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2008.12.03

ビッグスリーの苦闘

日経新聞より「GM、最大180億ドルの融資要求 再建計画を提出」

【ニューヨーク=武類雅典】

米政府に金融支援を要請中の米ゼネラル・モーターズ(GM)は2日、自動車ブランドの削減方針や債務削減などを盛り込んだ再建計画を米議会に提出した。金融支援としては総額で最大180億ドル(約1兆7000億円)を要求。
今月中に40億ドルの利用を見込んでおり、政府支援が得られなければ、経営破綻の恐れが高まる。

再建計画には傘下ブランド「ポンティアック」の大幅車種削減、「サーブ」「サターン」の戦略見直しを盛り込んだ。
サーブとサターンについては売却も視野に入っていると見られる。
一方、取引のある金融機関や債権者らに対しては債務の軽減を求める方針。

経営陣の報酬も大幅にカットし、リチャード・ワゴナー会長の年俸は1ドルに引き下げる。

日経新聞は特集「米ビッグスリー再建」として、以下の記事をまとめています。

「米ビッグスリー再建」記事一覧

  • (12/2)GM、最大180億ドルの融資要求 再建計画を提出
  • (12/2)米フォード、8500億円の融資枠求める CEO年俸1ドルに
  • (12/2)米ビッグ3、再建計画を2日提出 労務コストなど削減へ
  • (12/1)フォード、ボルボ売却検討を発表 経営再建、自助努力訴え
  • (12/1)サーブとボルボ、スウェーデン政府に支援要請 英紙報道
  • (11/29)ビッグ3公聴会 12月4、5日に米議会で開催
  • (11/29)GM、債権者に債務株式化を要請 米紙報道
  • (11/26)米クライスラー株の売却交渉難航 独ダイムラーと米サーベラス
  • (11/26)北米車在庫、100日分超す 日米6社、00年以降で最悪
  • (11/24)ビッグ3の公的救済、世論冷ややか 議会の対応難しく
  • (11/23)米ビッグ3、経営陣報酬カットへ 支援狙い「自己犠牲」
  • (11/22)GMの一部取締役、破産法含め検討の声も 米紙報道
  • (11/22)米GM、社用ジェット2機手放す 政府支援巡る批判で
  • (11/21)GM、生産調整を追加 工場休止の前倒しなど
  • (11/21)米ビッグ3に配当見送りなど要求 民主党首脳が書簡で
  • (11/20)米ビッグ3再建策、追加リストラ焦点 12月2日期限
  • (11/20)ビッグスリー再建、「時間との勝負」に
  • (11/20)米ビッグ3への政府支援、12月に結論先送り リストラ計画要求
  • (11/19)米ビッグ3、株価も低迷 GM9.71%、フォード25%安
  • (11/19)日産ゴーン社長「新たな提携、今は考えていない」
  • (11/19)ビッグ3緊急融資の民主党案、週内の採決撤回 米メディア報道
  • こういった経過を経て、社有ジェット機の廃止、CEOの年報を1ドルにするといった象徴的な「対策」を発表してから、フォードが90億ドル、GMが180億ドルが必要だと発表しました。

    アメリカは消費によって経済を回してきました。
    その消費市場がサブプライムローンに代表される過度の信用拡大が原因で、崩壊してしまいました。

    自動車はアメリカでは、生活必需品ですからいつかは需要は復活します。
    ただし、アメリカの消費者が要求するものを将来とも提供し続けることができる、と市場が判断しないとビッグスリーが復活するのは難しいだろうと考えます。

    ビッグスリーが自動車市場にどう対応してきたのか?と考えますと、過去の事実は市場をリードしてきたというよりも、市場をねじ曲げてきたというべき、なのかもしれません。

    有名なのは、自動車普及のために鉄道会社をつぶしてしまった、というのがありますし、最近では乗用車の燃費規制法に対抗するために、燃費規制の対象外であるトラックをSUVとして大々的に売り出しました。その結果、ガソリン高騰でトヨタのハイブリッド車に人気が集中してしまいました。

    「GMにとって良いことはアメリカにとって良いことだ」などと言っているうちに、世界から取り残されてしまった、と言うべきなのかもしれません。

    日本でも自動車が売れなくて問題になっていますが、自動車の耐久力が向上して今や平均使用年限が11年を超えているとのことです。
    さらに、日本では若い人たちが自動車を買わなくなってきています。この部分はオートバイが日本では全く売れないことを追いかけているのだと思います。
    オートバイは日本の都会で極めて使いにくい交通機関で、とにかく駐車場がありません。その結果が「オートバイは無くても何とかなる」と電車やバス、自転車に試乗を奪われたと考えるべきでしょう。

    こういった自動車特有の問題とは別に、アメリカが何とかしなければならないのは、消費だけで回してきた経済構造からの脱却です。
    そのために必要なのは、工業生産性の大幅な向上が不可欠ですが、これは非常に難しいでしょう。

    世界中の量産型工業の生産設備を提供しているのは日本です。もちろん設備なのだから使いこなせば、結果は出ますが、世界をリードすることはできません。
    つまりは人件費などのコストの勝負から抜け出すために、モノを作るための仕組みを作るための仕組みを・・・・といったところの奥行きが無いとダメだとなります。
    これはアメリカにとってはかなり厳しい道になるでしょう。

    一方、日本では生産することが何よりも重要としたために、賃金引き下げに走ってきました。
    このために消費市場が無くなってしまっています。自動車が売れない理由は、収入が低いことが反映していることに間違えありません。
    ヘンリーフォードが空前の高賃金を支払って自動車を量産し、市場を作ったことの全く逆のことをやっているのが、現在の日本の財界です。
    企業が稼いだ金を市場に出さないで、どうやって市場にモノを売るのでしょうか?

    こうして考えますと、日本とアメリカは対象形になっているのでしょう。
    日本の現在の経済状態は比較的好況と言えるのでしょうが、すぐ隣に空前の大不況がありそうです。

    12月 3, 2008 at 09:59 午前 国際経済など |

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