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2007.05.26

教育再生会議の不毛

毎日新聞より「教育再生会議:成績不振校に支援を 第2次報告原案

政府の教育再生会議が近く決定する第2次報告の原案が25日、明らかになった。
小学校で集団体験活動、中学校では職場体験活動の実施をそれぞれ求めたほか、「徳育」(道徳教育)についても通常の教科とは異なる「新たな教科」化を掲げ、規範意識の養成を図った。
また、学力向上に向け、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の成績不振校に予算・人員を重点配分するよう要請。第1次報告で掲げた「授業時間数10%増」具体化のため、土曜授業や一日7時間授業も可能とするよう提言した。

原案は「公教育再生に向けた更なる一歩と『教育新時代』のための基盤の再構築」と題したもの。
28日の合同分科会で最終調整され、来月初旬に開かれる総会で正式決定される。

「徳育」は点数評価の対象とはしないなど、従来の教科とは異なる「新たな教科」と位置付けるよう提言したうえで、「多様な教科書と副教材をその機能に応じて使う」とした。
文部科学省検定教科書の導入に含みを持たせたとみられる。
第1次報告で示された「高校での奉仕活動必修化」に加え、小学校では集団宿泊体験や自然体験・農林漁業体験活動、中学校では職場体験活動を各1週間実施するよう求めた。

一方で、初等中等教育に関する財政政策では「機会平等を確保し、(教育)格差の固定化を回避」との方向性を明示。国と教育委員会に、全国学力テストの結果を徹底検証したうえで、学力不振校には予算や教員定数の面での支援を求めた。

大学・大学院改革では複数の大学が大学院を共同設置したり、一つの国立大学法人が複数大学を設置管理する仕組みづくりを文科省に要請。財政面では国の国立大学に対する運営費交付金を実績評価で傾斜配分することを求めた。

さきに緊急提言を見送った「親学」に関連しては、妊婦検診や子どもの検診の場を活用した子育て講座の開催や、中学・高校の家庭科で子育ての楽しさを教えることを提唱しているが、「母乳による育児」の奨励などは見送られた。

教育再生会議第2次報告原案要旨は次の通り。

  1. 学力向上 授業時間数10%増のため春・夏休み活用や土曜日授業の導入。
    7時間目を設けるなど、弾力的な授業設定
    • 教育委員会に「学校問題解決支援チーム」設置
    • 全国学力調査の結果を徹底的に検証、学力不振校に予算、定数、人事面で特別の支援。

  2. 心と体の調和 全学校で新たに徳育を教科化。
    • 小中学校の学級担任が担当。
    • 点数評価はせず、多様な教科書と副教材を機能に応じて使用
    • 小学校で集団宿泊体験や自然体験・農林漁業体験活動を実施。中学校で職場体験活動
    • 父親の子育て参加への支援や妊婦検診を通じた「親の学び」、子育て講座の拡充▽中学、高校の家庭科などで子育ての楽しさを理解する機会を増加
  3. 地域、世界に貢献する大学・大学院の再生
    • 9月入学の大幅促進
    • 教員任期制の拡大
    • 学部3年修了時から大学院進学する早期卒業制度の活用
  4. 「教育新時代」にふさわしい財政基盤の在り方
    • <初等中等教育>教育困難校への支援
      • 一律支給の教職調整額を勤務実態に合わせて差を付ける
      • 市町村ごとの教育費の内訳を「公教育費マップ」にして公表
    • <大学・大学院>競争的資金の拡充と効率的な配分
      • 国立大学法人運営費交付金を傾斜配分
      • 複数大学が大学院を共同設置できる仕組みを創設
 ※第3次報告に向けての検討課題 学校、教育委員会の評価制度▽教員の資質向上▽6-3-3-4制の在り方など

教育再生会議とはどういう位置づけのものなのか理解しがたいところがあるだが、確かに今の世の中では教育についてほとんどの人が一言意見がある、と言ってもさほど間違ってはいるまい。

社会人講師として学校の現場に入ってからも最初の一年ぐらいは「学校や教育委員会などの関係者が悪意を持っているのではないか?」とすら思っていましたが、より詳しくなるとそういう単純な問題ではないどころか、ちょっとやそっとで何とかなる問題ではないことが分かってきました。

学校で何をどのように教育するのかは文科省が「新学習指導要領」として発表しています。

(参考)
各教科等の授業時数

学校教育法施行規則別表第2(第54条関係)
区分
必修教科の授業時数 
道徳の授業時数
特別活動の授業時数
選択教科等に充てる授業時数 総合的な学習の時間の授業時数 
総授業時数
国語
社会
数学
理科
音楽
美術
保健体育
技術・家庭
外国語
第1学年
140
105
105
105
45
45
90
70
105
35
35
0~30
70~100
980
第2学年
105
105
105
105
35
35
90
70
105
35
35
50~85
70~105
980
第3学年
105
  85
105
  80
35
35
90
35
105
35
35
105~165
70~130
980
備考
1  この表の授業時数の1単位時間は,50分とする。
2  特別活動の授業時数は,中学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。)に充てるものとする。
3  選択教科等に充てる授業時数は,選択教科の授業時数に充てるほか,特別活動の授業時数の増加に充てることができる。
4  選択教科の授業時数については,中学校学習指導要領で定めるところによる。

これは比較的分かりやすい中学校の学習指導要領です。
授業時数となっているのが「何時限目」とか「何時間目」と表現することが多い、授業時間の回数を示しています。
総授業字数が980ですが良く見ると「選択教科」と「総合学習」は変動できます。
一年生の国語から特別活動までの時間を足し算すると880時間になり、残りの100時間を選択教科と総合学習に充てることが出来る、と分かります。

各教科の時間が35時間単位になっているのは、1年間に35週を登校日として残りを夏休みなどに充てることになっているからです。

一日6時間授業で、週5日制、35週だとすると1050時間となり980時間に対して70時間お多いことになります。つまり一日6時間授業なのだが、週に2時間は免除といった感じですね。

こんな風にびっしりと決まっているので、思いつきで「○○の授業を増やすべきだ」と言っても実現するためにはあっちもこっちも調整する必要があります。
時間的に余裕があるわけではない。何かを増やすというのは何かを減らすこととイコールです。

さらには、これにしたがって必要とされる教員数も決まっていますし、第一40人学級制度については批判しかないと言っても良いでしょう。
最近フィンランドの教育が成果を上げていると紹介されていますが、

フィンランドの教育予算の国家予算に占める割合は15%。対GDP比では、6.0%(02年度)。
日本の教育予算の対GDP比は、4.7%
といったデータもあります。
どう考えても「教科の修正」の問題じゃないでしょう。

こんな事があるから、教育再生会議は井戸端会議だ(日経新聞社説5月18日)と書かれてしまうわけです。

その上で、一体この答申案は何を言いたいのか。というよりどうしたいのか?
安倍政権のアリバイ作りといった意味以上はないと思うのです。

5月 26, 2007 at 11:05 午前 天災 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2007.05.24

裁判員制度、問題がゾロゾロ

読売新聞より「裁判員制度、裁判長から死刑選択の可否質問も…諮問委答申

2009年に始まる裁判員制度に向け、最高裁の刑事規則制定諮問委員会は23日、裁判員の日当を上限1日1万円とするなど裁判員制度に関する規則案をまとめ、最高裁に答申した。

裁判員の選任手続きでは、呼び出しを受けて裁判所に来た約30人の候補者の中から、事件を審理する6人の裁判員が選ばれる。

候補者への質問は原則、全員に対して個別に行われるが、まず、予断や偏見なく審理出来るかどうか判断するため、〈1〉事件の被告や被害者と関係があるか〈2〉自分や家族などが類似の犯罪の被害に遭ったことがあるか〈3〉事件のことを報道などで知っているか――などを聞くことになる。

さらに、死刑の可能性がある重大事件では、「有罪とされた場合、法律で定められた刑を前提に量刑を判断出来ますか」「どのような犯罪であっても、絶対に死刑を選択しないと決めていますか」など、死刑制度に対する考え方を確かめる質問もされるという。

裁判員候補者に対する質問案については、法曹3者の中には、もっと候補者の家族構成や学歴、職歴、裁判員としての心構えなどにも踏み込んで聞くべきだとの意見もあったが、裁判員の負担軽減を考え、ぎりぎりまで質問数を絞り込んだ。

わたしは裁判員制度について、当初から賛成でしたが実施が近づくにつれてドンドン問題が出てきて「本当に出来るのか?」という感じが強くなってきています。

今回発表された内容もちょっと「???」です。整理すると

  • 30人の裁判員候補を裁判所に呼び出す
  • 1人ずつ面接する
  • 事件の被害者・加害者と関係があるか
  • 自分や家族が類似の犯罪被害に遭ったことがあるか
  • 事件のことを報道で知っているか
  • 量刑を判断できるか
  • 死刑を選択できるか
  • 4人までは検察・弁護側が裁判員になることを拒否できる。
  • 最終的に6人の裁判員を選任する

これを実行するのにどれほどの時間が掛かるのでしょうか?
そもそもこれを一日で全部終わらせることが出来るのか?

8時間として(そんなに時間は掛けられないと思う)480分、30人で割ると1人16分。
各種手続きを考えると、1人の面接に割ける時間は数分でしょう。

そもそも、上記の内容を一律に面接で聞くとして、その結果の反映は一律になるとは思えない。
特に「類似の犯罪被害に遭ったことがあるか?」について、YES であれば裁判員として不適格とするのは合理的と言えるのか?
まぁ被害に遭ったとなれば、相応に思い込みがあると断ずるのは当然かもしれないが、被害に遭わなくても思い込みがある例は幾らでもあるだろう。
わたしは、裁判員制度すなわち一般市民が判決に関わる必要があると考えた理由の一つに、裁判官の知識が社会の常識とずれている場合にどうするのだ?という問題が意識がありました。

特に技術的あるいは専門家の領域の知識については、裁判所が選任した鑑定人の意見を無批判に採用したりしていないのか?といったところが問題だと思っています。
裁判員制度で改善が期待できるのがこういった面であるとすると「思い込みがあった方が良い」とも言えるわけです。

冷静に考えるとえらく難しい問題であるのは明らかですが、これを「同種の犯罪被害に遭ったことがあるか? YES or NO を聞いただけで判定できるのか?判断の意味があるのか?」とは思うわけです。

「量刑の判断が出来るか」については聞くだけムダだと思う。
元の記事では「有罪とされた場合、法律で定められた刑を前提に量刑を判断出来ますか」となっているが、この質問に対して「判断できません」というのはどういう人を想定しているのだろう?逆に「どんな場合でも絶対に正確に判断できます」と返事できる人は居るのだろうか?
まして「刑の相場はどうなっているのだ?」は以前から問題になっています。「判断できません」という回答の中に少なからず「相場は分からない」が入ってしまう可能性がある、おそらくは「相場の判断については問題にしない」となるとは思いますが、そんなことを面接時間数分の間で説明や議論が出来るとは思えない。

こんな風に問題点を考えた場合、30人の候補から6人を選ぶことについて、何日も掛かるようだと実際の裁判を開くのがいつになるか分からない、ということになりかねないのではないか?と危惧します。

読売新聞の別の記事を紹介します。「同一被告複数事件の「部分判決制」成立…裁判員制へ法改正

2009年に始まる裁判員制度に向け、複数の事件で起訴された被告の裁判を事件ごとに分離し、それぞれ別々の裁判員が審理する「部分判決制度」を盛り込んだ改正裁判員法が22日、衆院本会議で可決、成立した。

今回の改正は、1988~89年に幼女4人を次々に殺害した宮崎勤死刑囚の裁判のようなケースを想定している。
この裁判では四つの事件を順々に審理したため、1審の死刑判決まで7年かかった。
裁判員制度で同じ方法をとると、裁判員の負担が大きくなる。

このため、導入される部分判決制度では、例えば、被告がA、B、Cの三つの事件で起訴された場合、裁判官が裁判を三つに分離する決定をし、それぞれ別の裁判員を選ぶ。
裁判官はすべての審理を担当する。

この法律改正については、わたしが読んでいる法曹関係者の記事にかなり明確な批判が出ています。

元検弁護士のつぶやき

●裁判員制度の「部分判決制」
誰が考えたのか知りませんが、かなり無茶苦茶な制度のように思います。

ボツネタ

裁判員法 施行もされていないのに 改正法が成立
最初の法案が,よく考えず,とりあえず,成立させたものだっていうのが,よくわかりますね。

こういうニュースと合わせて読むと「現行の法体系に裁判員制度だけ取って付けてもダメだろう」となりますが、これは以前から指摘がありました。

1年前の記事ですが「裁判員制度・自白を考える」で、落合弁護士の記事を紹介しています。

自白に依存した立証が多用される制度(正に「自白の重要性」が語られる、我が国の現行刑事司法です)においては、自白の任意性(証拠能力)、信用性(証明力)の評価が極めて重要にならざるを得ず、そういった評価を裁判員に強いるのは、極めて困難(ほとんど不可能)であるというのが、私の率直な意見です。

この問題は、

自白に依存した立証を多用させる刑事実体法の
内容によるところが大きく、
本当に裁判員制度を実効性のあるものにしよう
とするのであれば、
刑事実体法を大改革し、
犯罪成立上、客観的な要素を中心に据えて、
犯罪体系を構築する必要があるでしょう。
その点を放置したまま、裁判員制度を導入しても、裁判官や検察官、弁護士(いずれも専門教育を受け職業として刑事裁判に携わっている)ですら認定に悩む自白の任意性、信用性を、裁判員に的確に判断しろ、というのが無理というものです(例外はあると思いますがごく一部でしょう)。

各地で、裁判員制度を想定した模擬裁判が行われているようですが、やればやるほど、こういった本質的な問題を解決しないまま制度だけを作ってしまった問題点が深刻化するだけではないかと思います。

と述べていらっしゃいます。

おそらくは、問題のかなり多くがここに集中するのですが、実は法律の構成に「犯意」が入っているので、今度は法律全体を変えないとダメだとなって、それでは法律の基になっている文化についても検証が必要だ、となりますから「百年河清を待つ」でも出来ないことでしょう。
一方で、法律も国内や国内の文化だけに立脚していればよいという時代は終わりつつあって、刑事罰や裁判のあり方について世界中が相互に批判しているのですから、何らかの世界的な文化水準に合わせた法的判断の標準化、といったことが求められているのも明らかです。
ドンドン話は大きくなっていきますが、これが現代なのでしょう。

5月 24, 2007 at 09:57 午前 裁判員裁判 | | コメント (8) | トラックバック (2)

2007.05.23

医師の書類送検

産経関西より「呼吸器外し女性死亡 50代医師を書類送検 和歌山県立医大

和歌山県立医科大付属病院で昨年2月、延命措置の中止を目的に80歳代の女性患者の人工呼吸器を取り外し、死亡させたとして、県警が殺人容疑で、50歳代の男性医師を書類送検していたことが22日、分かった。
終末期医療をめぐっては、延命措置を中止する明確なルールはないが、県警は家族の強い希望や病状を考慮して「悪質性は低い」とみており、和歌山地検は処分を慎重に検討するとみられる。

調べなどによると、男性医師は脳神経外科が専門で、県立医大の助教授だった昨年2月27日、脳内出血で同分院に運ばれた女性の緊急手術を行った。手術後に女性は脳死状態に陥り、家族から「遠方の親族が来るまで延命措置をしてほしい」と頼まれ、人工呼吸器を付けたという。

その後、女性の家族が「苦しませるのは忍びない。お別れができたので自然死させてほしい」と要請。医師は「できない」と断ったが、翌28日午後9時半ごろ、脳死判定のため自発呼吸の有無を調べようとして人工呼吸器を外し、女性はまもなく死亡した。

医師は3月2日に分院長に報告。同病院では調査委員会を設置した上で、同月28日、県警妙寺署に届けた。

県警は呼吸器取り外しと女性の死亡との因果関係を捜査。診療記録の鑑定などを行った結果、呼吸器を付けていても女性が死亡した可能性は高いものの、外したことで死期を早めたと判断。
今年1月9日に書類送検に踏み切った。

22日に記者会見した和歌山県立医大病院は、医師の措置に問題はなかったとの認識を示したうえで、「明らかな犯罪性や過誤があるとは思っていなかった。(書類送検は)非常にびっくりしている」と困惑した表情で語った。

説明によると、呼吸器外しが発覚した後、調査委員会を設置して検討。
家族の依頼で呼吸器をつけた行為が患者の延命措置にあたるかどうかが問題となったが、明確な結論は出ていないという。

自ら県警に届けた理由は、「医療現場における問題は非常に判断が難しい。犯罪性があるわけではないが、警察にも判断を仰いだほうがいいだろうと決めた」と述べた。

最初この記事を見つけたときに「事件なのか」と思ったのですが、よくよく読んでみたら誰も自分で決定したことにしたくないのでたらい回しにしているのだ、と分かりました。

  1. 家族は呼吸器の取り外しを医師に要請
    医師は断る
  2. 脳死判定のために呼吸器をとりはずした
    患者死亡
  3. 医師は病院に報告
    病院は調査委員会を設置
  4. 調査委員会は問題ないと判断した
    が警察にも届けた
  5. 警察は書類送検に踏み切った

その時々で妥当な決断をしているとしながらも、その後に自身の判断の妥当性を他者に確認するつもりで渡していったら、書類送検になってしまった。
というところでしょうか。

こういう手順で厳密な判断を得ることが、社会にとって有用なことなのでしょうか?
逆に命が助かった場合でも救命行為が法律違反になる場合もあるわけです。なんか個々には正しいように見えても全体としておかしいことになっている、といった印象がぬぐえません。
工程管理では、各工程でその工程自体は最善である状態を組み合わせても、全体が最善になる結果には結びつかないのはよく知られていることで、各部分が全体の整合性について考えていることが重要とされています。
各部分(部門)が全体について考えていないケースに繋がっているように思います。

5月 23, 2007 at 09:49 午前 事件と裁判, 医療・生命・衛生 | | コメント (1) | トラックバック (2)

2007.05.22

セグウェイの販売計画

日刊工業新聞より「キヤノンマーケティングジャパンが日本SGIとの提携関係を強化 法人向けに電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」を発売

キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は、日本SGI株式会社(日本SGI)との提携関係を強化し、日本SGIが国内正規総販売代理店として提供している電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」を6月21日より発売します。

ITソリューション分野の提携商品を拡充し、「セグウェイ」を最先端のIT技術が凝縮されたIT輸送機器として位置づけ、工場や大学、大規模商業施設など広い敷地を持つ法人を対象に、キヤノンMJの強固な販売網を生かし拡販していきます。

汎用モデルの「Segway PT i2」は、最高速度が時速20キロメートルで、8~10時間のフル充電で約38キロメートルの走行が可能です。
また、フル充電での走行距離が約22.5キロメートルで、ゴルフ場などで使用できるオフロードモデル「Segway PT x2」も合わせて発売します。

警備向けの「Segway PT i2 Police」や、工場・物流向け「Segway PT i2 Commercial Cargo」、ゴルフ向け「Segway PT x2 Golf」、屋外業務向け「Segway PT x2 Explorer」など、具体的な用途に合わせたモデルも用意しています。

キヤノンMJはこれら製品本体の販売に加え、保険の販売や安全運転講習サービス、保守・修理サービスを含め提供していきます。

また、製造業に対し、キヤノンが提供している環境ソリューションの一環として、ガソリンを使わず環境に優しい輸送機器「セグウェイ」を提案し、工場の生産現場における環境負荷の低減と生産性の向上を支援していきます。

キヤノンMJは、セグウェイ関連の事業目標として2009年までの累計で売上25億円を目指します。

記事中の価格表によると、92万7千円~110万円で、月間100台を販売目標にしています。

公道は走れないから工場やゴルフ場といった広大な敷地を管理する必要がある組織に売り込むのでしょうが、よく考えるとこういう環境では自転車が主力になっているのではないでしょうか?つまりセグウェイは自転車を超えることが出来るのか?となりますが、日本では電動アシスト自転車が大々的に普及していて価格は6万円~18万円(三輪車)ぐらいですから、ほぼ100万円のセグウェイが良いという面がほとんど見えませんね。

公道で警察官のパトロールといったことには自転車よりも乗り降りが楽でしょうから向いているかもしれませんが、逆に荷物を曳くといったことはできないのじゃないかな?月間100台という目標は厳しいのではないだろうか?

むしろ電動アシスト自転車の実用的な優位性が目立つような気がする。

5月 22, 2007 at 10:04 午前 新商品やお買い物 | | コメント (3) | トラックバック (2)

2007.05.21

富士山頂気象観測装置が停止

東京新聞より「無人化強行 2年半 富士山測候所 データ途絶

気象庁が無人化した富士山頂の富士山測候所で、四月中旬から湿度が観測不能になっていることが分かった。
落雷や着雪による観測装置の障害が原因とみられる。
気温と気圧は辛うじて観測を続けている。三年前の無人化後、装置の故障やデータの異常で“綱渡り”の観測を繰り返してきたが、気温、湿度、気圧のいずれかのデータが完全に途絶えたのは初めて。

同庁は「自動観測技術の進歩で職員常駐は不要になった。無人化しても観測に支障はない」として、二〇〇四年十月、庁内外の異論を振り切って職員を下山させた。
観測装置は三系統あり、それぞれ気温と湿度、気圧を自動観測して同庁に衛星回線で送信していた。

同庁によると、このうち二系統の観測データが四月十四日未明に突然、一斉に途絶えた。
上空を強い雨雲が通過中だったため、落雷による障害の可能性が高いという。

残る一系統は、湿度が90%台を示したまま全く下がらなくなり「自然現象を観測しているとは言えない」として欠測扱いせざるを得なくなった。
「無人なので正確な状況は分からないが、観測装置に雪が大量に付くなど、水分の供給源が近い所にあるためではないか」(同庁)という。

このため、湿度データは四月十四日以降、一カ月以上も欠測が続いている。
残った一系統の気温と気圧については日々変動を繰り返しており、現時点では異常なデータとは判断していない。

残雪の少なくなる六月には職員を現地に派遣して、原因調査と復旧をさせる予定。
同庁観測部計画課では「山頂の湿度データを最も利用するのは、霧の有無などを判断する登山者。
今はまだ山開きしておらず、予報や防災情報にも直接の影響はない」としている。

富士山測候所は無人化後、トラブルが相次いだ。〇四年十一月、メーン観測装置二系統のうち一系統が故障。
昨年五月にはメーン二系統が壊れ、予備の一系統でしのいだ。
また、一昨年、昨年とも冬季に極端に高い湿度が続き、観測データが疑問視されていた。

<メモ>富士山測候所 1932年開設。65年、富士山レーダーも完成し、台風監視に活躍。99年のレーダー廃止後も職員4人が3週間交代で常駐、気象観測を続けた。
2004年の無人化後は気温、湿度、気圧と夏季の日照時間だけ機械で自動観測。
施設の劣化が懸念される中、大気化学の研究者らが極地高所観測の拠点としての再生を目指している。

無人化(2004年)の時にあっちこっちから懸念が出されたのですが、無人化を押し切ったという感じでした。
機器のメンテナンスに問題があるかな?と思っていたのですが、意外と早かったなという感じですね。

それにしても、気象観測機器が落雷や雪の付着といった気象現象で機能停止しては自動化できないということですね。
「利用するのが登山者だから」というのは基本的に言い訳にもなっていないと思う。

雪が付くといった現象については常駐者がいれば手作業で対応することだろうけど、落雷で壊れたなどというのは人が居ても修理以外の方法は無いのではないか?だとすると無人であるからすぐには修理できないというのでは、無人化のための策が確立していなかったというしかないと思うところです。

観測が止まった。観測が止まっても緊急に差しつかえない。というのは了解しても、この程度の対策しかないという状況でも無人化しなくてはならないのだとすると、そうなる背景の方がよほど問題だと思うところです。

5月 21, 2007 at 09:19 午前 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.05.20

再使用可能ロケット計画

FujiSankei Business i より「繰り返し100回使えるロケット 打ち上げへ計画案 宇宙航空研

繰り返し100回使える小型観測ロケットを開発し、2011年度の初打ち上げを目指すプロジェクト案を、宇宙航空研究開発機構の稲谷芳文宇宙科学研究本部教授らがまとめた。
千葉市で19日から始まった日本地球惑星科学連合大会で発表する。
打ち上げ後はパラシュートに頼らず、エンジンだけで発射場に帰還・着陸するほか、飛行中にホバリングもできるようにする。実現すれば世界初。

現在の観測ロケットは使い捨てで、1機2億~3億円するのに対し、再使用型にすることで打ち上げコストを1回約1500万円に引き下げ、観測・実験回数を増やすのが目的。
将来の有人宇宙飛行に必要な高い安全性と信頼性を実現する狙いもある。
稲谷教授らはこれまで基礎研究を行ってきたが、本格的な研究開発への移行を目指している。

新ロケットは高さ8~9メートル、重さ約8トン(燃料含む)。
大型のH2Aロケットと同じ最も効率が良い液体水素と液体酸素を燃料とするエンジンを4基備え、このうち1基が故障しても飛行できるようにする。
重さ約100キロの観測・実験装置を搭載し、最高で高度約120キロまで到達する。

発射場は鹿児島・内之浦宇宙空間観測所を想定。試験1号機を含む開発費は50億~100億円を見込んでいる。

稲谷教授らは、1999~03年度に秋田・能代多目的実験場で、小型実験機を8回、離着陸させた。その後はエンジンの推力調整や長寿命化の実験を続けている。

ロケットの離着陸なんてことをやっていたとは驚きです。

しかしながら、スペースシャトルが廃止になるのはエンジンの再利用の部分がダメだったとのことですから、再利用=コストダウンになるとは限らないなんですよね。

重量100キロ程度の衛星なら、飛行機から発射しても十分に衛星軌道に投入できると思うのですが・・・・。

5月 20, 2007 at 10:11 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)