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2008.02.16

学習指導要領改定案が発表された

朝日新聞より「40年ぶり小中授業増 理数09年から 指導要領改訂案

文部科学省は15日、小中学校で教える標準的内容を定めた学習指導要領の改訂案を発表した。

現行版から引き続き「生きる力の育成」を掲げ、知識の習得、活用する力、学習意欲を身につけさせるため、68~69年改訂以来40年ぶりに総授業時間と学習内容を増やした。教育基本法改正を受け、「公共の精神」の育成や伝統・文化の尊重も盛り込んだが、道徳の教科化は見送った。

「ゆとり教育」が批判を浴び、国際的な学力調査でも日本の成績低下が問題となる中、学力向上の姿勢を明確に打ち出した。

全面実施は小学校が11年春、中学校が12年春の予定だが、文科省は09年春から段階的に移行する計画だ。内容が特に増える算数・数学、理科はこの時点で授業を増やし、教材も文科省が配布する予定だ。

改訂案は、あらゆる学習の基盤となる「言語力」の育成に注目し、各教科で論述を重視。
このため国語、算数・数学、社会、理科、外国語で、体力低下防止の観点から体育・保健体育で、それぞれ授業を増やす。
一方、「総合的な学習の時間」(総合学習)は減らし、中学校の選択教科も原則なくす。

この結果、総授業時間は小学校で約5%、中学校で約4%増える。

中でも、算数・数学は約18%、理科は約23%増となる。
小学算数で「3.14」の円周率を場合によって「3」とする規定をなくし、中学理科ではイオンや元素周期表を入れるなど学習内容も充実させるが、授業増の割合と比べると抑え気味だ。

改訂案を一気に実施に移すと、基礎を学ばないまま上の学年で発展的な内容が出てくる場合があるため、09年春から前倒しで教え始める。
ただし、単純に授業を増やすと教員の手当てがつかないため、もともと減らす総合学習や選択教科の時間を使う可能性が高い。

道徳教育は「教科書検定で国が価値観を判断することは難しい」などの理由で教科化は見送る一方、各校に「道徳推進教師」を置き、学校全体で取り組む。

文科省は今後、教材の国庫補助を検討し、乳幼児期を含めた「子どもの発達と徳育」に関する有識者会議を立ち上げる。

学習指導要領

小学校から高校までの学校教育で、学年ごとに教える内容と時間を示した文書。
文部科学相が学校教育法に基づいて告示する。教科書も指導要領に沿って編集・検定されている。47年に試案が公表されてから今回が7回目の改訂となる。

ゆとり教育の発想には多分にバブル時代の「根拠なき楽観主義」があったのではないか?と思います。

ところで、学力調査で日本の成績が低下したこと、仕事をすぐに辞めてしまう若者、小学生並みの学力しかない高校卒業生、といった事実が「ゆとり教育の影響だ」と決めつけられている感じで、「学校の週5日制が良くない」といった意見も出ています。

しかし、詳細に見ると国際学力比較では、成績の低い層がより一層成績が下がり、成績の高い層は従来同じか上がった、という報告があります。

以前は考えられなかった「小学生並みの学力の高校卒業生」の存在を裏付ける形になったわけです。

つまり、同年代の子どもたちの間での学力格差が開いたということで、感覚的にも「お金があれば公立高校には進学しない」といった進学熱とも符合します。

一方、子どもたちを取り巻く環境は昔に比べると大きく変わりました。

一言でいえば、家庭から経済的な面も含めてゆとりがずっと減った。

一方で、テレビ・ゲーム・インターネットと情報を家庭や個人で得ることが非常に簡単になったから「人に聞く必要もなくなった」。

こんな事が、積み重なってあらゆるところが「専門化している」と思います。

子どもたちは、受験のための専門家として過ごしている。と考えれば分かりやすい。

学習指導要領の改訂だけで劇的に何かが良くなるとは、ちょっと思えないのです。

わたしやっている「ロボット授業」では18名ぐらいの生徒を、4人ぐらいで指導します。
ごく普通に考えても、ここまで手厚くやって成果が何も生まれないなんてことはことはあり得ないでしょう。

この事から分かるのは「40人学級制度が無理じゃないのか?」ですし、学校に入ってみると「先生の異様な忙しさ」に驚きます。

教師とは子どもたちと対面することの専門家のはずなのに、事務処理が今や半分を超えているのではないでしょうか?

実際にも、教育は情報産業一種ですから電子政府化ということで教育委員会からのネットワークなど、学校内のネットワーク使用は当然とされていますが、ネットワーク管理者が選任で居るところは公立高校では無いように思います。

何百人のデータを年中扱うネットワークが出来たのに、従前の人員でなんとかしようというのが無理、といったところに問題が出てきます。

学校の仕組み自体は、この数十年間ほとんど変わっていないわけで、世間はどんどん変わってしまった。

教育指導要領は、仕組みそのものを変えるのではなくて、いわば色を変えるぐらいの意味のものでしょう。
それで大きく変わってしまった社会に対応できるものなのでしょうか?

何年か後に「ゆとり教育見直しでも改善されなかった」となるような気がします。
問題を直視していない、ということではないのかな?

2月 16, 2008 at 11:18 午前 教育問題各種 |

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コメント

「ゆとり」前と比べたらどう違うのかなー。どこも比較してないけど。

投稿: 昭ちゃん | 2008/02/16 16:04:57

ちょっとお待ちを。

今比較表を作っております。(三四郎で(^_^;)

投稿: 酔うぞ | 2008/02/16 16:20:59

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