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2007.09.01

全小学生に農業・業業体験を!

毎日新聞より「農山漁村交流プロジェクト:全児童が長期宿泊、農漁業体験

農林水産、文部科学、総務の3省は31日、すべての小学生が農山漁村で長期宿泊体験をすることを目指す「子ども農山漁村交流プロジェクト」を始めると発表した。
まず08年度に、各都道府県約10校ずつの全国470のモデル校と、受け入れる全国40カ所のモデル地域を設ける方針で、5年後には2万3000の公立小学校すべてで実施し年間120万人が参加できるようにすることを目標にする。

宿泊体験は1週間程度。高学年の児童が民宿や農家に泊まり、体験に行く時期に応じて田植えや稲刈りなど実際の農作業を体験する。農山漁村の学校も、農村から山村、漁村へ行くなど、環境の違う農山漁村に行って体験を実施する方針だ。体験に参加するかどうかは各学校が判断することになるが、目標の120万人は全国の1学年の人数に当たる。
このため、施設整備などがすべて実現すれば、全児童が小学校在学中に1度は体験に参加できる規模になる。

3省はまず08年度予算の概算要求に、宿泊費など参加費の支援(約22億円)や、廃校の改修など受け入れ施設の整備費を連携して盛り込んだ。文科省は「モデル事業では保護者や市町村の負担ができるだけ小さくなるようにしたい」と説明している。
受け入れ地域は、農水省が5年間で500カ所に増やす予定だ。

プロジェクトの狙いについて、文科省は「自然の中での体験で児童の学ぶ意欲や思いやりの心がはぐくまれる」と説明。
農水省は「都市との交流が農山漁村の活性化につながる」と期待している。【位川一郎】

平成18年(2006年)10月の人口推計表によると6歳から11歳まで(小学生)の人口総数は715万人です。だから120万人という数字になったのでしょう。

平成17年(2005年)の農業就労人口は335万人、平成15年(2003年)の漁業人口は42万人のようです。
合計して、377万人そこで毎年120万人を受け入れることが出来るものか?

仮に、40人1学級として考えると、120万人では3万学級です。
各学級に2人ずつ地域から人を出すとして、6万人。

1.6%ぐらいの人手を出すことになります。
統計上のデータであって、通常の仕事や病気などで参加することがどうしても出来ない人がいることを考えると、このような負担はむりではないだろうか?

その一方で、就労者の総数は6400万人台だから、人口比で見た場合農業漁業人口は就労者全体の6%未満だ。

現代の日本人の就労構造はサラリーマンがほとんである。
高校で仕事について話してくれる講師を募集しているとNPOに相談が来るのだが、先生が仕事=職種と捉えているから、理容師、警察官、看護師といった具合に「手に職を付ける」話しばかりになってしまっている。
現実に一番多い「普通のサラリーマン生活とはどのようなのものか」を話す機会はかなり少ない。
完全に現実と遊離したキャリアー教育になってしまっている。

その上にこれだ、一体何を考えているのか?

9月 1, 2007 at 12:46 午後 教育問題各種 | | コメント (17) | トラックバック (0)

2007.08.31

スキャナ機能のある液晶パネル

日経新聞より「シャープ、名刺を読み取る新型液晶パネルを開発

シャープは31日、スキャナーやタッチパネル機能を持った新型の液晶パネルのサンプル出荷を9月から始めると発表した。携帯電話の液晶画面に名刺を置くと文字を読み取り、電話番号を自動的にメモリーに入力することなどができる。
すでに量産準備に入っており、来年には新型液晶を搭載した製品が登場する見通しだ。

液晶パネルの画素に微細な光学センサーを隣接させて製造する。センサーが画面に触った指先の位置や、名刺の文字を感知する。
タッチペン式の携帯ゲーム機では触った場所は一点ごとしか検知できないが、新型液晶では指で同時に数カ所を押しても感知できる。
「現在のタッチパネル式に比べコストは増えない」(モバイル液晶事業本部本部長)としている。

なんか、将来が有望な技術のように感じますね。タブレットPCに使ってくれないものかな

8月 31, 2007 at 10:58 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

学習指導要領改訂に

日経新聞より「小学校、40年ぶり授業増へ・指導要領改訂素案

小学校の授業時間が約40年ぶりに増える見通しとなった。
学習指導要領の改訂作業を進める中央教育審議会の専門部会は30日、小学校で国語や算数など五教科の授業時間数を約1割増やし、5、6年生では英語の授業を導入する素案を大筋で了承した。基礎学力向上に重点を置き、授業時間数という「量」で学力低下を食い止める。

ゆとり教育の象徴とされる総合的な学習の時間は削減され、ゆとり路線は名実ともに見直される。ただ、教育関係者の間では「ゆとり教育の功罪は総括されていない」との声は根強い。

現在の小学校の学習指導要領は以下のようになっています。
文科省は学校が開いている期間を年に35週、週5日、一日6時限で計算しているので、最大で1050時限になりますが、この中から各種行事などの時間が割かれるので最大で945時限となっています。

分かりやすく言えば、それぞれの科目を35で割ると週に何回の授業あるかを示しています。
例えば総合学習が105となっているのは週に3時限を行う事になります。

区分国語社会算数理科生活音楽図画
工作
家庭体育道徳特別
活動
総合
学習
合計
1年2721141026868903434782
2年2801551057070903535840
3年23570150706060903535105910
4年23585150906060903535105945
5年1809015095505060903535110945
6年17510015095505055903535110945

サンケイ新聞はもっと踏み込んだ記事になっています。
サンケイ新聞より「総合学習は「遊び」の批判も 「ゆとり教育」転換

「ゆとり教育」の象徴と鳴り物入りで導入された総合学習の時間だが、授業内容は教師の指導力に左右され、学校によっては事実上「遊びの時間」になっているとの指摘や「何をやっているか分からない」との批判も強かった。

「基礎基本の学力が定着しない段階で総合学習を取り入れたのは、そもそも無理だったのでは」

プロ教師の会を主宰する日本教育大学院大学の河上亮一教授はこう指摘する。河上教授によれば、調べ学習を中心とする総合学習は児童の学力が高い一部の学校では有効だが、基礎基本が不十分な学校では「遊びの時間」になるなど、逆効果のケースもみられた。

運動会や学芸会の準備時間が削られるなど、学校行事を軽視する傾向も目立っていたという。

学力低下問題に詳しい国際医療福祉大の和田秀樹教授も「学力低下に対応する画期的な内容だが、総合学習は全廃すべきだ。勉強意欲を増すといわれてきたが、実際には勉強ができる子にしか効果が表れていない」と話す。

教員の中からも総合学習への批判がある。

埼玉県の公立小学校教諭は、授業準備の負担が大きいため、行事の準備時間に利用したり、勉強の苦手な子供向けの“補習”に利用したりしている学校もあるという。

「総合学習は、教員側に問題があるともいわれるが、時間も費用もないなかで独自の授業などできない」と嘆く。

神奈川県の公立中学の野牧雅子教諭も「どうせなら全廃すべきだ」と主張する。

総合学習の時間に一部の教員が過激な性教育を行ったり、イデオロギー的な平和教育を行う弊害もみられたという。

「総合学習の導入により教員の負担は倍増した。準備に追われて、最も大切な教科学習がおろそかになっている。1時間減らしただけでは、充実した教科学習はできない」と訴えている。(川瀬弘至)

社会人講師として総合学習に参加して現場を見た経験からすると、総合学習の一番の問題は「あまりに教員の負担が大きすぎる」です。
総合学習だからという理由で教科書も教材も無い。教員が用意するとなっていますが、これはとてつもない手間で、とても出来るものじゃない。
しかも、予算がない。これで「総合学習をしろ」というのがムチャクチャで、結果として社会人講師で参加するときにも、ボランティアでは追いつかず別の事業で得た資金を注ぎ込むといったことなります。
これでは、続くわけがない。

一方、サンケイ新聞が紹介している「反ゆとり教育」を標榜する方の意見もおかしい。
「学力の高い子に有効で・・・・」というのはゆとり教育を導入したときに「生徒の個性に応じて」であって、言葉を変えれば「全員同一ではない」としたのだから結果として当然で、これは総合学習の問題じゃないでしょう。
論点のすり替えであると断じます。

わたし個人としては、総合学習が小学校3年生からかなりの時間を割いているのは、やり過ぎだと思います。
小学校では6年生だけでよいのではないでしょうか?

ただし、従来の教科授業を強化すると広い意味ので学力が向上するか?となると疑問です。
元々、教育は学校教育・家庭教育・社会教育があると言われています。
何十年か前から比べると、少子高齢社会でありハイテク社会であり、団地化社会になったので一番変化したのは社会教育の機会の劇的な減少でしょう。

学校教育は週5日制度の導入ぐらいの変化しかないですし、家庭のあり方もそうそう極端に変化できるものではないでしょう。
その点、社会の変化はすごくて工場街で育ったわたしは町工場を覗いて、溶接とかガラス工場などを見ていました。
それが今では、工場街には人が住んでいないから当然子どもも居ない。子どもたちが居るのは住宅街であり、団地です。仕事や社会といったものが見えない生活をしているのです。
聞いた話ですが、小学校の高学年になってようやく現金を見たという子供もいるそうです。

だから、従来の教科をやればよいというとは別に、学校で社会教育をせざる得ないでしょう。
商店街や工場街に住むのが有利になるように税制を変えるとか、工場では外部から見えるガラス張りの工場を優遇するといった、総合的で施策が必要です。

8月 31, 2007 at 10:47 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007.08.30

中華航空機爆発炎上事故その11

朝日新聞より「炎上機と同型のANK機、留め具なし 製造時つけ忘れか

那覇空港での中華航空機(ボーイング737―800型)の炎上事故を受け、同系機の緊急点検を指示していた国土交通省は30日、全日空グループのエアーニッポン(ANK)の1機(同700型)の主翼内部で、固定されていない金属製のボルトが1本見つかったことを明らかにした。那覇の事故は脱落したボルトが燃料タンクに突き刺さったことが原因とされ、ANK機も同様の危険性があった。同機は就航間もなく問題個所は点検対象ではなかったため、製造段階で留め具をつけ忘れた可能性があり、同省は製造国の米国に報告するとともに、原因究明を要請した。

ANKや国交省によると、左主翼の前側に4枚ある可動翼(スラット)のうち、一番翼端側の1番スラットの支柱(アーム)を29日深夜に点検したところ、ワッシャー(座金)と呼ばれる金属部品がボルトについていなかった。

ボーイング社の仕様書によると、アームにあるボルトの取り付け穴は直径1.1センチ。ワッシャーは外径1.57センチ、内径が0.66センチで、ダウンストップという部品を留めている。ダウンストップには真円ではない穴(直径1.04~1.06センチ)が開いており、この穴の摩耗度合いなどによっては、ワッシャーがなければナット(直径1.06センチ)がついたボルトが脱落しかねない状態だった。

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。国交省は「製造段階での付け忘れの可能性がある」としている。

問題のボルトでは、炎上事故以前に海外で2件、ナットの脱落があり、うち1件は燃料漏れにつながっていた。事故を受けた米国の連邦航空局(FAA)の命令に基づく、同系列機約2300機を対象とした緊急点検でも、新たに4件の部品脱落が確認され、うち1件はトラックカンと呼ばれるアームの収容部に損傷があった。FAAは28日付で点検期限の前倒しを命じる耐空性改善命令(AD)を出した。

国交省の報道発表資料より「中華航空事故に関連した我が国航空機に対するスラット機構部取付状態の一斉点検における不具合の発見について」さらに別紙(PDF)に詳細図がありました。

Up

組み立て状態図。

Up1

今回、ワッシャ無しで見つかった状態。

Up2

本来のワッシャが付いている状態。

Up3

今回、ワッシャ無しが発見された機体は

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。
ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。

ですから、国交省が「製造段階で取り付けられていなかった可能性あり」と言うのも当然でしょう。

それにしても、なんかすごい乱暴な仕組みですね。

8月 30, 2007 at 11:11 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

エレベータの強度不足?

毎日新聞より「エレベーター強度不足:住友重機械製の変速機使用74台で

国土交通省は30日、住友重機械工業製の変速機を使用したエレベーターの一部に強度不足の可能性があると発表した。
同日までに3社74台について強度不足を確認したとしている。
変速機の安全性の計算式に誤りがあり、実際以上の強度が算出されていたためで、人が乗る「かご」の巻き上げ用ロープを回転させる車軸部分が折れ、停止する恐れがある。

03年以降、かごに人が閉じ込められるなど3件の事故が確認されているが、けが人は出ていない。
同省は、この変速機を導入しているメーカー全25社(計2934台)に点検を指示、同日までに7割に当たる2100台について作業を終えた。
強度不足が判明したエレベーターでは、部品交換を進めている。

問題のあるのは92年以降に製造された変速機。
定員数など使用条件によって問題がないエレベーターもあるが、業界標準の8割程度の強度しかないケースもあった。
今年3月16日には千葉市の郵便関連施設でかごが停止し、人が閉じ込められる事故があった。【高橋昌紀】

なんだ?こりゃ。
シンドラーエレベータで紹介された写真だと、ごく普通のギアード減速機で業界標準の80%程度の強度だと折れることがある、というのはシアピンかな?
それなら「安全装置の早期作動」とかじゃないのかねぇ?

もっとも、シアピンのミスでえらい目に遭った経験はある。すごくまずいことに変わりはないが、誤作かねぇ?
設計ミスとなってますね。同じ強度の部品ではなくて、同じ計算式で個々のエレベータの負荷に合わせて違う部品を作っていた。
その計算式が違っていた。ということかな?
それだと分かりにくいね。う~ん、これも現場感覚の欠如か?

追記

国交省の報道発表を見ていたら、巻き上げ機の詳細とあって「折損した軸」と説明が入っている図面がありました。

それによると、減速機の出力軸が折れたことになっていますが、いくら何でもそれはないのではないかなあ・・・・。
何十ミリもありそうなシャフトですよ。

8月 30, 2007 at 10:30 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

竹花氏が東京都教育委員に

毎日新聞より「都教育委員:元都副知事の竹花豊氏を任命へ

東京都は元警察庁生活安全局長で元都副知事の竹花豊氏を教育委員に任命する方針を固めた。9月末で教育委員が任期満了となる鳥海巌・元丸紅社長の後任で、9月の定例都議会に石原慎太郎知事が提案する。
竹花氏は03年6月~05年8月まで治安対策担当の副知事を務め、青少年の非行防止にかかわる条例改正などに取り組んだ。

う~む・・・・・・。
この人、悪名高き「東京都健全育成条例」のインターネット規制を主導的に持ちこんだ張本人でしょう。

第三章の三 インターネット利用環境の整備

(平一七条例二五・追加)
(インターネット利用に係る事業者の責務)

第十八条の七

電気通信設備によるインターネット接続サービスの提供を行うことを業とする者(以下「インターネット事業者」という。)は、青少年の健全な育成を阻害するおそれがある情報を取り除くためのフィルタリング(インターネットを利用して得られる情報について一定の条件により受信するかどうかを選択することができる仕組みをいう。)の機能を有するソフトウェア(以下「青少年に有益なソフトウェア」という。)を利用したサービスを開発するとともに、利用者に提供するように努めなければならない。

2 インターネット事業者は、利用者と契約を行う際には、青少年の利用の有無を確認し、利用者に青少年が含まれる場合には、青少年に有益なソフトウェアを利用したサービスを提供している旨を告知し、その利用を勧奨するものとし、及びこれを利用することが可能であることを標準的な契約内容とするように努めなければならない。

3 インターネット事業者のために利用者と契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理(以下「媒介等」という。)を業として行う者は、利用者と契約の締結の媒介等を行う際には、青少年の利用の有無を確認し、利用者に青少年が含まれる場合には、青少年に有益なソフトウェアを利用したサービスが存在する旨を告知し、その利用を勧奨するように努めなければならない。

4 第十六条第一項第四号に掲げる施設を経営する者は、青少年が当該施設に備え付けられた機器によりインターネットを利用する場合には、青少年がインターネットを適正に利用できるように、青少年に有益なソフトウェアを利用した機器の提供に努めなければならない。

(平一七条例二五・追加、平一九条例九・一部改正)
(インターネット利用に係る保護者等の責務)

第十八条の八

 保護者は、青少年に有益なソフトウェアの利用により、青少年がインターネットを適正に利用できるように努めなければならない。

2 保護者及び青少年の育成にかかわる者は、家庭、地域その他の場において、インターネットの利用に関する健全な判断能力の育成を図るため、その利用に伴う危険性、過度の利用による弊害等についての青少年に対する教育に努めなければならない。

(平一七条例二五・追加)
(インターネット利用に係る都の責務)

第十八条の九

 都は、インターネットの利用に関する青少年の健全な判断能力の育成を図るため、普及啓発、教育等の施策の推進に努めるものとする。

(平一七条例二五・追加)

東京都が抱える教育問題は単純に人口が多いことだけでも大変で、当然非常に多岐に渡っているし、市区の教育委員会との関係など難しい問題も多いのだが、どうもシロクロを単純化するのが得意な方と思うので、ちょっと不向きなのではないかな?

8月 30, 2007 at 12:51 午後 教育問題各種 | | コメント (2) | トラックバック (0)

連座制とは内部統制そのもの?

突然、ひょいと思いついたのだが選挙の連座制とは内部統制違反ということか?

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その7」に紹介した小林議員の側の言い分は

  • 出納責任者は現金を渡したことは認めながら、「買収ではない」と否認を続けている。
  • 陣営幹部は、「事務所としての体制が薄かった」
  • 弁護人には「大学生らは労務者などとしてかかわっていた。設営や場所取りがほとんどで、選挙運動には当たらない」
  • 「事務員でも選挙運動用の腕章を着ければ、ビラ配りなどができると勘違いしていた」と犯意はなかった

これらをまとめると「確信的な公選法違反の意志はなかった」という主張のように見えます。

内部統制について詳しいとは言えませんが、基本的には「ちゃんと管理することは保証しろ」ということだろうと、理解しています。
それに罰則が付いてしまった。

会社で内部統制で問題ありとされた場合、経営者に責任が行くわけですが、問題になるのは社内の規則に反した場合のはずで、実際にそれによるトラブルが問題になってからでしょう。

小林議員の選挙では、すでにアルバイトの側はお金を受け取ったということで決まっていますから、外見的には「日当買収」が成立しています。
そこに「知らなかった」が通用にするのか?という問題ですが、選挙実務の立場としては毎回手引き書とにらめっこの上、警察とも相談しながら進めているのですから「知らないことはない」ところまで、つめています。

そういう立場の経験者としては「知らないでは済まないだろう」としか思わないのですが、逆に「知らなかった。時間がなかったのだから、手加減してくれ」という主張があった場合、どう考えれば良いのか?なのです。

まぁ知らなかった、間違えだったでは通用しないのは当然ですが「知ることを義務づける」のがどの範囲なのか?
送検された出納責任者と実質上の事務長は「知っていること、部下にもそれを指導することが義務づけられていた」なのだとすると、これは内部統制そのものじゃないでしょうかね?

8月 30, 2007 at 11:53 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その7

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その6」ではアルバイトをした側(お金を受け取った側)が書類送検された記事を伝えましたが、すぐにお金を出した側が送検されました。

送検されたのは、小林議員の公設秘書の出納責任者と、事実上の選対事務長と思われる県連職員です。
事務長か出納責任者のいずれかが有罪になった場合は連座制が適用となり、議員は失職します。
この事から、今回の送検は小林議員の連座制適用での当選無効・失職へ向けて事態は進んでいると見るべきでしょう。

新聞報道では、出納責任者の弁護士は「選挙運動とされる部分はごく一部で、事務所で内勤だった日もある。受け取った現金は報酬にあたらない」として争う姿勢を示していますが、県連職員については、肝心の県連が小林議員が国会にも出ないで雲隠れ状態を「(次の)選挙が出来ない」と言っているくらいですから、裁判になってこの県連職員が検察の主張をそのまま認めてしまうかもしれません。

そうなると、出納責任者が無罪を主張して、極端に言えば「本当に知らなかったから出納責任者は無罪」であっても、事務長が有罪で連座制適用により小林議員は失職となるでしょう。

すでに小林議員の失職後をにらんでのその後の4月の補欠選挙に関わる判断に動いているのだろうと思いますが、自民党と公明党と民主党の3勢力の関係性が今まで10年間ぐらいとはまるで違ったものになっていくと思われます。
一議員の選挙違反事件ですが、ことは神奈川県の政界再編成とも言えるインパクトがありそうです。

東京新聞記事では選挙事務所として弱かったとありますが、実際問題として選挙に至るまでに「講習会」のようなものを政党主催で開くものです。
そういった準備を経て選挙戦にはいるのですが、送検された出納責任者が決定したのが公示日の2日前というのは、ほとんど「あんたで届けておくからね」程度の事だったのでしょう。
それでは「その時の選挙実務のノウハウ」なんて入ってくる時間などありゃしない。

わたしが関わっていた統一地方選挙では、4月15日告示22日投票の選挙に対して、わたし自身は1月から事務所に入りましたが、候補の夫人はその次点から選挙戦の直前まで昼間はほとんど事務所に来ないで、各種手続きを含めて外回りで情報を収集していました。

夜になってから「今日はこういう情報があったが、どうしようか」と話し合って行動を決めていく。
こういったことに十分な時間を掛けてやることが重要であると知っている人たちが居ないで、人数だけ揃えてもダメだと言えます。
運動を手伝ってくれると集まって来た方の中にも「宴会やらなくては」とか言い出して周囲が「おいおい」と止めるなんてこともありました。
そういう人たちも含めて「こうやっていかなくてはいけない」「公選法は大変だ」と認識して貰うことこそが、選挙事務所の中心にいる人間の責務であって、その意味では「分かってなかった」とか「認識が違う」では回りの人に多大な迷惑を掛けます。
今回も、学生を中心とするアルバイトの人たちに迷惑を掛けたのは明らかで、それだけでも「責任あり」と言えます。

神奈川新聞より「出納責任者ら起訴、小林参院議員が辞意否定

参院選神奈川選挙区で当選した自民党の小林温議員陣営が運動員に報酬を支払ったとされる事件で、横浜地検は二十九日、公選法違反(日当買収)の罪で、出納責任者と県連職員の両容疑者を起訴した。小林議員はコメントを出し、現時点で議員辞職する考えがないことを明らかにした。

今後、出納責任者の有罪が確定すると、連座制が適用されて小林議員が議席を失う可能性がある。また県連職員が「組織的選挙運動管理者」と認定された場合も同様の流れになる。

一緒に逮捕された同党市連職員と、金銭を受け取ったとされ書類送検された学生ら二十四人は不起訴(起訴猶予)になった。

事件発覚以後、公の場に姿を現していない小林議員はコメントで「現在は報道された以上のことは分からないので、裁判を通して事実関係を正確に把握した上で対応を考える」との意向を表明した。

公選法違反事件の一審は通常、事件受理日から三十日以内に初公判が開かれ、次回以降は週一回以上のペースで審理することになっている。裁判所には判決を百日以内に出す努力義務の規定があり、順調に進めば十二月までに結論が出る見込み。

起訴状によると、両被告は市連職員の男性と共謀し小林議員の当選を目的に、投開票日の七月二十九日ごろから八月一日までの間に二十四回にわたり、横浜市中区の事務所内などで学生ら二十四人に選挙運動の報酬として現金計百五十三万円を渡した。

読売新聞神奈川版より「雲隠れ小林議員に批判自民内からも自分の口で説明を

参院神奈川選挙区で再選した自民党の小林温議員(43)派幹部の選挙違反事件は29日、出納責任者ら2人が起訴された。
小林議員は事件後、臨時国会を欠席するなど公の場に姿を見せていない。
自民党内にも「説明責任を果たしていない」と、批判や疑問の声も出ている。
出納責任者は調べに「アルバイトの学生らが選挙運動をしていることは知らなかった」と犯意を否認、今後の裁判の行方が注目される。

小林事務所によると、小林議員は出納責任者らが7日に逮捕されて以降、臨時国会に登院せず、横浜市の自宅マンションにも戻らず、東京都内のホテルを転々としている。県連幹部の一部にしか居場所も伝えていない。

出納責任者の起訴を受けて小林議員は「裁判を通して事実関係を正確に把握した上で、対応を考える」とコメントを出した。

こうした対応に、県内選出の自民の若手衆院議員は「説明責任を果たしていない。このままでは疑惑が晴れないままダメージだけが広がっていく。自分の口できちんと説明すべきだ」と批判する。

別の衆院議員も「89万票も取ったのに会見しないのでは、県民に納得してもらえない。県連も次の選挙に入れない」と頭を抱える。

自民県連幹部の一人も「陣営関係者が起訴されたことに対して公の場で県民に謝罪し、説明責任を果たせないような人間は、国会議員である資格はない」と対応を厳しく批判した。

一方、職員の起訴について自民県連は「報道以上のことについては分からない。裁判の推移を見守っていきたい」としている。

また、次点だった松あきら前議員の公明県本部幹部は、連座制で失職するなどした場合、繰り上げ当選の可能性があるだけに、「現段階では何とも言えない。裁判の推移を見守りたい」と慎重に言葉を選んだ。

■出納責任者ら起訴■

連座制適用で議員が失職するかどうかは、出納責任者の起訴で「百日裁判」に委ねられる。出納責任者の弁護人は無罪主張する方針。小林議員は辞職せず、裁判の行方を見て進退について判断するという。

横浜地検の調べによると、出納責任者とともに起訴された党県連職員は遊説活動のまとめ役で、場所取りなどを行う「設営班」の学生らを指揮していた。出納責任者は学生らに「日当」名目で選挙運動の報酬を支払った。

公選法は、候補者の資力によって選挙結果が左右されないよう、「選挙運動は無償のボランティアが行う」ことを想定。ウグイス嬢など特定の運動員以外には、報酬を支払うことを禁じている。

学生らは設営作業のほか、遊説で小林議員と一緒に練り歩く「桃太郎」行為をしたり、ビラ配りで投票を呼びかけたりしていた。捜査当局は「全体として選挙運動をしていたと評価できる」としている。

また、出納責任者はこうした実態を「知らなかった」と否認しているが、捜査当局は「同じ事務所で仕事をしており認識できた」として起訴した。

出納責任者の弁護人の高原将光弁護士は「選挙運動とされる部分はごく一部で、事務所で内勤だった日もある。受け取った現金は報酬にあたらない」と反論。選挙違反事件として成立するかどうか争うことも検討しており、裁判では激しい争いが予想される。

一方、県警は小林議員本人の関与の有無も捜査した。捜査幹部は「議員もビラ配りの運動員を見ていただろうし、側近の出納責任者の行為を知らないはずはないと考え、捜査は尽くした。裏付けるだけの証拠が確認できなかった」としている。

東京新聞神奈川版より「小林温議員陣営買収事件起訴弱い組織に甘い認識

七月の参院選神奈川選挙区で当選した小林温議員(43)陣営の選挙違反事件で二十九日、公設第二秘書だった出納責任者ら二人が横浜地検に起訴された。捜査当局は、選挙運動を行った大学生らに報酬として現金を渡すという違反に及んだ背景に、陣営の弱い組織体制や甘い認識があったとみる。一方で、出納責任者は現金を渡したことは認めながら、「買収ではない」と否認を続けている。(佐藤大、中沢穣)

「事務所としての体制が薄かった」。起訴を前に陣営幹部は、疲れ切った表情で、組織について反省の弁を述べた。

現職とはいえ、もともと“落下傘候補”で強固な支持基盤を持たなかった小林議員。選挙スタッフは「寄せ集め」(陣営幹部)状態だった。そんな中、小林議員の公設第一秘書が六月ごろ、個人的な都合で事務所を辞めてしまう。

出納責任者のなり手がいない中、公設第二秘書が出納責任者に納まったが、それが決まったのは、公示日のわずか二日前だった。別の衆院議員のスタッフとして働いたこともある出納責任者だが、選挙についての経験は乏しかった。周囲には「私でも(出納責任者が)できるかな」と不安を漏らしていたという。

◆選挙運動か否か

選挙資金の管理を一手に引き受けることになった出納責任者。投開票日の七月二十九日、事務所の給湯室などに大学生らを一人ずつ呼び出し、「ご苦労さま」と一人当たり一万円から十二万円の現金を手渡していった。

公選法では、ビラ配りなどで投票を依頼する「運動員」に報酬を支払うことは禁じられているが、あらかじめ選挙管理委員会に届け出た「事務員」やポスター張りなどの単純作業を行う「労務者」に報酬を渡すことは認められている。

出納責任者の弁護人によると「大学生らは労務者などとしてかかわっていた。設営や場所取りがほとんどで、選挙運動には当たらない」と出納責任者の潔白を主張。出納責任者は「大学生らが選挙運動をしていたことは知らなかった。買収ではない」と否認しているという。

しかし、捜査当局は学生らの主な活動は、ビラ配りなどの選挙運動だったと断定。選挙運動には当たらないという主張について、捜査幹部は「へ理屈にすぎない」と切って捨てる。出納責任者が深い認識がないままに違反に手を染めていたとみる。

◆口止めの意味は

一方で、ビラ配りや街頭活動のまとめ役となった自民党県連職員は容疑を認めている。

ただ、「事務員でも選挙運動用の腕章を着ければ、ビラ配りなどができると勘違いしていた」と犯意はなかったとし、学生らに「(現金のことは)言わないでね」などと口止めをしたとされる点について、「事務所内のボランティアの人が気を悪くしないようにと思って言っただけだ」と、その趣旨の違いを強調しているという。

8月 30, 2007 at 11:00 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.29

法廷活動が理由で懲戒請求

毎日新聞より「京都弁護士会:不適切な活動で74歳弁護士の懲戒請求

刑事裁判の国選弁護人が不適切な弁護活動を繰り返していたとして、京都弁護士会が会員で京都府南部の男性弁護士(74)の懲戒請求をしていたことが分かった。
同会綱紀委員会が調査中で、請求を認めれば懲戒委員会が処分を決定する。
「弁護士の職務を理解していない行動と判断した」としており、法廷弁護を対象にした懲戒請求は初という。

同会によると、男性弁護士は05~06年に国選で受任した3件の刑事事件を担当したが、
道交法違反事件で被告の意向に沿わない主張をして検察側の証拠にすべて同意したり、
事実を否認している公務執行妨害事件で暴行があったと主張するなどした。
男性弁護士は「証拠品などの客観的資料に基づいて主張した」と話しているという。

関係者から苦情を受け、地裁書記官の聞き取りなどを通じ調査した。
「不適切な点がある」として、昨年9月に国選弁護士名簿から抹消。
その後、先月5日に懲戒請求することを決めた。【小川信】

「法廷弁護を対象にした懲戒請求は初」というのがものすごいですね。
被告の意に反する主張を「客観的証拠に基づいて」やられたのではたまったものではない。
被告人質問ではどんなやり取りになったのでしょうか?

05年から06年9月までの国選弁護担当期間だとすると1年半ですね。それで3件を担当して、どうやら2件で問題になったと読めます。

「弁護士の職務を理解していない行動と判断した」という弁護士会の発表もものすごいですね。
相場操縦で行方不明になっている弁護士が居ますが、その他にも明確に犯罪を犯して懲戒処分となった例がほとんどであるところで、「弁護士の職務を理解していない」では・・・・・・。
世の中は思ってもみなかった事が起きるものです。

8月 29, 2007 at 12:54 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)

TBC事件高裁判決

日経新聞より「TBC情報流出、二審も最高賠償額命令・東京高裁

エステティックサロン、TBCグループ(東京・新宿)のホームページ(HP)に入力した個人情報が流出したとして、男女14人が同社に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(稲田竜樹裁判長)は28日、1人あたり2万2000―3万5000円の支払いを命じた一審・東京地裁判決を支持し、TBC側の控訴を棄却した。

1人あたり3万5000円の賠償金は、個人情報の大量流出をめぐる判決では過去最高額という。

判決理由で稲田裁判長は「氏名や住所などのほか、エステ特有の身体的な情報は秘匿すべき必要が高く、強い法的保護に値する」としてプライバシー侵害を認定。「HPの制作や保守は、TBCが委託業者を実質的に指揮、監督した」と使用者責任を認めた。

実際にどのような経緯で情報流出したのかは「TBCプライバシー被害弁護団」のサイト内にある「地裁判決文(PDF)」よると。

1996サイト開設
2002/03/30~2002/04/02この間のメンテナンス作業で公開状態に
2002/05/262ちゃんねるにURLがさらされる
2002/05/26データは削除した

プロバイダ責任制限法の施行が2002年5月27日ですから、正に時代の変わり目に起きた事件と言えます。

正確に何万人分の個人情報の流出があったのか良く分からないのですが、3万人~5万人(情報原によりマチマチ)ですが、判決は14人に対する損害賠償だけですから社会的公平という観点からは大いに疑問です。

それにしても、プロバイダ責任制限法・個人情報保護法と連続した主にネット上への情報流出問題に対応する法律の施行がわずかに5年前のことと考えるのか、TBC事件の高裁判決まで5年を要したと考えるのか、どちらから見ても感慨深いものがあります。

8月 29, 2007 at 11:07 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.08.28

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その6

神奈川新聞より「金受け取った学生ら24人書類送検/小林温議員陣営買収事件

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その5」の続きです。

参院選神奈川選挙区で当選した自民党の小林温議員陣営による日当買収事件で、県警捜査二課と都筑署などは二十七日、金を受け取った運動員二十四人を公選法違反の疑いで書類送検した。秦野市在住の男子私大生(21)ら二十歳から四十歳の男女で、うち十七人が学生、ほかは無職と自営業。

調べでは、二十四人は小林議員を当選させる目的でビラ配りなどの選挙運動を行い、七月下旬から八月上旬にかけ報酬として一人一万円から十数万円を受け取った疑い。全員が容疑を認めているという。総額は百六十数万円に上る。

いずれも「選挙の仕事がある」といった口コミで集められ、うち約二十人は事務員として登録されていた。「一日一万円で」と具体的な報酬を知らされていた人もおり、多くは金を受け取った際に「他の人には言わないで。封筒もすぐに捨てて」などと口止めされていたという。

この事件で県警は陣営の出納責任者、鈴木美香容疑者(33)ら三人が、報酬を渡した容疑で逮捕され拘置中。元秘書の容疑者は否認を続けているという。小林議員は事件発覚後、公の場に姿を現していない。

その後どうなっていたのかなと思っていたら、運動員をやった側は送検になってしまいました。
「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その5」に書いたとおり、9月15日までに小林議員が辞職するなどして参議院神奈川選挙区議員が一名欠けると、次点だった公明党の松あきら候補が繰り上げ当選になります。

この選挙違反容疑は元秘書と県連・市連の事務職員という選挙実務の責任者が運動員に日当を支払ったので、連座制適用で小林議員が公選法違反で失職する可能性がある、ところが注目なのです。

裁判の結果が9月15日までに出るわけがないので、裁判による失職だと早くても空席になる参議院神奈川選挙区補欠選挙が2008年4月27日に行われることになります。
金を受け取った運動員の方は送検されてしまいましたが、元秘書が否認を続けているのは政治的には次点の繰り上がりをさせない事になります。

これは、自民党と公明党の協力関係を冷ますことには変わりはないでしょう。
神奈川県は民主党が強い地域で、自民党と公明党の協力関係は大きな意味があったと思いますが、それが変わるとなると、自民、民主、公明の三つどもえの戦いで4月の補選に突入となります。
結構すごいことになるだろうと予想します。

8月 28, 2007 at 09:06 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

光市母子殺害事件の弁護団が提訴

サンケイ新聞より「橋下弁護士を提訴へ 光母子事件弁護団の懲戒呼び掛け

山口県光市・母子殺害事件で、被告の元少年(26)の弁護士が27日、タレントとしても活動する橋下徹弁護士にテレビ番組の発言で業務を妨害されたとして、損害賠償を求める訴えを広島地裁に起こす方針を明らかにした。

原告は広島弁護士会の今枝仁、足立修一の両弁護士で、1人当たり100万円を求める。さらに数人が加わり、9月3日に提訴する予定。

今枝弁護士によると、橋下弁護士は5月に大阪のテレビ番組に出演した際、弁護団の懲戒処分を弁護士会に求めるよう視聴者に呼び掛けたとしている。

所属する芸能事務所によると、橋下弁護士は「提訴された場合はきちんと対応する」と話しているという。

母子殺害事件をめぐっては、弁護士への脅迫文が日弁連や新聞社に届いたことが明らかになっている。

わたしは、この事件が起きるまで事件に無関係な人間が弁護士の懲戒請求を求めることが出来るとは知りませんでした。ほとんどの方が知らなかったからこそこんな騒動にもなったのでしょう。

そもそも元となった母子殺害事件の弁護活動そのものが色々あって、その度に賛否両論があるのですが、殺害事件そのものと逮捕後の被告の少年の言動も問題になって当然といった内容があります。

騒動のタネが何重にもあるわけで、そこにまた一つ騒動を足してしまったのが橋下弁護士の呼びかけでしょう。

わたしは、全体として事件そのものはそう複雑なものではないが、それでも評価は大変に難しくて、どのような結論になっても不満であるという意見が多く出る、といった性質の事件だと考えます。

弁護団のやり方もこれまた評価が分かれるところですが、問題になるのは安田弁護士の最高裁欠席事件だけだと思います。
現在進行している高裁の差し戻し審での弁護団のやり方を非難する声は少なくありませんが、それは判決が判断すればよいことで、取り立てて問題になる裁判の進行を妨げることにはなっていないでしょう。

ところで、今回の「業務妨害で損害賠償請求訴訟の提起」というのは正直言って反対ですね。
いわば泥仕合でしょう。元になった「懲戒請求の呼びかけ」というのも、どうかと思うわけでそれに対して反対に提訴するというのは、全体としてまずいでしょう。

懲戒請求というのは、弁護活動そのものを判定しようという裁判に相当するのだとすれば、「裁判に訴えたから、警察に逮捕させる」といったようなことなりませんかね?
訴えられたら、法廷で決着を、というのがスジであって、橋下弁護士に懲戒請求を出すのが適切な対応であると思うのですが

8月 28, 2007 at 12:30 午前 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2007.08.27

2007/08の秋葉原

今日は久しぶりに秋葉原の T-ZONE DIY ショップ側に行った。

ヨドバシが駅のそばに出来たこともあって、JR秋葉原駅→ヨドバシ→末広町というコースばかりで裏通りに入らなかった。

T-ZONE DIY ショップのすぐそばに駐車場があって、そこからザ・コンの前の通りを横切って、ロボット王国に行ったわけだ。

そこで日通ビルがすっかり消えてしまったのにビックリ。

ロボット王国を出て、今度は中央通りを横切ってヨドバシに向かうために路地に入ったらでっかい店にシャッターが・・・。
サトウ無線本店の跡だった。

交差点の向こう側はやっとビルになったヤマギワの跡地だが、ソフマップが9月6日開店と大宣伝中。
言うまでもなく、ラオックス・ザ・コンピュータ館は完全閉店セール中。

ということはだ、中央通りのあの交差点の4方向全てのビルが無くなりつつあるわけだ。
なんかえらいものを見たような気分になってしまった。

8月 27, 2007 at 09:51 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

御殿場事件を考える

阿曽山大噴火コラム「裁判Showに行こう」より「御殿場事件は本当に有罪でいいのか

これは、テレビでもニュース枠内で特に時間を取って放送されるなど注目されていて、一般的には検察の証明に無理があるとして無罪になるだろうと思われていた裁判です。
高裁の判決は有罪なのですが、どうも詳細が分からずにイライラしていたのですが、報告がありました。

(前略)

まずは事件の内容と1審までの流れを簡潔にまとめてみました。

  • 01年9月17日 少女(以下被害者)が、前日に集団で乱暴されたと被害届を提出。
  • 01年11月 少年10人が逮捕され、全員が9月16日に被害者に乱暴したことを認める。しかし、少年審判で否認に転じた4人(今回の被告人)が検察官送致となり、起訴される。
  • 02年9月 静岡地裁沼津支部で行われた第3回公判。被害者は証人尋問で01年9月16日は他の男性と会っていたことを認め、ウソの被害日であることを証言。そして、被害は9月16日ではなく、1週間前の9月9日であったと訂正。
  • 02年10月 第4回公判。検察は犯行日を9月16日からの9月9日に訴因変更。裁判所はこれを認める。
  • 05年10月 被告人4人に懲役2年の判決。

手短かだけど、こんな流れです。ここまでは一切傍聴していないので、支援者が配ってたビラと報道内容をベースにしていますが。
で、ここからが傍聴した話。
06年12月13日。東京高裁での控訴審初公判。もちろん、弁護側は無実を証明するため、数々の証拠を提出しました。それが、

  • 犯行時の4人のアリバイ(焼き肉屋にいた、など)
  • 被害者が証言する犯人の容姿と、全く異なる被告人の01年当時の写真。
  • 「(9月9日に)雨の記憶はない」という被害者の証言の矛盾を証明するため、雨のため中止になった運動会の案内。
  • 「(現場だけ)局地的に雨が降らなかった可能性がある」という検察側の言い分を覆すため、“9月9日 雨”と書かれた現場近くのピザーラの売り上げ日報、警備会社の日報などなど。

(中略)

朗読された判決理由をまとめると「被害者の供述は犯行日を除き、一貫している」「被告人らの供述も、犯行日を除き一貫している」というもの。そして、6カ月懲役を短くしたのは「被害申告に問題があった」とのこと。裁判長は被告人をもう1度証言台に立たせ、

裁判長 「それでは閉廷いたします」

というと、被告人1人が力なくその場にへたり込み、他の3人に支えられていました。さらに、立ち去る裁判長に向かって、傍聴席から「少年たちは無罪だー」などの声も上がり。

おれは犯行を目撃したわけでもなけば、裁判をすべて傍聴したわけでもない。だから、真実は分からない。弁護側が主張する被告人らのアリバイがすべてウソで01年9月9日に強姦未遂の行為があったのかもしれない。警察が間違って違う人を逮捕したのかもしれない。01年9月16日の被害届がウソだったように、9月9日の事件自体ウソなのかもしれない。

事件の真実は分からないけど、それ以外のことで分かることがある。

(1)警察が被告人らに01年9月16日に被害者に乱暴したと認めさせたこと。
(2)01年9月16日に事件があったと検察が起訴したこと。
(3)でも、01年9月16日に強姦未遂の事件は起きてないこと。

この3つは真実だ。

個人的な偏見との批判は覚悟の上で断言させてもらえば、無罪相当の事案じゃないのかね。おれの見解が間違っているとしても、有罪と認定するには証拠が足りてないはずだ。検察側の主張に1つでも疑う余地がある場合、有罪判決を言い渡してはいけないという原則がある。「疑わしきは被告人の利益に」ってやつ。本件に関しては、しっくりこない点が1つじゃないんだよなぁ。

刑事裁判の格言に「10人の真犯人を逃がすとも1人の無辜(むこ)を罰すなかれ」というのがあるんです。周防監督の映画『それでもボクはやってない』の冒頭で使われ、ちょっと有名になった格言。

10人の真犯人を逃がすなんてことはあってはならないこと。でも、それ以上に無実の人を1人でも罰するなんてことはあってはならないのだ。

「被害者の供述は犯行日を除き、一貫している」
「被告人らの供述も、犯行日を除き一貫している」

これで有罪に出来るものだろうか?
犯行日が特定できなくては、犯行があったことの証明になっていないだろ。
確かに、証拠の採用は裁判官の自由裁量であるとされているが、犯行日について争いがあり、その証明について裁判所が判断しなかった場合に、どういう判決でも出せるというのでは、魔女裁判と同様の論理だとなってしまうのではないだろうか?

検察・弁護が証明に全力を尽くすのは当然として、裁判所も判決の明快さについて全力で証明する義務は当然あるだろう。

民事裁判では、被害の割合といった考え方があるのは社会的常識に沿っているが、刑事事件において「事実は違うらしいが証明するまでもなく怪しいから有罪」というのはあり得ないだろう。
「怪しいから有罪」という判決文とどこが違うのだ?
有罪・無罪という以前に判決というものの権威を著しく毀損しているのではないだろうか?
こんなわけの分からない判決が出てくるから裁判員制度が支持されたのだと、裁判所は理解するべきだと思う。

8月 27, 2007 at 10:50 午前 事件と裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

中華航空機爆発炎上事故その10

沖縄タイムスより「ボルト外し先月点検/中華航空炎上機体

那覇空港での中華航空機炎上事故で、燃料タンクに穴を開けたとみられるボルトについて中華航空が七月六日に点検していたことを二十五日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会が明らかにした。事故調査委は「この点検でボルトがいったん外され、ナットが付け替えられた可能性もある」とみている。
事故調査委と県警の現場検証は同日、すべて終了した。

点検は、機体製造元のボーイング社が二〇〇六年、事故機の同系列機について「スラット(高揚力装置)のアーム部分に取り付けたボルトを締めるナットが緩む恐れがある」との文書を出していたことを受け実施された。

文書では「ナットを外して点検した場合は、元に戻す際に古いナットを取り換え、新しいナットを締めるように」とされているという。
中華航空の整備記録には「手順通りに点検を実施した」と記述されていることから、事故調査委は、この点検の際にナットの付け替え作業が行われた可能性があるとみている。

事故機では、ボルトとナットの間に取り付け、ボルトの脱落を防止するようになっているワッシャーなどの部品三個が、ボルトから外れた状態で見つかっていた。

また、事故調査委は、燃料漏れの原因とみられる穴が開いていた、燃料タンクに接する収納部品「トラックカン」も回収した。穴は幅約六・五センチ、厚さ約二ミリのトラックカンの底部に斜めに開いていた。
長さ四・一センチ、幅二・三センチだった。一方の先がすぼまった水滴のような形で、丸みを帯びた部分から、ナットが突き出ている状態だったという。

事故調査委は穴の形状や、ボルトが押し付けられていた状態などを詳しく調べ、どのように力が加わり、穴が開いたのかを検証していく。

日経新聞より「中華航空機炎上、整備ミス強まる・事故調、台湾に調査官派遣へ

那覇空港の中華航空機炎上事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は26日、事故機の燃料タンクに穴を開けたボルトの脱落は、留め具のワッシャー(座金)などの部品が外れていたことが原因との見方を強めた。
事故調は整備時に付け忘れた可能性があるとみて、今後、中華航空の整備記録などを確認し、担当者らからも事情を聴く方針を固めた。

これまでの調べでは、飛行機の揚力を調整する可動翼(スラット)を動かすアームからボルトが脱落していたことが判明。ボルトがアームの収納ボックス(トラックカン)を破り、燃料タンクに約4センチの穴を開けた。

確かに、部分的改修工事で点検とナットの交換だけの臨時作業の場合、時間に追われてミスする可能性は大きくなるかもしれません。
こういう「常識ではそういうことはしないだろう」というのが次々に破られているような気がしますね。

最終報告がどうなるのか、ですね。

8月 27, 2007 at 10:06 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.26

中華航空機爆発炎上事故その9

読売新聞より「中華機炎上、整備ミス濃厚…ボルト脱落防ぐ座金付け忘れか

那覇空港で中華航空機(ボーイング737―800型機)が爆発炎上した事故で、脱落して燃料タンクを突き破っていた右主翼前端の可動翼(スラット)内部のボルトは、中華航空が今年7月の定期点検で脱着作業を行い、完了検査も受けていたことが25日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。

ボルトは、脱落を防ぐ留め具の「ワッシャー(座金)」などが外れた状態で見つかっており、部品が誤って取り付けられ、整備後のチェックもすり抜けていた可能性が高い。
事故調では、中華航空の整備ミスが原因とみて調査を進める。

事故調は25日、現場での検証を終了。この日は事故調が当初、燃料漏れの原因とみていた右主翼下のパイロン内部の燃料管に不具合は見つからず、燃料漏れは脱落ボルトが燃料タンクを突き破ったためと断定した。穴の空いた部分(厚さ2ミリ)は、長さ41ミリ、幅23ミリだった。

事故調によると、事故機は先月6日の年1回の定期点検で、スラットの支柱後端部の部品を脱着。この部品は、ボルト(長さ42ミリ)とナット(外径10・4ミリ)の間に六つの部品を挟み込んで後端部の穴(直径14ミリ)に取り付けられており、穴から脱落しないよう二つの座金(外径15・9ミリ)が留め具になっている。

事故機の整備記録では、部品の交換作業は製造元の米ボーイング社の指示通りに行われた。航空機の整備作業は、作業が完了すると別の整備士が手順通りに作業が行われていたかを照合し、全整備完了後に再度、最終チェックを受けることになっている。各工程ごとに担当者が整備記録に署名しており、事故機の整備記録にも、部品交換、検査の項目ごとにサインが残っていた。

脱落したボルトにはナットが付いていたが、留め具の座金など三つの部品が外れた状態で脱落し、燃料タンクを突き破っていた。このため事故調では、ボルトを脱着した際に、〈1〉座金の一つを付け忘れたため飛行中の振動などで脱落した〈2〉整備士が部品の装着を忘れ、部品が燃料タンク組み込み部に放置されていた――など、整備ミスの可能性があるとみている。

国内航空会社の整備関係者は、「作業中は細かい部品が散逸しないようボルトに部品を装着してナットを付け、そばに置いておくことがある」として、「別の作業を同時並行で行っていて、装着し忘れた可能性もある」と指摘。別の整備関係者は、「事故機は就航から5年が経過しており、製造時の誤装着であればもっと早く検査で見つかっている」として、製造ミスの可能性は低いとしている。

Up

琉球新報の記事「中華航空機、燃料気化し延焼 事故調、トラックカン回収」に掲載されていた回収された穴の開いたトラックカンです。幅は100ミリは無いですね

脱落したボルトの長さが42ミリとのことですから、トラックカンの中ではギリギリの大きさであったと想像できます。
説明図によると、スラットのレールはスラット本体と一体で移動する仕組みで、問題のボルトもレールと一体で移動し、ストッパーとして機能した。

このトラックカンの中をボルトは移動する仕組みになっていたのですが、トラックカンを突き破ってしまった。

レールの穴はボルトが抜け落ちるサイズですが、トラックカン内部でどのようになっていたのでしょうか?

完全に脱落していたのか、レールには付いているが付きだしていたのか。
おそらくは、見つかったときには完全に脱落していたのではないかと思いますが、そうなるとトラックカン内部でレールからボルトは脱落する余地があるのか?
脱落する余地がないのなら、最初から取り付けられていなかった、置いてあっただけ。という可能性が出てきます。

けっこうタチの悪い話のようですね。

8月 26, 2007 at 10:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)