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2007.07.21

通信についての縦割り行政

朝日新聞より「ブロック!有害サイト 警察と携帯各社が団結

夏休み中の子供が携帯電話の出会い系サイトなどに接続して犯罪に巻き込まれるのを防ごうと、警察や行政、携帯電話会社が、有害サイトの閲覧を制限するフィルタリングサービスの普及に力を入れている。携帯各社が加盟する電気通信事業者協会は「新規申し込みの際、フィルタリングの要否を必ず確認しているので、利用してほしい」と呼び掛けている。

大阪府警少年課はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの協力を得て、フィルタリングの利用を呼び掛けるチラシを120万枚作成。府教育委員会を通じて府内の全小中高約1860校に配った。全児童・生徒にチラシを配布しての啓発活動は全国でも異例という。

同課は「夏休みになると自由な時間が増え、子供が犯罪に巻き込まれやすくなる。子供だけでなく、親にもフィルタリングを知ってもらうことで犯罪を抑止したい」と話す。大阪市内のある中学校は三者面談の席で保護者と生徒に説明しながら、チラシを渡した。

一方、京都府は電気通信事業者協会に要請し、今月2日にJR京都駅でイベントを開催。特設ブースを設け、子供向け携帯電話の展示やフィルタリングサービスの案内をした。早速、近くの携帯ショップへ行き、サービスを申し込む来場者もいたという。

何年も前からこの種の「対策提案」は見ていますが、極めて不思議に思っているのが

何で学校が出てこないのか?

です。
基本的に警察主導で、コンテンツや配信、契約などの問題のはずなのに総務省系統は出てこない。
学校も出てきません。

携帯電話機は各社とも子供向け向けのサービス(フィルタリングサービス)の他に子供向けの電話機を発売しています。
先日は、航空会社で問題になった機種でありますが

記事を読んでも「フィルタリングサービスを設定せよ」と親に要求するトーンなのですが、そんな難しいことを要求するよりも、学校が「子供用携帯電話しか認めない」と取り締まってしまえばよろしい。

先日、中学校を訪問したときに生徒同士の会話を聞いていたら「携帯はまだ早いよ。高校からでよい」と話していました。
これは一つの価値観ですが、当事者である生徒の間でもこんな話題になっている。
一方、大学生になると「携帯メールが必須」という大学が沢山あります。

中学で携帯電話そのものが不要と言いつつ、大学になると持っているだけでなく使いこなすことを要求されている。
これを何とかするのは高校の3年間しかない。
いったいどうやって、中学生を大学生(社会人)と育てていくのか、という観点でネット利用の教育プログラムを考えるべきなのに、こんなところで縦割り行政をしていること自体が大問題だと思う。
日本の将来をどう考えているのか?

7月 21, 2007 at 11:59 午前 ネットワーク一般論, 国内の政治・行政・司法, 教育問題各種 | | コメント (4) | トラックバック (0)

サイトにアクセス→処分

神奈川新聞より「私用接続でサーバーダウンさせた職員を処分/川崎市

川崎市は二十日、業務に無関係なインターネット接続が原因で、市の接続用サーバーをダウンさせたとして、環境局の課長級(主幹)の男性職員(54)を減給二カ月(十分の一)の懲戒処分にしたと発表した。

同市によると、同職員は五日午後四時三十七分から約十七分間、飲食店のホームページ(HP)を閲覧したところ、同HPからのアクセスが市サーバーに集中し、約七分間、市役所や区役所など大半の職員用インターネットが使えなくなった。

同HPのトラブルなどが原因とみられるが、市パソコンの個人情報などに被害はなく、市HPの外部からの閲覧にも影響はなかったという。市は同HPへのアクセスを遮断した。

市は従来、内規でネットの私的利用を禁じ、有害サイトへの接続もできないようにしている。

正直に言って「意味不明」な記事あるいは処分だと思う。

そもそも、この「処分」はサーバーをダウンさせたことに掛かるのか、ネットの私的利用に掛かるのか?が分からない。

もっとも「食店のホームページ(HP)を閲覧」→「同HPからのアクセスが市サーバーに集中」というのでは、どういう飲食店なのだよ?と強く問題にしたいが、それで処分?

いわば「道義的に問題だ」ということなのかもしれないが、どうなんだろう?
そもそもサーバーがダウンしたというのは技術上の問題であって、回避できなかった川崎市のネットワークの安全性の方は問題にしなくて良いのか?

推測すると

  1. 怪しげなサイトにアクセス
  2. 川崎市のネットワークに攻撃
  3. ネットワークがダウン

であろうから「原因を元から絶たないとダメ」という発想で「アクセスしたのがけしからん」→「予防するためには処分する」担っているのだと思う。

では、市のネットワークがダウンすることがこの処分で防げるのか?と言えば「そんな保証はない」のは明らかで、処分したことで技術的あるいは教育的な対策が進まない可能性は少なくないだろ。

何でこういうところから一歩も前進しないのだろう?

7月 21, 2007 at 11:38 午前 ネットワーク一般論 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.07.20

森林組合の経営はどうなっているの?

北海道新聞より「常勤職員2人合計で期末手当2058万円 更別森林組合2003年度

十勝管内更別村の更別森林組合(高野佳秀組合長、二百六人)は十九日、二人の常勤職員に対する過去五年間の期末手当の総額を公表し、二○○三年度には計二千五十八万円だったことが分かった。

総額は○二年度が九百九十六万円、○四年度千六十七万円、○五年度八百八十二万円、○六年度七百十三万円だった。

期末手当が高額になったことについて、高野組合長は北海道新聞の取材にコメントせず、別の理事らは「現場作業も行い、忙しい時もあった。経営状態が悪くて期末手当を払えない時期もあったので(その分も含めて)支給した」と説明している。

これに対し、一部組合員は「利益が出たら組合員に還元すべきなのに、高額すぎる」と反発している。

この問題は、一部組合員が求めた期末手当総額の情報公開の要求に同組合が応じなかったことを受けて、北海道森林組合連合会が十三日、過去五年間の同手当総額の内訳を組合員に開示するよう同組合に指導していた。

なんだこれは?表にしてみると

2002996万円
20032058万円
20041067万円
2005882万円
2006713万円
合計5716万円

206人が加盟している森林組合で二人の常勤職員に対して、期末手当だけでこの金額となると、一体どういう会計内容なのか?とは誰でも疑問に感じるところだろう。

全くの仮定であるが、ちょっと計算してみる。

5年分の期末手当総額5716万円
一年・一人あたり572万円
期末手当が4カ月分なら月給は143万円
年収は月給の16カ月分2288万円
常勤二人なので年間給与総額は4756万円

森林組合とはこれほどの人件費(給与)を支払えるほどの規模の経営をしているのか?
事業組合だから、組合員に利益配分があるはずで、どうなっているのだろう?
そもそも森林組合の収益構造はどうなっているのか?と「更別森林組合」を検索してみたが、事業についての説明が全く無い。

ちょっと注目していよう。

7月 20, 2007 at 09:26 午前 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.07.19

三菱ふそう・クラッチハウジング破断死亡事故・結審

東京新聞神奈川版より「欠陥クラッチ事件結審 あらためて潔白主張

三菱自動車(三菱ふそうトラック・バス)のハブ破損、クラッチハウジング破損については大量の批判記事を書いてきました。
上記記事の裁判は法的にどう見るかということですが、技術上の問題や会社の文化、社会が期待する水準といったものを全体的に評価する必要があります。
わたしが「酔うぞの遠めがね」にクラッチハウジングについて書いた記事を並べてみます。

作成日
記事タイトル
2004.05.27三菱ふそう・クラッチハウジング・リコール
2004.06.01続・三菱ふそう・クラッチハウジング・リコール
2004.06.03三菱自動車・業務上過失致死罪で捜査
2004.06.06三菱自動車・元社長の事情聴取
2004.06.10三菱自動車の元役員に逮捕状請求
2004.06.12三菱自動車・元社長が公表に反対
2004.07.09三菱・クラッチハウジングに裂け目6個
2004.07.14三菱ふそう・新たにクラッチハウジング破断7件
2004.07.26三菱ふそう・クラッチハウジング対策
2004.08.07三菱ふそう・クラッチハウジングで記者会見
2004.08.31三菱(ふそう)クラッチハウジング破損は49個以上
2004.09.15三菱ふそう・クラッチハウジングやっと対策

詳しくはこれらの記事に書いてありますが、クラッチハウジングが破断するといったことは技術的な常識レベルであり得ないことです。
つまり、対策がどうのこうのと言う以前に「根本的におかしい」という観点からその時々の報道についてコメントしてきました。
事故の場合は原因などについては当事者である企業などの発表しかソースがないわけで、新聞記事などは「それは違うだろう」と考えても発表がウソだとまでは言えない、という関係にあります。
そこで、意図的に裏読み的な記事を書いてきました。ようやく結審したわけですが、被告の元社長の最終陳述が紹介されています。

三菱自動車のクラッチ系統部品の欠陥により発生した山口県の運転手死亡事故で、同社元社長らが業務上過失致死罪に問われた裁判は十八日、横浜地裁で結審し、判決期日は来年一月十六日に指定された。
被告は企業のトップとしての道義的責任を認めながらも、刑事責任については検察批判を展開し、あらためて身の潔白を主張。
同社の車輪と車軸をつなぐ部品「ハブ」の欠陥をめぐる事件の判決も今年十二月に予定されており、二〇〇四年九月に始まった同社をめぐる一連の裁判は、いよいよ大詰めを迎える。

「全部の調書を撤回し、起訴そのものを撤回してもらいたい」。
最終陳述で河添被告は激しい言葉を連ね、検察側を痛烈に批判した。

被告は社長だった当時、不具合情報の二重管理や指示改修(ヤミ改修)についてよく知らず、クラッチの不具合も認識していなかったと主張。
検察官が強引に調書を作成したとし、「当時社長だった私を起訴するため、過失が成立するよう事実をねじ曲げようとしていたのではないか」と力を込めた。

一方で、リコール隠し発覚後に不具合の選別作業をした担当者が、同被告ら上司に虚偽の報告をしていたことが事故に結びついたとし、「このような企業風土が残っていたということは、当該社員の責任というよりも、むしろ私自身を含めた経営責任者の不徳のいたすところ」と反省の弁。

涙声になりながら「私たちの事件を糧としてさらに、技術の向上や社会へ適合する会社経営に工夫していただきたい。再度、同じ過ちを繰り返さないようにすることが重要と考えている」と結んだ。

他の三被告も検察側の捜査を「むしろ正義の敵」などと批判し、無罪を主張した。

これに先立ち、最終弁論で弁護側は、車の欠陥を把握しながらリコールせず熊本県内で人身事故を引き起こしたとして、業務上過失傷害容疑で書類送検されたトヨタ自動車の品質保証部門の歴代の三部長が今月十三日、熊本地検から嫌疑不十分で不起訴処分とされたことと比較し、「司法の公平性に強い疑問を抱かせる」と指摘した。

実のことを言えば、三菱ふそうのハブ破損、クラッチハウジング破損による(死亡)事故については、二つ以上の性質の異なる問題があると考えます。

事故原因究明のためには刑事免責が必要なのではないか

航空機事故では以前から問題になっていて、アメリカでは事故調査を有効にするために刑事責任を免責している例がよく知られています。
事故原因を明らかにすると、刑事責任が重くなるというのでは、当事者が事故原因究明に協力するわけがない。
また、刑事捜査では原理的に一番有力な事故原因とされる人物の責任だけを追及するから、例えば道路環境の問題などは明らかにされないし、当然責任も追及されない。しかし、社会的な効果という面で言えば、道路環境の整備の方が刑事的処罰よりも有効である場合が少なくないだろう。
つまり刑事責任追及と事故原因の解明には違いあると言えます。

事故原因の究明のためには、刑事免責にする必要があると思うし、第一事故調査を警察が行うのでは、極端に言えば事故原因の総合的な調査を誰もやっていないと言える。
事故調査委員会のようなものをもっと拡充するべきだと思う。

事故について技術的な批判をするべきだ

社会的・技術的な観点からは技術は批判されてこそ進歩するものであって、刑事責任になるから何も発表しないとしたシンドラーエレベータのような例もあります。
技術的な批判をする必要があり、そのためには即時に情報を公開して社会から批判されるべきなのです。
こういう観点から三菱ふそうの一連の対応を見ると「情報の小出し」の連続なのですよね。
まだ「情報は出しません」としたシンドラーエレベータの方が分かりやすい。
小出しな情報では、どうしても推測が入ってくるから全体を誤誘導します。三菱ふそうのハブ破損問題はずいぶん前からある問題だったのですが「摩耗が原因だから、使用者の整備責任だ」と押し切っていたのです、その結果は死亡事故に発展した。

クラッチハウジングに至っては点検項目にすらなってません。つまり車の寿命まで壊れないことになっていた。これは世界中の他のトラックだけでなく自動車は全部同じです。
その部品が壊れた、という時点で大問題でしょう。
なんで、死亡したドライバーに刑事責任が課せられたのか?

誰がなんと言おうと、結果として「事故原因についての技術情報の小出し」は、他者に責任や損害を押しつける事に直結します。
要するに、技術的問題について批判に耐えられなければならない、という当たり前の話であって「我が社はこう考えている。以上終わり」では社会の退歩というべきです。

こんな事を考えつつ、被告の最終陳述を読んでみると

  • 不具合情報の二重管理や指示改修(ヤミ改修)についてよく知らず、クラッチの不具合も認識していなかった
  • リコール隠し発覚後に不具合の選別作業をした担当者が、同被告ら上司に虚偽の報告をしていたことが事故に結びついた
  • 事件を糧としてさらに、技術の向上や社会へ適合する会社経営に工夫していただきたい

わたしは、技術を社会的に批判すること、事故原因調査では刑事免責にすること、を主張しますが、この被告は「技術は知らない」「刑事責任は無い」「後をうまくやってくれ」と言っているわけで、「あなたは、どういう人なのですか?」という問題になりますね。
全くの無関係者とどこが違うのか?
少なくもとダブルスタンダードなわけで、結局は弁護団の主張のように「社会が悪い」のような事になってしまう。

事故調査委員会のような機能がない現在では、刑事責任追及によって事故原因を明らかにするのも仕方ないところですが、仮に公的機関のような形で事故調査委員会が機能した場合には、調査妨害罪は必須でしょう。そして、三菱ふそうの事故原因調査発表では調査妨害と認定されるでしょうね。どっちに転んでも、法的にか社会的にか処罰の対象になるのは仕方ないし、例えば保険料の値上がりなどにペナルティがあって当然だと思います。

7月 19, 2007 at 12:04 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.07.18

投票権がない候補ではバカにしてる

ZAKZAK より「丸川珠代氏選挙権なかった…期日前投票できず発覚

自民党公認で参院選東京選挙区から出馬した元テレビ朝日アナウンサー、丸川珠代氏(36)が米国勤務から帰国後、住民票を長く戻していなかった問題で、丸川陣営は17日、住民税の納付事実を確認した。しかし、問題はこの3年間、一度も選挙に行っていなかった点。「政治を語る資格があるのか」という批判もあり、陣営では頭を痛めている。

これは16日、丸川氏が期日前投票をするため、報道陣を引き連れて新宿区役所を訪れた際に発覚した。何と、選挙人名簿に名前がなく、投票できなかったのだ。

約30分後に役所から出てきた丸川氏は顔面蒼白(そうはく)。ほおを引きつらせながら、「ニューヨークに住んでいたんですが、忙しくて(住民票の手続きを)していられませんでした。申し訳ありません」と語り、そのまま車に乗り込んだ。

こんなヘンな事件は、選挙がらみでは珍しくないですよ。
たまたま有名人(タレント候補)だからニュースになっただけで、そもそも公認で立候補なんてのは本人が望んで出来ることではない。

公認を受けるためには、各党とも規約があって、最終決定は党本部ですから党本部に持ちこむまでの下部機関での決定などが条件です。
ここまで書けば関心あるの方は察することができるでしょうが、多分こんな進行があったのでしょう。

  1. ●ニュースキャスターの丸川珠代氏を出馬させられそうです。
  2. ○そりゃ有名人だ、話を進めてください。□□氏は断ることにする
  3. ●本人を口説きました、話を進めています。
  4. ○ところで、特に問題は無いよね
  5. ●それは大丈夫です。わたしが保証します。
  6. ○なにしろ時間がないから・・・・

「時間を掛けて決定することに意味があるか」ですが、今回のような問題はもちろん、被選挙権があるのか(住民票の問題)とか、支持者が居るのなら反対者はどうか?といったことも必要なので、やはり関係者が「この人を候補で押そう」と決まるまではある程度の時間と、政治的な実力といったものがものを言います。

はっきり言えば、安全確実な候補は半年前には決まっていないとダメだ。
その点、短期間で決めて選挙に勝てるとなるとタレント擁立は党本部などにとっては、安直に選びがちな手法ですが、選挙区の地盤で活動する党員などにとっては正体不明のタレント候補には最初はかなり警戒して接します。
これは、公募候補でも同じ事でわたしもひどい経験をしています。

こんな事を考えると、この事件は担ぎ出した人の責任は重大ですよ。
こんなのは、事前に本人に聞けばよいことだ。もちろん、こんなところに穴が空いてるような人物が国会議員になっては困ります。

7月 18, 2007 at 01:37 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (6) | トラックバック (1)

PSE問題その後

ITmedia News より「PSE問題で経産省がミス認め謝罪 立法時、中古品想定せず

2006年3月にこんな記事を書いています「PSE・電気用品安全法の不思議」

PSEマークは「電気用品安全法」で義務づけられるのですが「電気用品安全法」は昭和36年(1961年)の法律ですね。「電気用品取締法」(電取法)の名前が変わったのでしょう。

(製造・輸入)と販売が同列になっています。

これで中古品販売でもメーカと同列の検査と保証を義務づけたということなのでしょうか? であるとすると、これは一種の「書き間違え」じゃないでしょうか?

メーカは新品を作るのであるからデタラメな製品を作ってはいけない、ということでメーカの技量を法的に規制するのは産業革命当時からある概念でこれに異存のある人は世界にもほとんど居ないでしょう。

さらに輸入品だから保証がないでは通用しないですから輸入業者にもメーカと同等な規制をする、これも分かる。

それが販売業者にも同列にかぶせることが出来るものか?当然、国内メーカが保証した製品を改めて販売店などが検査する必要はない

中古家電品で問題になるのは、旧電取法時代のマークの無いものということなのでしょうか?

そうするとですね、今後も中古の輸入家電品については販売出来ない可能性が続きますね。日本国内で作られる製品にはマークが本体に付けられていますが、輸入品では保証書などの形で付いていることも少なくないでしょう。そして中古品では本体だけになると「マークがない」となるのでしょうか?

どうもこれは法律が世の実態を無視して出来てしまった法律のように見えますね。

本文では色々な法律などを引っ張って「混乱しているぞ」と指摘したつもりでした。これについて「PSE問題で経産省がミス認め謝罪 立法時、中古品想定せず」では

「立法時と本格施行時にそれぞれミスをしてしまった。多くの事業者に迷惑をかけたことを深くお詫びする」――中古電気製品の販売をめぐり混乱が起きた電気用品安全法(PSE法)について、経済産業省の本庄孝志・大臣官房審議官は7月17日、都内で開いた中古事業者との意見交換会の席上、一連の混乱が同法をめぐるミスにあったことを認め、謝罪した。

PSE法は、安全基準を満たしたことを示す「PSEマーク」なしの電化製品は販売できないとする法律で、昨年4月に本格施行された。立法時は新品だけを想定していたが、本格施行時は中古品にも適用されたため、「古い中古品が売れなくなる」と混乱した。

経産省はミスを認め、中古品を円滑に販売できるようにする法改正案を、秋の臨時国会に提出する予定だ。ただ、業者の中には廃業に追い込まれたり、売り上げが減るなどの経済的打撃を受けたケースも多く、補償を含め国の責任を問う問題に発展する可能性もある。

PSE法は2001年に施行され、機器の種類によって5年、7年、10年の猶予期間が設けられていた。最初の猶予期間が切れたのが昨年4月。PSEマークなしのテレビや電気洗濯機、シンセサイザーなどがマークなしでは販売できなくなった。

経産省は、新品を出荷・販売するメーカーなどにはPSE法について告知してきており、猶予期間は新品の流通在庫を売り切るには十分だった。だが中古事業者への事前告知はなく、中古事業者が2005年末から2006年初頭にかけて経産省に問い合わせて初めて、PSEマークなしの中古品も販売できなくなることが発覚した。「中古事業者のみなさんには、寝耳に水だっただろう」(本庄審議官)

中古品は、2001年以前に製造・販売された機器がまだ流通している。特に「ビンテージ品」と呼ばれるような古い機器を扱う中古品販売事業者は「在庫はほとんどがPSEなし。売るものがなくなる」という事態に。マークなしの品を大幅値下げして売り切ったり、従業員の解雇や店舗縮小を余儀なくされた事業者もあった。

本庄審議官は「1999年に法律を制定した当時は中古品マーケットがそれほど大きくなかったため、中古品を念頭に置かずに立法してしまった。これが失敗の出発点。もっと早くから問題に気づいて調査していればよかったのだが、2001年の施行から2006年の猶予期間切れまでの5年の間に、経産省の担当者もどんどん変わり、引き継ぎもできないまま2006年に大きな問題として浮上した。1999年の立法当時の判断ミスと、昨年はじめの判断ミス、2重のミスだった」と失敗を認める。

中古事業者や世論の大きな反発を受け、経産省の対応は二転三転した。坂本龍一さんなどミュージシャンが、ビンテージAV機器のPSE法からの適用除外を求めると、経産省はビンテージ機器を「例外」として除外すると発表。「ビンテージ品だけ除外は不公平」という声が高まると、その他の機器についても「レンタル扱い」で販売を事実上容認したほか、販売店の自主検査でPSEマークを添付できるよう、全国500カ所に検査体制を築くとした。

中古機器でも、旧法(電気用品取締法)に適合していれば安全性は担保されている。それでも当時は「旧法適合品でも安全性が十分確認できない」などとし、中古販売時に再検査した上でPSEマークを貼付して販売するよう求めた。

だが、経産省が改めて検査したところ、旧法とPSE法で安全基準に差がないことが判明した、という。「旧法とPSE法の基準に差がないと気づいていれば、5年や7年、10年という中途半端な経過措置はおくべきではなかった。出荷段階で安全が確保されていればいいというのは、旧法とPSE法で変わらない。中古品の販売時に改めて検査しなくてはならないというのは、いま考えるとおかしい」(本庄審議官)

また、経産省傘下の産業構造審議会製品安全小委員会は、今年7月4日発表した中間とりまとめ案で、旧法とPSE法で安全基準が変わっていないことを確認したことを踏まえて「PSEマークなしの中古機器販売容認を検討すべき」と報告した。

経産省は、PSE法の改正法案を秋の臨時国会にも提出する計画。旧法に適合していれば、再検査やPSEマークの貼付なしで販売可能にする法案を提出する予定だ。「昨年、大混乱を招きつつ、再検査機器を貸し出したり、出張検査も行ってきた。今後は法改正を行い、検査不要で売れるという手当てをしたい。昨年の混乱をお詫びし、過ちを繰り返さないようにしたい」(本庄審議官)

また、新たに、民間による中古品の安全性チェック制度「中古品安全・安心確保プログラム(仮)」も創設する計画だ。

経産省は7月中旬から、PSE法と中古品安全・安心確保プログラムについて、全国で意見交換会を開いている。17日に開かれた都内の会合では、中古事業者から「立法段階では中古品を対象にしていない法律だったのに、2006年前後に、誰かのミスで解釈が変わってしまったのでは」という指摘が。本庄審議官は「条文の文理解釈からすると、中古品にも網がかかる。ただ、法律制定時の内閣や国会が中古品販売まで想定していたかは怪しい。当時の立法担当者も、中古品にまで網がかかるとは思っていなかったようだ」と回答した。

また「PSE法をめぐる混乱で、店舗も従業員も財産も失った。損害を賠償してほしい」という中古事業者からの声については「償いができるなら、方法は検討したい」と前向きな姿勢を示した。ただ、中古業者がPSEマークを自主添付するために購入した検査機器代金の補償については「新たに創設する中古品安全・安心確保プログラムに参加してもらい、その際の検査に活用していただければ」とし、買い取りなどの可能性は否定した。

そもそもの立法趣旨が説明不足というか混乱していると言うべきでしょう。
元々は電気製品の安全性について国が基準を作って、製造段階で保証することは誰も異議のないところですが、製造段階で検査するのでは輸入品には保証がないとなります。

そこで、輸入事業者にも製造段階と同じレベルでの保証をさせる、つまりメーカー扱いにすることも時代の流れとして当然でしょう。

次に出てきたのが「中古品」なのでしょうが、多分問題になるのは「中古品として検査無しで輸入される電気製品」なのです。
それを「中古品」として国内で検査済み商品が中古品になったら検査が必要」というひっくり返った理屈にしてしまった。

中古電気製品が危険な状況はあるだろうけど、社会的に問題になるのはかなり限定された状況だけではないだろうか?

  1. 輸入商品で
  2. 国内検査記録がない
  3. 中古品で
  4. ある程度の数量がある

これなら、国内流通の問題ではなく輸入の段階で検査すればだいたいはカバーできるのではないか?
乱暴に「最終販売段階でチェックすればよい」とメーカに適用する法律を販売店に課すようなことをことをしたことが根本的に間違っているだろう。

7月 18, 2007 at 10:42 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.07.16

足立区の教育委員会は??その3

「足立区の教育委員会は??その2」の詳細が明らかになりました。

読売新聞より「校長、学力テスト中の児童に指で正答教える…東京・足立区

東京都足立区教育委員会が昨年4月に実施した学力テストで、区内西部にある区立小学校の校長1人と教員5人が、テスト中に児童の答案用紙を見て回り、誤った解答を指で示すなどして正解を誘導する不正を行っていたことが16日、区教委の調査で分かった。

同校はこの学力テストで、区内での成績が前年の44位から1位に急伸しており、区教委は「管理職からの何らかの指示があった」と判断。今後、第三者委員会を設け、学力テストのあり方などを検討する方針だ。

今月7日、この小学校が障害のある児童らの成績を保護者の了解を得ないまま集計から除外するなどしていた問題が発覚。
区教委が同校を含めた区内の全109小中学校を対象に調査し、この日、結果を発表した。

区教委によると、同校の校長1人と教員5人が、「(指で解答を誘導する)指さしをした」と不正を認めた。また、この5人を含む9人の教員が「管理職からの指示があった」と話しているが、校長や副校長は指示を否定している。

校長は、「本来なら正答できる児童の誤答に気付き、そのままだと力が正確に測れないと考えた」などと釈明しているという。

また、前年の学力テストの問題をコピーすることは禁じられているが、同校を含む小学校4校と中学校1校は、昨年の試験直前に、コピーしておいた前年の問題を解かしていた。
出題内容は毎年ほぼ同じなため、これらの学校の生徒が有利になった可能性がある。
このうち1校は、試験後、区教委に事実関係を報告したが、区教委は「ほとんど影響はなかった」として放置していた。

一方、障害がある児童らのテスト結果を保護者の了解なしに集計から外した小学校が計2校あった。

同区では、02年度に学校選択制を導入し、05年度からは区独自の学力テストを本格的に始め、学校別の成績と順位を公表。
07年度からはテストの成績の伸び率を>各校の予算配分に反映させている。

どういう根拠で統一テストの順位などが予算配分の割合を決めるのに適当と言えるのか?と言う根本的な問題を放り出したまま進めるからこんな事になったのは明らかだろう。
こんな仕組みにした区の責任だとしか言いようがない。

品川区で数校の小学校を7月に訪問しましたが、区立の小学校でそれも徒歩10分ぐらいの範囲にある小学校同士でも別の文化があります。
学校選択制があるから学校同士の独自性も成り立つわけで、そこに統一テストの成績だけで競わせるのでは、全部が同じような学校になることが目的にしているわけで、学校選択制とはそもそも根本的に相容れないでしょう。

小中高校は学校のある地域の文化の一端を担ってもいるわけで、その意味からも独自性がある方が当然でしょう。
統一テストが予算獲得競争そのものになるのでは、そりゃ試験の調整をするに決まっている。
まして、教育という観点で個々の児童生徒は学課の成績以外にも社会性や感受性の訓練なども重要であって、どっちが重要かなんて決めることも出来ない。
全く持って、こういう結果になるのは最初から予想出来ることだろう。

7月 16, 2007 at 09:16 午後 教育問題各種 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2007.07.15

白河高校PTAが労働争議で解散・その11

「白河高校PTAが労働争議で解散・その10」の判決文を読んでわたしが注目した点を挙げます。

ある意味で当然ですが、被告のPTAが裁判に応じなかった事は、第3 当裁判所の判断の先頭に次のようにされてしまいました。

  • 訴訟要件につき職権により判断する。
  • 一件記録によれば,被告は,平成19年5月26日開催の臨時総会をもって解散の決議をしたとの事実を一応認めることができる。
  • しかし,被告は一件記録により権利能力なき社団であると認められるものであるから,民法73条の類推適用により,清算の目的の範囲内でなお存続するものとみなすべきである。
  • そして,本件訴訟が係属している以上,清算が完了したとはいえない。
  • また,その代表者については,被告の会則(甲第1号証)等には,解散した場合の清算人に誰が就任するか明文の定めはなく,前記臨時総会により選任されたとの事実も認められないから,民法74条を準用して,解散時の代表者 (会長)であると認められる○○○○が清算人になったというべきである。

実際にPTAは解散し、会費も会員に戻したから今後どうなるのか?とはこのブログでも多くの方が注目している点ですが、被告が解散を選んだ理由を推測すると「解散して、会費も返還してしまえば、実質的に何もかも無くしてしまうことが出来る」という判断であったのでしょう。

しかし「清算が終わっていない=責任はある」と裁判所(裁判官)の職権で決定してしまいました。

PTA総会の解散が有効であるのかについて、裁判所は

なお,本件では,前記一応真正になされたと認められる解散により,本件雇用契約も,その消滅等法的影響を受け得るものと思料されるものの,本案についての争点であり被告の主張がないため,判断しない。

「本件雇用契約も,その消滅等法的影響を受け得るものと思料される」とまで言っているのですから、裁判で争う余地は十分にあったと裁判所が言っているようなものです。
しかし現実は裁判に参加しなかったために、決定してしまった。

判決は

  1. 原告が,被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する
  2. 被告は,原告に対し,平成19年4月から毎月21日限り,20万0500円を支払え。
  3. 被告は,原告に対し,平成19年6月から毎年6月30日限り16万6415円,及び毎年12月10日限り34万0850円を,それぞれ支払え。
  4. 訴訟費用は被告の負担とする。
  5. この判決は第2項及び第3項について仮に執行することができる。

ですから、4月から給与と賞与の支払が始まっていることになります。
すでに被告は債務が積み上がりつつあるわけです。

さらに「訴訟費用は被告の負担とする」となりましたが、被告のつもりとしては「裁判はやっていない」のでしょうが、費用負担だけは確定してしまったわけで、こんな点からも「なんで裁判に参加しなかったのだ?」こそが大問題ですね。

7月 15, 2007 at 01:51 午後 教育問題各種 | | コメント (18) | トラックバック (0)

白河高校PTAが労働争議で解散・その10

判決文のコピーをいただいたので、記録の意味で掲載します。
例によって、なるべく判決文の雰囲気になるように html で構成しました。


平成19年7月10日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

平成19年(ワ)第36号 雇用契約確認等請求事件

口頭弁論終結日 平成19年6月19日

判 決

福島県白河市***********

原  告柏木 成美
同訴訟代理人弁護士安藤 裕規
安藤 ヨイ子
斉藤 正俊
大峰 仁
渡邊 純
尾形 昭

福島県白河市南登り町54

被  告福島県立白河高等学校父母と教師の会
同代表者会長ないし精算人○○○○

主 文

  1. 原告が,被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する
  2. 被告は,原告に対し,平成19年4月から毎月21日限り,20万0500円を支払え。
  3. 被告は,原告に対し,平成19年6月から毎年6月30日限り16万6415円,及び毎年12月10日限り34万0850円を,それぞれ支払え。
  4. 訴訟費用は被告の負担とする。
  5. この判決は第2項及び第3項について仮に執行することができる。

事 実 及 び 理 由

第1 原告の求めた裁判
主文と同旨
第2 請求原因
  1. 被告は,福島県立白河高等学校(以下「白河高校」という。)の生徒の父母及び教職員により構成され,会員相互の連絡協調等を目的とする権利能力なき社団である。
    なお,被告の代表者は会長である。
  2. 平成2年4月1日,原告と被告は,原告を事務員とする雇用契約を締結した (以下「本件雇用契約」という。)。
    なお,本件雇用契約における雇用期間は1年間であるものの,毎年4月1日付けで更新されてきていたものであり,その実質は期間の定めのない雇用契約と異ならない。
  3. 被告は,平成19年2月19日付けの書面で,年間の給与額を約291万円から約177万円に引き下げること,日々雇用とすることを内容とずる,労働条件の変更を申し入れた。
    原告がこれを拒絶したのに対し,被告は,雇い止めの趣旨を含む同年3月30日付けの文書を原告に手渡した。また,同年4月2日に,原告が就労のため白河高校に入ろうとするのを妨げた。
  4. 原告の平成18年度における月給の額は20万0500円であり,また,期末勤勉手当として,6月30日に16万6415円(0.83か月分),12月10日に34万0850円(1.70か月分)の支給を受けていた。
  5. よって,原告は,被告に対し,原告が本件雇用契約に基づく労働契約上の権利を有することの確認を求めるとともに,主文掲記の,平成19年4月分以降の賃金(月給及び期末勤勉手当)の支払を求める。
第3 当裁判所の判断
  1. 被告は,適式の呼び出しを受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面を提出しない。よって,請求原因事実を明らかに争わないものとして,これを自白したものとみなす。
  2. 訴訟要件につき職権により判断する。一件記録によれば,被告は,平成19年5月26日開催の臨時総会をもって解散の決議をしたとの事実を一応認めることができる。
    しかし,被告は一件記録により権利能力なき社団であると認められるものであるから,民法73条の類推適用により,清算の目的の範囲内でなお存続するものとみなすべきである。そして,本件訴訟が係属している以上,清算が完了したとはいえない。
    また,その代表者については,被告の会則(甲第1号証)等には,解散した場合の清算人に誰が就任するか明文の定めはなく,前記臨時総会により選任されたとの事実も認められないから,民法74条を準用して,解散時の代表者 (会長)であると認められる○○○○が清算人になったというべきである。
  3. なお,本件では,前記一応真正になされたと認められる解散により,本件雇用契約も,その消滅等法的影響を受け得るものと思料されるものの,本案についての争点であり被告の主張がないため,判断しない。
  4. 以上のとおりであるから,原告の被告に対する請求は理由があるから全て認容し,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。

福島地方裁判所白河支部

裁判官  高瀬 順久

7月 15, 2007 at 01:24 午後 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)