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2008.02.09

韓国語が危機なのだそうです

韓国朝鮮日報より「韓国語は絶滅の危機にある

李相揆(イ・サンギュ)国立国語院長インタビュー

李相揆(イ・サンギュ)国立国語院長は、今月から始まる「国民の国語能力調査」の準備で忙しい。38年ぶりに全国的に文盲率を把握するという調査だ。

国中が英語公教育強化の賛否を巡る議論が高まっている中、李院長は韓国人の韓国語能力に深刻な問題があると憂いているわけだ。

4日に国立国語院(ソウル市江西区傍花洞)で行われたインタビューで、李院長は「英語に劣らず急を要するのが国語教育の強化だ」と語った。

─韓国語はどれほど深刻な状況にあるのですか。

「大事件になっています。韓国語は絶滅の危機にあります。

見てください、新聞にはこんな文章がよく出て来ます。
“国家発展戦略構成のためタスクフォース結成”。
ここに韓国語(生粋の韓国語)がどれほどあるでしょうか。昔の吏読(漢字による朝鮮語の表記)と同じようになってしまいました。

われわれが過去50‐60年の間に飛躍的な経済的跳躍を成し遂げるに当たっては、韓国語中心の語文政策が大きな役割を果たしており、それが可能だったのはハングルの偉大性ゆえなのです。

ところが今は…小学校3年生の1クラス中5、6人は韓国語をきちんと使うことができない、という調査結果も出ています。読み書きの能力が大きく落ちているのです」

─政権引き継ぎ委員会が先日、他の科目も英語で授業をするという教育方針を明らかにしましたが、撤回しましたね。

「教育方法に関する専門家ではないため、どうこう言うことはできません。英語教育を強化しようということに反対するのではありませんが、どのように国語を守り教育を強化するのかについても、必ず同時に考慮すべきだということです。

英語教育が万一、わたしたちが交流相手国との疎通のための教育とならず、一般的な言語侵奪と化してしまったら大変危険です。

英語ばかりよくできるからと言って、先進国になれますか。フィリピンをご覧なさい。
数百年にわたりスペイン・米国・日本の支配を受けた末、文化と言語の混乱に遭い、英語が分からない国民40‐50%は永遠に疎外される階層として残っています」

─引き継ぎ委の李慶淑(イ・ギョンスク)委員長は、外国語表記の問題にまで言及しました。

「現在の“オレンジ”のハングル表記を別の書き方に変えようというのは、訓民正音をつくった当時、“中国”をハングル表記しようとして失敗した理想的原音主義に似ています。

既に韓国語の一部となった“外来語”は、その国の辞典で探してみれば全て載っている“外国語”とは違います。

当然ながら、韓国語として定着した通りに表記しなければなりません。いかにハングルが卓越した言語であっても、世界のあらゆる言語をすべて記すことはできません。

われわれがいちいち対応しないため、よく分からないかもしれませんが、ここ(国立国語院)にいるのはみな専門家です」

─韓国語に対する認識をどうしたら変化させることができますか。

「韓国語は既に国際語になった、という点が重要です。

既に昨年、特許協力条約(PCT)の国際公開語に採択され、国際語ではないインドの方言 3‐4種類を除けば、全世界での使用頻度第9位です。これはフランス語に匹敵する水準です。母国語を失うということは、国民国家としての正統な姿を喪失すると同時に、人類文化の知的資産を破壊することです。

ソウルにない地方語を包括し、韓国の民族語を豊かにしなければなりません。
国際結婚の家庭では、配偶者の言語を習うと同時に韓国語を教える、文化的相互主義の教育が必要です」

決して韓国事情に詳しいわけではないけど、だいぶ前から継続的に朝鮮半島情報には注意を払っていて、日韓自動翻訳掲示板の Enjoy Korea も見ています。

ご承知かと思いますが、ハングルは日本語のひらがなに相当する表音文字ですが、韓国の古くからの文字は漢字でした。
ハングルは日本でカナが出来たのと同様に後から出来た文字です。

1960年代ぐらいまで(正確には知らない)は韓国の文章は漢字ハングルまじり文であったのですが、公文書をハングル表記することになってから、漢字がどんどん使われなくなって出身地の地名を漢字で書けない大人も増えたということです。

日本人としては漢字が使えないのはかなり異様に感じるのですが、Enjoy Korea での韓国人の意見は「漢字は中国語であって、漢字を使う日本は中国語から独立していない」といった表現が良く出てきます。

正直な話がどうして「独立していない」といったことなるのか良く分からないままだったのですが、ちょっと前に出ていた韓国の言葉の変遷の記事に「同音異義語を避けた表現」という話が出ていました。
表音文字で書き表すために同音異義語の扱いが出てくるのですが、それを同音になるような縮めた表現をしない、ということのようです。

うまい例が思いつかないので、検索してみました。
「補償」「保証」「保障」もちろん韓国語ではないから、そのものずばりではないのですが、三つの「ほしょう」という言葉を「つぐなうこと」と「ほしょう」と「めんどうみること」と表現するようなことらしいです。
まるで実際的だとは思えませんが・・・・・・。

もう一つの意見として、英語などのハングル表記を元の発音で書き表すというのもありました。

さらには、次期大統領の政権では、全ての学校教育を英語で行うという意見も出ています。

こんな背景のある韓国語の実情について、国立国語院長がインタビューに応じた、というのがこの記事です。

わたしが注目するのは「外国語をオリジナルの発音で表記する」という意見なのですが、国立国語院長もインタービューでこの問題に言及しています。

既に韓国語の一部となった“外来語”は、その国の辞典で探してみれば全て載っている“外国語”とは違います。
当然ながら、韓国語として定着した通りに表記しなければなりません。

極めてサラッと述べていますが、外来語と外国語を区別しているところに注目しました。

日本に一番多く来る外国語は英語ですが、日本語でも同じ事ですが単語の意味もその時々でどんどん変わっていくわけで、特にインターネット関連などで「新しい意味の言葉」は次々と登場します。

意味が新しくなる、つまりその言葉の意味を知っている人から知らない人に情報を伝えるとなると、これは一種の翻訳が必要になります。
実際にメジャーな新語に対しては本が出版されたりします。

翻訳の結果意味が定着すると「新語」になるわけですが、それが元は外国語であった場合は「外来語」として定着するわけですね。

ようやく、国語院長のインタビューに出てくる、「外国語と外来語」の重要さが見えてきました。

つまり、ハングルの使用を推し進めるあまり、漢字で作られた言葉そのものを同音異義にならないように改変したり、外国の意味を正確に伝えるために外国語の発音そのままに表記しようということが「韓国語が絶滅することだ」と国語院長は言いたいのでしょう。

文化は意外と脆いものなのかもしれません。おそらくは社会を形作っている色々な問題、特に無くなってしまった方が良いように感じられる事柄にも、社会の構成の一部を担う意義があるのだと思います。
文化に対しては、謙虚に同時に単に形だけ守るといったことにならないように、慎重な対応を常に考えていないといけないですね。

2月 9, 2008 at 04:32 午後 日記・コラム・つぶやき |

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コメント

 深刻性が今ひとつわかりづらいですが。

 日本でも漢字を使わずに表現しようとすると冗長な表現になりますし、外来のカタカナ語についての問題(表記・訳語など)、(日本ではパソコン・携帯の変換による文章作成時の漢字記憶率の低下もありますが、ハングルではこの点はあまり影響はないのかも)など、問題点については共通している部分もあるかとは思いますし。

投稿: 北風 | 2008/02/11 12:12:16

>深刻性が今ひとつわかりづらいですが。

なるほど、わたしが毒されてますね。(^_^;)

Enjoy Korea では「ハングルは優れている文字だから世界中で使うべきだ」といった意見が出てくるのは、ある種当然だとしても「ハングルがあるから韓国語は優れている」といった書き込みが出てきて、分からなくなるのです。

最初はある種の冗談かと思っていたのですが、直接「名前は漢字だろうから、公文書ではどうするのか?」と聞いてみたら「最近では名前を付けるときに漢字を使わないことも増えてきた」というのです。
もちろん公文書上の名前はハングルのみでOKのようです。

韓国の古い言葉の多くは中国のものですから、漢字が元にありますし近代の言葉の多くは日本から行っていますから、これも元は漢字です。

そこに強引に「漢字からハングル」にしたわけですね。

その結果「数学」「算数」「学問」といった言葉の意味を個別に覚える必要が出てきのだそうです。
言葉は変わっていないのに文字だけ替えるから、同音異義語の問題がクローズアップされるわけです。

これに対して「同音異義語にならないように、言葉を替えよう」という意見が出てきて、これは結局は「昔の言葉は分からないから使わない」と言うことに直結することになります。

さらにハングルが優位だとされる「発音を正確に記述できる」から外国語をネーティブに書き表そう、という意見も出てきました。
こうなるのに日本の「ナイター」のような和製英語といったものは排除せざるを得ないわけです。

ここで、外国語と外来語の違いが出てくるわけで、外来語とは本来外国の言葉であったものがその国に定着したことを表すのでしょうが、音だけでやると外国語のままになるのかもしれません。

そんなことがあって、国語院長は発言したのでしょう。

単に漢字を廃したということではなくて、外来語が無くなるつまりは韓国が外国語に取って代わられる、という意味なのでしょう。

こうして考えると、文字と言葉がセットで文化といえるような気がします。
日本でもアイヌは文字を持ちませんでしたから、文化の伝承が口伝であり大変に難しく文化としては消滅も同然でしょう。

世界中で現在使用されている文字は29種類なのだそうです、意外と文化が立脚している基盤は脆いのだな、というのが実感です。

投稿: 酔うぞ | 2008/02/11 13:09:54

>こうして考えると、文字と言葉がセットで文化といえるような気がします。

ヨーロッパの「ラテン語」とかみるとそうですね。
とはいえ、「口伝」での「文化」も文化ですし。
私見ですが、対象が存在しなくなった後、ある意味捨てられたものを残す点で「文字」は強力なのかと。受け継がれて残っているものについては「口伝」でも可でしょうが、今はもうほとんど残っていないようなものをも引き継いで後に伝えようとする歴史的な厚みという点で。

>そこに強引に「漢字からハングル」にしたわけですね。

しかし、本文と丁寧なコメントを読んでも本質的な問題がよく分からないんですが(「漢字」「ハングル」併用では何がいかんのか? 「外来語」問題はハングル固有ではないような)、問題の本質的な根っ子は冒頭とここにあるのかも。

本来、日本との絡み以前に中国と深く絡んだ歴史があって、そこでの「文化」があるはずですがその「朝鮮文化」はハングルとともにあった訳ではないので・・・。

投稿: 北風 | 2008/02/11 16:18:50

>世界中で現在使用されている文字は29種類なのだそうです、意外と文化が立脚している基盤は脆いのだな、というのが実感です。

脆いともいえますし、ある意味「人間の感覚」がそう違わないともいえるのかも。
なんというか、「切る」という単語が、「CUT」だったり「KOBO(ギリシャ語)」だったりと「K」の音が入ったり、固いものに「ぬら」とかいう音をあてたりしないような、「感覚」的なものはそう違わないので「文字」を共用しやすい、というところはあるのかと。

「外来語」などについては、「対応する単語がない」という点での「文化」の違いを「訳語」という形で先人は埋めてきた部分はあるものの難問ですから。現在でも英語・欧州言語の「獣の肉への多様な名称」について、日本語では説明的な表現をするしかないわけで。

投稿: 北風 | 2008/02/11 16:26:56

>こうして考えると、文字と言葉がセットで文化といえるような気がします。

連投すみません。私には遠まわしに書く力量はないようなので直球で書きます。(ハングルや韓国にある意味侮辱的な表現になっているかもしれませんが、そういう意図ではないのですが)

ハングルは韓国文化(過去・未来含む)を支えていける力のある言語なんでしょうか?

投稿: 北風 | 2008/02/11 20:06:37

>ハングルは韓国文化(過去・未来含む)を支えていける力のある言語なんでしょうか?

わたしは個人的には大いに疑問に思っています。

わたしの理解では、ハングルは表音文字であるわけですが、韓国内でも地域によって訛りがあるそうで、音だけで書くと別の文字になってしまうのだそうです。

そこで、ハングルでの書き方を統一するといった問題も皆無ではないようで、これではわたしから見ると完全な表音文字は出来なかったのか、となってしまいます。

現在のところ、大人で自分の名前を漢字で書けない人はいないようですが、子供だと自分の名前が漢字では書けない子も居るとのこと。
さらに、出身地を漢字で書けない大人はかなり居るとのことです。

日本人は出身地を漢字で書いてもらえば分かるので、書いてもらうと「そんな地名はあったか?」というのはマシで「こんな漢字はないぞ」というのもの少ないととのこと。

それくらい、漢字離れしているわけです。

そうしたら同音異義語の問題が出てくるわけです、さらに先に紹介したように漢字で構成されていることで、わざわざ覚えなくても理解できることを暗記せざるを得ないために、全体として知識レベルが下がりつつあるというのは、科学者の方から出ています。

日本人的発想では、漢字ハングルまじり文は、1960年頃までは新聞に使われていたはずで、それで何がまずいのか?と思いますが漢字を公式には使わないとしてどんどん減っているわけです。

Enjoy Korea の韓国側参加者の平均は、高校生ぐらいのようですが、漢字の覚え方が大変だろうという発言が非常に多いです。

これは基本的に日本語学習の時にしか漢字に触れないからではないのか?と思っていますが「ひらがなを覚えて、カタカナを覚えて、その上で漢字を覚える」と理解しているのです。

ところが、「一二三」などは言葉より文字を覚える方が早いわけで、実際に幼稚園前の子供がかなりの漢字を区別することが出来ます。

この事が、韓国の人には全く伝わっていないようで、これが漢字ハングルまじり文に向かわない理由になっているのかもしれません。

つまり、すでに韓国では漢字は捨てた、ということなのかもしれません。

そうなると、漢字の単語を元にした子度は事態が同音異義語などの問題もあって、使いにくいのは明らかで、言葉の置き換えが視野に入ってくるのも当然か?と思います。

ただ、日本では文明開化で新しい言葉が入ってきたときに、福沢諭吉などが体系的に言葉を各方面で作ったわけで、こういう手間を掛けないと言葉がその国に定着することはないのだとすると韓国の現状はかなり大変で、国語院長の危惧も大げさとはいいがたいように感じます。

こう考えると、ハングルだけで公文書にすると決定した時に、文字だけの問題と考えたのかもしれませんが、文字・言葉・文化は切り離せるものではなく、良い悪い派別にして文字を替えれば文化も変わるという当たり前のことが起きていると考える方が妥当だと思います。

ただ、これが韓国自身の国際的地位に短期的には非常にマイナスになるだろうというのはすでに報告があります。

金型工業会は、各国・各地域・世界という構造になっていて、アジア金型工業会は世界で最有力です。

アジア金型工業会の後世かっこくのランキングがありました。
うろ覚えなのですが、一位が台湾。
台湾の若手はアメリカ留学が標準ですから、若い使徒は英語問題なし、年寄りは日本語問題なし、中国語は母国語。つまり金型という町工場レベルでも、国際企業にどの会社もなれるのだそうです。

英語については、東南アジア各国では大体OKで、むしろ中郷クトの関係が漢字つまり中国文化その国にあるか無いか、ランクが動きます。

日本は、技術力は文句なしでも、英語がダメなのが弱点ですが、漢字が使えるのが弱点をある程度カバーしているとなるのだそうです。

これが、韓国だと、英語も漢字もダメということで苦戦している、とのことでした。

台湾のここ20年ぐらいのものすごい伸び率は、大陸とうまく商売してきたことそのものですから、漢字が重要だというのは一国の経済に影響するレベルになっているのは明らかです。

こういうことも考えると、ハングルの孤高は韓国にとっては大きな問題のはずなのですが・・・・。

投稿: 酔うぞ | 2008/02/12 2:10:16

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