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2007.01.27

日本語を教えるには

apj さんが「日本語をどう教えたものか……」とエントリーしたのを受けてちょっと最近考えていることを書いてみます。

元の apj さん(山形大学の化学の先生)のエントリーはつぎような内容です。
卒業論文シーズンで、学生の書いたものを添削しているのだが、日本語がおかしい部分があって困っている。
どれが主語かわからない文章だったり、どの言葉がどの言葉にかかるのかが崩れてたりするので、読み返せと指摘して返却しているのだが……。学生の日本語作文能力を上げる方法って何かあるかな。

本田勝一の「日本語の作文技術」あたりを読んでもらうかなぁ。
文章の書き方の本を探すと、小説を書きたい人向けのものがたくさん出ているのだけど、正確にわかりやすい日本語で書けば足りる自然科学の論文とは方向が違うんだよなぁ。
ビジネス用の文章の書き方とも違うし。

何かいいテキストや、トレーニングの仕方はあるのだろうか。
このエントリーにはすでにたくさんのコメントが付いていて、「こんな参考書があるよ」となって、apj さんの問題提起には対応策が示されています。

しかし、わたしは「大学四年生が卒論でまともな日本語になっていない文章を書いている」ことの理由とか、なぜ相手に分かる・分かりやすい文章表現などが必要なのか?といった点について、現在の状況を含めて一つ検討するべきではないのか?とちょっと以前から思っています。
これは、高校生を相手に社会人講師をやっていて気づいたことが大きいのです。


まぁ、多くの中高年の人は最近の高校だけでなくそもそも「若者言葉は分からない」とか昔から切って捨てています。
これは、ローマ時代の落書きにも「近頃の若者は」とあるそうですから、人類永遠のテーマなのでしょう。

しかし、ネットでの相談とかを見ていても「ナンでそれを先に説明しないのだ?」といった感じで説明不足あるいは書き手が「分かってくれるだろう」という強い思い込みで書いている掲示に良く出会うようになりました。

この傾向は、mixi では特に強いようです。
わたしには mixi は特別な場とは思わないのですか、けっこう多くの人が「mixi だから」と発言していて、特別なはっきり言えば「自分に有利な場」と思い込んでいるようです。
だからこそ「この位は書かないでも分かって当然だ」などとすごい発言も出てくるのでしょう。

この種の発言を検討してみると「自分から説明したり説得したりする必要を認めない」となるわけですが、それ以前にもっと重要な問題にわたしは個人的に直面していました。


わたしがしばしば引き合いに出す「高校生に社会人講師として授業をしている」のは、NPOの会員として参加しています。
幸いなことに、色々な仕事があって実働数十人のNPOとしては「会員の誰が今日はどこで何をやっているのか?」という情報の共有の必要性を感じました。

そこで、勝手に行動予定表を作りました。
内容は、日時・目的の学校など・参加者・内容といったものですが、これをMLに流しています。

こんな共用のデータはWebにアップする、というのがちょっと古手のネットワーカとしては常識でしたが、わたし自身も含めてNPOの会員はWebを見ないと分かっていたので、MLに html ファイルを流しました。
添付ファイルにすらしていません。

メールの安全性という観点などからは html メールとは!と思うところもあったのですが、行動予定の「表」を送りたいの融け添付ファイルでは読まないという事実からの選択だったのですが、これが実は大好評でほぼ一年になります。

そこで改めて考えたのは、古手のネットワーカが「Webにアップしてある」といった表現をして、わたしもそれを不思議に思わなかったのは、そもそも古くからPCに手を出したり、ネットワークに参加した人たちの共通項は

情報は自分で取りにいくものだ

と古手のネットワーカの全員が考えていたのではないだろうか?です。


しかし、いまやネットワークとラジオ・テレビをどうやって区別するのでしょうか?
今や日本のネットワーク人口は7000万人以上です。
この人達が全員「情報は自分で取りにいくものだ」と考えているなんてあり得ない!
Webを見ることはテレビを見ることと同じであり、URLはテレビのチャネルと全く同じ、と考えた方がうまく説明が出来ます。


先に書いた、NPOの行動予定表をhtml メールで送りつける方が好評だというのは、情報を取りに行く必要がないプッシュサービスだから、となります。


こう考えると、インターネットの双方向性も実はメールでしかプロトコルとして双方向性の保証はないと言って良いでしょう。
だれもが自分のHPを持ったり、ブログを持ったりすることを想定しても非現実的です。

今必要なのは、プッシュサービスではなくてキャスト(ブロードバンドキャストやポイントキャストなど)かな?と思うに至りました。そうした、PodCasting を大学の授業で使っている・・・・。 やっている人はもうやっているのね。


しかし、現状のネットワークではベテランの主張するのは「自分で情報を取りに行け」だら「ソースを示せ」となるわけです。
この考え方の中には「人に説明する」「人を説得する」という考え方は無いと言って良いでしょう。


メールで特定の人とやりとりするのであれば「?」と書いた手紙の返事が「!」で通じたというのもあります。
つまりは、人ニセ詰めする・説得するとは「他人に対して」なのですが、親しい人と手紙とか仲間内の会話などは「他人を相手にしているとは言えない」であって、説明や説得の表現技術が上がるわけがないとなります。
現代社会では、これらが積み重なって「卒業論文の日本語がヘンだ」となっているのではないでしょうか?
やはり「説明は大変だ」という経験を学生生の諸君に経験してもらうことが重要だろうと思います。

その一方で、ブログなどで未知の人に読んで貰うといった経験も重要ですね。
どっちにしても、昔に比べて社会で人と付き合わないでも生活できるようになったことが、こんなところにも影響しているだろうと思っています。

1月 27, 2007 at 06:29 午後 教育問題各種 | | コメント (4)

2007.01.25

欧州委員会の制裁金決定に関連して

朝日新聞より「三菱・東芝など重電10社に制裁金1200億円 EU
欧州委員会は24日、変電所設備の納入を巡る国際カルテルで三菱電機、東芝など日本の5社を含む日欧の重電企業10社に総額7億5071万2500ユーロ(約1200億円)の制裁金を科すと発表した。
単独のカルテルに対する制裁金としてはEUで過去最高という。

日本企業の制裁金は、
  1. 三菱電機  1億1857万5000ユーロ(約190億円)、
  2. 東芝       9090万ユーロ(約140億円)、
  3. 日立製作所   5175万ユーロ(約80億円)
  4. 富士電機(現富士電機ホールディングス〈HD〉)
  5. 日本AEパワーシステムズ(富士、日立、明電舎の合弁企業)も対象になった。
最高額は独シーメンスの3億9656万2500ユーロ(約620億円)でほかにアルストムなど仏3社とオーストリアの1社が含まれている。

欧州委によると、1988~2004年に、変電所のガス絶縁開閉装置の価格を事前に話し合ったり、入札地域を決めたりしていたという。
日本企業は欧州での入札を見合わせ、欧州企業は日本市場に参入しなかった。
欧州委は「日本企業は参入見合わせで欧州市場での競争を阻害した」と判断。制裁金は主導性や企業規模、カルテルに加わっていた時期などで決めたという。シーメンスは欧州司法裁判所に提訴するとしている。

カルテルにはスイスの重電大手ABBも加わっていたが、欧州委に情報を提供したため、制裁金は免除された。

東芝は「欧州委の調査に協力してきたが、当社の調査では欧州競争法に違反する行為を行っておらず、今後、欧州裁判所で争っていく方針」とのコメントを発表。
三菱や日立も「内容を精査した上で、提訴も含めて対応を検討していく」との考えを示した。

一方、富士電機HDは「内容を精査した上で公正に対応していきたい。決定内容や社内調査の結果を踏まえて、社内処分、再発防止の徹底を行う所存」とした。
読売新聞より「絶縁装置でカルテル、EUが日欧10社に巨額制裁金
制裁対象の日本企業は、三菱電機、東芝、日立製作所、富士電機ホールディングス、日本AEパワーシステムズ。
欧州委は、10社が1988年から2004年にかけ、GISの入札過程で情報を共有したうえで落札価格を事前に相談したほか、落札企業の順番を決めた合意を交わしていた、としている。

合意には、日本企業が欧州市場に参入せず、欧州企業が日本市場に参入しないことを互いに約した文言も含まれていたという。
NHKニュースより「EU 日欧企業に巨額制裁金
ヨーロッパ側の企業と日本側の企業が、それぞれ相手の市場で販売活動を行わないことも申し合わせていたということです。
ヨーロッパ委員会は、情報を提供したスイスの1社を除く10社に対して、総額7億5000万ユーロ余り、日本円にしておよそ1200億円の制裁金を科すことを決めました。
これは、ヨーロッパ委員会が単独のカルテルに科す制裁金としては史上最高額だということです。

これに対し、10社の中で最も高額の制裁金を科されたドイツのシーメンスは「事実認定に誤りがあり、制裁金額が高すぎる」として、処分の見直しを求めてヨーロッパ司法裁判所に提訴する方針を発表しました。
けっこう話が混乱気味ですが、問題になった「ガス絶縁開閉装置」とはこのページの写真が代表的なものです。タンクの中にガスを入れて大電力に対応するスイッチを作る、という技術です。
重電機の代表ですが、大きな物を鋳造するので東芝や日立が先に出てくるのでしょう。

さて、その上で今回の日本企業に幅広く制裁金を科する決定はどんなのものか?と思います。
朝日新聞は、どちらか言うと「日本企業が悪い」といったトーンの記事と読めますが、読売新聞の記事では「日本企業はヨーロッパでは売っていないが・・・・」となっていて、さらにNHKニュースでは「シーメンスが事実認定が違い、制裁金が高すぎる」となっています。

現実問題として、変電所の設備ですから日本企業がヨーロッパで商売するのはほとんど無いのは確実でしょう。特に「ガス絶縁開閉装置」だけのビジネスというのは考えにくい。
一方で、欧州委員会の主張は「市場参入しないことを申し合わせていた」とのことですが、法律的に「○○をしない」という文章が違法の証明になるのでしょうかね?

法的判断では「無いことの証明」は「悪魔の証明」と呼ばれ不可能であるから採用しないとなっています。
無いことを証明するのはあまりに広範囲になるので不可能だが、あることの証明なら一つだけだから簡単だ。との原理です。
今回の「市場参入しない」という文章や文言はこれにちょっと近いかと思います。
つまり、問題の文章がなければ日本企業は参入したのだろうか?ですが、上記に書いたようにかなり難しいのではないか?と思うところがあります。
さらに実際には参入しなかったことが参入の可能性があるすべての企業に制裁金を課するとなったので、東芝・日立から始まって、すべての企業に課徴金となっています。
これは「やっていないことに処罰」となるとこうならざるを得ない証明でしょう。

この問題は、日本では安倍首相が他のほとんどすべてが反対しているのに成立を指示したことでまたまた有名になった共謀罪の適用にかなり近いでしょう。
共謀罪は「やっていなくても話したら処罰」ですから、欧州委員会の制裁と原理的にはかなり近い。

近年、法の厳しい適用が求められる傾向がありますが、痴漢えん罪などでもこの手の「やっていないことを証明せよ」的な法的判断が多くなってきた、と感じます。

今回の欧州委員会の決定は色々なことを考えさせてくれました。

1月 25, 2007 at 09:42 午前 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.01.22

2007年は選挙の年

昨日(2007年1月21日)は宮崎県知事、山梨県知事、愛媛県知事、甲府市長がありました。
今年は、統一地方選挙が4月にあって、7月に参議院選挙があります。
このために「選挙の年」とも言われるわけで、昨日の選挙の結果には注目せざるを得ません。

このところ、知事、市長などを選ぶ選挙では、政党の公認候補はほとんど無くて、無所属で出馬する例がほとんどですが、これは一人だけを選ぶので党ではなくて人を選ぶという趣旨からも当然です。
しかし、政党の公認があるかどうかは別として政党が選挙ための集団であるのだから、全くどの政党の支持も受けないで当選する純粋な無所属候補には注目が集まりますが、その一方で選挙は勝負ですから当選者が強かったから当選したのか、ライバルが弱かったから当選したのかは見かけ上は区別が付きません。

知事や市長などは任期が4年ですから、4期目ともなると「16年を目指して・・・・」といったことになります。
最近は長期間に渡って一人を行政の長に置くことには反対意見が多くなってきて、2期目より3期目の方が支持が下がり、4期目となると当選が難しくなるのが現状です。
このために、知事の任期を制限する条例を作ろうといった意見もで出来ました。

さて、こんなことを踏まえて上記の選挙を見てみます。

宮崎県知事
  • そのまんま東  タレント・無所属
  • 川村 秀三郎  元林野庁長官
  • 持永 哲志   元経済産業省課長・自民、公明推薦
これでは、政党支持票は分裂していますから、無所属候補のそのまんま東候補が有利です。


山梨県知事
  • 横内 正明  元衆院議員
  • 山本 栄彦  現職・元甲府市長
現職は、甲府市長・山梨県知事と長期政権であったことに飽きられたという側面が大きいでしょう。


愛媛県知事
  • 加戸 守行  現職  328,640
  • 和田 つかさ      95,368
  • 楠橋 康弘       86,124
愛媛県知事選挙は自民、公明両党が推薦、社民党は支持、民主党も県議全員が支持。で全党相乗りでした。

ちょっと調べてもなかなか面白いです。
わたしも4月の統一地方選挙に向けて、4年ぶりに選挙の応援に動くことになります。

1月 22, 2007 at 10:35 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.01.21

中国の長者番付?

人民日報日本語版より「フォーブス誌 中国富豪ランキングを発表」 これには驚いた。
人民日報といえば中国共産党の機関紙というまくら言葉で紹介されたい時代が長かったわけで、今では普通の大新聞と位置づけても良いのだろうけど、それにしても人民日報に富豪ランクキングの記事というだけでビックリです。

もっとも記事の内容はそれほどでもありません。
米経済誌「フォーブス」は19日、最新の中国富豪ランキングを発表した。
ランクインした富豪はすべて香港・台湾地区から選ばれ、一位は前回に引き続き香港実業家の李嘉誠氏だった。
北京の日刊紙「京華時報」が伝えた。

今回ランクインした40人の富豪のうち、香港からは24人、台湾からは16人、大陸部および澳門(マカオ)からは一人もいなかった。

資産220億ドルの李嘉誠氏が前回に引き続いて中国地区のトップとなった。
女性は3人がランクインし、うち香港の華懋(チャイナケム)グループの会長、キョウ如心(ニナ・ワン)女史は42億ドルで11位に入り、女性の中で最高だった。
この記事は中国が完全に資本主義体制になったという証拠でしょう。
中国東北大学の先生に直接伺ったのですが、1965年から1976年までの文化大革命で中国では多くのインテリが生活基盤を破壊されました。

お話しした先生はこのころに子供で放浪生活をしたといいます。
そういう人たち(1960年頃生まれ)が現在の中国の発展の中核で、これは日本の戦後高度経済成長を推進した1930年頃に生まれた人たちに相当するとのことです。

日本の30年から35年ぐらい前、1970年代だと考えると非常に良くマッチしますね。

1月 21, 2007 at 10:14 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (2)