« ビッグスリーの危機 | トップページ | 京都家裁の書記官が判決文を偽造? »

2008.12.07

情報ネットワーク法学会・研究大会

昨日(2008/12/06)は情報ネットワーク法学会の研究大会に参加してきました。

情報ネットワーク法学会設立の趣旨からキーワード引っ張り出しますと。

  • 情報ネットワーク社会の到来
  • 「情報法」の必要性
  • 情報ネットワーク社会における「表現の自由」
  • 自動実行性
  • サイバーテロ・サイバー戦争
  • 社会変革に対応した法システムの必要性
  • グローバル性
  • 情報ネットワーク社会の特殊性を考慮した対応の重要性
  • 学際的研究の必要性
  • 情報ネットワーク法学会の設立

とあって、情報ネットワーク法学会の設立は

 このような認識を踏まえ,我々は,情報ネットワーク法学会を設立することを決意した。
我々はこれまで,情報ネットワーク法学会の設立に向け,長い時間をかけて準備を重ねてきた。
「学会」という枠組みは,既にその有用性に疑問をもたれるものになってしまっているかもしれない。

しかし,現実世界と情報ネットワーク環境とを架橋するための研究団体にとって合理的で有用な組織形態として,我々は議論と思慮を重ねた上で,あえて「学会」という古い革袋を選択することにした。
この革袋は,いずれ新たな容器へと取り替えられるべきものかもしれない。
だが,我々は,現時点においては,様々な分野の人々が安心して参加可能であり,かつ,真に社会貢献が可能な研究団体を構築するための形式として「学会」という手慣れた社会的方式を採用するのが妥当であると判断する。

我々は,ここに,情報ネットワーク法学会の設立準備を世に公表し,賛同者の参加を募ることとしたい。
2002年5月

こんなわけで、「学会」ではありますが、どんどんと議論する範囲が広がっていて、飽きることがありません。

神田の電機大を会場としましたが、最大では同時に3会場を使っての一日であったので、全てを見ることは出来ませんが、わたしが見たのは以下のようなものです。

●「通信の秘密の数奇な運命」(制定法)高橋郁夫(弁護士)
●「情報手段の拡大による学校の情報の学校外への侵出とそれに基づく
  侵襲性の高い介入情報の発信がなされた事例についての検討」
長谷川元洋(金城学院大学)
●「コンピュータによる論争スキルの教育支援の試み」新田克己(東京工業大学大学院)
●基調講演 『著作物に関する包括契約と補償金制度の公正性
  または63%の法則について』
苗村 憲司 情報ネットワーク法学会フェロー、駒澤大学
●招待講演 『現代における債権法改正の意義』内田 貴 法務省経済関係民刑基本法整備推進本部参与
●パネル・ディスカッション 『法学教育のIT化 大学間連携を視野に入れて』

基本的に法学の勉強会であるわけですが、色々な企業の方も数多く参加していますし、ネット上の有名人も多数参加しています。
しかも、現在の法律について実務的な解釈といった話題はあまりなくて、現実の事件と法律のすり合わせや、法律の改正などについてはレクチャーが多く、上に挙げた講演のずれもが「こんな事があるのだ!」ということばかりで、非常にエキサイティングな一日でありました。

「通信の秘密の数奇な運命」は一年前に勉強会で聞いてびっくりしたもので、情報ネットワーク法学会の会報誌に報告がありますが、ネットワーク管理者にとって常識でありかつ重石のように常に圧力を感じざるを得ない「通信秘密が実はけっこう無茶苦茶だ」という研究報告です。

「情報手段の拡大による学校の情報の学校外への侵出とそれに基づく侵襲性の高い介入情報の発信がなされた事例についての検討」は、中学校でのプロフをめぐる炎上についての生徒・学校の対応などを分析したもので、現実の事件は3時間ぐらいだったので、リアルタイムでは学校は対応できないという現実の一方で、学校は別のところに何か無いかを半年ぐらい調べなかった、とのことでした

「コンピュータによる論争スキルの教育支援の試み」は、すごく面白い研究で、法律に基づく議論をコンピュータによってどこまで分析できるのか?というものでした。
ある条件(法律上の交渉ごと)といった前提では、非常に高度な分析が出来るようです。

12月 7, 2008 at 09:56 午前 セキュリティと法学 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/43343959

この記事へのトラックバック一覧です: 情報ネットワーク法学会・研究大会:

コメント

コメントを書く