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2008.11.17

世界の明日

東京新聞より「封じ込めたか 金融危機 行き詰まる米国経済

金融サミットが開かれた米国の首都ワシントン市の中心部に近い国立建築博物館。ここに世界の注目が集まったのは、今年に入って二回ある。

最初は民主党のヒラリー・クリントン上院議員が、米大統領選挙の民主党候補者選びで敗北宣言をした六月七日。だが、世界を動かす二十カ国・地域の首脳が集結した今回は、六月ほどの熱気はなかった。大統領選で圧勝し、来年一月に就任するオバマ氏が不在だったからだ。

各国首脳から殺到した会談依頼をオバマ氏は「米大統領は一人しかいない」と断り、サミットの“陰の主役”は最後まで姿を見せなかった。

オバマ氏の経済政策に対する米国内外の視線は熱い。選挙期間中、訴え続けた「チェンジ(変革)」は、米国経済再建のみならず、世界恐慌回避への数少ない期待につながっているためだ。

サミットでの合意事項を実行に移すのは、残り任期二カ月のブッシュ政権ではなくオバマ政権。政権移行の端境期で、米国は金融危機の震源地でありながら、恐慌回避に向けた具体策を打ちだすことができなかった。サルコジ仏大統領が主張していた基軸通貨としての「ドル体制見直し」という壮大な提案も首脳宣言には一言も入らなかった。

米国では緊急経済安定化法に基づき、金融機関に対し最大七千億ドルの公的資金による資本注入が始まった。ところが、金融機関の貸し渋りや消費低迷は収まっていない。

十日には米家電量販店二位のサーキット・シティーが破たん。米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の行方は、金融市場の大波乱要因になっている。

国際通貨基金(IMF)は二〇〇九年の実質経済成長率で、米国、ユーロ圏、日本の先進国がそろってマイナス成長を予測。首脳宣言は景気てこ入れ策として各国に内需拡大を促す財政政策を求めたものの、米国の場合、四月実施の戻し減税は、七-九月期の国内総生産(GDP)で個人消費がマイナスになるなど効果は一過性にすぎない。

かといって活路を海外に求めるのも難しい。金融危機がして米国より激しい欧州は、域内経済の底支えで精いっぱい。アジアや南米の新興国も金融危機の影響で経済が疲弊いる。
一〇年末までに五十七兆円の対策を打ちだした中国は、8%成長という自国の雇用確保のためであり、世界経済を支えるには荷が重い。

来年一月二十日。世界はオバマ氏の大統領就任を待つ。ただ、それは残り任期が少なく「レームダック(死に体)」ともいえるブッシュ政権と比べた期待の高さにすぎない。
しかも、オバマ氏は米経済再生を最優先に掲げる一方、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなど保護貿易主義的な考えも持つ。
それだけに結果がでなければ、世界の失望はいや応なく高まるおそれだけはある。

(ワシントン・古川雅和)

世界経済を消費大国アメリカがけん引してきましたから、日本・中国・韓国などアメリカに輸出している国の経済が回っていた、と言って良いでしょう。

しかし、生産を上回る消費をいつまでも続けるわけにいかないのは、国家も個人も同じでバブル経済を「景気がよい」とはやし立てていたのに急ブレーキが掛かった、ということです。

問題は、二種類あるのでしょう。

一つは、短期的なバブル経済の破たん。
これは日本の土地バブルと同じ、かなりやっかいではありますが、それ以外のところが健全であれば、何とかなる派です。

もう一つが圧倒的に問題であると考えているのは、アメリカの経済には生産力がないことです。

日本のバブル破たん寸前には「東京の土地を売ればアメリカが買える」といったバカな話が出てきて、誰が見ても「数字だけのこと」と思っていたわけです。
しかし、製造業も無事だったし商社活動も機能していました。つまり金融以外の生産活動が機能していました。

アメリカでは自動車メーカーのビック3が危機に陥っています。細かい話ではアメリカはヘリコプターを新規開発できないようです。
工作機械はとっくの昔にアメリカ製は消えてしまいました。

もともとアメリカは巨大な国であり、資源も豊富で世界貿易に依存しなくてもやっていける、と自他とも認める国でした。
しかし、現在では石油なども輸入していますし、輸出できるのは農産物ばかりといった国になっています。

アメリカの人口増加が、将来の生産と消費の両方を拡大するのは確実でしょうが、今までが金融工学のテコを使って(リバレッジ)実質よりもはるかに大きく見せかけていた上に、実質的な生産でギャップを埋める見通しが実はなかった、とはっきりしてしまいました。

サンケイ新聞の解説では、現在はドル高なのだそうです。
金融商品の決済のために、通貨としてのドルが必要で連邦準備制度理事会(FRB)がドルを供給しても間に合わない、つまりドル高なのです。
ドル高の反対にあるのが、各国通貨で韓国ウォンのように劇的に下がってしまった通貨もあります。

しかしこの現象も、一時的に決済に必要だからドル需要が増えているのであれば、いずれは本来のアメリカ経済力の評価に見合う水準になるでしょう。
それは、現在よりもドル安になるでしょう。

このような傾向は、円の上昇に現れていてジリジリと円は上昇し続けています。
1年もしますと、ドル安の傾向ははっきりするでしょうが、もちろん対米輸出国にとっては輸出不振になります。
そして、そのような状態がアメリカの生産力が復活するまで、だとするとこれは大変な長期間おそらくは数十年ぐらいの話になるのではないでしょうか?
現在の状況をしのいでも、ジワジワと大変な世界が長く続くような気がします。

オバマ政権は、もともと民主党政権であり政策の軸足を外交から国内に大きく転換するのではないか?と考えます。
ブッシュ政権のイラク・アフガンといった地域での武力行使などから手を引き、世界の警察官の地位を降りるかもしれません。
これは日本にとっては、北朝鮮問題をアメリカが投げ出すことになりますから「アメリカの言う通り」といった外交政策が続かない事になります。
経済も、外交もかなり混迷する時代に突入するのかもしれません。

11月 17, 2008 at 11:18 午前 国際経済など |

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