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2008.05.24

全日空機・エンジン水洗いで作業ミス

東京新聞より「エンジン洗浄ミス 06年の全日空機トラブル原因

全日空機が2006年7月に機内の気圧が急低下し中部国際空港に緊急着陸したトラブルで、急減圧の原因は、エンジン洗浄の作業ミスが原因だったとみられることが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調査で分かった。エンジン洗浄に伴う急減圧は極めて異例。

エンジン洗浄で燃費が良くなり二酸化炭素(CO2)削減にもつながるため、航空各社は、原油高と温暖化を背景に洗浄する機体を急増させており、対策が求められる。

急減圧は06年7月5日朝、中部国際空港の南約130キロの上空約1万1000メートルで発生した。福岡発成田行き全日空2142便ボーイング737-500の気圧が半減し、酸素マスクが落下。同空港に緊急着陸した。乗客乗員46人に酸素不足による低酸素症などは起きなかったが、事故調委は事故に準じた重大トラブルとして、原因の調査に入った。

その結果、エンジンから出る高温高圧の空気を冷やすため、上空の冷たい外気を取り込む量を調節する熱交換器制御弁(直径20センチ、長さ30センチ)などに乾いた洗剤のかすが詰まり、弁の開閉を妨げたことが判明した。

事故調委は、冷たい空気の流入量が減って各空調装置に送る空気が十分に冷えずオーバーヒートセンサーが作動、機内の気圧を保つ空調が止まり急減圧したとみている。

洗剤のかすのほか、熱交換器制御弁などには水が浸入したことを示す水あかもあった。同機は急減圧の4日前まで、中国山東省の整備専門会社で約3週間の整備を受け、エンジン内を洗浄。現地整備士が水を吹き付ける場所を間違え、水や洗剤が入ったらしい。

同機のエンジンは取り込んだ外気を圧縮、燃焼させた高温、高圧ガスでタービンを回し、連動して回る前部の「ファンブレード」で推力を得る。

外気を圧縮する圧縮室に放射状に並ぶ回転羽根という小ブレード(数百枚)に、土やほこりが付くと圧縮効率が低下するが、エンジンを回しながら高圧ホースで年に2回程度洗浄すると、燃費が改善する。

一部の古い機種を除き不要な整備だが、燃料削減のため、航空各社はエンジン洗浄を拡充している。

2006年7月のアクシデントですから、2年前の話で何で今になってやっと調査結果が発表されたのだろう、とちょっと不思議に思うところです。

以前から見ている「航空事故」に記録が出ていました。

  • 2006/07/05
  • 中部国際空港の南約13キロメートル、高度約11,300メートル
  • JA8419 ボーイング 737-500
  • エアーニッポン(株)

当該機は、7月5日

07時24分福岡空港を離陸し飛行中
08時10分ころ上記場所付近において客室余圧の低下を示す計器表示があり、乗客用酸素マスクが自動落下した。当該機は航空交通管制上の優先権を要請のうえ緊急降下を行い、目的地を中部国際空港に変更し
09時09分同空港に着陸した。
出発地及び最初の着陸予定地福岡空港→成田国際空港。
搭乗者乗務員5名、乗客 41名、計46名。
死傷者なし。機体の損壊等:なし。

備考:本件は航空法施行規則第166条の4第10号で規定する「航空機内の気圧の異常な低下」に該当する事態であり、重大インシデントに該当する。

だそうです。今回の整備による故障問題について東京新聞は別の記事を出しています「【関連】コスト対策に“漏れ” エンジン洗浄 海外整備の安全課題

原油高騰と温暖化対策に成果を上げるエンジン洗浄で、安全面の“漏れ”が生じた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調査で、二〇〇六年に全日空機で起きた急減圧の原因に洗浄時の作業ミスが浮上。海外の整備専門会社に委託する海外整備で初の大きなトラブルといい、整備コスト削減のため広がる海外整備の安全確保に課題が浮かんだ。

燃料とCO2の削減を目的とした全日空のエンジン洗浄は、〇三年度の四十回からスタート。〇七年度は千三百十五回と急増中だ。

日本航空も〇五年度の三十数回から始め、〇七年度は四百五十回に拡大。ドラム缶で年間十数万本、東京-札幌間一千数百往復分の燃料を削減できた。

両社は九〇年代から海外整備を始め、海外整備比率は現在、ともに三割を占める。日航はエンジン洗浄の海外委託をしていないが、シンガポールでエンジン洗浄することを検討している。燃費と整備の両コストを削減できる一石二鳥の効果が期待できるという。

事故調委や全日空によると、同社が今回の中国の整備会社に委託を始めたのは〇六年。トラブルが起きたのはこの会社が整備した三機目の全日空機だが、エンジン洗浄の整備は初めてだった。

同年六月十日から七月一日まで、四千飛行時間か一年半に一度の間隔で行う大規模整備でエンジンを洗浄。その際に現地整備士が、水を吹き付ける場所を間違えたという。

現地整備士は全日空の作業基準に沿って洗剤で洗浄。全日空の駐在員も監督したというが、全日空側は洗剤を使わない水洗いを要請したとの情報もあり、事故調委は詰めの調査を急いでいる。
社員常駐や要員訓練作業の「質」確保に努力

海外委託整備は、自社整備に比べ品質を不安視する声が根強い。このため、海外四社に委託する全日空は計六人の社員を常駐させ、現地整備士の訓練期間を拡大。現地整備士を全日空機専用に固定したり、整備士と責任者ら三者でマニュアル通りに整備作業したかを逐一確認したりするシステムにしている。

海外七社に委託する日航グループは、委託の大半が集中する主要二社に計八人の社員を常駐させている。さらにこの二社に出資、役員を送って経営に発言権を持つ。日航本社にも〇六年、海外委託専門部署(二十人)を新設、海外整備の品質確保に努めている。

エンジン内部を水洗いすると効率が回復するというのは、どういう仕組みなのか今ひとつ理解できていません。
回転している羽根の先端は、エンジンの外側のハウジングに接するような感じで、普通に考えても隙間を最小限に減らすようにしないと、圧縮漏れになってしまうでしょう。
テフロンコーティングで滑らせるといった手法も使っているようです。

大型旅客機に使用される大直径のエンジンは当然回転数が遅いのですが、戦闘機に使用するエンジンなどでは、1万回転に近いところで回っています。
円周が2メートルであるとすると、毎分2万メートル、秒速333メートルというとんでもない速度になります。
そこで僅かなゴミも洗い落とすことで回転の抵抗が減るから、効率が向上するのだろうと考えます。

この程度の整備を中国でやった方が安いというのがよく分からないところで、分解整備のように思い切り人手が掛かるところについては、人件費の問題に直結するのは分かりますが、エンジン水洗いといったことぐらいは合理化できるのではないでしょうか?

神戸空港などで24時間体制の整備基地を集約するといったことも考えべきではないかと思います。

5月 24, 2008 at 11:39 午後 もの作り |

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