« 2007年2月11日 - 2007年2月17日 | トップページ | 2007年2月25日 - 2007年3月3日 »

2007.02.22

教員免許更新制度?

朝日新聞より「教員免許更新、管理職は講習免除 教育2法案ほぼ固まる
文部科学省は21日、文科相の諮問機関の中央教育審議会(中教審)に、政府が今国会への提出を目指している教育関連3法の改正案の概要を示した。

教員免許更新制では校長ら管理職の講習免除を盛り込んだ。
この更新制や義務教育の目標、副校長や主幹の新設には大きな異論が出ず、2法案の内容がほぼ固まった。

教員免許の更新制導入は教員免許法の改正案に盛り込まれる。
免許の有効期間を10年とし、更新には講習を受けなければならないとする内容で、06年の中教審答申とほぼ同じになった。

講習は30時間を想定し、校長や教頭など勤務実績を考慮して「必要性がない」と判断された場合は、講習の必要がないとした。
指導力不足教員対策として、同時に教育公務員特例法も改正し、認定された場合は研修を受けなければならず、研修中は免許更新の対象にしない。

この二つには、21日の会議で大きな異論は出ず、このまま法案となる可能性が高い。
しかし、地方教育行政法の改正では、政府の教育再生会議が提案した、教育委員会への国の是正勧告・指示権を盛り込むことを中心に21日も反対意見が出ている。
文部科学省のサイトの「データからみる日本の教育(2006年)(11月30日発売)」に各種データがあって、その中に教職員の数があります。

「学校教育」(PDF)
  1. 幼稚園  11万人
  2. 小学校  41万7千人
  3. 中学校  24万9千人
  4. 高校   25万1千人
  5. 大学   16万2千人
となっています。
この内問題になるであろう、小中高校の教職員の数を合計すると91万7千人です。
教員免許を持っていても教職に就いていない人もいるわけですが、ザックリと100万人の先生が現役です。

この方々の教員免許を10年一度更新するとなると、毎年10万人の教員免許を更新し30時間の講習をするということなります。
普通に考えると、10年間の実績が教員免許の更新にふさわしいのかという評価を校長など管理職が付けるのではないかと思いますが、これは公立学校では一人の校長(管理職)と教員が10年間同じ職場(学校)に居ること自体がないので、ほとんど無理でしょう。

そうなると、免許更新制度で教員不適格者を探し出すこと自体が極めて難しい。
つまり、教員免許更新制度の効率は極めて低い、と予想できます。

そもそも普通の学校では、常に2~5人程度の先生は「今年は免許更新」となってしまいますよ。
お題目は良いかもしれませんが、考えてみるとまるで効果が期待できないし、コストは莫大でなんか他にやることはあるのではないのか?と思いますね。

2月 22, 2007 at 10:24 午前 教育問題各種 | | コメント (5) | トラックバック (2)

合計特殊出生率にこだわるのは間違えではないか?

FujiSankei Business i より「06年出生率1・3台に回復 人口、2年ぶりに自然増 厚労省速報
出生数は前年比3万2041人増の112万2278人、死亡数は同795人増の109万5393人となり、日本在住の外国人と外国在住の日本人を含めた人口は2万6885人増加した。
日本在住の日本人数(概数)も2年ぶりに約8000人の自然増となる見込み。

厚労省は、一人の女性が生涯に産む子供数に相当する合計特殊出生率は、過去最低だった05年の1・26から、06年は1・30台に回復するとみている。
なんか矮小化というか近視眼的な情報だな、と感じますね。

厳密には違うのですが、合計特殊出生率は「女性が生涯に産む子供の数」とされています。
だから合計特殊出生率が2を超えないと、人口は減少します。
つまり、1.3だ1.2だといったところで議論しても人口減には変わらない。
1.9であっても人口は減少するので、アメリカを除いた先進諸国は全部が実行減少国です。

問題は、日本の場合は急激に人口が減少するとされていますが、合計特殊出生率だけで見ると韓国の方がもっと急激です。

この事から分かるのは、長期的に人口は減少する方向なのだから、それが将来社会にどう影響するのか?をもっと研究するべきだ。
日本の政治や経済の考え方は「成長は善」でしか考えてこなかったから「人口減の現実」というだけでおびえてしまって思考放棄に近いのではないだろうか?

さらに「急激な高齢化が問題」というのであれば、出生率を問題にしても「急激な高齢化」にはさほど意味がないのではないか?
新生児が社会の戦力になるのには30年ぐらい掛かるのだから、新生児の誕生は30年以上先の「高齢化社会に有効」なのであって、それまでの期間にはすでに生まれている少年などの負担になるしかない。

なんか「合計特殊出生率に代表される、新生児が増えさえすれば問題は全部解決」といったように見えるのは間違っているように感じる。

2月 22, 2007 at 09:57 午前 人口問題 | | コメント (0)

番組ねつ造は行政処分するべきか?・その2

読売新聞より「ねつ造はひどい、当然の対応…首相が放送法改正を容認
安倍首相は21日夜、関西テレビの情報番組ねつ造問題をめぐり、放送局への新たな行政処分案を盛り込んだ総務省の放送法改正案を容認する考えを示した。

首相は「報道の自由に対する圧力があってはならないのは当然だ。他方、ねつ造はいくら何でもひどい話だから、それに対して対応があるのは当たり前ではないか」と述べた。
いったい「何がひどい」のか分からない。

  • 納豆が売れすぎたのがひどいことなのか?
  • それだと「ブームを仕掛ける」なんてのは犯罪なのかね?

  • テレビは常に真実のみ伝えなければならないということか?
  • それでは「怪しい情報」はテレビでは流せなくなってしまう。

  • 視聴者を欺した、ということなのだろうか?
  • そんなものは、程度問題だろう。
    ニュースがニセモノで、というのはBBCのエイプリルフール放送などが有名ですが・・・。
要するに「何がひどい」のかを明確にして「だから行政が介入する」という説明が無いと思う。
随分とひどい話にしているのは、政府ではないのか?

2月 22, 2007 at 09:38 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (5) | トラックバック (1)

2007.02.21

番組ねつ造は行政処分するべきか?

読売新聞より「放送局への新行政処分案、再発防止計画を要求…総務省
関西テレビの情報番組「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題を受けて、総務省が導入を検討している新たな行政処分案の概要が20日、明らかになった。

新たな行政処分は、放送局が捏造などの番組不祥事を起こした場合、総務相は再発防止計画の提出を求め、意見を付けて報告内容を一般に公表することが柱だ。
総務省はこうした措置を盛り込んだ放送法改正案を、今国会に提出する方針だ。

再発防止計画の提出は、放送局が捏造など虚偽の説明で視聴者を誤解させるような番組を放送し、「国民生活などへの悪影響」や「国民の権利侵害」につながる恐れがある場合を対象とする。
総務相は計画の策定と提出を放送局に求めることができるとし、提出された計画は総務相の意見とともに公表する。

現在、行政指導に基づいて提出された放送局の再発防止策などは一般に公表していない。
新たな行政処分の導入に合わせて、放送局の対応を国民に広く知らせて、一層の自浄作用を促す狙いがある。

総務相が放送局に再発防止計画の提出を求める時や、計画に対する意見の内容は、電波監理審議会(総務相の諮問機関)に諮問することを義務づけて、透明性の確保を図る。

総務省は、強制力を伴う業務改善命令の導入なども検討したが、「表現や報道の自由を侵害する恐れがある」との懸念が省内からも出た。
このため、再発防止計画の提出を「求める」という姿勢にとどめ、放送局の自主性に配慮した。

放送局が不適切な番組を放送した場合、従来は「厳重注意」「警告」などの法的拘束力がない行政指導と、電波法に基づく「電波停止」「免許取り消し」など、実際の発動が難しい厳しい処分しかなく、実効性に疑問の声が出ていた。
そもそも、行政処分の対象にするべきことなのかね?
まぁ電波は他に変えようがないので地域で独占して試用することが出来る免許制の対象なのだから、国が電波の無駄遣いについて関与するのは当然ではあるが、放送内容がねつ造だということが電波の問題と直接言えるのだろうか?

ましてねつ造か否かというのはそうそう簡単に決着がつくことではあるまい。

個人的には「あるある大辞典」を信用した人が居て、その信用がとても強いものだった、と言うことに驚いてます。
「所詮は娯楽番組の情報」として割り引いて考えると思っていたから。

つまり、ねつ造が問題ではないのでは?「信用を裏切られたから」問題ということでしょう?
これだと、信用されていないが事実だったと言うのは沢山あって、「それでも地球は回っている」とか「ゴダートは正しかった」なんてのが有名です。

天動説の時代に地動説は「情報のねつ造」になるのでしょうか?

信用を裏切ったということは、事実か否かとは本質的に無関係で事実とは「科学的事実」に帰するのだと思いますが、信用は社会科学の分野の問題でまるで別問題です。
判決では「その時点の判断として妥当か」というのは医療裁判などで良く出てくる例で、裁判が社会的な公正を中心にしているから科学的に未解明な問題にも判断が出来るわけです。

こうしてみると、司法や行政は情報の信頼性について直接判定してはいけないのではないかと思います。
市場原理に任せるべきではないだろうか?
今後はあるある大事典のような放送は作りにくくなるでしょうね。実際に、朝日新聞には「テレ東、映像捏造 「血流改善」写真は別人」という記事が出ています。


どうもこの半年間は「強く非難さえすればよい」といった雰囲気があるように感じます。

2月 21, 2007 at 10:28 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2007.02.19

ネットワーク指導員?

毎日新聞より「ネット教育:子供の安全利用で指導員育成 総務省計画
総務省はネットの安全で適切な利用の仕方を子どもや親に教えるボランティアの地域指導員を全国規模で育成する計画を決めた。
子どもの携帯やパソコンで1割にも満たないフィルタリングの普及率アップも目指す。

同省とネット業界団体は昨春以降、全国の小中学校からの要望を受け、業界関係者らを1日講師として派遣する「e-ネットキャラバン」(e-ネット安心講座)を展開。
ネットの有害情報への対処方法や、有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングソフトの使い方を指導している。

これまで都市部を中心に約500回の講座を開いたが、地方からの応募が少ないことや、地方では講師の引き受け手がいないことから、目標にしていた年間1000回の開催には届かない見通しだ。

このため、子どもや親、教師がネット利用の問題を気軽に相談でき、正しい利用法のアドバイスも受けられる指導員の育成が必要と判断した。具体的には、地域のNPO(非営利組織)のメンバーや教育大学などの大学院生、電器店の店主らパソコンやネットの知識が豊富で地域の実情にも詳しい人から指導員を募集。
「e-ネットキャラバン」の講師役を務めてもらうことから始める。
昨日、10年来の知人である矢延洋泰先生とお話しする機会があったのだが先生は現在の教育批判について「現場の先生は教育問題を考えない日は一日もない」とおっしゃって「誰でも教育評論家状態で現場を見たこともない教育再生会議のメンバーは・・・」という展開になりました。

わたしも実際に何十校かで授業をやって生徒達と話してみると軽々しく「最近の若い者は」とは言えない、と感じるようになっています。

ネットワーク利用の指導というのは、ネットワークを使用してそれなりにひどい目に遭ったり、ひどい目に遭った人の相談に乗ったりという経験がないと無理だと思うのです。

その上に「子どもたちに教える」だから教室に入ったことがない人には無理だよ。


つまりネットを指導できるほどの経験者で、かつ子供を教育したことがある人、なんて居るわけ無いだろ。
そもそも、学校この先生がなぜネットに疎いのか?という根本問題をどうにかしないとダメでしょう。
高校で情報の授業が始まって3年経ったことなるのかな?つまり4年前にコンピュータ犯罪に関する白浜シンポジウムでも「情報の授業はこれで良いのか?」といった議論をしています。

なんで、こうも取って付けたような話ばかりが出てくるのだろう?
ここらは社会教育そのものであって、指導者の育成すら簡単ではないよ、ということを明確にしないと無理だよ。

2月 19, 2007 at 10:04 午前 ネットワーク一般論, 教育問題各種 | | コメント (9) | トラックバック (2)