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2008.09.28

ソマリア海賊戦車33両を積んだ貨物船を乗っ取る

読売新聞より「戦車積んだウクライナ貨物船、ソマリア沖で海賊乗っ取る

【アディスアベバ=角谷志保美】東アフリカ・ソマリアの沖合で、ケニア向けのロシア製T―72型戦車33両や武器弾薬などを積んだウクライナの貨物船が海賊に乗っ取られ、ロイター通信などは27日、海賊が身代金として3500万ドル(約37億円)を要求したと報じた。

報道によると、貨物船は25日、ケニアのモンバサ港に向かう途中、重武装の海賊に襲撃され、ウクライナ人やロシア人の船員ら21人が人質になった。

乗っ取られた貨物船は、イスラム原理主義勢力の活動が活発なソマリア中部に向かったとの情報もあり、エチオピアのメレス首相は「地域の不安定化のために使われる恐れがある」と懸念を表明。海域を巡回する米駆逐艦が監視を続け、ロシア海軍も現場海域に艦隊を派遣した。

ソマリアは今年、イスラム原理主義勢力のテロ攻撃激化で治安が急速に悪化。近海では今年に入って60隻以上の船が攻撃され、日本企業が所有する船も含め30隻以上が乗っ取られている。

サンケイ新聞より「ウクライナから戦車33両を輸送中、貨物船乗っ取られる 露バルト艦隊、ソマリア沖へ

【モスクワ=佐藤貴生】アフリカ東部のソマリア沖で、30両以上の戦車や大量の弾薬を積んだウクライナの貨物船が海賊に乗っ取られる事件があり、イタル・タス通信などは27日、海賊は貨物船と乗組員を解放する見返りとして3500万ドル(約37億円)の身代金を要求したと伝えた。ソマリア近海では海賊による外国船乗っ取り事件が頻発、エネルギーを中東に依存する日本の貨物船が標的になる事件も起きており、わが国にとっても決して人ごとではない。

貨物船はウクライナ南部の黒海の港を出航し、ケニアのモンバサに向かう途中の洋上で25日乗っ取られた。ウクライナのエハヌロフ国防相は26日、船にはケニアに輸出するT72型戦車33両や大量の弾薬、迫撃砲などが積まれていたことを明らかにした。国防相は、積み荷の兵器・弾薬類は正しい法的手続きをへて輸出されたもので、ソマリア沿岸から遠く離れた航路を進んでいたと強調した。

船にはウクライナ人17人、ロシア人3人、ラトビア人1人が乗っていた。ロシア海軍は今後、ロシアの船舶やロシア人に危害が及びかねないとして、バルト艦隊所属のミサイルフリゲート艦をソマリア沖に派遣した。ソマリア近海では、フランスやカナダ、マレーシアなどが海上で警戒活動を行っている。

10年以上も無政府状態が続くソマリアでは、特に今年に入ってから、イスラム原理主義勢力「イスラム法廷」とエチオピアが後押しする暫定政府の軍による戦闘が激化、治安は悪化の一途をたどっている。乗っ取られた船の解放交渉が頓挫すれば、積み荷の兵器・弾薬類がソマリアや他のアフリカ周辺の戦闘地域に流出する事態も想定される。

イタル・タス通信によると、貨物船は多くの海賊が拠点とするソマリア北東部プントランド地方の港エイルに向かっている。海賊は通常、エイルから船主らと連絡を取り、身代金交渉を行っているという。

英BBCによると、エイルには現在も乗っ取られた船10隻以上が停泊している。現地は乗っ取った船の解放交渉のさいに多額の身代金をかすめ取る「海賊ビジネス」で好況に沸いており、邸宅が立ち並び高級車も売れているという。乗っ取りで年1億ドル以上を稼いでいるとの推計もある。

ソマリアとイエメンの間に位置するアデン湾は、世界の石油の全輸送量の3割以上が通過するエネルギーの大動脈だが、昨年は海賊の襲撃急増で保険料も10倍に跳ね上がったとされる。

こうしたなか、イタル・タス通信は27日、プントランド地方政府高官の話として、今年7月に乗っ取られた日本企業所有の貨物船「ステラ・マリス号」が、身代金200万ドルを支払い解放されたと報じた。

ソマリア沖では、4月にタンカー「高山」が、8月に貨物船「AIZU(あいづ)」が相次ぎ襲われるなど、日本がかかわる船舶への襲撃も後を絶たないのが実態で、日本としても対岸の火事として傍観できる事態ではなさそうだ。

サンケイ新聞より「ソマリア 海賊、無法地帯への逃げ込み図る

アフリカ東部のソマリア沖で戦車や弾薬を積んだウクライナの貨物船が海賊に乗っ取られた事件で、米国などの軍艦3隻が28日、貨物船の捕捉に成功し、うち2隻が貨物船を包囲するように航行していることが分かった。フランス通信(AFP)がソマリア当局高官の話として伝えた。ただ、貨物船は「海賊の楽園」とも呼ばれる北東部エイルへの逃げ込みを狙っているとみられ、緊迫した状況が続いている。(犬塚陽介)

AFPによると、軍艦は米国艦1隻と欧州連合(EU)加盟国の艦船2隻とみられ、ソマリア中部のハラデレ沖を航行中という。現地の複数の漁師や沿岸部の部族長らも同様の目撃証言をAFPに寄せている。

長期の無政府状態によってテロリストの温床となり、海賊行為も横行するソマリア沖では、多国籍軍の艦船が海上パトロールを展開して警戒活動を強化しており、こうした艦船が貨物船を追尾している可能性もある。

一方、米CNNテレビは隣国ケニアの海運関係者の話として、海賊が身代金要求を引き下げたと報じた。海賊は当初、3500万ドル(約37億円)を要求していたが、(1)乗組員が米国人ではない(2)接岸できなければ荷降ろしができない-などの理由から、要求額を500万ドル(約5億3000万円)まで引き下げたという。

ただ、貨物船が目前まで迫っているとみられるエイルは、海賊ビジネスが“主要産業”の無法地帯。英BBCによると、現地では小型パソコンにスーツ姿の海賊用会計士や交渉人が闊(かつ)歩(ぽ)し、街には人質専用の特別レストランさえある。

今月中旬、別の事件でフランス奇襲部隊が海賊から人質を救出した際、サルコジ仏大統領は「エイルでの人質救出はあまりにも危険」として入港前の救出作戦を指示したほどの場所で、海賊がエイル港に接岸する前の事件解決が求められている。

今回の事件を受け、ソマリア沖にはロシア軍もミサイルフリゲート艦の派遣を決めており、約1週間後に現場海域に到着するという。

記事中にでてくる、モンバサ港と乗っ取られた貨物船が向かっているというエリはこんなところです。距離は1800キロぐらい離れていますね。

Up

これはさすがにビックリでありますが、こんなニュースがちょっと前にありました。

韓国中央日報より「マリア海賊出没地域…駆逐艦「李舜臣」送る

政府が、海賊が頻繁に出没するソマリア海域に海軍の艦艇を派兵する案を推進中であることがわかった。

軍の関係者は24日「政府がソマリアの近海上で韓国船舶が拉致されることを防止するために海軍構築することを送る案を推進中」と述べた。韓国が海賊の退散を目標として海軍艦艇を送るのは初めてのことだ。ソマリア海上では10日、韓国人8人が乗った貨物船「ブライトルビー」号が海賊に拉致されたのをはじめ、毎年、韓国船舶が拉致されている。

この関係者は「ソマリアの海上に送る艦艇は忠武(チュンム)公李舜臣(イ・スンシン)艦級(KDX-Ⅱ、5500トン)水準になるものとみられる」とし「艦艇には韓国船舶が拉致される状況が発生する場合に備えて海軍特殊部隊であるUDT(水中爆破チーム)隊員と高速モーターボート・ヘリコプターなどを搭載すると聞いている」と述べた。派兵される艦艇は年間3~6カ月交代の方式を取るということだ。

忠武公李舜臣艦級駆逐艦を派兵するのは、長期間の航海と作戦が必要だからだ。忠武公李舜臣艦級は海軍駆逐艦のうちイージス艦である世宗大王艦の次に規模が大きい。海軍はソマリア海域で韓国船籍の民間船舶が海賊に拉致された場合、直ちにヘリコプターと高速モーターボートで特殊部隊を投入し、人質を救出するという戦略を立てている。

特に国連安全保障理事会が今年の6月、ソマリアの海賊を退散させるために外国政府がソマリア領海に進入することを承認する決議案を通過させた状態であることから、韓国艦艇の活動に制限がないという点も派兵を推進する背景となった。

現在、ソマリア海域には米国とフランス、日本などの艦艇が派兵されており、拉致された自国船舶を優先的に救出している。このため海賊たちは、艦艇を派兵していない韓国などの船舶を狙っているということだ。

中央日報 Joins.com  2008.09.25 07:21:48

もちろん日本船も被害に遭っているし、どこの国の船が問題ということではなくて、国際貿易に大問題を及ぼしている上に、ソマリアが無政府状態の内戦状態に戦車と弾薬を積んだ船を乗っ取ったとなると、国連軍が介入して停戦を強制するといった実力行使の段階に入ってきたということでしょう。

韓国の軍艦派遣を対岸の火事として見ている余裕は無さそうです。
「米国などの軍艦3隻が28日、貨物船の捕捉に成功し、うち2隻が貨物船を包囲するように航行していることが分かった。ソマリア中部のハラデレ沖を航行中」ということは、ソマリアの首都モガディシュからエリに向かって北上中ということでしょう。果たして本当に軍艦が乗っ取られた貨物船を捕捉できているのか疑わしいようにも思います。

こうなると、いくら海賊の誘拐と言っても身代金を払っていては、その後の事態の悪化になっていくでしょうから、そろそろ状況の転換を図らなざるを得ませんが、ソマリアは紅海の入口アデン湾に面しているので、日本にも多大の影響があり、軍事作戦の展開についてもそれなりに考えておかないといけないようにも思います。
ついつい「海賊問題だから」と見逃していたところもあったかと思いますが、こうなると軍事行動の範疇であるだろうし、どうなることやらといったところですね。

9月 28, 2008 at 11:14 午後 海外の政治・軍事 |

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