広島県知事の選挙疑惑
中国新聞より「県議名閲覧を許可 藤田知事後援会「対策費」疑惑」
藤田雄山広島県知事の後援会政治資金不正事件の裁判記録開示をめぐり、広島地裁は二十一日、知事の元秘書らが「一九九七年の知事選で金を渡した」などと広島地検に供述した県議、県議経験者ら十七人の実名閲覧を県議会に認める決定をした。県議会は二十四日に主要会派の代表者会議を開き対応を協議する。
決定によると、十七人のうち十一人は、実名閲覧を許可しない地検への不服を県議会が申し立てた昨年三月時点の現職で、申し立てに賛成し、閲覧による不利益も甘受する意思を示している▽公的地位にあり、地位にかかわる事柄の調査、批判への受忍範囲は一般人より大きい―と判断した。
残る六人も「(知事選当時は)公職に就き、一定の調査、批判は甘受すべき立場」とし地検による実名閲覧の不許可を取り消した。
地検は、実名閲覧について「氏名が一人歩きする」「仮に公選法違反でも既に時効が成立して捜査はできず、疑いだけで落選などの不利益の恐れがある」と主張した。決定は「県議会には個人情報保護条例などの規律があり、必ずしも氏名が一人歩きするとは言えない」などと退けた。
記者会見した県議会の林正夫議長は「申し立てのほとんどが認められた。(対応は)二十四日に各会派の代表者会議を開き、みなさんのご意見を聞いて決めたい」と説明。藤田知事は「司法の場で判断、決定されたものでありコメントは差し控えたい」との談話を発表した。
地検の信田昌男次席検事は「開示するか、最高裁に特別抗告するかどちらかになる。決定の理由などを詳細に検討し、早急に対応を決めたい」としている。
地検が抗告しなければ、議会は訴訟記録を閲覧する予定。ただ、議会は地裁への不服申し立てで、県議の実名は真否が判断されるまで内部資料にするとしており、公開されるかどうかは不透明な情勢だ。(長田浩昌、門戸隆彦)
実名閲覧を求める広島県議会の不服申し立て
藤田雄山広島県知事後援会の政治資金不正事件で、元秘書が1997年の知事選をめぐり、当時の県議17人の名前と金額を記したメモに基づき、広島地検に「金を渡した」などと供述。地検は2006年9月の裁判記録開示で県議会にこの調書の閲覧を認める一方、県議の実名は伏せるなどしたため、昨年3月12日に申し立てた。
藤田雄山 ( ふじた ゆうざん ) 広島県知事のプロファイルが広島県のHPにあります。
昭和57年9月
(~平成元年6月)元参議院議長藤田正明秘書 平成元年7月 参議院議員(広島選挙区)に当選 平成5年11月 広島県知事に当選(当時全国最年少) 平成9年11月 広島県知事に再選 平成13年11月 広島県知事に再選 平成17年11月 広島県知事に再選
問題になっている選挙が、1997年ですから3回前の平成9年の選挙のことです。
確かに検察の主張する「いまさら時効だし」というのはその通りですが、議会「やるものを検察が特別抗告してまで止めるとなるとそれ自体が「どういうことだ?」となりそうです。
この事件については全く知らなかったのですが、以下が事件化した始まりだそうです。
広島地検が2005年11月、藤田雄山知事後援会の元事務局長の自宅を捜索した際、1997年の知事選に関する元秘書の手書きメモを押収。県議15人の名前と金額が記載され、10人は今も現職とされる。地検の調べに元秘書は「メモが残っている以上は話すべきであると思う」と現金提供を供述した。地検は、元事務局長がワープロ打ちした別のメモも押収。元秘書の手書きメモにはない県議3人の名が含まれ、元秘書はこのうちの2人に30万円ずつ渡したと供述している。2人が今も現職かどうかは分かっていない。
その後の動きは、2007年5月29日付けの中国新聞が特集記事を作っています。「<特集>強制捜査から1年半 知事選 疑惑の構図」
藤田雄山広島県知事後援会の政治資金不正事件は、知事選をめぐる県議への対策費や自民党県連への上納金などの疑惑を次々に浮かび上がらせた。知事、議会とも疑惑解明を目指してきたが、議会での関係者の証言などは実現せず、真相は今も闇の中で県民の政治不信もぬぐえていない。広島地検の強制捜査から29日で1年半。4回の知事選をめぐる疑惑の構図と、知事、県議会の取り組みを検証する。(荒木紀貴)
▽知事の取り組み 元事務局長ら説得続く
二〇〇五年十一月の事件発覚後、「事実が判明した時点で県民に説明したい」と繰り返してきた藤田知事。当初は、元後援会事務局長と面談を重ねたが、裏金の使途は聞き出せず県民に説明できない状況が続いた。
昨年九月の裁判記録開示で、過去の知事選での買収工作を認めた元秘書の供述調書の存在が明らかになると、知事は元秘書の聴取も模索。だが、説明は拒まれたとし、昨年十二月に参考人として出席した県議会調査会では、事実関係は「分からなかった」と連発した。
知事の調査が進みだしたのは、昨年末に県議会が一回目の辞職勧告を決議してから。元事務局長と元秘書が一転して説明を始めたとして、知事は今年二月、元事務局長が「桧山俊宏元県議会議長から暗に金を要求された」と訴えていることも公表した。
同月の県議会定例会で知事は、元事務局長が調査会への出席を内諾したと明言。元秘書も出席の準備をしていると述べた。だが、答弁の一週間後、元事務局長は出席内諾を撤回した。桧山氏が所属する自民党議員会が知事に「名誉を棄損した場合には直ちに法的手法を取る」と通告したことなどを理由に挙げた。
四月の県議選後、議長に選ばれた林正夫氏は今月二十一日、知事に最大限の努力を要請。知事も記者会見で二人の説得を続ける考えを強調した。六月二十一日開会予定の定例会までに、事態を打開できるか否かを議会側は注目している。
▽議会の取り組み 知事の調査結果待ち
事件は当初、藤田知事の個人後援会が舞台だった。しかし昨年二月、検察側が初公判で「毎回の知事選で各種議員へ対策費と称して現金を支払うなど多額の出費が必要だった」と指摘し、事態は一変。県議会を巻き込む展開となった。
県議会は昨年三月に調査会を設置。全県議から自己申告書の提出を受けたが、全員が金の受け取りを否定した。さらに、(1)有罪判決が確定した元後援会事務局長(2)県議への対策費提供を供述した元秘書(3)自民党県連への上納金疑惑で名前が浮上した元県連会長代行の桧山俊宏元県議会議長― の三人に出席を求めたが、いずれも拒否された。
昨年十二月にまとめた報告書は「対策費や使途不明金は明らかにできなかった」としている。
疑惑解明を果たせないまま迎えた今春の県議選では、事件が争点として浮上。自民党系の現職十人が落選した。最大会派だった自民党議員会は離脱者も相次ぎ、所属議員を改選前の二十八人から十四人に減らした。
改選後の今月十八日、主要会派による代表者会議では、早期解決を目指す方針で一致。林正夫議長は知事に面会して最大限の努力を尽くすように要請した。県議会としての今後の取り組みは「知事の調査結果をみて協議する」としている。
(1)期目 参院議員から転身 対策費2、3億円配る?
一九九三年の知事選は参院議員から転身を図った藤田知事が、現参院議員の亀井郁夫氏(広島)や元県教委教育長ら四人と争う激戦だった。開示された元秘書の供述調書によると、知事陣営は票の取りまとめや不評を抑える目的で、国、地方の政治家らに計二、三億円の対策費を配ったという。
「金の出所は藤田家から出たと言うくらいにしてほしい」「使った先は国、地方のバッジ族、関係諸団体」―。元秘書の供述調書は知事選の「舞台裏」を記す。一方で「それぞれの政治生命など重要な問題を多数はらむ」とも述べ、金を渡した相手に関する具体的な供述は拒んでいる。
元秘書は昨年十月、県議会調査会に提出した文書で「法に抵触したことは間違いありません」と回答。参考人招致はずっと拒否している。
(2)期目 事実上の「無風」 メモには17県議の名前 自民県連に上納金渡す?
一九九七年の知事選は共産党系候補との一騎打ちで、藤田知事が大差で再選された。事実上の「無風」だが、元秘書の供述は、「円満に選挙を終えるため」の対策費が三、四千万円に上り、自民党県連には上納金を渡したとする。
裏金の物証がほとんどない中、対策費を渡したという県議十七人の名前と金額を記したメモが元事務局長の自宅から押収された。元秘書は供述調書で「メモが残っている以上話すべきである」とし「折に触れて現金で渡したように記憶している」と述べた。
十七人には、今年四月の改選前まで現職だった十人も含まれていた。ただ、地検は県議の実名を伏せて開示したため、県議会は三月に広島地裁に不服を申し立てた。地裁の判断は、まだ下っていない。現金の受け取りは全県議が否定している。
自民党県連への上納金疑惑は、元秘書が「元事務局長から聞いた話」として三千万円を渡したと供述。だが、県連側は全面否定し、藤田知事も四月の記者会見で「元秘書、元事務局長とも『三千万円を持って行ったという覚えはない』と断言した」と述べ、供述調書と大きくくい違う。
(3)期目 共産候補下す 県連幹部が増額を要求?
共産党候補を大差で下した二〇〇一年の知事選でも、自民党県連への上納金疑惑がくすぶる。
元秘書の供述調書は「元後援会事務局長から聞いた話」として「県連に千五百万円を渡した」と記述する。さらに「信頼できる人から聞いた話」として、県連会長代行だった元県議会議長の桧山俊宏氏が第三者を介して三千万円の増額を求めてきたとしている。
藤田知事は今年二月に元事務局長の聴取結果を公表。桧山氏から知事選前に「参院選が三千万円だから知事選は五千万円かのお」と言われた―との説明を受けたと明かした。実際の金の授受は答えなかったという。
一方、桧山氏は関与を全面否定。県連の中川秀直前会長も今月の県連大会で、上納金疑惑について「調査の結果、事実を裏付けるものは見当たらなかった」と述べた。
(4)期目 初の政治資金パーティー 裏金の使途なお闇の中
知事選を二年後に控えた二〇〇三年十二月、知事後援会は四選に向けた活動資金を集めるため、初めての政治資金パーティーを開いた。八千六百万円を集めたが、県選管には収入が五千万円だったと報告。差額の三千六百万円を裏金にしていた事実が明るみに出た。
裏金の使途について、元事務局長は供述調書で「表に出せない活動費に使った」と説明しただけで、黙秘を続けた。県議会調査会の参考人招致も拒否し、裏金が流れた先は謎のままだ。
県議の一部は今年一月、元事務局長が裏金を私的流用したとして業務上横領容疑で地検に告発。元事務局長は調査会に提出した文書で「いわれない告発だ」と反論した。
●クリック 藤田雄山知事後援会の政治資金不正事件
4期目の任期に入った2005年11月29日、広島地検が強制捜査に着手。03年の政治資金パーティーで8600万円を集めながら、県選管には収入を5000万円と過少報告したなどとして、当時の後援会事務局長が政治資金規正法違反罪で起訴され、禁固1年6月、執行猶予3年の有罪判決が確定した。初公判で検察側は、毎回の知事選で県内の各種議員に対策費と称して現金を渡していたと指摘。裁判終了後、知事や県議会が裁判記録の閲覧を請求し、地検が約1000ページ分の記録を開示。対策費は1993年の1期目の知事選で2、3億円▽2期目が3、4000万円▽2、3期目には自民党広島県連に上納金が渡った―とする元秘書の供述調書が明るみに出た。
最終的に確認されていないとは言えここまで大きな話になっているとは驚きです。
2005年11月に広島地検が事務局長の自宅を捜索したというのは前回の知事選挙に絡んでの捜査ですね。
そして次の選挙は2009年11月に予定されていますから、現時点でほぼ1年半前だとなります。
こうしてみると、すでに次の選挙への影響を考えるべき時期になっているわけで、今後どういう展開になるのか興味深いです。
3月 22, 2008 at 09:27 午前 国内の政治・行政・司法 | Permalink
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