行者たちはジョカン寺院付近に近付かないよう忠告されたという。

暴動はチベット以外にも広がっており、チベット仏教の最も重要な場所の1つ、甘粛省夏河では、300人の僧侶が抗議活動の先頭に立った。(c)AFP

2006年1月にこんな記事を書いています。「近未来の出来事」

2006年9月自民党総裁選
2007年7月参議院選挙
2008年2月韓国大統領選挙
2008年8月北京オリンピック
2008年ロシア大統領選挙
2008年11月アメリカ大統領選挙
2009年5月裁判員制度>"
2010年NTT光回線を過半数に、メタル-光の切り替え開始
2011年7月アナログ停波

北京オリンピックについては、

北京オリンピックで現在の東アジアの安定は北京オリンピックが近づいているから納まりがついているという面はあるわけで、それなりに激しく変化する時代に入るでしょう。

と「オリンピック終了までは中国政府はなんとか社会を安定させるだろう」と考えました。
それがラサで暴動ですから驚いた。

CNN.co.jpチベットで商店放火などの「暴動」、僧侶らの反中デモも
CNN.comTibet in turmoil as riots grip capital
BBC NEWSDeaths reported in Tibet protests

と大騒ぎです。読売新聞には「チベット自治区ラサで大規模暴動…商店に放火、2人死亡か

【北京=杉山祐之】中国チベット自治区の区都ラサの中心部で14日、大規模な民衆暴動が発生、放火や暴行などで多数の市民が負傷した模様だ。

米政府系放送局「ラジオ自由アジア」は、警官の発砲で少なくとも2人が死亡したと報じた。民族・宗教問題で対立を抱え、中国当局が反政府行動を厳しく取り締まっている同自治区での大規模暴動発生は、ラサに戒厳令が敷かれた1989年以来とみられる。

今回の暴動は、8月の北京五輪開催に向け、民族融和をアピールしていた中国政府に大きな打撃となった。

中国国営新華社通信が報じた目撃証言によると、14日午後2時(日本時間同3時)ごろ放火が始まり、ラサを代表するチベット仏教の名刹(めいさつ)・ジョカン寺(大昭寺)前の広場から多数の人が出ていった。複数の負傷者が出ており、病院に運ばれた人もいる。商店が焼かれ、車両も放火されているという。北京発のAFP通信はラサの救急センター当局の話として、暴動により数人が死亡したと伝えた。在北京日本大使館によると、14日夜現在、日本人負傷者が出たとの情報はない。

ラサ市内のホテル従業員は14日、本紙の電話取材に、「火の手はあちこちで次々に上がった。大部分の店が扉を閉め、街には警察、(武力で治安を維持する)武装警察官が出ている」と語った。ロイター通信によると、この日、市内で住民、僧侶ら300~400人がデモを行い、10人以上の僧侶が逮捕された。

在北京米国大使館は14日、ホームページを通じ、ラサに滞在する複数の米国人から、「銃声を聞いた」との情報が寄せられたことを明らかにした。

ラサでは、3月10日に僧侶ら数百人規模の反政府デモがあり、当局に制圧されていた。米政府系放送局などによると、僧侶2人が手首を切って重体になったほか、僧侶がハンガーストライキを始めたとされる。
(2008年3月15日06時23分 読売新聞)

サンケイ新聞より「チベット、潜在的不満が爆発 胡錦濤政権に衝撃

【北京=野口東秀】中国チベット自治区での僧侶らによる暴動は、「和諧(調和のとれた)社会」を提唱してきた胡錦濤指導部に大きな衝撃を与えた。北京では全国人民代表大会(全人代)が開催中で、チベット自治区の代表者らが「チベットは目覚ましく発展し安定している」と強調した矢先だった。今回の僧侶らの抗議活動の背景には、「自治」が足踏み状態の中で「中国化」が進む一方という状況に対するチベット人の焦りと不満が横たわっており、五輪開催に向け、チベット問題を国際社会にアピールするねらいがあるとみられる。

チベットでは1980年以降、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の特使団が中国政府と断続的に交渉、同氏の帰国やチベット情勢などを協議してきた。ダライ・ラマも独立をうたわず、中国政府に「高度な自治」を求めてきた。

しかし、中国政府のダライ・ラマ批判は止まず、チベット自治区のトップ、張慶黎・党委書記らは全人代で、北京五輪に向け「最大の不安定要素はダライ・ラマ集団。一日たりとも分裂活動を中止しない(分裂主義者)」と非難していた。

チベットでは、僧侶に対するダライ・ラマ否定の思想教育だけでなく、学校教育や治安面などでも「中国化」を実施してきた。一方で、資金力を背景に老朽化した仏教関連施設の大規模補修事業を実施するなど、チベット民族の心を懐柔し、独立運動を押さえ込もうとする“硬軟両様”の政策を講じてきた。

だが、ラサでは潜在的に反政府感情は強く、きっかけさえあれば反中国感情が一気に吹き出す状態だった。チベットでは昨年も数十人、数百人レベルの民衆と当局が衝突した末、当局は武装警察を動員し、摘発を繰り返したといわれる。全人代の2日目、胡錦濤国家主席がチベット自治区の分科会に出席、「チベットの安全は全国の安全にかかわる」と強調したのも危機感の表れといえる。

胡主席は、チベット自治区党委書記時代の89年、ラサ暴動を鎮圧し、その功績が故トウ小平氏に評価され昇進につながった経緯がある。今後、抗議行動に対して当局が強硬手段をとれば、国際社会から人権批判や五輪ボイコットの声はさらに強まりそうだ。

サンケイ新聞の福島香織さん(中国総局記者)のブログ「北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)」が盛り上がっております。

チベット民族蜂起49周年の3月10日にラサでおこった僧侶に対する公安、武装警察らの暴力以降、14日、ついに暴動に発展してしまいました。ラサが燃えています。

■11日にセラ寺でおこった抗議デモは催涙弾で制圧されました。このあと、ジョカン、デプン、セラのラサ3大寺院は人民解放軍に包囲されていました。数千人規模のデモ隊と武装警察が衝突、警察の発砲して2人が死亡した、と自由アジア放送が報じました。セラ寺では、僧侶らが抗議のハンストを行って、当局の暴力に抗議しています。2人の僧侶が、抗議の意味で手首を切って重体。

■今、ラサの友人とチャットしています。14日、街は中国系商店などが焼き討ちにあいました。この日の午後7時ごろ、娘熱路と2環路の交差点あたりで、衆人環視の中で3人のチベット族が撲殺されたそうです。誰に殺されたの?「そんな怖いこと聞かないで!私はここで生きていかねばならいの!」。パソコンに浮き出る英語の文章を見て、自分の愚かさを恥じました。恐怖を抑えながら、チャット必死で現地の様子を私に伝えてくれる彼女を、神様仏様、どうかお守りください。。

■友人によると、このほかにもparko (八角?) エリアで男性2人、女性2人が殺されたとか。あちこちで、暴行がおこなわれているもようです。インドからは応援のデモ隊がチベットに向かっているそうです。インド警察が押しとどめようとしていますが、おしとどめらるか。ああ、私の不注意で、怖がらせてしまって、友人はラインオフです。



中国外務省の秦剛報道官は13日の会見で、「少数の僧侶が社会動乱を起こそうと企てた。これはダライ・ラマ派の集団がチベット分裂をたくらみ、チベット人民の正常で調和ある平和な生活を破壊しようとした政治的陰謀。目下、政府と寺院民主管理委員会のおかげで沈静化している」と説明していましたが、ぜんぜん沈静化していない!


■これは中国当局の大失態です。こんな体たらくで、本当に五輪を開催するつもりなのでしょうか。デモくらいやらせてあげればいいのです。報道では、さも五輪反対がお坊さんたちの抗議活動の目的のように伝えられていますが、僧侶の願いは、政治犯として拘束されている僧侶の釈放です。この数年に急激に締め付けが厳しくなった宗教の自由です。ダライ・ラマ14世が求めるのは独立でなくて自治だ、と譲歩を見せているのに、中国側が強硬手段をとるので、ダライ・ラマ猊下のやり方は生ぬるい!と思っている一部若い僧侶が「チベット独立!!」といいうスローガンを唱えてしまうのです。

■独立が現実的に無理なのは、多くのお坊さんも認識しているのです。本当は中国がちょっと譲歩し、自治と宗教の自由、そしてチベット文化への尊重をもてば、話し合いの余地が生まれる関係なんです。実際、昨年はダライ・ラマ14世の密使が、私の聞くかぎりでも2度訪中しているはずです。

■なのに、中国側は僧侶に公然と暴力を振るいました。坊さんに暴力を振るうことが、どれほど信仰深い人々の怒りを買うか、国際社会から軽蔑されるか、わかっていない、まさか?まさか、中国の指導者ってそんなにあほなのか~?本当に五輪を無事開きたいなら、この局面で絶対暴力をふるってはならなかったのです。

胡錦濤国家主席は、すぐダライ・ラマ14世に事態の収拾を助けてもらうよう、丁重に頼むべきです。でないと、血の気の多いチベット族の若い僧侶は抑えられない。宗教に生きる民族を抑えることができるのは宗教指導者だけなのです。万が一でも、解放軍の武力で鎮圧なんてことになったら、五輪はあきらめなければならない。

■15日はポタラ宮近くのRamucheという修道院のリノベーションという特別な日らしい。何かがおこるのか?事態は深刻を極めています。

目の離せない状況になってきたと感じます。

3月 15, 2008 at 11:30 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2008.03.14

野菜を食べてヤギが死んだのだそうで

佐賀新聞より「同一野菜のやりすぎ注意 ヤギ死因は硝酸塩

昨年12月、佐賀市内の小学校で飼育していたヤギ3匹が死んでいた問題で、県の中部家畜保健衛生所は解剖の結果、餌の野菜くずに含まれていた硝酸塩の体内蓄積による中毒死と診断した。
急性硝酸塩中毒は、ヤギや牛など胃を4つ持つ反すう動物に特徴的な症状という。
スーパーから譲ってもらった白菜に高濃度の硝酸塩が含まれており、これを一度に大量に与えたことが原因。

厚生労働省や農林水産省は「市販の野菜を食べて動物が硝酸塩中毒を起こした事例は聞いたことがない」と話す。

家畜保健衛生所による病性鑑定で、ヤギの血中から正常値の百倍以上に当たる硝酸態窒素濃度がみられた。また、餌の白菜から飼料の安全基準ガイドラインを大幅に超える高濃度の硝酸塩を検出。加えて、外傷や病変がないことから、急性硝酸塩中毒と診断した。

同校によると、夏場は校内に自生している草をヤギの餌にしていたが、草が枯れる冬場はスーパーからの野菜くずを譲り受けており、ヤギが死んだ数日前から、白菜ばかりを与えていたという。

植物は栄養分の窒素を硝酸塩に変えて吸収し、成長するが、堆肥(たいひ)などの窒素肥料を与えすぎると植物内に硝酸塩がたまり、濃度が上がる。
この硝酸塩が動物の体内に入ると、健康に害を及ぼす物質に変化する。

このため家畜保健衛生所は「特定の野菜ばかりを与えると中毒になるリスクも高くなる」「餌を長時間切らせると次に与えるとき、食べ過ぎてよくない」などの注意点を同校に通達。
現在は、残ったヤギ1匹にわらや草など数種類を混ぜた餌を与えている。

近年、野菜の硝酸塩について農水省には人間の健康に対する影響についても問い合わせが寄せられているという。

食品添加物としてチーズや食肉製品から取り込む硝酸塩については、1日許容摂取量を定めているが、野菜については基準値を設定していない。そのため「今回の白菜が人間に与える影響については化学的データがなく、答える立場にない」といい、「とにかく初めてのケース」と戸惑いを隠せない。

ただ、野菜の硝酸塩は「ゆでる」ことや「漬ける」ことで減少することから、農水省は「現時点で人体に問題があるとはいえない。野菜を食べる健康上のメリットを大切にすべきで、一定の種類に偏らずバランスよく取ってほしい」と強調する。

硝酸塩対策

農水省は硝酸塩を減らすための栽培技術開発や産地への研究支援を実施。海外では国連食糧農業機関(FAQ)と世界保健機関(WHO)の合同専門家会合が「野菜を摂取することの利点からみて、野菜中の硝酸塩量を限定することは適切ではない」と報告したが、一方で、EUは1997年から、レタスとホウレンソウについて含有量の基準値を定めた。

つまり、スーパーにあった白菜が肥料過多で硝酸塩過剰であったということになるのでしょうか?
それにしてもヤギが死んでしまうとは、ヤギでも分からないような今までには無いような野菜ということなのでしょうか?
ちょっと驚きであります。

3月 14, 2008 at 08:10 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2008.03.11

フィルタリング問題

朝日新聞より「携帯フィルタリングで「過剰規制」 防災情報もダメ?

防災情報もスポーツニュースも有害?――。
有害サイトから子どもを守ろうと、携帯電話各社が始めた接続規制(フィルタリング)が、「過剰規制」の一面を見せ始めた。
児童買春やいじめの舞台になるとして、掲示板やブログなどの機能を持つサイトを規制対象にしたところ、自治体の防災ブログまで閲覧できない状態に。
「だれが有害か否かを判断するのか」をあいまいにしたまま規制したことが、混乱を増幅させている。

埼玉県は07年11月、楽天と協定を結び、災害や食中毒などに関する情報を発信するブログを開設。職員が簡単に書き込めるというブログの特徴を生かし、台風や地震情報をリアルタイムで配信する仕組みだ。1日に200~300件のアクセスがあるが、2月以降「携帯だと見られない」という報告が寄せられるようになった。

携帯各社は2月までに、18歳以下の利用者についてフィルタリングの原則化に踏み切った。保護者が拒まない限り、ネット接続を制限。
ブログは見知らぬ者同士が連絡を取り合えることを理由に、規制対象とされた。

パソコンだと閲覧可能とはいえ、災害時に役立つのは携帯電話。県広聴広報課は「外部からの書き込みは受け付けていないのに、ブログ形式というだけで『有害サイト』扱いとは」と驚く。静岡県や宮城県の防災ブログも同様に閲覧できないケースがあるという。

携帯会社のお墨付きを得た公式サイトでも、フィルタリングの網がかけられる。新聞各社が運営するスポーツニュースのサイトの一部は、読者との交流や情報提供コーナーが掲示板機能を持つとして、規制対象にされかかった。実際はスタッフが目を通してから掲載する仕組みで、「掲示板」ではないという。

どのサイトを規制するかは携帯各社の責任だが、リストをつくるのは専門会社「ネットスター」(東京)。同社はキーワードで検索したり、担当者が実際に見たりして、サイトを「アダルト」「薬物」など75項目に分類。携帯各社はこのリストをもとに、規制対象を決める。

ネットスター社は「リストはあくまで項目分けで、有害か否かを判断しているわけではない。掲示板やブログ機能があれば『コミュニティー』に分類する」と話す。

リストに基づく規制範囲は携帯会社によって多少異なるが、ひとつの項目については基本的にまるごと規制。サイトごとにきめ細かく吟味することはないという。

ある携帯会社は「個別サイトの中身に踏み込んで、有害かどうかを判断するわけにはいかない。総務省の要請で十分な準備をしないまま規制に踏み切ったことは事実だが、子どもの安全問題である以上、まずは広く規制して、問題があれば修正する」と話す。

NTTドコモは、一律規制を見直し、利用者側で規制範囲を変更できる方式の検討を始めた。しかし、システムの大幅な変更が必要で、具体的な導入時期は明らかにできないという。

現行の規制が続けば、1兆円規模に達したとされる携帯ビジネスの急成長に水を差しかねないとして、業界団体「モバイル・コンテンツ・フォーラム」は第三者機関がサイトの健全性を認証する制度を提案。4月からの運用開始をめざし、基準づくりを急いでいる。

しかし、コンテンツ事業者の間には「膨大な数のサイトを本当に認証しきれるのか」「健全サイト救済という業界側からの視点では、利用者の理解を得られない」などと、認証制度を疑問視する声もある。

金曜日に区立図書館で定期的に行われているビジネス相談会の当番を務めていました。
どなたも相談には来なかったので、時間つぶしに備え付けのPCで遊んでいました。
区立図書館は教育委員会に属しているので、教育委員会経由のネット接続となります。これは学校と同じ事です。

そこで知ったのが「ブログは掲示板と同じ扱いでフィルタリングの対象」でした。

実際にやったのは、自分のPCではありませんからブックマークがないわけで、仕方ないから Google から始めます。

  1. サンケイ新聞のサイトに飛ぶ
  2. このページの一番下にあるリンクで姉妹サイトのIZA(イザ)に飛ぶ
  3. IZAのページの中ほどにある「記者ブログ」をクリックする。

記者ブログはフィルタリングの対象で見ることが出来ませんでした。

それではと企業サイトなどを見てみるとこれは見た範囲ではブロックされていません。
ブログによる被害の可能性と、企業サイトなどでヘンテコな商品を紹介されることのどちらが問題が多いのだろ?と考えてしまいました。

フィルタリグの考え方として「掲示板で意見交換するから良くない」という発想自体がヘンではないのか?

高校だと、情報教育を積極的にやると指定されている学校もあって、フィルタリングもカスタマイズされています。
ここまで許しても良いのか?という高校も見たことがあります。

ネットワークをめぐる法律の整備や規制については、一方で過激な自由主義(?)があり、片方に表現の自由問題、反対側に深刻な被害といった具合に、非常に複雑な現実に対してあまりにも乱暴なところで決めて「これで大丈夫」のような作る側の自己満足といったところになっていると感じます。

少年サッカーチームの連絡用掲示板が使えなくなった、という報道もありました。
こんな事を考えると、「ブログ・掲示板の一律規制」はフィルタリングとしてもダメなんでじゃないでしょうか?

3月 11, 2008 at 09:43 午前 ウェブログ・ココログ関連, 教育問題各種 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2008.03.10

名誉毀損訴訟の乱発ではないのか?

北海道新聞より「前函館市長、市長を提訴へ 選挙前の会見 名誉棄損

【函館】過去に行った記者会見での発言や演説で著しく名誉を傷つけられたとして、函館市の前市長(71)が、昨年四月の市長選で争った現市長(59)を相手取って一千万円の損害賠償と謝罪を求める訴訟を十一日に函館地裁に起こすことが分かった。

現市長は助役辞任前後の記者会見(一昨年十二月と昨年一月の二回)などで、

  1. 原則として認められない市街化調整区域への有料老人ホーム建設計画について、
    前市長が再検討を強く指示した
  2. 前市長が地元情報誌の主宰者と密接な関係にあり、
    主宰者が市政に関与している

などと言及。

前市長はこれらの内容や、現市長が市長選前の集会で前市長を時代劇の「悪代官」に例えた発言をしていたことについて、事実ではなく、名誉を傷つけられた、としている。

有料老人ホーム問題に関しては、

  1. 昨年十月に函館市議会が特別委員会を設置して経緯を調査、
  2. 今年二月二十七日に委員長が市議会に最終報告を行ったが、
  3. 前市長が再検討を指示したかどうか明確な結論は出なかった。

前市長は「特別委での市担当者の答弁が、当初の

  1. 『再検討の指示はなかった』から
  2. 『明確な言葉での指示はなかったが、指示とも投げかけとも取れる表現だった』

と変わるなど玉虫色だったので、提訴に踏み切った。傷つけられた名誉を回復したい」と話している。

現市長は一昨年十二月に市政を批判して助役を辞職。昨年四月の市長選に立候補し、三選を目指した前市長に三万五千票以上の大差をつけて当選した。

感想としては「弱ったものだ」といった感じです。

ごく常識的に考えて批判は名誉毀損には当たらないですから、政治的闘争では批判の範囲はかなり拡大されると理解していました。

また、選挙結果が現実と逆で前市長が当選していた場合に同様な提訴をしただろうか?と考えてみると「落選したから名誉毀損で対立候補を訴える」では選挙制度そのものの否定とも言えます。

さらにわたしが何度も説明しているとおり、名誉毀損裁判の構造が被告に証明の義務を負わせていることから前市長の公務に関わる行動について証明する義務があるとされては、行政の活動そのものを萎縮させることになるのではないかと思います。

簡単に言ってしまえば、政治・行政上の争い事は原則として名誉毀損罪に当たらない、とするべきだと思います。

3月 10, 2008 at 10:22 午前 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.03.09

こんなひどい校長

弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」さんの記事「[刑事事件]教え子に交際迫る 脅迫容疑で高校校長逮」では朝日新聞の記事を引用して以下のようなご意見になっています。

朝日新聞の記事より

以前、教頭として勤務していた県北部の高校の女子生徒にみだらな行為をしたうえ、卒業後も「付き合わないとばらすぞ」などと関係を迫ったという。

容疑者は「脅迫するつもりはなかった」と犯意を否認しているという。

容疑者は07年11月下旬から12月中旬にかけ、自らが女性に対して行ったわいせつ行為の様子などを記したメールや文書を十数回にわたって女性に送り、「何があっても知らないよ」などと脅した疑い。

青少年保護育成条例違反等の余罪もありそうですね。否認の内容を見ると、上記のようなメール、文書の送付自体は認めているようであり、犯罪の成否はともかく、教育者としては失格、という印象を受けます。

この男が校長を務める高校のサイトを見ると、

http://www.sch.kawaguchi.saitama.jp/kawaguchi-h/

「君ならできる。」と大書され、何ができるのだろう?と、どうしても発想が卑わいな方向へと向かってしまいます。

この高校で学ぶ人は、人間の醜い本質を垣間見ることができ、高校生にして良い勉強ができた、ということが言えるもしれません。

確かに落合弁護士のおっしゃる通りかと思うのですが、東京新聞の記事は強烈です。「校長が元教え子脅迫 交際相手殺すことも平気

教頭時代の教え子だった二十代の女性に「会ってくれなければ、何かあっても知らないよ。人を殺すことは平気だよ」などと脅す内容のメールを繰り返し送り付けたとして、埼玉県警捜査一課と行田署は八日、脅迫の疑いで、同県川口市立川口高校校長(56)を逮捕した。

女性はメールを苦に自殺未遂を起こしていた。

調べに対し、容疑者は事実関係を認めた上で「脅すつもりはなかった」と供述しているという。

調べでは、容疑者は同県北部の県立高校で教頭だった二〇〇〇年から〇一年の間、当時在校していた女性と交際を始めた。
昨年、女性が別の男性と付き合うようになってからも、交際を続けることを要求。

昨年十一月下旬から十二月中旬までの間、携帯電話や勤務先の学校にあるパソコンから

  • 交際相手の住所、経歴全部知っている。
  • 何かあっても知らないよ。
  • 人を殺すことは平気だよ。
  • 二人の関係をばらすよ
  • 着信拒否や無視を続けるなら恋人に会いに行くか、手紙を書くか、すべてをばらす

などと書いたメールを送り、脅していたという。

昨年十二月、女性が大量の睡眠薬を飲み、自殺を図ったことがきっかけで、家族などが容疑者との関係に気づき、同署に相談していた。

■改革派の一面 痴漢取り押さえも

「より良い社会の実現に貢献できる人間になってください」。八日午前の卒業式で祝辞を述べた容疑者は、謝恩会を終え帰宅したところ、埼玉県警の捜査員に任意同行を求められた。

容疑者は埼玉県内の県立高校などで数学の教師を務めた。二〇〇二年に県立総合教育センター主任指導主事となり、〇六年から川口高校長を務めていた。容疑者が同校に校長として赴任した後、学業や人物の優れた生徒の授業料を免除する特待生制度を、県内の公立高で初めて導入するなど、先進的な取り組みを進めていた。〇六年にはJR上尾駅で女子高生に痴漢をした男を取り押さえたこともあった。

「まじめで仕事一途」という評判の裏で、元教え子への思いを断ち切れなかった。県警によれば、昨年から

  • 「交際を続けないなら樹海に飛び込む」
  • 「一緒に死のう」

などと書いたメールを送っていただけでなく、

  • 女性の家の前で待ち伏せしたり、
  • 女性が携帯電話の番号を変えても、新しい番号を調べ出して脅迫を続けていた
という。

東京新聞の記事から抜き出した行為が事実であるとすると、ネット上でのストーカー被害相談にどのようにアドハイスすればよいのか分からなくなってしまいます。

2000年から2001年にかけて交際を始め、とありますから6~7年にわたっているわけですね。
高校から6~7年といえば人生の中でも一番輝いている時期でしょう。そこにこんな事を押しつけたというのは、単なる脅迫とかパワーハラスメントといったものとはまるで違うでしょう。

自殺未遂に追い込まれたのも無理ないでしょう。単に脅迫で済むことなのか?
きわめてひどい話だと強く思います。

3月 9, 2008 at 10:23 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)