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2007.07.12

白河高校PTAが労働争議で解散・その9

「白河高校PTAが労働争議で解散・その5」にヒデバロさんが判決速報をコメントして下さいました。
後日のことも考えて、許可をいただいき判決速報を全面転載いたします。
資料として若干の整理をして掲載します。

ヒデバロさんの 2007/07/10 17:52:47 のコメント

白河高校PTA問題で本日判決がでました。

その内容は

  1. 原告が被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
  2. 被告は、原告に対し、平成19年4月から毎月21日限り、20万0500円を支払え。
  3. 被告は、原告に対し、平成19年6月から毎年6月30日限り16万6415円、及び毎年12月10日限り34万0850円を、それぞれ支払え
  4. 訴訟費用は被告の負担とする
  5. この判決は第2項及び第3項について仮に執行することができる。

と雇用継続はもちろん、これまでの賃金・一時金の支払いを命ずる原告全面勝訴の判決でした。

面白いのは裁判所の判断として、被告が弁論期日に出頭しないことや書面を提出しないことについて「訴訟原因事実を明らかに争そわないものとして、これを自白したものとみなす」としたこと。さらに解散についても「本件訴訟が係属している以上、清算が完了したとはいえない」と述べていることです。

そうはいってもPTAは解散していることを理由に何の動きもとらない可能性がありますので、校長や県教育委員会の責任を問いながら一日も早い解決を求めていきたいと思っています。

ご紹介いただいた判決速報の中でわたしが注目した点を挙げます。

この判決は第2項及び第3項について仮に執行することができる。

基本的に労働債権の争いなので、請求側が勝訴した場合には直ちに仮差押えを可能とする仮執行宣言が付くと承知はしていましたが、裁判所の意向で出さないかもしれないと考えていたので、「あ、出しちゃった」といった感じです。

ヒデバロさんが注目した

被告が弁論期日に出頭しないことや書面を提出しないことについて「訴訟原因事実を明らかに争そわないものとして、これを自白したものとみなす」としたこと。

この部分は、民事訴訟に出廷しないで相手の意見を全面的に受け入れることは「擬制自白」と名付けられていて、判決文の中では「自白したとみなす」と書きます。
なんで裁判所がこんな言葉を使うのかと考えると「裁判所に来いよ」という意思表明と捉えるべきでしょう。
「裁判所に来ないのは、それだけで責任があると法的に決まるのだ」ということです。
今さらながらですが、被告は裁判で争うべきでした。
争わない途を選んだこと自体が、このようなある程度の公的な側面のある問題を扱う事についての資格に問題あり、と強く非難されて当然というべきです。

しかしながら、今後を考えると実態としてPTAには資産がないでしょうから債権・債務の整理することが出来ないでしょう。
その意味で、別の問題になってしまいます。

7月 12, 2007 at 05:58 午後 教育問題各種 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2007.07.11

白河高校PTAが労働争議で解散・その8

「白河高校PTAが労働争議で解散・その7」に書いたとおり、予想通りの判決となりました。

元は、雇用問題であり日本全国でいつもある問題で、社会的には解決手段も確立されていて大問題になることも少ない亊案でした。

それが、新聞に報道されて、福島県以外でもニュースになった経緯は、「白河高校PTAが労働争議で解散・その6」に時系列を追った資料の通りです。

どこが問題か?と言えば、わたしがタイトルに付けている通り「労働争議で解散」にあります。

実態はとにかく「訴訟されたのでPTAを解散する」という決定には「解散すれば裁判にはならない」という見通しがあったのでしょう。
事実、裁判所からの通知(特別送達)を受け取り拒否しています。

裁判所からの通知を受け取らない、というのは個人ではさほど珍しくありませんが、県立高校が受け取らないというのは、ちょっと考えられない。

裁判沙汰になる事件では、被告が行方不明といったことも当然あって、それでも裁判は出来ます。
また、民事訴訟では被告が出廷しないと原告の主張を全面的に認めたとされます、民事訴訟は原告被告双方の主張を法廷で戦わせて裁判所が勝ち負けを決める、というものであって刑事裁判の「正しいのは」という判断を裁判所はしません。
被告が裁判に出ないと大変なことになります。

今回の裁判では、原告側の主張は労働争議での労働者側の主張としては典型的なもので普通に争えば妥協点も比較的簡単に決定できたのでないかと思いますが「自称解散」などとやってしまったために

「解散したのに給与の支払い続く」

事になってしまいました。

この先は良く分からないのですが、控訴審(高等裁判所)は「第一審の争いについて問題がある」ことが基本的に前提ですから、この場合は被告側は「争いがない」ことが決定してしましたから、争うこと自体が極めて難しい。

これで、給与支払い(払えないでしょうから未払いになるでしょう)が続くと労働債権の確定となって・・・・・。
どんどん自体は泥沼化してしまうかもしれません。

裁判は近代社会の「究極の問題解決手段」であることは世界中が合意していることで、裁判を無視するというのは大変なことになるという実例です。

7月 11, 2007 at 11:11 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)

白河高校PTAが労働争議で解散・その7

「白河高校PTAが労働争議で解散・その5」に2007年7月10日に予定されていた判決をお知らせいただきました。

1、原告が被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。

2、被告は、原告に対し、平成19年4月から毎月21日限り、20万0500円を支払え。

3、被告は、原告に対し、平成19年6月から毎年6月30日限り16万6415円、及び毎年 12月10日限り34万0850円を、それぞれ支払え

4、訴訟費用は被告の負担とする

5、この判決は第2項及び第3項について仮に執行することができる。

と雇用継続はもちろん、これまでの賃金・一時金の支払いを命ずる原告全面勝訴の判決でした。

以下に、訴状をアップします。


訴状

2007(平成19)年4月17日

福島地方裁判所白河支部 御中

原告訴訟代理人

弁護士安藤 裕規
安藤 ヨイ子
同(主任)斉藤 正俊
大峰 仁
渡邊 純
尾形昭

雇用契約確認等請求事件

訴訟物の価額
291万3265円
貼用印紙額
2万0000円

当事者目録

〒961-****福島県白河市***********
原告 柏木成美
〒963-8876福島県郡山市麓山一丁目2番13号
弁護士法人けやき法律事務所(送達場所)

(中略)

〒961-0851福島県白河市南登町54

被告福島県立白河高等学校父母と教師の会
上記代表者会長○○○○

第1請求の趣旨

1原告が被告に対し労働契約上の権利を有ずる地位にあることを確認する。
2被告は,原告に対し,平成19年4月から毎月21日限り金20万500円を支払え。
3被告は,原告に対し,平成19年6月から毎年6月30日限り金16万6415円及び毎年12月10日限り金34万850円を支払え。
4訴訟費用は被告の負担とする。

との判決並びに第2項及び第3項につき仮執行宣言を求める。

第2請求の原因

1当事者
(1)原告は被告と雇用関係にある労働者である。
(2)被告は,福島県立白河高等学校(以下,「白河高校」という。)の生徒の父母及び教職員により構成され,会員相互の連絡協調等を目的とする権利能力なき社団である。被告会則により,被告の代表者は会長とされている(甲第1号証・会則)。
2原被告間における雇用契約の存在及び同契約が実質的に期限の定めのないものであったこと
(1)被告は,その内規により事務職員を雇用できるとされているところ(甲第2号証・内規),原告は,平成2年4月1日付で被告に事務員として雇用され,以後被告事務員としで,被告及び白河高校後援会等の会計事務等の業務に従事し,現在に至っている。
(2)原被告間の雇用契約は,原告の雇用期間は1年と定められていたが,毎年4月1日付で反復継続して雇用契約が更新されており,平成18年までの間,被告の側から更新拒絶の意思表示がなされたことはない。このように,原被告間の雇用契約は16回にわたって反復継続的に更新され,原告の勤続は17年にも及ぶ長期勤続が続いているものである(甲第3号証・雇用通知書)。
(3)以上の事実によれば,原被告間の雇用契約は,期間の定めのない雇用契約と実質的に異ならないものと言え,このような場合は,いわゆる雇い止めによる更新拒絶は解雇と同視され,社会通念上相当と認められる合理的な特段の事情がない限りは解雇権の濫用(労働基準法18条の2参照)に該当し,許されないと解するべきである(最判昭49・7・22東芝柳町工場事件等)。
3雇い止めの無効
(1)本年2月19日,被告会長である○○○○は,原告に対しで同日付「お知らせ」なる文書を手渡し,労働条件の変更を申し入れた。この「お知らせ」には,2月13日に被告役員会において上記内規の改正を行い,これに基づく平成19年度の雇用条件は別紙のとおりである旨が記載され,その別紙によれば平成19年4月からの雇用条件は,日々雇用となり,給与は1日7040円ということであった(甲第4号証の1・「お知らせ」,甲第4号証の2・別紙,)。変更後の給与は,月に21日勤務したとして月当たり換算すると14万7840円にしかならず,原告の平成18年度の給与は月額20万500円であったこと(甲3)と比較して,月あたり5万2660円もの減額となる。さらに》原告に対しては,平成18年度まで期末手当が支給されていたところ(甲3),変更後の雇用条件では,日々雇用であることから,期末手当の支給もされなくなるということであった。期末手当が支給されなくなることも含めると,原告に支給される給与は年約291万円から同約177万円になり,年110万円以上もの大幅引き下げとなる。
(2)このように,被告が原告に申し入れた労働条件の変更は,労働条件の大幅な不利益変更であったことから,原告は被告に対し,このような不利益変更には応じられない旨返答するとともに,労働組合に加入し,2月26日と3月24日の2回にわたって,被告との間で団体交渉を行った。これに対し,被告は,3月24日の2回目の団体交渉の席上,被告会長が「3月31日までの契約なのでそれで終わり。解雇ではない」と発言し,雇い止めの意思表示をした。
(3)また,被告は3月30日,原告に対し,同日付「お知らせ」なる文書を手渡した。この「お知らせ」には「平成19年4月1日以降については,去る3月24日(土)に当該席上においてお話申し上げたとおりですので,よろしくお願いします。なお,業務内容の引継ぎは副会長の大岡教頭へお願いします」と記載されており,3月24日の団体交渉の席上における被告会長の発言に重ねて,原告に対する雇い止めの趣旨が記載されていた。
(4)さらに,4月2日,原告が就労のため,白河高校に入ろうとすると,白河高校正面玄関の外で□□□□教頭(被告副会長)らが待ちかまえており,「PTA会長さんから校内に入れないようにいわれていますので」などとして,校内に入ることを妨げ,原告の就労を拒否した。
(5)以上のように,被告の原告に対する雇い止めの意思表示は,労働条件の大幅な切り下げを一方的に提案し,これに応じなかった原告を雇い止めとするというものであり,社会通念上相当と認められる合理的な特段の事情がないことは明らかであるから,労働基準法18条の2に違反し,無効である。
4原告の賃金請求権
(1)原告が平成18年度(平成18年4月~平成19年3月)までに被告から支給された賃金は下記のとおりであり,毎月末日締めで計算して同月21日に支給される月給の他,年間で2.53カ月分の期末勤勉手当を6月30日(0.83カ月分)と12月10日(1.70カ月分)の2回に分けて支払を受けていた(甲3,甲第6号証の1乃至3・給与明細)。
給料月額20万500円
期末勤勉手当6月0.83カ月分16万6415円
(200,500×0.83=166,415)
12月1.70カ月分34万850円
(200,500×1.70=340,850)
(2)しかるに,上記のように,被告による雇い止め及び就労拒否により,原告の就労が不能となったものであるから,原告は,本年4月以降も上記記載のとおりの賃金及び期末勤勉手当の支払を受ける権利を有する(民法536条2項)。
5まとめ
よって,原告は被告に対し,雇用契約上の地位確認と賃金の支払いを求めるため,本訴に及んだ。

7月 11, 2007 at 10:44 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (1)

問題と原因を直視しないと

朝日新聞より「都交通局に京急車両の手引きなし 浅草線不通の被害拡大

都営浅草線が8日、ケーブル火災などで約11時間不通になり、約15万4000人に影響した事故で、被害を拡大させた三田駅の車両故障は、都交通局のマニュアルの不備が原因だったことが都の調べで分かった。
浅草線は都営を含む4社の車両が走っており、車両の仕組みが異なるが、事故時の対応方法の違いが書かれていなかったという。

復旧作業は午前11時前に終わり、運転を再開しようとしたが、内蔵電池を空調や照明に使いながら三田駅で待機していた京浜急行所有の車両が電池切れで走れなくなった。
このため、復旧は午後4時近くにずれこんだ。

京急によると、この車両は内蔵電池が切れると、パンタグラフを上げても走れない。一方、都交通局の車両は内蔵電池が空でもパンタグラフを上げれば走る。
都交通局のマニュアルにはこの違いの記載がなかった。

乗務していたのは都交通局の職員。電車の動きをモニターし、運行を管理している輸送指令らも違いを把握していなかったとみられるという。

この記事だと、マニュアルに書いて無いことが問題のように読めてしまいますが、違うと思いますね。

復旧作業が午前11時前終わったのに
運転を再開が午後4時近くにずれこんだ。

緊急対応策が出来ていないと言うべきで「書いてないから」じゃキリがない。
利用者(社会)から見れば「安全・確実」が公共交通機関に要求する最重要点であって、なんで「6時間も掛けて対応できなかったか?」こそが問題でしょう。
「マニュアルに記載がなかった」というのが、対応策が整備されていないことを隠すために発表したのじゃないのか?

7月 11, 2007 at 08:58 午前 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.07.08

足立区の教育委員会は??その2

朝日新聞より「学校ぐるみで成績向上「不正」の疑いも 足立区立小

東京都足立区の区立小学校で、区独自の学力テストの採点から障害のある児童3人を外したことが明らかになった。

なぜ問題は起きたのか。区教委は7日の会見で「今後の調査を待ちたい」と明言を避けたが、教育関係者からは、学校ぐるみで成績を上げる「不正行為」をしていたのでは、との疑惑も出ている。

「決して平均点を上げるためだったとは思っていない」。3人の答案を集計から外したことについて、区教委はこう説明した。

学力テストは小2から中3まで原則として全員が対象だ。
ただし、校長の判断で、障害がある子どもなどの答案は保護者の了解を得た上で対象外とすることを認めている。
しかし、その線引きはあいまいだ。明文化されておらず、各校への説明会で口頭で1度伝えただけだ。

問題が発覚した小学校の成績は05年度、72校中44位。ところが、3人を採点から外した06年度は1位に。この両年は、同種の問題がほぼ9割を占めていた。今年度からは業者が代わり、テストの内容も変わった。5日に公表された今年度の成績は59位に落ちていた。

問題は回収されることになっているが、校長は「テストの記憶をメモにし、似たような問題を使って指導していた」と説明しているという。
「不正の結果、成績が上がったのでは」という報道陣の問いに、斉藤幸枝事務局次長は「確率がゼロだとは言えないが、朝の読書などに力を入れて指導した結果だとも考えられる」と説明した。

試験中に間違った解答を見つけると教師が机をたたくなどしていたという疑惑もあり、区教委は当時の教員から聞き取りを始めている。

成績が大幅に上がった学校の存在は関係者の間でささやかれていた。

この記事だけを読むと、足立区の小学校の一つ(?)が区独自の共通テストで良い成績を出すために、一部の児童の成績を採点から外す、事前演習を実施した。としか分かりませんが、足立区では以前にこんな発表をしています。

「足立区の教育委員会は??」

東京都足立区教委は、区立小中学校に配分する07年度予算で、都と区の教委がそれぞれ実施している学力テストの成績に応じて各校の予算枠に差をつける方針を固めた。
小学校計72校、中学校計37校をそれぞれ4段階にランク分けし、最上位は約500万(中学)~約400万円(小学)、最下位は約200万円にする予定。
都のテストで同区が低迷していることなどから、学校間競争をさらに促す必要があると判断した。

小学校の成績に応じて予算配分を変えるというのですから、さすがに文科省も「聞いたことが無い」となり、3日目には撤回します。

東京都足立区の07年度予算で、学力テストの成績に応じて各区立小中学校をランク付けし、学校への配分額に差をつける方針を固めていた同区教委は7日、この方針を撤回することを明らかにした。
同区教委は、新たな方針として、各校からの申請に基づく予算査定では、「ランク付け」はせず、テスト結果の伸び率を大きな判断材料にすることにしている。

新たな方針では、A~Dの4ランクに分けるのをやめ、各学校から提出される予算の申請に基づいて1校ずつ査定する方法に改めるという。
学力テストの結果は、伸び率によって学校に加点する形で予算を上乗せする。
加点の点数はあらかじめ決めずに1校ずつ判断する。
学校へ配分する予算に学力テストの結果を反映する点は変わらないという。

表向き成績連動は引っ込めたが、学校を評価して予算配分を変えるという方針は変えなかった。

それが今回、テストの業者を変えたらすでに底上げ工作があったことが明らかになった、わけです。

わたしは小中学校などでは地域性も重要だから、授業内容の独自性は不可欠だし、そのためには学校毎の予算に差があっても良いとは思いますが、それが学力テストで直接関係するというのは無理がありすぎると思います。

東京都内では小中学校の自由な選択が出来るようになったために、学校が競争することになって結果としてこんなことも起きるのでしょうが、成績格差を無くすのは現実には不可能だしそのために各学校が努力をするのも期待されていることです。

しかし、一歩踏み誤るとこのような「成績偽装」になるわけで、これ自体をどうやってチェックするのかは重大な問題でしょう。
共通試験をするからいけない、いう意見は例によって出てくるでしょうが、全く各学校の成果を評価しないで放置するというのならとにかく、何か評価すればその裏をかく人は必ず出てきますから、共通試験そのもの問題でないことは明らかです。

足立区の教育委員会が「成績によって予算配分を変える」とした時にあまりの意外さに驚いたわけですが、すでにこんな事になっていたわけですから、予算配分を変えるどころから教育委員会にはものを見抜く力が無く、結果としてロクな企画能力が無いことが明らかになった。とは明記するべきです。

7月 8, 2007 at 08:47 午後 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)