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2007.06.30

事故調査を独立させろ

国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会が尼崎脱線事故の事故調査報告書を発表しました。 これについては遺族からはこんな意見が出ています。
サンケイ新聞イザより「JRの企業責任には…遺族 誰のための事故調か

「何のために2年以上も待ったのだろう」。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調)が28日公表したJR福知山線脱線事故の最終報告書は、事故原因を懲罰的な日勤教育に限定し、ATS(列車自動停止装置)の設置遅れや無理なダイヤ編成との因果関係は認めなかった。
期待とは裏腹に企業責任に対して踏み込みの甘さが目立つ最終報告に、遺族らは落胆の色を隠せなかった。

「誰のための事故調査なのか。極めて残念な結果だ」
遺族らでつくる「4・25ネットワーク」世話人の1人はこの日夜、大阪市北区で会見し、厳しい表情を崩さなかった。

遺族が最終報告書に期待したのは「JR西の経営責任にどこまで踏み込むか」。
事故原因の説明を拒み続けてきたJR西に、安全対策の不備や無理なダイヤ編成など経営責任を突きつけてくれると信じていたからだ。

ネットワークの活動を支援する弁護士は「3者に“談合”があったとは思えないが、遺族ならそうした疑念を抱いてしまう調査結果ということだ」と遺族の気持ちを代弁した。

この件について、読売新聞、サンケイ新聞、毎日新聞の社説を見てみます。

読売新聞社説

「尼崎脱線事故 鉄道の安全向上に報告を生かせ」

その背景にある問題として、報告書は、JR西日本の「日勤教育」が、死亡した運転士を心理的に追いつめた、と指摘した。社内連携の悪さや無理なダイヤも挙げている。

日勤教育は、ミスをした運転士を乗務から外して実施された。運転技術などではなく、精神論が主だ。反省文を書かせ、繰り返し、あいさつをやり直させる。賃金もダウンする。報告書は、一部の運転士は“懲罰”と受け止めていたと指摘し、見直すべきだとしている。

事故防止策として報告書は、懲罰的でない報告制度の整備や緊急性の低い無線交信の制限など3項目を求めた。一昨年秋に提言した自動列車停止装置(ATS)の機能向上などに続くものだ。全鉄道事業者は、早急に実施すべきである。

事故当時、国は、カーブのATS整備を義務づけていなかった。設置していれば、事故は防げたはずだ。国の安全管理上の規制が十分でなかったことが事故につながったとすれば、そうした分析も報告書にあってよかった。

最終報告書まで2年2か月かかった。事故調は昨春、鉄道事故調査官を倍増して14人にしたが、初動段階で鉄道総合技術研究所や大学の専門家の応援を求めるなどして、調査の迅速化を図りたい。

JR西は、遺族らに事故原因の説明を求められても口を閉ざしてきた。最終報告書を機に本格化する警察の捜査で、JR西が不利になるような言質を取られたくないとの意識からではないか。

関係者の刑事責任の有無が、今後の焦点になる。捜査を尽くし、JR西の安全管理の実態に迫ってもらいたい。

サンケイ新聞社説

JR事故報告 企業体質が問われている

この異常な運転について、事故調は運転士が「日勤教育を懸念」したためとした。日勤教育は乗務中にミスなどを犯した運転士を対象にした再教育制度である。だが、実際は上司が厳しく叱責(しっせき)するなど懲罰的な側面が強く、過去に3度の日勤教育を受けた運転士にとっては大きな心理的な負担となったとみられる。

日勤教育については、事故直後から問題となり、運用も見直されたとされる。そのうえでJR西日本の幹部は今年2月の事故調による意見聴取会で、「必要かつ有益」と反論した。

しかし、日勤教育が事故につながった可能性があるとの指摘が持つ意味は大きい。懲罰的な日勤教育が行われていなかったら、事故も起こらず、多数の犠牲者も出なかった可能性があるからである。

事故調はさらに、新型の列車自動停止装置の設置の導入先送りや、ブレーキの欠陥など、安全性を軽視し続けた企業体質も厳しく批判した。再発防止のために、企業体質まで踏み込んで批判するのは極めて異例だ。

過度の懲罰は教育ではない。JR西は報告を真摯(しんし)に受け止め、日勤教育が本当に必要かどうかも含め、徹底的な見直しを図る必要がある。同時に、批判された企業体質を根本的に改善する努力を続けるべきである。

兵庫県警は最終報告を受け、運行関係者を業務上過失致死傷容疑などで立件する方針だ。すでに事故から2年以上もたった。真相解明を求める遺族感情は強く、刑事上の責任追及も厳正に行われなければならない。

毎日新聞社説

「企業体質を一から見直せ」

JR西日本は事故後、日勤教育を実践的な形に改めた。教育効果が上がるよう、より検討するという。当然のことだ。事故の教訓を生かして、安全意識を高め、技量の徹底向上を図る内容でなければ意味がない。

安全管理体制にも数々の不備が指摘された。営業強化のためダイヤの余裕時分が削られ、職場間の連携不足で新型ATS(自動列車停止装置)の運用開始が遅れた。同型電車のブレーキ不具合や速度計の誤差が報告されていたのに、まったく改良されなかった。組織全体の緩みようは目に余る。

事故調は、当時の鉄道本部長が安全管理に直接タッチしていないと釈明した点にも触れ、経営トップに近い者が積極的に関与すべきだった、と強調している。緊張の欠如、責任逃れの体質は今も残っていないか。もう一度、真剣に自らを省みることが不可欠だ。

組織の基本から、改めて徹底的に見直した方がいい。なにより、すべての社員が安全最優先を共通の誓いとして心に刻み、経営陣と現場、職場間の不信の連鎖を断ち切る努力を重ねることが求められる。でなければ、企業風土の改革など進むはずがない。

話を整理すると

  • 遺族       JR西の責任の明確化(真相究明)
  • 読売新聞社説   日勤教育に片寄り、安全施設の設置の遅れが問題
  • サンケイ新聞社説 企業体質が良くない
  • 毎日新聞社説   組織が良くない

となりますが、結局のところ「刑事責任追及」であって、読売新聞社説が説明しているように

JR西は、遺族らに事故原因の説明を求められても口を閉ざしてきた。
最終報告書を機に本格化する警察の捜査で、JR西が不利になるような言質を取られたくないとの意識からではないか。
のは当然のことだ。

日本では、事故原因を明らかにすると責任が重くなるのであって、あらゆる事故で原因隠しになって、結果として事故原因の究明が出来ない。
古くは日航123便墜落事故で、機体が空中で破壊した理由がボーイング社の修理のミスであろうというところまでは分かったが、どのように壊れたのかはいまだに十分な解析が出来ていない。
ボーイング社の関係者が刑事責任追及を逃れるため事故調査に協力しなかったからだ。
その結果、22年も経った今でも遺族は「事故調査についての資料収集」している。

医療事故はもっと深刻で、事故扱いになると責任を追及されるから、リスクのある医療から医師がどんどん減っている。

事故調査を刑事捜査のためにやっては、事故原因の研究は出来ないし、当然改善も出来ない。
アメリカの航空機事故調査では免責しているから事故の研究が進んでいると指摘されています。

はっきり言えば、事故調査に協力すると司法取引で責任が軽減されるという仕組みは必要不可欠だろう。
刑事捜査の下に事故調を置く構図を脱却するべきだ。
そういう観点で社説を見ると、すべての社説が「日勤教育」を批判しているが、これは「精神教育のようなものでは事故は防げない」という意味だろう。

だとすると「企業体質に問題ある」という社説は精神論では無いのか?
事故が無くなることが優先であって、企業体質は遠因かもしれないが、企業体質を変えれば事故は着実に減少するのか?
それよりも安全設備への投資割合を評価することの方が社説としては重要なのではないのか?

何はともあれ、事故調査委員会を法的に位置づけることを早急に行うべきだ。

6月 30, 2007 at 11:31 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.06.28

携帯電話の明日はどっちだ

読売新聞より「ケータイ業界に大変化、キャリアの収益モデル見直し求める--モバ研報告書

総務省の研究会「モバイルビジネス研究会」が6月26日、報告書案を公開した。
販売奨励金の見直しやSIMロックの解除など、既存の携帯電話事業者(キャリア)に対して収益モデルを抜本的に変革するよう求める内容となっている。

既存キャリアは現在、ネットワークから携帯電話端末、サービスまでを一体化した垂直統合型のビジネスを展開している。
これに対して研究会では、それぞれを切り離して利用者が自由に選べる環境が望ましいと指摘する。

報告書の提言は大きく3つ。

  • 携帯電話端末を販売する際の奨励金の見直し
  • キャリアが自社の端末を利用者に使わせるためのSIMロックの解除
  • キャリアの通信回線を借りて携帯電話事業を展開するMVNOを増やすための環境整備

2008年度には新料金プランを一斉導入、ポイント制は廃止

まず、販売奨励金の見直しを求めた。
販売奨励金とは、キャリアが携帯端末を販売する代理店に一定の料金を支払うことで利用者が安く端末を購入できるようにしたもの。
キャリアは利用者から毎月得る通信料金でこの奨励金をまかなっていることから、端末をあまり買い替えない利用者にとっては不利になるとの指摘が出ていた。

現在、ソフトバンクモバイルなどは2年間の契約をする代わりに初期の端末購入料金を安くする割賦販売制度を導入している。
一定の利用期間が定められた契約については、研究会もその意義を認めている。
ただし、あまりにも長期になりすぎると、利用者を囲い込むことなり競争を阻害すると指摘した。
また、端末の価格を補填するために機種に応じて通信料金を割り引く仕組みについても見直しが必要とした。

このほか、通信料金の額に応じてポイントを付与し、このポイントを端末購入時の割引にあてる方法については、「実質的に分離プランの趣旨を没却することになるため、こうした施策を採用することは適当でない」と廃止を求めた。
NTTドコモは自社のクレジットサービス「DCMX」でこのポイントがたまることをアピールポイントの1つにしており、戦略の変更を迫られることになる。

販売奨励金は会計上、営業費用として計上されている。
この費用はほかの事業者との接続料を計算する際の元となっており、結果として端末の販売費用をほかの事業者から徴収していることになると研究会は判断。
公正な競争を確保するためには、会計上の取り扱いを見直す必要があるとした。

このため、2007年度をめどに電気通信事業会計規則を改正するべきとする。実際の施行は2008年度からとなりそうだ。これが実現すれば、利用者の通信料金引き下げにつながる可能性がある。

SIMロック廃止は次世代ケータイで実現へ

SIMカードと呼ばれる通信カードを差し込まないと携帯電話端末が使えず、キャリアを超えて同じ端末を使うことができない「SIMロック」と呼ばれる問題については、2010年に結論を持ち越した。
これは、現在の状況でSIMロックを解除しても、利用者にとっての利益がほとんどないためだ。

現在、ドコモとソフトバンクモバイルはW-CDMAという方式を、KDDIはCDMA2000方式を採用している。
両者に互換性はなく、SIM カードを差し替えて使うことは技術的に難しい。
また、ドコモとソフトバンクモバイルであればSIMカードを差し替えることで音声、ショートメッセージサービスを利用することはできるが、記述言語が異なるため同じ端末でメール送受信やウェブブラウジングをすることができない。

このため、研究会では「SIMロックについては原則解除することが望ましい」としながらも、第3.9世代や4世代と呼ばれる次世代の携帯電話端末でSIMロック解除を義務づけるよう検討すべきとし、2010年の時点で最終的な結論を出すべきとした。

SIMロック解除のメリットとしては、キャリア共通の端末の上に利用者が必要とするアプリケーションを購入し、利用するようになれば、あまり機能を必要としない利用者はシンプルな端末を低価格で手に入れられるなど、選択の余地が広がることが挙げられる。

また、これまで端末メーカーはキャリアごとに別の端末を製造する必要があり、開発費の高騰につながっていたが、SIMロック解除によりコストを下げ、独自の戦略で端末を展開できるようになるとした。

MVNOへの回線貸し出しは義務化へ

キャリアの通信回線を借りて携帯電話事業を展開するMVNOについては、新規参入により競争が加速されるとともに、利用者が新しい選択肢を得られることで市場が拡大する可能性があると期待を寄せる。

具体的には、固定通信と連携したFMCと呼ばれるサービスや、地域に密着した事業者の登場、法人市場の開拓などを挙げた。

WiMAX、フェムトセルへの対応は2007年度中に結論を

このほか、2007年度中に行うべきこととして、WiMAXへの対応やフェムトセルと呼ばれる新しい基地局への対応などを挙げた。

まずWiMAXについては、通信チップがPCに内蔵される可能性を指摘。
現在、通信機能を持つ端末は財団法人電気通信端末機器審査協会(JATE)の認証を受ける必要があるが、2007年秋にモバイルWiMAXの周波数が割り当てられることもあり、2007年中に新たな仕組みの整備が必要とした。

フェムトセルは、無線LANルータの機能を持つ小型の携帯基地局。
これを利用者が家庭に設置すると、屋内では携帯電話を無線IPフォンとして利用できるようになり、利用者が通話料金を下げられると期待されている。
しかし現行の電波法では、利用者が勝手に基地局を設置することはできない。
このため、 2007年度末をめどに、フェムトセルを法律でどう扱うか決めるべきだとした。

検討課題としては端末プラットフォームの共通化、端末とネットワークの接続性やソフトウェアの相互運用性などを検証できる場の創設、携帯電話向けのウェブ記述言語の共通化、携帯端末のAPIの公開なども挙げた。

携帯電話の通話料が下がって、電話機代が上がるとニュースに取り上げられた件です。
テレビのニュースで「なんで0円携帯電話が成立するのか?」を一言で解説して「電話会社が電話機まで作っているからだ」とキッパリと言っていました。

通信方式が電話会社毎に違っているので、電話機を取り替えずに電話会社を取り替えることが出来ないから、通信料金が収入源である電話会社にとっては電話機の価格は意味がないわけです。
ところがこれで大問題になるのが、国内と海外で互換性がないことです。

これは以前から問題にされていて、どう考えてもいつまでも互換性の無いままで続けられるとは思えません。
「レバタラ」そのものですが、現時点で海外の標準規格であるGSMを採用する携帯電話会社を作ったらビジネスとして成り立つのではないだろうか?

その一方で、携帯電話から携帯端末として高度化するのは当然の趨勢で、次世代では統合というような主張はもっともだと言えます。
しかし、電話機のハードウェアを作っているメーカは実際に様々なキャリアーに対応する電話機を作っているわけで、日本では使えない海外の特にスマートフォンの日本向け改造版が出てこないものか?と期待しているわけです。

そんなわけで、これに期待するのであります。

6月 28, 2007 at 10:48 午前 新商品やお買い物 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.06.27

食品偽装その3

「食品偽装その2」の続きです。

NHKニュースより「国内産鶏肉の袋 数万枚偽造か

ミートホープをめぐっては、国内産と書かれた袋に外国産の鶏肉を入れて販売していた疑いも持たれています。

ミートホープでは、国内産の鶏肉を販売している大手食肉会社の袋を手に入れ、この袋をもとに印刷メーカーに発注し、数万枚もの袋を作らせていたことが、関係者の話で新たにわかりました。

袋はミートホープの本社の倉庫に保管され、先週の農林水産省の立ち入り検査でこのうちの1万5000枚が見つかっています。

農林水産省の調査に対して、田中稔社長は「24年前に入手した袋をもとに偽造したものだ」と不正を認めているということです。

北海道警察本部は、偽造された袋の枚数からみて、ミートホープが外国産を国内産と偽って大量の鶏肉を出荷していたとみて捜査を進めています。

NHKのサイトを見ると、印刷した袋が見えますが、こんなものを「ちょっと作った」というのでは通用しないと思いますが、会社はこんな事を行っています。

朝日新聞より「昔の肉屋の感覚引きずった ミート社社長、会見で釈明

「昔の肉屋の感覚を引きずった」「こういうことは絶対にしてはいけないんだ、と言いたい」。
様々な不正が明らかになったミートホープ(北海道苫小牧市)の田中稔社長は26日、従業員への解雇通告後の記者会見でこう発言した。
同社長はこれまでも、他社でも不正があると示唆する発言をしている。

偽装牛ミンチの製造などについて、田中社長らは「私の認識の甘さ。世の中の、時代の変化を認識できなかった」と釈明。
さらに「私が言うのもなんだが、こういうことは絶対にしちゃならないんだ、ということを言いたい」と訴えた。

同社長は、後で撤回したものの、会社が道警から家宅捜索された24日にも、「同様のことが業界内で他にあるか」という報道陣の質問に「そうだ」と発言していた。

この時は「(消費者は)安いものを追い求める」「食品が半額でセールされたりしているが、販売店も悪いし、喜んで買う消費者も悪い」「(販売元は)初めから適正価格で販売したらいい」とも述べ、安値競争にも偽装の原因があるという発言をしていた。

早い話が「他社でもニセの袋を以前から印刷している業界だ」と言うことなのでしょうか?
そんなことを20年も続けたら今頃は業界そのものが無くなってます。
こういうのを針小棒大とでも言うのでしょう。

生鮮食品は元々が相場商品だから取引価格は時価であって加工食品製造業者は販売価格を安定させるために、色々な調整をするのは無理もないと言えます。
そういう「無理もない」事情の中に袋を偽装するというのがどう考えれば入ってくるのか?

何かやるたびに「どういうことなのだ?」と問題が出てきますね。

6月 27, 2007 at 09:54 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.06.26

食品偽装その2

「食品偽装」の続きです。

「安い品物を求める消費者が悪い」とか口を滑らしたようですが、これはニセブランド商品の事件の時にも良くでてくるセリフですね。
「この値段で正規品があるわけ無い」とかですね。

しかし、需要家(消費者が)原材料などについていちいち全部チェックしていたら、経済が成り立ちません。
だからこそ、供給側がニセ商品を売ることが悪いとされるわけです。
では、供給者がニセ商品を売らないようにするのはなぜか?ですが、どうもこれは法律の問題などではないらしい。

法律は「ニセモノは許さない」と今でも決めているわけで、それでも今回のような想像外の事件を起こす人物が居たわけです。
今までの食肉の偽装事件とは、輸入牛肉のブランドをごまかしたというぐらいしか無くて、全く別のモノを売るというのは、法律ですら想定していないことでしょう。

原材料としてみた場合、技術的に「規格外れ」ですから受け入れ側のチェック体制の問題とも言えますが、先に書いたとおり需要家が原材料のすべてを検査するのは現実的はありません。

つまりは、同種の事件が起きる潜在的危険はなくなりません。
もちろん、刑罰がこの種の事件を抑止する効果があるとは思いますが、果たして法律はこんな事件を想定しているのだろうか?

こう考えると、この事件を起こした社長(会社)にどのように責任を追及するべきなのか?もちろん、法律上の責任追及だけでは今後このような事件を起こさないための抑止効果は乏しいと考えます。

結局のところ「商取引上の信頼を裏切った」のが一番の問題であり、しかもかなりの長期間(一説では20年以上)続けていたわけです。
こうなると「苦し紛れ」とかではないわけで、事業自体が「ニセモノ作り」だったわけです。
結局、追求するべき責任は「事業としてニセモノ作りを行ったこと」なのでしょう。
ニセモノを作ることは、それ自体が犯罪だからそれを事業として行っていたとなると「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」に該当するのでしょうか?

それにしても、こんなことを問題にするような世の中になるとは予想しませんでした。
こういう人物は、今後も需要家に何かを供給するようなことを禁止するべきだと思います。
供給者の忠誠義務は人類普遍の原則のはずです。

6月 26, 2007 at 01:30 午後 事件と裁判 | | コメント (10) | トラックバック (1)

風力発電の設置基準の策定

朝日新聞より「台風や雷に強い「日本型風力発電」を 技術基準を強化へ

経済産業省原子力安全・保安院は、日本独特の台風や雷に強い風力発電所の設置を促すため、08年度に電気事業法で定めた技術基準を強化する方針を決めた。
近年、台風や雷などの自然現象による破損が目立っている。

保安院によると、現行の技術基準は、強風に対して「構造上安全であること」などと抽象的に求めているだけだ。
雷対策は規定さえない。欧州主導の国際基準はあるが、日本の台風や雷は、この想定を上回る厳しい条件が必要とみている。

日本の風力発電所は06年時点で75%が海外製だが、最近は国産メーカーを含む新規参入が相次いでいる。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が05年度に全国900基を対象にした調査では、故障や事故が1年間で100件あった。
原因は、暴風や落雷など自然現象によるものが38%も占めた。施工や製造不良などは25%、管理不備など4%、原因不明33%だった。

自然現象のほとんどは落雷だった。
風車の大型化で、羽根の先端部の高さが100メートルを超えるものもあり、より雷被害を受けやすくなっているとみられている。
NEDOによると、東北から北陸にかけての日本海側は、冬季に激しい雷に見舞われ、他地域より被害発生率が4倍以上もあった。

また、台風の襲来が激しかった年は、暴風による故障や事故が13%を占めた。局所的な強風にも襲われやすいことから、すでに三菱重工などでは日本型の気象条件に配慮した設計を取り入れ始めているという。

NEDOは、日本型風力発電ガイドラインの策定に向け、全国で強風や雷を観測、07年度中に状況をまとめる。
保安院は、これらの結果を踏まえ、具体的な数値を盛り込んだ基準改正作業を進める。

日本の風力発電は06年度で1314基、総設備容量は149.1万キロワット。
経産省は地球温暖化対策として、10年度に300万キロワットに増やす計画だ。設置数だけでなく、運転効率の向上も課題になっている。

先日、テレビニュースで「風力発電の騒音問題」が取り上げられていました。
「騒音問題なんて当然あるだろう。なんで問題になるところに作ったのだ?」と思っていたのですが、技術基準すら無かったのですか・・・・・。

つくば市の風力発電企画の大失敗というのがあったし、さらには補助金目当てで無理な設備を作って動かない、など風力発電には色々と問題があります。

ところでこの記事で非常に気になるのは、設置基準を決めるというのは供給側の仕組みを定めようということですね。
堺屋太一氏が書いていたのだと思うのですが「日本の行政はすべてが供給側だけをやっている」というがありました。

文科省というのは、教育を提供する側から教材とか教員の待遇、学校の設備といったことをだけをチェックしている。教育を受ける側のからのチェックが無い。
といった観点からあらゆる行政を需要側から組み立てることが可能ではないか。という小論文だったと思います。

そんな観点で、風力発電について考えると、とりあえず騒音問題とか倒壊事故問題、メンテナンス問題など地域社会との関係を整備しないで、技術基準を決めてもまずいでしょう。
つまりはこの問題は供給者だけの視点からではどうしても問題が残るだろう、と見るべきだと思うのです。
なんで行政が供給をコントロールすればすべてがうまく行くように考えて実行してきたのか?は、昭和30年頃から現実化した「国土の集中利用」で色々な団地を造って、その地域では他の事を考えないでもよい、やったからだと思います。

例えば、住工分離で住宅団地と工場団地を造った。
工場団地では騒音や振動の規制がない、住宅団地では労災事故がない。
実に能率的で、対策を集中できるのですが、結果として社会全体がひ弱になることは間違えない。

今後の政策はこのような「考えないでも仕組みに対策がすでに含まれている」という縦割り行政発想を破らないとダメなわけで、風力発電問題なんてちょうど良いと思うのですがね。

6月 26, 2007 at 10:49 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.06.25

食品偽装

読売新聞より「ミートホープ、従業員・パートを全員解雇方針

牛肉ミンチ偽装事件で北海道警の捜索を受けた「ミートホープ」の専務は25日午前、本社に従業員らを集め、「会社が存続しない場合に解雇が避けられず、出来る限りの補償を行う」と説明し、従業員65人、パート30人を全員解雇する方針を伝えた。

専務は報道陣に、「会社の状況は非常に厳しく、営業継続は難しいと思っている」と述べ、法的整理などを検討していることを明らかにした。

食品関係では、雪印食品が牛肉の産地偽装をやったら、その前の雪印の牛乳による食中毒事件もあったために、雪印食品は解散に追い込まれしまいました。
雪印グループという巨大企業でも食品事業では、消費者の信用を失ったら会社が無くなるほどのダメージになると感じたものです。

その意味では、ミートホープ社は06年3月期の売上高は約16億4500万円程度の会社ですからここまで大きな事件になっては、存続は難しいでしょう。

従業員が100人程度ですから、一人あたりの売上げは1600万円。報道では、相場が800円程度のところで450円で入札するといったこともあったようで、かなりの量を扱っていたことは容易に想像できますが、コレだけの売上げがあったことを考えると「そこまで無理する理由はあるのか?」という印象があります。

一方、会社が存続しないという見通しは仕方ないとして、即座に営業停止・全員解雇という選択は正しいのでしょうか?
なんか「解散してしまえば逃げ切れる」といった感じがつきまとうのも仕方ないでしょう。

6月 25, 2007 at 04:49 午後 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.06.24

中央道と関越道が繋がったが

読売新聞より圏央道あきる野IC―八王子JCT開通、中央道と関越直結

首都圏の外周を環状に結ぶ首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の「あきる野インターチェンジ」(東京都あきる野市)と「八王子ジャンクション」(八王子市)の間の9・6キロが23日に開通し、中央自動車道と関越自動車道が都心を経由せずに直接つながった。

圏央道は全線が開通すれば、都心から放射状に延びる各高速道を結ぶことになる。
八王子西インターチェンジで行われた記念式典には関係者ら約500人が参加、冬柴国土交通相が「都心部の慢性的な交通渋滞の解決の切り札」と述べた。

中日本高速道路の「圏央道ってどんな道?」にある解説です。

都心から40~60km圏に計画されている環状の自動車専用道路。都心部から放射状に拡がる自動車専用幹線道路を環状に横断する広域幹線道路網の一環として建設が進められています。

神奈川県の住人の1人としては「八王子から鶴ヶ島まで繋がったのだから新潟方面に行くのが楽になったかな?と考えたのですが、東名道沿線から八王子の近辺までは基本的に国道16号線になるので、都心経由で関越道練馬インターに行くのと時間的には大差ないように感じます。
さらに東名と接続する海老名北JCTが完成しても、厚木以西からの車が都内をバイパスするという意味は大きいと思いますが、横浜よりも東からだとあまり使わないように感じます。

こんな事があるので、首都高の中央環状線の完成の方が待ち遠しいです。

6月 24, 2007 at 12:41 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)