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2007.12.08

紀元会・集団暴行殺人事件・その7

「紀元会・集団暴行殺人事件・その6」の続きです。
朝日新聞より「紀元会・集団リンチ死、児童らも暴行に加わる

長野県小諸市の宗教法人「紀元会」の会員が今年9月、集団リンチを受けて死亡した事件で、死亡した会員やその二女への暴行に加わったとして、小諸署捜査本部が小学校低学年の児童を含む14歳未満の男女8人前後を傷害致死や傷害の非行事実で児童相談所に通告していたことが7日、わかった。

調査によると、児童らは9月24日夜、教団施設で開かれた会合に参加。会員ですし店経営奥野元子さん(当時63歳)や二女の森美智子被告(26)(犯人隠避罪で起訴)への暴行に加わったという。奥野さんは外傷性ショックで死亡、森被告も3週間のけがを負った。

小学校低学年を含むの子どもたち8人をリンチ死亡事件に関わったとして児童相談所に通告したということ自体が、いかに異様なの事件なのかを表しているでしょう。
こんなことになるところが「カルト集団」と判断して良いところですよ。

12月 8, 2007 at 11:15 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

総務省がフィルタリングの原則加入を打ち出したが

日経新聞より「携帯有害サイト制限、未成年者は原則加入・総務省、各社に要請へ

総務省は7日、未成年者が携帯電話の出会い系サイトなど有害サイトを閲覧できないようにするフィルタリングサービスに原則加入するように携帯電話会社に要請する方針を固めた。

出会い系サイトなどで犯罪に巻き込まれる未成年者が後を絶たないため。10日にNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの首脳を総務省に呼び、増田寛也総務相が要請する。携帯各社も対応する見通しだ。

現在、携帯各社はフィルタリングサービスに加入するかは保護者の意思に任せている。

今後は保護者が未成年者のために新規契約する際は自動的に同サービスに加入する仕組みとし、希望しない場合のみ申し出てもらう。既契約者についても加入していない人には加入を強く促すよう求める。

まぁ一歩前進だとは思うが、なんでこの程度の「対策」しかできないのか、という方がよほど問題だと思うのだが・・・・・。

効果という点では、子ども用の携帯電話がどうあるべきかをちゃんと提示することが先決だろう。
現在、保護者にフィルタリングサービスの加入を選択させていて、その結果がどうも芳しくないというのだから、保護者がフィルタリングサービスの意味や必要性を理解していない。さらに言えば子どもに持たせる携帯電話がどんなものなのかを知らない事の証明でしょう。

であるからして「子供用携帯電話」を普及させることが一番分かりやすい、とわたしは主張するのです。
子どもが、社会人のそれもバリバリのITエキスパートが使うような携帯電話を持つ必要性はないでしょう。
今回の総務省の方針は、高性能携帯電話を子どもに買わせて、かつ能力制限をしようというある種の詐欺的商法を促進しているようなところがあって、第一フィルタリングサービスはいわば「最低限の対策」に過ぎなくて「どういう携帯電話が子どもには必要か?」という視点が全く欠けているとしか思えない。

では、この問題を文科省はどう見ているのか?というと「携帯電話は学校で必要としない」という理由で全くチェックしていない。確かに「校内での活動」には不要だろうが、子どもたちの生活全般から言えば「不要」とは言えないだろう。
どう考えても「関わりたくないから知らない」と文科省が言い張っているようにしか思えない。
その結果が、「この程度の対策」になったのだろう。

12月 8, 2007 at 11:01 午前 ネットワーク一般論, 教育問題各種 | | コメント (27) | トラックバック (0)

2007.12.06

新聞のネット事件報道の姿勢

朝日新聞より「教育長HPの投稿、高教組の名誉棄損 広島県に賠償命令

広島県の教育長ホームページの投稿欄に、県高校教職員組合(高教組)の活動を中傷したり、同組合役員のプライバシーを侵害したりする書き込みが多数掲載されたとして、高教組と組合役員が県と県教委を相手取り損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、広島地裁であり、橋本良成裁判長は「名誉棄損にあたる投稿を公表するのは違法」などとして、県に310万円の支払いを命じた。県教委への訴えは、権利義務の主体とはいえないとして却下した。

判決によると、ホームページは98年10月に開設。
だれでも書き込みができる投稿欄に、組合役員に関して「自分の考えに合わないことがあると、職場で何日も膨れっ面をしているらしい」、高教組の活動について「組合がつぶされてしまうのは当然」などの投稿が数十件掲載された。判決は、投稿には高教組や役員の名誉を棄損し、高教組への不当労働行為にあたるものがあり、ホームページに掲載するのは違法と認定した。

県教委教育政策室は「判決の内容を詳しく検討し、関係部署と協議のうえ対応を決めたい」とコメントした。

事実関係が報道されていないので、これだけでは判断のしようがないですね。

数十件の誹謗中傷に当たる投稿があった、として問題になるのは

  1. 名誉毀損事件である認定される内容だったのか
  2. どのくらいの期間掲示されていたのか
  3. 掲示板の管理者と県との関係はどんなことになっていたのか

などが全部分からないと、なんとも言いようがないし、世間に対する警告にもならない。
ひどい報道姿勢だと思いますね。

12月 6, 2007 at 01:21 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

国政選挙でも電子投票か?

毎日新聞より「電子投票:国政選挙に導入で自公民合意 来年1月施行

自民、公明両党と民主党は電子投票を国政選挙に導入するための公職選挙法特例法改正案に合意した。
法案は7日の衆院政治倫理確立・公選法改正特別委員会で採決され、衆参の本会議で可決のうえ、今国会中に成立する見通しだ。
施行期日は来年1月1日で、次期衆院選では一部の自治体で電子投票が実施される可能性がある

電子投票は、有権者が投票所に置かれたタッチパネルなどを操作し、画面に表示された候補者名などを選んで投票する方法。票数をコンピューターで集計するため、開票時間を大幅に短縮できるうえ、従来の「自書式」より高齢者や身障者の手間が省けるメリットもある。

01年11月に成立した地方自治体電子投票特例法により、自治体では02年6月の岡山県新見市長・市議選で初めて電子投票が行われた。今年4月の統一地方選でも、青森県六戸町議選と宮城県白石市議選の2選挙でタッチパネル式の電子投票が実施されており、六戸町では開票作業29分、白石市も49分で終える実績を上げている。

ただ、最高裁で選挙無効が確定した岐阜県可児市議選(03年7月)などの故障や人為ミスも発生している。このため、今年6月の通常国会では、公明党から「システムの信頼性」に懸念が示され、国政導入の法案は継続審議となっていた。

国政選挙での電子投票導入は実施条例を独自に定めた自治体に限られ、政府は導入する自治体に対し交付金などで財政支援することを検討する。【七井辰男】

何回かわたしの意見を書いていますが、わたしは「電子投票反対」であります。

海外での選挙の紹介番組など大きな投票用紙を使うシーンが紹介されますが、候補者名をチェックする方式なのでしょう。
日本の選挙では、投票用紙に候補者名を書き込むのですがこの方式を「自書式」と呼び世界では珍しいとされています。

候補者名をチェックする方式から派生したのでしょうが、アメリカで何年か前に大問題になったのが「パンチ式」で、これは候補者名のところにパンチで穴を開けるというものでした。
このような自書式ではない投票方法を採用している選挙では電子投票機の採用も、機械の改変といった感じになるのだろと思いますが、自書式から電子投票に改変というのは大きく選挙の方式を変えると言えるでしょう。

記事にも紹介している通り、電子投票のメリットとして

  • 開票時間の短縮
  • 障害者の投票の促進
  • 投票判定の必要がない
  • 開票担当人員の削減によるコストダウン

などが挙げられています。これに対して、テスト結果も含めて問題点として挙がっているのが

  • 機器が作動せず、投票所が機能しなかった
  • データが明らかに間違っていた(おそらくはソフトウェアの不良)
  • メディア(CFカードを使うことなっている)が不適合で開票に問題が生じた
  • 機器の設置(配線)に失敗した
  • 電子データが消滅する可能性がある
  • 投票用機器の大幅なコストアップ

現在の選挙事務を投票用紙の観点から見ると

  1. 投票入場券を有権者の自宅に配付
  2. 投票入場券をチェックして重複投票の禁止
  3. 投票用紙に候補者名を自書
  4. 投票箱に投票
  5. 投票箱を開票所に移動
  6. 開票所ごとに候補者の得票数を確定
  7. 集計した投票用紙は内容(候補者・無効票など)別にまとめて封印し、次回選挙まで保存。

電子投票について考えてみると、赤字で示したところが無くなると考えられるでしょう。
投票箱に投票が操作パネルで投票ですから、おそらくはここは面倒になっているでしょう。
投票結果をどうやって集計するのか?については、開票所をどこに設けるのか?という問題になりますが、データそのもの点検は公開するべきですから開票所はどこかには出来るはずで、現在は神奈川県横浜市では開票所は一つの区に一ヶ所あります。
それを横浜市で一ヶ所だけにするのかどうか?という問題になりそうです。

各投票機から直接データを通信することは現在のところ無いようで、CFカードに投票結果を入れて運び集計する方式で行っています。
つまり「投票箱を運ぶ代わりにCFカードを運ぶ」ようなのです。

投票判定そのものは、無いわけで単に各候補者の得票数だけのデータですから、後からの検証などのたに記録メディアを保管することを除けば、各投票所ごとの得票一覧表を作ることも出来ますし投票機ごとに作ることも出来ます。

問題は、どうやって選挙区全体のデータとして集積するのか?であって、現在は開票所での集計データは選管に「手書きの集計用紙をファックス送信している」のです。
投票用紙に自書するところから、集計に至るまでアナログによって情報の信頼性を高めているわけですから、電子投票にしたときにはどうやって信頼性を確保するのか?という問題が新たに発生します。

こういうことを考えると、わたしには「コストダウンになる」とは思えません。
むしろ安全性を損ねるのではないのか?という印象が強いのです。
ことは選挙であって、コストアップの上に信頼性が落ちる、というのではいったいどこにメリットがあるのか?
これが理由で、わたしは電子投票には反対なのです。

12月 6, 2007 at 12:54 午後 国内の政治・行政・司法, 選挙 | | コメント (2) | トラックバック (1)

CXエンジンと防衛次官

ZAKZAK より「ケチついた英知の結晶…次期輸送機「CX」とは?

収賄容疑で防衛省前事務次官の守屋武昌容疑者(63)が逮捕された防衛省汚職事件で、クローズアップされているのが航空自衛隊の次期輸送機「CX」。
米GE社製のエンジンを積み、この先はエンジンや部品など受注総額が1000億円に達するともいわれる。CXは日本が持つ航空技術の総力を結集した国産輸送機なのだが、思わぬ形でケチがついてしまった。

「今、使われているC-1輸送機が古い2トントラックだとすれば、CXは最新の10トントラック。その導入で航空自衛隊の輸送能力や展開力は飛躍的にアップします」と語るのは、軍事評論家の神浦元彰氏。

現在の主力輸送機「C-1」は初飛行が1970年の国産機で、後に米国製のC-130と並行して使われてきたが、その耐用年数などから、2000年に次期輸送機を国産で開発することが決まった。

その結果、防衛省と主契約を結んだ川崎重工の傘下に、三菱重工や富士重工など日本の航空機関連企業が結集し、早ければ12月中にも試験機の初飛行を行い、来春には防衛省への初導入が予定される段階となっていた。

総開発費は約3500億円で、その設計には国内の航空技術者の3分の1にあたる約1300人が参加したといわれ、文字通り日本の英知の結晶なのだ。

CXの最大積載量はC-1の4倍以上の37.6トンで、航続距離は12トン積載時で8900キロメートル、37トン積載時でも5600キロメートル。約8トンの最大積載時に1300キロメートルしか飛べないC-1を大きく上回り、その導入で、航空自衛隊の機動力や展開力は飛躍的に向上する。

川崎重工などはCXと同時にエンジンまで開発した次期対潜哨戒機「PX」の両機を民間の輸送機や旅客機に転用する意向を持っており、欧米勢と比べて立ち遅れていた日本の航空産業の復権にも繋がる大プロジェクトとして期待されていた。

そんな経緯にケチをつけてしまった守屋容疑者は今年6月14日、航空機課の職員に、米GE製CXエンジンの販売代理店の権利が山田洋行からミライズに事実上移ったことを踏まえ、エンジン調達が「(ミライズと)随意契約にならないのはおかしいのではないか」と詰め寄ったとされる。

当時、ミライズは防衛省との契約実績がなく、入札への参加資格さえなかったのだが、守屋容疑者は防衛省が随意契約の原則廃止を打ち出していたことも知ったうえで、ミライズに有利な発言をしていた疑いが持たれている。

記事に紹介している通り、CXとPXは同時に開発されました。 輸送機のCXは高翼で双発エンジン、対戦哨戒機のPXは低翼で4発エンジンです。
ここまで違う機体に共通部があるのか?とは、最初は不思議でしたが、モックアップの写真を見ると「なかなかよく考えている」と思えるものでした。

さらに、日本は第二次大戦での潜水艦による輸送船撃沈によって海外からの物資輸送が出来無くなくなったことを反省したのか、アメリカに次いで二番目の対潜水艦作戦能力を持つ国になっています。
ところが、そのアメリカも次期対潜水艦哨戒機の開発は大きく遅れていて日本としては独自開発しやすかった。
同時に記事にも紹介があるように、輸送機もC1がいかにもヘンな仕様の輸送機であり改変の必要性はあり、これまたアメリカには適当な機種がないこともあって自主開発の対象に出来ました。

つまり、記事の紹介の通り日本の航空機製造業界としては「ビジネスと成立する企画」でありました。
それに目を付けたのが今回の商社の活動でありましょう。

商社無しで防衛装備品の調達をするというのはコスト高になるかと思いますが、その一方で商権という名の利権であることも確かで、適切な評価が出来ないとダメな仕組みでしょう。
そこに、新会社を作っ参入できるというのがすごい。こんな事が出来ること自体が、癒着がなくては考えつかないことですね。問題の新商社ミライズはこうなりました。

読売新聞より「日本ミライズは業務停止状態…社員大半、先月解雇

「山田洋行」元専務・宮崎元伸被告(69)が同社から独立後に設立した「日本ミライズ」が、11月末までに社員の大半を解雇し、事実上、業務停止していたことが分かった。

同社は10月末、守屋容疑者への過剰接待問題から、ゼネラル・エレクトリックに代理店契約を停止され、社員に給与を払えなくなった。
その後辞任した宮崎被告に代わり、取引先のプラント会社の役員(54)が社長に就任。先月30日には約20人に減っていた社員の3分の2を解雇した。近く東京・赤坂の本社を引き払い、社員2、3人で事業整理に当たるという。

後任の社長は、「唯一の株主である宮崎氏が戻ってこないと、今後のことは分からない」と話している。

なんと言いますか「一発屋」とでも言うのでしょうか?
こんなことに振り回されては、せっかくの企画もメチャメチャになってしまいます。
きちんとした社会的なチェックが必要だという証明でしょう。

12月 6, 2007 at 11:40 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.05

小林元参院議員陣営の公選法違反事件・判決

東京新聞神奈川版より「検察側の構図、ほぼ追認 小林陣営選挙違反判決 出納責任者の被告の認識を認定

自民党の小林温・元議員(43)陣営の選挙違反事件は四日、横浜地裁で、出納責任者の被告(33)と自民党県連職員の被告(34)に有罪判決が言い渡された。

栗田健一裁判長は「小林元議員が示した『若さをアピールした選挙運動』という共通の認識の下で、若い大学生らを投入して選挙運動をさせた」という検察側が描いた構図を、ほぼ全面的に追認した。
両被告の弁護人は控訴を検討している。(中沢穣、佐藤大)

公判で最も激しく争われたのは、公選法違反で起訴された出納責任者の被告が、大学生らがビラ配りなど選挙運動をしていた実態について認識していたのかどうかという点だった。

判決は「認識を推認させる間接事実は認められない。他方で認識がなかったことを推認させる事実もない」として検察、弁護側双方がそれぞれ示した事実を退けた。

その上で、判決は、大学生らによる街頭活動の設営作業には「ビラ配りなど選挙運動が“一般的に”組み込まれていた」と指摘。

出納責任者の被告は十年以上にわたって衆院選や県知事選を手伝ったことがあり、こうした経験などから、「出納責任者の被告のみが(設営活動に)選挙運動が含まれていないと理解していたとは考えがたい」と述べ、状況証拠に基づき、出納責任者の被告の認識があったと認定した。

もう一つの争点だった「報酬の趣旨」については、判決は弁護側の主張を全面的に退け、「大学生らは機械的労務と選挙運動を一連一体として行っている。支払われた金額全体が選挙運動の報酬だった」と認定した。

一連の事件では、出納責任者の被告とともに逮捕された自民党横浜市連職員と、報酬を受け取った大学生らが起訴猶予処分となっている。
検察側は小林元議員への連座制適用を視野に、百日以内で判決言い渡しを求める「百日裁判」を申し立てていた。

量刑理由を聞き涙、出納責任者の被告、しばらく放心

出納責任者の被告は、判決の言い渡しがすべて終わった後も、しばらくは放心したように被告席に座り込んだままだった。

午後一時。地裁で一番大きい一〇一号法廷。出納責任者の被告は自民党県連職員の被告に続いて入廷した。黒のジャケット、グレーのスカート姿。一礼した顔に、不安そうな表情が張り付く。

判決の主文が告げられる。「出納責任者の被告を懲役一年二月に処する。五年間、刑の執行を猶予する」-。直立の姿勢で聞いた出納責任者の被告は、その瞬間も固まったように身動きしなかった。

裁判長に促されて被告席に着席すると、出納責任者の被告はハンカチを握りしめ、無表情のまま、じっと床を見つめていた。だが裁判長が判決の量刑理由を読み上げると、こらえきれなくなったのか、出納責任者の被告の目にみるみる涙がたまった。

閉廷後、同じく有罪判決を受けた自民党県連職員の被告は足早に法廷を後にした。
対照的に、出納責任者の被告は弁護人の方を向いて腰を下ろしたまま、しばらく動くことができなかった。

傍聴席には、多くの自民党関係者らが詰めかけたが、小林元議員の姿はなかった。

小林元議員の選対事務局長を務めた竹内英明・自民党県連幹事長は公判終了後、「厳しい。無罪の可能性もあると思っていた」と険しい表情。「もしかすると、ぼくたちも含めて一部の人間に(公職選挙法の)曲解があったかもしれない。あらためて確認していく。(有罪判決を受けた)二人のためにもちゃんと整理したい」と話した。

<メモ>小林氏陣営選挙違反事件参院選神奈川選挙区で当選した小林温氏陣営の出納責任者らが、運動員24人に街頭でビラ配りなどをした報酬として計百数十万円を支払ったとして、県警が公選法違反(買収)容疑で出納責任者ら3人を逮捕。
横浜地検は2人を起訴、残る1人と公選法違反(被買収)容疑で書類送検された運動員24人は起訴猶予とした。
小林氏は「国政の停滞を避ける」として、連座制の適用対象となる出納責任者らの「百日裁判」を待たずに議員辞職。
次点の松あきら氏(公明)が繰り上げ当選した。

わたしが手伝った、2007年4月の統一地方選挙では、「選挙に関わる人の報酬」について非常に厳しい判断になる、という情報が繰り返し流れてきました。
結果として、4年前の選挙ではOKだった報酬が全面的に出なくなりました。
学生諸君は交通費を使ってボランティア活動になってしまうので「今日は交通費がないから参加できない」という電話連絡を受けたこともあります。
「電車賃ぐらい出すから参加してよ」と言えないのは、まことに辛いものがあります。

そういう経験をした後の夏の選挙である参院選で起きた事件ですから「何をやっているのだ?」という感想だったのですが、その後も裁判でも徹底的に争うのを知ってビックリしていました。

別に公選法が改正になったわけでありません。いわば今までは「お目こぼし」だったわけです。
それが条文を厳しく見る、となっただけのことです。

ただ、選挙の実務において公選法の解釈などを誰がするのか?という問題はあります。

候補者本人はもちろん、対外的に動いている人には「法律の解釈を勉強する」時間がありません。
選管や警察さらには政党などでも「選挙についての説明」は何度も開かれますが、そこに参加する時間がない。

「事務方」と呼ぶ、出納責任者を筆頭として、選対事務局長など公式の役職者とその次長、といったあたりに「判断の全責任が掛かる」ものなのです。

わたしが手伝った選挙では、わたしは選対事務局次長といった役回りでしたが、前回との違いなどについては随分と考え判断して、それを皆さんに伝えて納得して動いていただくように努めました。

非常にチームワークが重要で、そうしないと情報が入ってきません。情報が無くては判断も出来ない。

選対事務局長はいわば表の顔で、報道陣の取材にも応じたりするのが重要な仕事ですから、実務も細かいところまで知っていて判断を下す立場にあるとは必ずしも言えません、むしろ政党職員などの方が情報量も多いはずだから適当な役回りでしょう。

単なる「役割の名前」でやっていたのでは選挙は出来ません。実質が伴わないと無理で、平均的に言えば選挙チームの活動期間はほぼ半年は掛かりますし、相応に経験者でないと厳しい。
そういう人材を得ることが出来なかった小林前議員が候補者としての基本的な資質に欠けていた、と言うべきです。

12月 5, 2007 at 10:18 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.04

太田府知事問題・質の悪さの露呈

産経関西より「太田氏が出馬断念 大阪府知事選 政治とカネ 批判強く

来年1月10日告示、同27日に投開票される大阪府知事選で、3選を目指していた現職の太田房江知事(56)が3日、緊急記者会見し、「今の状況では出馬は不可能」と述べ、出馬を断念する意向を明らかにした。

11月に相次いで発覚した自身の「政治とカネ」の問題で府民の批判が強く、自民、民主、公明、さらに後援団体の主力で過去2回の選挙を支えてきた連合大阪の推薦が得られないことが決まったため。最後まで出馬に意欲を見せていたが、立候補しても勝算はないと判断した。

この日午前、太田知事の後援団体「21世紀大阪がんばろう会」が大阪市内で緊急会合を開き、知事の政務を担当する山田信治・知事秘書(特別職)が、午前11時から太田氏の出馬断念の記者会見を開くことを伝えた。会合は20分ほどで、異論は出なかったという。

太田知事をめぐっては、11月に入り、身辺で「政治とカネ」をめぐる問題が相次いで表面化。

まず東京の政治団体「太田房江を支える東京の会」が、知事の母親のマンションを事務所にしていたことが発覚。さらに母親のマンションに移転するまで、甥(おい)が住んでいた別のマンションを事務所にしていたことも分かった。
また、府内の中小企業経営者らでつくる「関西企業経営懇談会」の会合に計11回出席し、会費から講師謝礼として1回あたり50万~100万円計883万円を受け取っていたことも新たに判明した。

太田氏と山田秘書はこうした次々に明るみに出る問題の説明を一度に行わず、常に後手に回った。この対応の悪さも府議や府民の反感を招いた。

こうした「政治とカネ」の問題をうけ、府議団は11月28日に自民、29日に民主、30日に公明が不支持を決定。
府組織も今月1日にいずれも府議団の決定を了承した。これに加えて、太田氏の後援団体「21世紀大阪がんばろう会」の主力となっていた連合大阪が11月30日、民主との「また裂き」を避けるために、不支持方針を決めたことが、出馬を断念させる決定的な原因になった。

太田氏は緊急会見で、「今の状況では出馬は不可能と判断した。府民の皆様には改めておわびするとともに、この8年間の温かいご支援に対して心から感謝を申し上げたい」と述べ、7日の出馬会見は取りやめることを明らかにした。

太田氏は昭和50年に東京大学経済学部を卒業。同年通産省に入省し、消費経済課長などを経て岡山県副知事を務めた。セクハラ問題で辞任した横山ノック知事の後任を選ぶ平成12年の知事選で、関西経済界や連合大阪が擁立。自民、民主、公明などの推薦を受けて全国初の女性知事として初当選した。任期は来年2月5日まで。

新しい候補者をめぐっては先週末から自民、民主、公明の相乗りを視野に人材探しが始まっているが、有力候補者の名前はまだあがっていない。

何が問題かと言って、センスの悪さでしょうね。

政治家の事務所問題などがあったのだし、どう考えても逆風だったのに対応した形跡が無い。
それで良いと考えていたところが「センスが悪い」=「付き合っていられない」となったのでしょう。

ところで、防衛省の次官のたかり行為も「これで問題ないと考えたのか?」としか思えない「センスの悪さ」を感じるのですが、太田知事も中央省庁の官僚から知事に転じた人で、議員から地方行政に入った人ではない。

行政官が「社会的なセンスが悪い(無い)」というのでは、行政が機能しないでしょう。
日本では、選挙で選ばれる議員よりも行政官の方が実力があるのは以前から変わらないことで、日本の安定は行政の質によるところが大きかったと思います。
一人ひとりの行政官がそこそこ信用できる、極端な破綻的な判断をしない、というある意味では漠然とした国民の安心感が日本を安定させてきた。

これが崩れてしまうと、安定ではなくて切り取り勝手のような世界に近づくことになるでしょう。
行政官が国民から信頼される質を維持しているのか?という観点からチェックしてみることが必要かと思います。

12月 4, 2007 at 09:17 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.12.03

地方新聞だけが名誉毀損とされた事件の控訴審

毎日新聞より「東京女子医大・手術事故:配信記事掲載で名誉棄損 責任の所在、どこに!?

11日から控訴審--1審は地方紙のみに賠償命令

共同通信社が配信した記事について、掲載した地方紙のみに名誉棄損での賠償を命じる判決が9月に東京地裁であった。
定評ある通信社の配信記事を掲載した場合、新聞社は免責されるとの主張を判決は退けた。
これに対し、共同や地方紙は、多様な言論を封じ、国民の知る権利を阻むものだとして猛反発している。
11日に東京高裁で控訴審が始まり、改めて「配信記事の責任」の所在が問われる。
【本橋由紀、北村和巳】

地方紙「知る権利大きく損なう」/共同通信「報道の萎縮につながる」/識者「配信制度に理解がない」

裁判は東京女子医大病院で心臓手術を受けた女児の死亡事故をめぐり、業務上過失致死罪に問われ、1審無罪(検察側控訴)となった医師が起こした。
判決は、医師の基本動作ミスが事故を招いたとする配信記事(02年7月)について「警視庁の記者会見に基づくなどしており、報道内容を真実と信じる相当の理由がある」として、共同の賠償責任を否定した。

その一方で、

  1. 定評ある通信社からの配信を受けたことだけを理由に、記事が真実と信じる相当の理由があったとはいえない
  2. 共同通信の定款施行細則で、配信記事には配信元の表示(クレジット)を付けると規定されているのに、そのクレジットを付けずに自社が執筆した記事のような形で掲載している
として、掲載した上毛新聞社(前橋市)▽静岡新聞社(静岡市)▽秋田魁新報社(秋田市)の3紙に計385万円の賠償を命じた。共同によると、この記事をクレジットを付けて掲載した新聞はなかった。

実情無視と批判

堀部政男一橋大名誉教授(情報法)は「今回のような形で地方紙が責任を負わされるのであれば萎縮(いしゅく)して、読者の知る権利に応えられなくなる」と話すが、地方紙側はどう受け止めているか。

当事者の上毛新聞は「通信社とその加盟社の実情を無視した判決。認められれば配信制度や地方紙の根本にかかわる」と主張する。

他の加盟社も「覆ると思うが、仮に確定すれば知る権利、言論の多様性への悪影響は計り知れない」(河北新報)▽「加盟社は多くの読者を抱え、世界で起きるニュースを提供する責務があり、仮に確定すれば、表現の自由を大きく侵害する」(信濃毎日新聞)▽「通信社制度の存在意義を否定し、国民の知る権利を大きく損なう」(北海道新聞)▽「報道の自由を制限し容認しがたい」(西日本新聞)など、民主社会の根幹にかかわる問題だと指摘する。

背景にあるのが、通信社と地方紙など加盟社との密接な関係だ。

共同は社団法人で、NHKやブロック紙も含め加盟する計57の報道機関は「社員」となっている。運営方針などを決めるのは最高の意思決定機関「社員総会」や社員から選ばれた理事による理事会だ。通信社とは単なる契約関係ではなく、同じ共同体ということになる。

共同の配信記事に誤りや名誉棄損の部分があった場合の責任について、共同通信の安斉敏明・総務局総務は「配信した共同にある」と明言。加盟社も「責任は配信側にあり、地方紙は免責される」との意見でほぼ一致する。地方紙が中心の米国では、この「配信サービスの抗弁」の法理は一般的だという。

この考え方に沿い、加盟社は地域の独自ニュースと世界規模、全国規模のニュースを紙面に掲載できる。新聞社間の無用な競争を避け通信のコストを下げながら、多様な言論が保たれ、国民の知る権利にも応えられることになるという。

判決は判例踏襲

最高裁は「ロス疑惑」をめぐる名誉棄損訴訟で02年1月、「社会の関心を引く私人の犯罪やスキャンダル」報道に関し、「配信サービスの抗弁」を否定した。報道合戦が過熱し、慎重さを欠いた記事があると指摘し、「一定の信頼性を持つとされる通信社の配信記事でも、真実性について高い信頼性が確立しているとは言えない」と結論づけた。今回は、公的な使命を帯びる医師が医療ミスの刑事責任を問われたケースだったが、東京地裁は「社会の関心と興味を引く分野の報道」として、判例を踏襲した。

さらに今回の判決は、3紙が「配信元の表示(クレジット)」を付けなかった点を重視し、「新聞社自ら執筆した記事と体裁が変わらず、読者は配信記事かどうか判別できない」と指摘。共同と3紙は一定の関係があっても別の責任主体で、共同の「(免責とされる)相当の理由」を3紙は援用できないとした。

クレジットについてはロス疑惑をめぐる別の訴訟の最高裁判決(02年3月)で意見が分かれた。2人の裁判官は「報道の自由は、どの社の責任で記事が作成されたか認識できて初めて十分に発揮される」として、クレジットを付さない場合は配信を理由にした抗弁は一切主張できないと述べた。だが、別の3人の裁判官は「クレジットの付いていない記事でも、その内容や記事を掲載した加盟社の規模などから、通信社からの配信記事と推認できる可能性があれば、加盟社と通信社が実質的に同一性を持つと考えて差し支えない」「クレジットがないからといって、配信サービスの抗弁を認めないという意見には賛同できない」と意見を述べている。

「クレジット」は必要か

今回の判決も指摘しているように共同の定款施行細則は配信記事の掲載時にクレジットを付けなければならないと規定。だが、現実には国内のニュースには付けないのが長年の慣行で、共同も問題にしてこなかった。原告医師の代理人の喜田村洋一弁護士は「クレジットがなく自分の記事の形で掲載した以上、責任を問われるのは当然。取材を尽くしたかで個別に名誉棄損を判断するのは妥当だ」と話す。

これに対し、上毛新聞は「すべての記事にクレジットを付けると読者の混乱を招く懸念もある。記事の内容ではなく、クレジットの有無を問うのは本質的ではない」と主張。「クレジットを付けたからといって加盟社が免責になる保証はない」(中日新聞)との疑問の声も消えない。

そのような中、北海道新聞は10月から、話題の人を紹介する囲み記事「ひと2007」について、自社原稿の署名だけでなく、配信記事にも原則としてクレジットを入れることにした。「原稿の出自を明らかにする観点から」と、見直した理由を説明する。

控訴審では何を訴えるのか。共同は「直接の取材手段を持たない加盟社に配信記事の真実性を証明させようとし、報道を萎縮させる判決の不当性を主張したい。クレジットなど個別の主張については訴訟で明らかにしたい」と話す。

通信社の歴史に詳しい秀明大総合経営学部の里見脩教授(メディア史)は「メディアがすみ分けることで成り立ってきた配信制度にとってゆゆしき判決だ。最高裁判例の一部を一方的に解釈しているという印象を受けざるを得ない。『赤福』がチョンボしたからといって、みやげ物屋が責任を負いますか? メーカー責任の原則からもはずれている。クレジットの点もおかしい。共同は社団法人で地方紙は社員。地方紙は社説まで共同から配信を受けるような関係だ。配信記事にクレジットを付ければ地方紙は共同のクレジットで埋まってしまう。すべての記事にクレジットを、という実態を理解しない考え方で、民主社会にとって大切なものを犠牲にすべきではない」と断じる。

共同通信社が配信したニュースをそのまま載せた地方紙が名誉毀損に当たるとされた事件で、控訴審が始まるという解説記事です。

素人考えとして非常に不思議なのは、ニュースを配信した共同通信社に対しては「信ずるに足る情報を伝えたから、賠償責任は無い」としておきながら、そのニュースを掲載した新聞が名誉毀損に当たる、という理屈が成立するのか?です。

地裁判決では「共同通信社が配信したニュースなのか独自取材の記事なのか区別が付かないから、名誉毀損」としているようですが、共同通信については「警察発表など」を根拠に「信じて当然」との情報を「共同通信が配信したから信じてはいけない」と読めるわけで、それでは情報の伝達ということを自体に無理難題を吹っかけた判決となりませんかね?

また、地方新聞社が共同通信と同列で警察を直接取材して書いた記事であれば、やはり名誉毀損に当たらないのでしょうね。だとすると「共同通信のクレジットを表示しない」ことにどういう意味があるのか?
さっぱり分からない判決だと感じます。

12月 3, 2007 at 12:21 午後 セキュリティと法学, 事件と裁判, 国内の政治・行政・司法 | | コメント (6) | トラックバック (0)

ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因その2

「ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因」の続報です。
読売新聞より「ボンバル機胴体着陸、原因は製造段階のボルト付け忘れか

高知空港で今年3月、前輪を格納するドアが開かずに胴体着陸した全日空機は、機体の製造段階でドアに必要なボルトを付け忘れていた可能性が高いことが国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。 機体を製造したカナダ・ボンバルディア社側もミスを大筋で認めているといい、事故調は同社の管理体制の不備を指摘する方向で、調査を進めている。 これまでの調べでは、同機は事故当時、前輪格納ドアを開閉する装置のボルト1本がなかったため、本来はボルトを保護する管状の部品が装置からはみ出し、他の部品と接触。
このため、着陸時にドアが開かず、前輪が出なかった。

事故調は、

  1. ボルトが機体内で見つからなかった
  2. 全日空側が問題のボルト周辺を一度も整備対象にしていなかった

ことから、ドアの開閉を妨げていた管状の部品周辺の鑑定を外部機関に依頼。
その結果、部品の内部にボルトが装着されていれば残っているはずの痕跡がないことがわかった。
ボンバル社側は全日空に同機を引き渡す前のテスト中に前輪部全体を交換しており、この段階で作業ミスがあった可能性が高いという。

航空会社にメーカが引き渡す前に交換したら組み立てミスをした、ということなら確かに「製造ミス」になりますが、実際には整備作業ミスでしょうね。

部品を付けないとか、きちんと取り付けないといったことは整備の時に起こりがちですが、脚の構造ですからね、自動車で言えば「重要保安部品」でしょう。
それの組み立てミスを見逃してしまう整備体制というのは大問題だろう。

日本の航空機メーカは「ノックダウン生産」というのをずいぶんやっていました。
一言で言えば「部品から組み立てるだけ」なのですが、これをネタにしたマンガは繰り返し登場していて「一本残ったボルトを前に何人もで図面を見ながら首をひねっている」というものです。
今回はこれと全く同じ状況を見逃したわけです。

新聞記事の通りであるとすると「全体を交換した」だから基本的には全ての部品を用意して組み立てたはずなんですが、その時にボルトを忘れたというのは「ボルトを余らせたままにした」となってしまいますよね。これはかなりまずいですよ。

SASが全機飛行停止にしたのも無理はないし、そもそも今回の全日空機も他にも部品が付いていない箇所があったとのことです。
根本的に飛ばして良い機体と言えるのでしょうかね?

12月 3, 2007 at 12:05 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)