« ミャンマーのサイクロン被害の規模 | トップページ | 300日と30年、法務省のバカ者 »

2008.05.20

ボンバルディア機の製造ミス

東京新聞より「修理マニュアルなし ボンバル機事故で調査委

全日空のボンバルディアDHC8-Q400(乗客乗員60人)が昨年3月、高知空港に胴体着陸した事故で、前輪が下りない原因となった整備ミスの全容が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。

単純な作業ミスで前輪格納扉開閉装置の一部が損傷。
その修理をマニュアルなしで行った末にボルトを付け忘れるミスが連鎖した可能性が高いという。

事故調委は、近く調査結果を公表する。

事故調委などによると、機体を製造したカナダ・ボンバルディア社が全日空側に機体を納入する1カ月前の2005年6月16日、地上試験中に前輪扉を開けた状態に保つ安全ピンの差し込みが不十分だったため、前輪扉が誤って作動、開閉装置の可動部を損傷した。

ボ社の部品管理記録では、この修理のため損傷部分を含む前輪格納扉開閉装置セットを一式交換したことになっていたが、実際には別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けていた。
その取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた可能性が高いという。

このボルトは外周をスペーサーという筒状の金属部品に覆われ、前輪格納扉を動かすアームと連結、上下動で扉を開閉する。
ボルトで固定されなかった事故機のスペーサーは、振動などで外側にせり出し、周辺の金具に引っかかって、アームが動作不能になった。このため扉が開かず、自らの重みで下りる前輪が出せなかったとみられる。

扉開閉装置セットはほぼ組み立てた状態で下請け業者がボ社に納入するため、ボ社に分解や修理作業のマニュアルはなかった。
具体的な検査項目にもなっておらず、ボルトの取り付け忘れを見逃す死角を生んでいた。

◆中部空港でのトラブルは9件

中部国際空港(愛知県常滑市)で唯一、ボンバルディア機を運航する全日空グループのエアーセントラル(同市)によると、同空港発着のボンバルディア機で、航空法に基づいて国に報告したトラブルは2006年10月から今年3月までで計9件あった。

離陸上昇中、客室の気圧調節ができず引き返したり、離陸後脚を上げたが格納室扉が閉じなかったため、脚を下げたまま飛行したりした。

愛知県によると、県営名古屋空港(豊山町)発着の日航などのボンバルディア機で、「イレギュラー運航」として発表されたトラブルは05年2月から現在までで7件。水平尾翼部分に不具合が見つかって欠航したり、飛行中主翼の揚力調整装置が作動せず引き返したりした。

2007.03.14ボンバルディのノーズギア
2007.11.12ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因
2007.12.03ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因その2

この「胴体着陸事故」については上記の3本の記事を書いています。

今回の報道が事実であるとすると、

  1. 前輪扉が誤って作動、開閉装置の可動部を損傷した。
  2. 修理のため損傷部分を含む前輪格納扉開閉装置セットを一式交換することになっていたが
  3. 別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けようとしたが
  4. 取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた

ことになります。
しかし、わたしが書いたコメントの中に重大な内容がありました。

ボンバルディのノーズギアのコメント

テレビのニュースでは、問題のボルトは冷やして締め込んで、ナットと同じ温度になるまで膨張すると外れなくなる、という永久締結機構だったそうで脱落したのではなく、最初から組み立てられていなかったのではないか?となっているようです。

投稿 酔うぞ | 2007/03/15 21:45:14

これで、

  1. 前輪格納扉開閉装置セットを一式交換したことになっていたが
  2. 別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けていた
  3. 取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた

ではなくて、取り付けることが出来ない構造だった。と言えるでしょう。
そういう仕組みだったからこそ、「前輪格納扉開閉装置セットを一式交換」としていたわけだし、「分解や修理作業のマニュアルはなかった」のも当然だと言えます。

内容は修理ですが、これは製造の問題ですね。
修理作業であればユニット交換であったはずで、ユニット交換する仕組みを勝手に作ってしまったわけだから修理とは言えない。強いて言えば、製造時に正しい作業をしていなかったとなりそうです。

結構な大事に発展するかしれません。

5月 20, 2008 at 10:00 午前 もの作り |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/41264380

この記事へのトラックバック一覧です: ボンバルディア機の製造ミス:

コメント

おはようございます。

いつも思うのですが、「何件あった」という記事は、一体何を伝えたいのでしょうか。

今回の件数も、比較する対象が無ければ、多いのかどうかも判らないですよね。

比較対象が無ければ、その記事は何も言っていないに等しいのでは…と考えてしまうのは、ある種の職業病でしょうかね(笑)

投稿: com | 2008/05/21 8:42:49

はじめまして。横槍失礼します。
件数は事実で固定値でただの情報ですが、
類似事故件数は条件付けで件数が変動するので、逆にそれをするほうが思考の誘導を招いてしまうかと。
例えば極端な例として、ライト兄弟以後から全ての飛行機事故を対象としたり、同型機のみを対象としたり、同事故部位のみを対象としたり、で数が変わるようにです。

ですので、何か伝えたいことがある、とかまで考えてのことではないかと。
っと、皆さんわかってやってますよね。すみません。

投稿: defgeo | 2008/05/28 23:04:07

コメントを書く