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2008.04.15

神戸大学・全学で遺伝子実験を停止

読売新聞関西版より「神戸大、遺伝子実験を停止

操作菌を違法廃棄 全学に調査命令

神戸大医学研究科の久野(くの)高義教授(57)の研究室が、遺伝子を組み換えた大腸菌や酵母を違法に廃棄していた問題で、同大学は11日、学内のすべての研究室に、遺伝子組み換え実験の停止を命じた。広範囲の科学実験を差し止めるのは極めて異例で、大学は「疑惑がある以上、万一を考えて全学的な調査が必要と判断した」としている。

実験の停止は、野上智行学長名で、医学、理学、農学、工学、自然科学などの研究科と各種センター、付属病院など計12部門に電子メールで通知された。

マウスなど遺伝子組み換え動物の飼育継続は認めたうえで、「全学における全(すべ)ての遺伝子組み換え実験を本日から直ちに停止することを命じます」とし、解除の時期は示していない。

同時に、学生まで含めた研究関係者全員に、これまでの処理の実態を問う調査票を配った。

  1. 遺伝子組み換え実験の経験の有無
  2. 実験内容
  3. 廃棄する時の不活化処理の有無
  4. 封じ込めレベルに従った実験室で行ったか

の4項目で、署名と押印も求め、16日午前10時までに提出しないと、実験停止を解除しない場合もあると警告している。

大学側は「久野研究室の大学院生らに対する聞き取り調査で、教授の説明と矛盾する内容が複数出てきた」としている。

突然の命令に、生物学系の教授の一人は「とばっちりに怒っている教員も多い。実験停止が長引くと、国の研究費の一部を返したり、新たにもらえなくなったりするかも」と苦い顔。

理学部の教官は「当面は別の研究をするが、1か月以上になれば大問題で、研究成果を出せなくなる」と心配する。農学部の教官は「学生の教育にも影響が出るだろう」と話した。

この事件は2008年4月11日の朝日新聞の記事「遺伝子操作の大腸菌、下水に 神戸大教授が不法投棄指示」を承けたのものです。

神戸大大学院医学研究科(神戸市中央区)の久野(くの)高義教授(57)の研究室(分子薬理・薬理ゲノム学)で、がん発症のメカニズムを研究するために遺伝子を組み換えた大腸菌や酵母を滅菌処理せず、違法に処分していたことがわかった。同教授によると、滅菌処理は手間がかかるため、院生らに違法な投棄を指示していたという。文部科学省は同大に調査と報告を求めている。

久野教授らによると、同研究室では、発がんの仕組みなどを調べるため、大腸菌や酵母の遺伝子を組み換えて培養。少なくとも4年ほど前から、大腸菌などが入った培養液や寒天状の培地を加熱処理して死滅させず、そのまま下水に流したり、一般ごみとして捨てたりしていたという。

遺伝子組み換え生物を扱う実験では、危険度に応じて管理方法が4段階に区分されているが、同研究室は危険度が最も低い「P1」レベルだった。遺伝子組み換え生物等規制法は、生態系へ影響を与えないよう、拡散防止措置を取らなければならないと定めている。違反すると、懲役1年以下か100万円以下の罰金と定められている。

久野教授は朝日新聞の取材に「実験に使っていた大腸菌が人体に無害であることから、安全だと過信して処理に手を抜いてしまった」と話している。同研究室には助教、助手、大学院生ら約25人が在籍している。

文部科学省生命倫理・安全対策室によると、3月17日に、処理について匿名の通報があり、神戸大学に調査を指示した。同大は今月4日、遺伝子を組み換えた大腸菌を廊下で違法に培養していたと発表。菌の処理方法については「調査中だが、流出は確認されていない」と説明していた。

大阪大微生物病研究所の菊谷仁所長(免疫学)は「遺伝子を組み換えた大腸菌は生命力が弱く、自然界に出してもすぐに死んでしまうが、環境や人間への実害がほとんどないからといって、違法に処理するのは、倫理上の観点からも問題がある」と話している。

モトケンさんのところでも活発に議論されています。遺伝子組み換え大腸菌
各方面の専門家のコメントが多いのですが、

  • 正直な話を申し上げますと、この程度の垂れ流しはどこでもやっているのが現実です。
  • 時期的(人の入れ替わる年度末)に見ても内部告発でしょう。
  • 今回も告発者が告発した動機は、嫌いな教授をつぶしたいだけだったようです。

といった核心的なコメントが付いています。
周囲がこのような見方をしているところにこの記事が出たことになりました。

大学側は「久野研究室の大学院生らに対する聞き取り調査で、教授の説明と矛盾する内容が複数出てきた」としている。

いくら何でも関係者(教授)はもう一寸分かりやすい説明をして「全学で実験停止」なんてことにならないように出来ると思うのですが、どんな説明をしたのでしょうか?
一番安直に想像できるのは「どの研究室も同じようなことをやっている」でしょうか?

今後何がでてくるのか注目ですね。

4月 15, 2008 at 09:48 午前 医療・生命・衛生 |

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コメント

神戸新聞からより詳しい内容のニュースが出ています。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000933092.shtml
>久野教授は研究生らに「外部にばれなければ問題ない」と専用装置による処理を指導していなかったほか、「もっとひどいものを捨てている研究室もある」などと話していたという。

どうやら故意犯確定で、偽証も追加されることになりそうです。
この事件のおかげでバイオ研究者に向けられる不信を思うと頭が痛いです。

投稿: 黒影 | 2008/04/15 17:25:09

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