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2008.09.16

ドル危機

米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たんは、サブプライム問題つまりバブル崩壊の現れの一つで、それ自体は日本では驚く人はほとんど居ないでしょう。

当然ドル安円高になりました。
しかし、これも良く見てみると結構面白いです。

ドル・円レート、5日間のグラフです。
円高に変化したことがよく分かります。

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ユーロです。ユーロはこのところ高すぎたということで、ユーロ安に変化していましたが、それでもユーロ高に変化し、その後ユーロ高基調も反映したということでしょう。

Up1_2

韓国は、9月危機説があって、9月はじめにウォン安に大きく変化しました。

Up3

上のグラフは1月間を示していますが、グラフの中央部が9月1日で、3日間で急速にウォン安に振れたことが分かります。
韓国政府は断続的な介入でウォン高に誘導しました。

Up2

上のグラフは、5日間を示していますが、1ヶ月のグラフと合わせて見ると、あっさりと9月はじめの状態よりも安くなってしまいました。

もちろん日本も含めて世界中の株式市場は、とりあえずは下落したわけで、株価が下がれば為替が上がるのが普通のパターンです。
特に韓国は、石油はもちろん、工業部品を日本から大量に輸入して輸出している国ですから、決済通貨であるドルに対して中立であることが望ましいわけで、そのためにもドル連動で来ましたが、そのドルが韓国から引き揚げられたために、ウォン安になった(ウォンから見るとドル高)と言われます。

理由はともあれ、ウォン安は輸出にはメリットですが、輸入にはデメリットです。ところが、韓国が輸出する商品の中核に使われる部品は輸入している物なのですから、これは厳しい。

作家の大石英司氏がブログ

リーマンを救えなかったものは、もうAIG救済なんて無理ですからね。

世界経済は終わりの始まりをひた走っている所でしょうね。いったい、日本はどうすれば良いんでしょう。てか、日本人は当然山一証券の破綻を思い出して、ここにスキームのモデルがあるじゃないか? と考えるんだけど、当のアメリカは、つい先日日本が辿った道を歩んでいる、という所まで意識している暇が無いんですよね。明日の資金_繰りに追われるだけで。

で、10年前の時点でも、日本には製造業があった。それが日本経済の屋台骨を支えてくれてわれわれは踏み止まった。けれども、いまのアメリカには軍需産業しか無い。ラプターだのイージス艦など売りまくった所でインカムは知れている。ソフト産業のハリウッドにももう金は入ってこない。アメリカ人の失敗を喜ぶ気にはなれないけれど、こうなると、金を回す奴しかいなくなった国の経済をどうやって建て直すんだろう? お手並み拝見、という感じですよね。とにかく踏み止まって、復活してくれなきゃ困る。

確かに注目するべき点でしょう。実際に、アメリカは製造業系統の大企業が投資はしないし、革新もありません、ソフト産業も現場はインドなどに移ってしまっている。
現実にヘンにものが作れない国になっています。

アメリカの先端産業の代表であった、航空機産業もずいぶん怪しいことになっていて、ヘリコプターでは大統領専用機を更新するのに、ヨーロッパ製の機体の改造(?)をやっています。
日本は、ボーイング767を空中給油機としてイタリアと並んで導入しましたが、アメリカ空軍は決まっていません。
ものすごいのは、大統領専用機(エアフォースワン)がエアバス社製になる可能性がある、という話です。

こうしてみると、自動車のビッグ3も公的資金援助の話が出てきていますし、アメリカはここをどうやってしのぐのか、韓国はどうやって乗り切るのか、もちろん日本もです。

9月 16, 2008 at 08:29 午後 国際経済など |

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コメント

また引き

>当のアメリカは、つい先日日本が辿った道を歩んでいる、という所まで意識している暇が無い

日本の「失われた15年」が、ベン・バーナンキ氏をはじめとするメリケンの経済学者諸氏にいやというほどネタを提供しているので、十分意識されているかと。

問題は、日本の高度成長期などの分厚い中間層形成・再分配とかの教訓は取り入れなかったところでしょう。移民労働者向け住宅金融公庫をでっち上げていれば、サブプライムのビジネスモデルはなく、その破綻も起きなかったはずで。:-p

投稿: BUNTEN | 2008/09/17 6:38:02

>問題は、日本の高度成長期などの分厚い中間層形成・再分配とかの教訓は取り入れなかったところでしょう。

大石英司氏の記事で特に注目したのは「10年前の時点でも、日本には製造業があった」の部分です。

要するに、実物を生み出す経済が、金融だけの経済の失敗をカバーできた、という意味でしょう。
現在のアメリカにはそれ(実物経済)がない。

そうなると、BUNTEN さんがご指摘の「日本の高度成長期などの分厚い中間層形成・再分配」になったのか?はいささか疑問が出てくるように感じます。

もちろん、アメリカンドリームがアメリカへの移住者を増やし、先進国では珍しい人口増加があり、人口が増えるからそれなりの消費があり、将来はその人たちが生み出す実体が経済を支えたはずだ、というのは確実ですが、そのためにはやはりデリバティブなどへの「金融投資」の抑制は不可欠ではなかったろうか?

金融投資を抑制して、実物経済を成長させるための各種産業や環境などへの投資によって、実物資本を拡充してこそ、増加した人口が将来のアメリカの経済の担い手になる、というシナリオのはずです。

その場合、個人にとって即効性のあるアメリカンドリームではなくなるから、人口増加もそれほど大きくない、あるいは他の先進国と同様に徐々に人口が減少する未来、と見られたかもしれない。

そうなると、果たして経済成長と言えるのか、中間層への再配分がうまく出来るのだろうか?
と思って、日本の高度経済成長やアメリカのベビーブーマー世代が子どもたちだった頃とは、比較しがたいようにも思うのです。

投稿: 酔うぞ | 2008/09/17 9:18:43

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