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2008.01.23

株安は現象のはずだ

毎日新聞より「世界同時株安:日本経済に赤信号 日銀総裁…金融情勢微妙

22日の世界的な株価暴落は、戦後最長の景気拡大を記録してきた日本経済が岐路に差し掛かったことを示している。
米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題と米景気後退懸念で世界経済の変調リスクが高まり、米連邦準備制度理事会(FRB)は同日、0.75%の緊急利下げに踏み切った。
外需頼みの日本経済も正念場を迎えていると言え、日銀の福井俊彦総裁は同日の会見で「経済金融情勢は極めて微妙な局面だ」と厳しい認識を示した。【坂井隆之】

日銀はサブプライム問題が深刻化した昨夏以降も「米成長率が1%半ばまで低下するのは覚悟している」(幹部)と説明。
米景気が減速しても、中国など新興国への輸出増が日本の景気回復メカニズムを下支えするとしてきた。
金融市場の混乱にも「欧米金融機関の損失処理が進めば徐々に収まる」(同)とし、福井総裁は超低金利是正の必要性を強調してきた。

しかし、現実は米シティグループなどが兆円単位で損失処理しても打ち止め感は出ず、市場のリスクマネーの収縮の動きが加速。米年末商戦の不調と雇用不安台頭で米景気後退の可能性も高まっている。
FRBは緊急利下げに踏み切ったが、これで状況がどこまで改善に向かうかは依然不透明で、今後も「インフレ懸念に目をつむり、景気後退回避に必死」(米投資会社)の状況が続きそうだ。

福井総裁は「緩やかな景気拡大シナリオに変更はない」とするが、日本経済は外部環境の激変に耐えられるほど足腰が強くない。
改正建築基準法の影響による住宅投資低迷だけで、日銀が07年度の成長率予測を大幅に下方修正したことがそれを象徴している。年明け以降の急激な円高・ドル安が株安を増幅しているのも、輸出企業頼みのいびつな景気回復構造だからだ。

また、昨年の首都圏のマンション販売が14年ぶりの低水準となるなど住宅投資が予想以上に冷え込んだ背景には、雇用者所得が伸びないことがある。
国内外の景気変調に市場では日銀の利下げ観測も浮上しているが、福井総裁は「観測は承知しているが、政策に変更はない」と述べたにとどまり、声高な反論はしなかった。

この記事の範囲ではその通りだと思うが、表現としては「世界同時株安」で良いのか?と思う。

Up

この表は、2008年1月1日から1月22日までの、日本(日経225)とアメリカ(ダウ30種)の終値の前日比(騰落比)を%表示したものです。

22日に大きく下げているのが日本ですが、日本の方が騰落比が全然大きい。
アメリカがクシャミをすると日本が肺炎になる、といった様相です。

基本的には株式市場は将来の価値増大に賭けるものですから、日本の将来を市場はどう見ているのかが、下降局面で表れると考えるべきです。
一言で言えば、アメリカの将来と日本の将来の差が現れていると言うことでしょう。

そうなると、福井総裁も政府もさらにはマスコミも「世界同時」だから「日本も仕方ない」という言い方をするのは、ごまかしなのではないか?

株式市場を考えないでも日本の将来が良くなると思う人は居るのだろうか?

こういう話になると「小泉改革が悪い」のようなことにすぐになるが、じゃあ小泉改革の対案を提示したところはあったのか?

今になって考えてみると、市場主義の行きすぎのようなことになるかもしれないが、単一価値観に集約するといういわば思考放棄がこの20年かそれ以上に渡って日本を蝕んできたのではないのか?と思う。
「勝ち組・負け組」という表現はおかしい、と個人的には誰でも言うことだが「それではどういう表現なら良いのか?」と考えると議論は止まってしまう。
止まってしまって相変わらず考えないのが現実です。

とりあえず、手近なところから考えると、派遣労働の大々的な利用は、人材を資金に置き換えて考えると、資金調達を街金に依存していることになると思う。

企業が稼いで内部留保を投資に回すのが、企業内の人材養成と言えるだろう。
社員を採用するために、企業が競争するのは株の発行による資金地調達と言ったところか?
これらの資金確保では、内部留保を高めるためには確実に利益を上げ続けなければならないし、市場からの資金調達は金利が掛かる。
どちらも企業が評価されてから資金を獲得できるものだ。

街金は評価はしない。その代わりトータルのコストはかなり高くなる。
しかし、当座は金利を払うなり、少しずつ返済すれば良いから、審査が緩いことが資金調達だけを考えれば「簡単にできる」のは事実だ。

企業が「今使える人材だけあれば良い」というのは将来の顧客や将来の技術開発を無視していることで、後から大変なコスト増になる可能性は大きいだろう。
つまり、資金を街金に依存しているのと同じではないのか?

安易な資金調達が企業を中毒症状にして、死んでしまうのは良く見られる事で、人材についても同じように見るべきだろう。

将来が確実な日本にならないと、投資先としてどんどんと魅力が無くなるのは当然で、街金から借り入れが多額になる企業が信用されないのと同様に、人の持っている能力を集め育てるという手間を惜しむ企業が信用されないのは当然だ。

バブル時代は正確には「資金バブル」だったのだろう。そして今は「人材バブル」が崩壊しつつあるのかもしれない。

1月 23, 2008 at 10:23 午前 経済・経営 |

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