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2008.04.13

学校のスタッフ拡充と仕事の合理化が必要

サンケイ新聞関東版より「都立高副校長はツライ!? 残業が全国平均の2、3倍

都立高校の副校長の平均残業時間が、勤務日で3時間19分、休日出勤時の業務時間も3時間5分にのぼり、全国の高校教員平均の2、3倍に達していることが、都教育委員会の調査で分かった。

総合的な学習の導入で地域との連携が深まり、窓口役の副校長に業務が集中していることなどが要因。
都教委は、副校長をサポートする教員の育成を急ぐなど対応策を検討している。

副校長の残業の内容をみると、報告書の作成が70分と最多。休日出勤時の業務内容は、地域行事や会合への出席など「外部対応」が平均約1時間半と半分を占めていた。

公立小中高校・特別支援学校の副校長になるための管理職試験の倍率は、平成12年には4・5倍だったのが、19年には2倍にまで下降。都教委によると、副校長の責任の重さや多忙さが不人気の要因の一つになっているという。

この問題は言うまでもなく都立高校だけの問題ではなく、どの公立高校でも同じ事情です。
記事にもありますが「総合的な学習の導入で地域との連携が深まり、窓口役の副校長に業務が集中」の部分はおつき合いしている都立高校を見ているとよく分かります。

しかしわたしはこれは本質的な問題ではないと考えています。

現在では、どの仕事場にもコンピュータが並んでいるのが常識になっていますが、このようになったのはわずか10年ぐらい前のことです。
それまではオフィスで「PCが扱える人」が居ました、今では「誰でも扱う」となっています。
ではこの間にPCは極端に進化したのでしょうか?と言えばそんなことはない、もちろんビジネス界にとってはPCの低価格化が一番の要因でありましょうが、低価格化を受けて合理化圧力が仕事のやり方を変えたのが最大の変化です。

仕事の中身と仕事やり方、職場の構成は一連のセットであって、PCを使うことが仕事のやり方を変え、職場の仕組みを変え、結果的に人員配置をも変えてしまいます。

実際問題として、企業規模が大きくなるほど変化には手間と費用が掛かって中小企業よりもPC利用が遅れた会社も珍しくありません。
しかし、今では事務の合理化は社会の常識になっています。

学校にたびたび行くようになって「気づかなかったな」と思うのは「学校は地域単位で見ると最大規模の組織体である」です。
小中学校まで含めますと、1キロ四方に一つぐらいの学校はあります。その学校は平均的に数百人から千人ぐらいの生徒と教職員が居る組織です。

数百人から千人の人が一ヶ所に集まっているのは他には、大企業とか巨大店舗ぐらいです。そういうものが1キロ四方に一つあります。
その運営が大変なことは容易に理解できますが、学校の運営は先生が授業の片手間にやるような仕組みになっていて、運営のための事務職員は極端に少ないです。
しかも、授業内容に関わる仕事そのものである準備や助手といった人員は公立高校では皆無。

このような状況はほとんど戦前から変わっていないと思いますが、そこにPCとネットワークだけ持ちこみました。さらに地域連携も持ちこみました。
こうなると必要なのは、副校長以下学校のスタッフ側の拡充ですが、部活の指導までも教員が行うのでは人員増加しか手がないわけで、それは無理だとなります。

そういった色々な問題を「副校長に押しつけた」と言うべきであって、新聞記事のようになるのは当たり前のことです。

学校自身も、行政も、地域社会ももっと学校のあり方を見直す必要があります。

4月 13, 2008 at 09:34 午前 教育問題各種 |

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コメント

 事務職や技術職(ありていに言えば用務員)が減らされているのは大学も同じです。かつては専門の技官が施設のメンテナンスを行っていたのに、今は大学院生がやってます。
 院生は数年しか大学にいませんから、ノウハウは蓄積されず、担当者が変わるたびに初歩的な操作ミスが続発します。
 事務職はどんどんアウトソーシングされ、常勤は非常勤に変わりつつあります。表向き、人員が減って合理化されたように見えますが、非常勤の外部職員では、定型的な対応しかできません。担当者があらかじめ決められていないことは、知らんぷりです。
 仕方がないから、非定型的な雑用は教員がやっている。博士号を持ち、研究教育業務に専念すべき人たちに、学内PC機器のメンテナンスをやらせているのです。とんでもない、人材の浪費だと思います。

投稿: Inoue | 2008/04/13 10:32:26

近年の一連の経済改革の成果が出始めているということですね。それに比べて、現場の意識改革はまだまだである、といったところでしょうかね。

投稿: オキナタケ | 2008/04/15 0:23:23

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