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2007.05.19

もんじゅ再稼働へ

毎日新聞より「もんじゅ:ナトリウム注入し機器の試験 23日から

95年12月のナトリウム漏れ事故から運転を停止している高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、23日から2次系配管に原子炉の熱を伝えるナトリウムを流して機器の試験を行うと18日発表した。
原子力機構は来年5月の運転再開を目指し機器の安全確認作業を進めているが、再開には、国の安全審査を経て県や敦賀市の地元了解が必要になる。

95年の事故では、設計にミスがあった温度計が振動で折れ、配管から2次系ナトリウム約640キロが漏れて火災が発生した。
05年9月以降、折れにくい温度計に交換したり、事故時にナトリウムを素早く抜き取ることができるよう配管を太くするなどの改造工事が行われており、21日にも終了する見込み。

2次系配管はA~Cの3系統があり、23日はまずB系統で午前10時ごろから作業を開始。
タンクに圧力をかけ、約200度に保たれた液体ナトリウム約200立方メートルを、2日間かけて配管に注入する。
その後、他系統でも作業を行い、6月上旬には事故が起きたC系統にも12年ぶりにナトリウムが流れる。

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図がもんじゅの一次冷却系の配置図で、パイプがサイフォンのように壁を越えているのがミソなのだそうだ。以下が詳細図。

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要するに原子炉容器の外側に深い受け皿があるということで、ナトリウムのパイプの破断を含む原子炉容器からのナトリウム漏れに対応しています。

加圧水型原子炉のように圧力容器ではない大気圧での運転なので容器の厚さは薄く、液体ナトリウムの液面をアルゴンガスで覆って空気中の水分を遮断するのだそうです。
このために容器から液体ナトリウムが漏れても開放型の容器で受けることでナトリウムの液面が線上運転時と同じにして、空焚きにならないようにするとのことです。

一方、燃料棒の交換などは液体ナトリウムを大気に曝すことが出来ないので、容器を密閉したまま遠隔操作で交換するとのことで、要するに原子炉容器の上側構造はエアロックになっている。

原子炉容器内に受け皿を作ることで、ナトリウム液面が下がらないようにしている、というのは了解するとして、95年の温度計ケースの折損は人が入れる通路があるところで起きた。
つまり格納容器の外側で起きたわけです。

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これではナトリウム漏れについて対策になっているのか?となります。実際に燃焼して大変なことになったから95年から12年も止まってしまった。
ナトリウム冷却原子炉はうまく実用化しているのでしょうかね?
原子力潜水艦の動力源としてはごく初期段階から採用されていますが、失敗して加圧水型原子炉に積み替えられたという話ばかりが伝わっています。

通常の原子力発電所でも年中水漏れは起きているわけで、それがナトリウム漏れだと許されない(火災になる)という問題は解決不可能ではないか?と強く疑ります。
「うまく行けば大丈夫」という機械は信用できないんですよね。

5月 19, 2007 at 10:28 午後 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.05.18

教育再生会議批判

日経新聞社説より「教育「井戸端会議」なら全くいらない

この迷走ぶりは目に余る。教育再生会議が発足して7カ月。
近く第二次報告をまとめるが、会議では思いつきの発言や印象論、観念論が相次ぐばかりだ。
教育の構造改革につながるような本質的議論は影を潜めており、憂うべき状態である。

再生会議は二次報告に、こうした課題のほか学力向上のための土曜授業、大学の9月入学拡大、国立大補助金の見直しなどを盛り込む。

しかしこれまでの流れをみる限り、教育制度の抜本的改革を見据えた提言は期待できそうにない。議論は文部科学省出身の委員や事務局官僚が巧みに制御し、都合のよい意見だけを「つまみ食い」している。
さきの教育委員会改革をめぐる経緯にも、それは如実に表れている。

文科省から教委への上意下達システムに基づく画一的な教育は、様々な弊害を生んできた。
地方分権と規制緩和の下で、その硬直性を打ち破ろうとする試みも盛んだ。
再生会議が文科省とは別の存在である以上、そうした観点からも改革策を探るべきなのに、井戸端会議のような議論に終始しているのが実情である。

再生会議は年末に最終報告を出す予定で、まだ設置期間の折り返し点を過ぎたところだ。
今からでも立て直しは遅くない。
それができないなら存在価値はない。

もともと存在価値など無いと思っていたけど、本気でやるのなら予算配分から手を付けないと無理で、また非常に広範囲のサービスをしているのだからほんの僅かな変化も莫大なお金の動きになる。

授業時間の10%増加策でも土曜の授業の教員をどうやって確保するのかが大問題になるに決まっている。

ちょっと突けば、将棋倒し的に問題がどんどん拡大するわけで、それをどうするのかを考えないで思いつきで案を出しても実行できないに決まっている。

このまま空中分解するのではないだろうか?なんかを決めても実行できないだろうと思う。

5月 18, 2007 at 10:52 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.14

加西市長が不信任で失職・市長選挙に出馬する

産経関西より「職員採用問題 中川・加西市長が失職 2度目不信任

兵庫県加西市の職員採用試験で、中川暢三市長(51)の判断で合格者が入れ替わったとされる問題で、加西市議会は13日、臨時議会を開催。市長不信任案を可決した。
この日の不信任案可決は3月議会に続いて2度目であるため、地方自治法の規定で中川市長は同日付で失職した。
50日以内に市長選が行われることになっており、14日に出直し市長選の日程が決まる。

臨時議会は、中川氏の発案で、傍聴席が800席ある市民会館大ホールを議場とし、市民が傍聴しやすい日曜日に開催。
午前10時からの開会の前から大勢の市民が詰めかけ、傍聴席は満席となった。

臨時議会では、議員から「独断専行による政治手法により市政を混乱させた」などとして、市長不信任案が提出され、出席議員18人のうち、賛成16、反対2で不信任案を可決した。

閉会後に行われた記者会見で、中川氏は2度の不信任について「議会とのコミュニケーションが欠如していただけで、(市政運営は)間違っていない」としたうえで「改めて市民に信を問うため立候補する」と話し、出直し市長選への出馬を表明した。

中川氏は平成17年7月、市政の改革を訴えて市長選に立候補し、当時の現職を破って初当選。今年3月議会で表面化した職員採用試験問題で不信任が決まったが、中川氏が議会を解散。
4月22日に市議選が行われ、市長不支持派が多数当選していた。

この事件は数日前に「日曜日に市民ホールで傍聴人800人で市議会」という記事にビックリして、それから調べ始めました。

そもそも、地方議会と首長の関係は首相と国会議員との関係とは違っています。首長も地方議会議員も直接選挙されます。これに対して首相は国会議員によって選ばれます。
首相は間接選挙で選ばれるので議院内閣制度となっています。

このために、首相が国会全体と対立することはちょっと無いわけで、常に与党がありますが、地方自治体では首長が無党派で押し通すと「議会は総野党」になるし、逆に「総与党」にもなります。
これが「首長は独裁者」などと言われる理由の一つでしょう。

議会と首長が対立すると、不信任決議が議会で可決することが出来ます。
これに対して、首長が応じる方法は

  • 辞任する
  • 失職する
  • 議会を解散する
があります。
この手の「争い」では、基本的には「勝つか負けるか」であると思うのですが、上記に3つ書いててある通り、第三の道があります。

辞職した場合は、次の選挙に出ることが出来ませんが、失職すると知事選挙になりますから、そこで再出馬して民意に決めて貰うという方法があります。
これと田中康夫長野県知事がやった手法で、今回の中川暢三加西市長の行動は形の上では全く同じように見えます。

それで、ちょっと追いかけてみたらこんな記事が見つかりました。
追撃コラム & 取材メモより「元長野県知事候補の中川暢三・兵庫県加西市長が不信任突き付けられ、議会解散!

02年の長野県知事選に出馬し落選したあと05年7月、故郷の兵庫県加西市長になっていた中川暢三氏(51)が同市の職員採用問題で、3月29日議会から不信任決議案を出され賛成18、反対1で可決される騒ぎとなっている。
中川市長は辞職か、議会解散の選択を迫られ、4月6日に議会解散をすると見られていたが、一日早く5日解散権を行使した。

中川市長が悪いようになっているマスコミ報道は、上っ面の客観報道のためで、実態は長年にわたる同市の職員採用問題に中川市長がメスを入れたため、患者の議会が悲鳴を上げているということのようだ。

この問題については同市で百条委員会も設けられている。
百条委員会、不信任決議案可決、首長の辞職か議会解散か─などと聞くと、なにやら数年前の長野県政とオーバーラップするものがある。

同市では市職員の採用について以前からとかくの噂があった。
中川市長が初当選し、市長に就任した05年7月29日から問題の根はあった。
本来なら中川市長の就任以降に行われるはずの職員採用が、中川市長が就任する数日前に駆け込みで行われたのだという。
なぜこんなことが行われたのかは、特に説明しなくてもお分かりだろう。

同市の議員18人のうち4人が市職員OBだという。こんなに多くの職員OBが議員になっている例はそう多くはないだろう。こういうものの統計もないので私の経験から知りえた知識でいうと、この程度の定員の議会では、いてもせいぜい一人か二人だ。議会は行政のチェック機関なので、そこにチェックされる立場の職員OBが多くいるのは好ましいことではない。

この騒動の根底にはこういう問題があるのだが、マスコミ報道はそういうことには触れていない。
ただ、いま起こっている現象の上っ面だけを報じている。事実に肉薄し、掘り下げた報道を─というのはマスコミの決まり文句だが、実態は斯くの如しだ。

中川市長によってきょう議会が解散されたが、元々この4月の統一地方選挙で加西市議会は任期満了の選挙をすることになっていた。議会からの不信任に対抗して市長は議会の解散権を行使できることになっているのだが、実質的に市長の対抗権は封じられた形だ。議員は議席を失うというリスクなしに市長に不信任を突き付けたことになる。いわば、おきて破りの不信任決議でもある。
このような形の不信任決議に市民がどのような判断をするか注目されるところだ。

マスコミも大きく取り上げているのだが、議会側はこれほどの騒ぎになると思っていなかったようだ。
中川市長とこれを支持する市民グループは11、14日の両日、市民向けに千人規模の説明集会を開くことにしている。この集会の盛り上がり具合が今後の加西市政の行方を占うことになる。

市議会選挙は4月15日告示、22日投票で行われるが、反中川市長派が多数当選し、また不信任決議が可決されれば、今度は市長選が行われることになる。
中川市長は出直し市長選に立候補する考えだ。

この記事が書かれたのは、統一地方選挙の前で、最後にあるように

反中川市長派が多数当選し、
また不信任決議が可決されれば、
今度は市長選が行われる

がそのまま現実のものとなったわけです。

まぁ、議場を市民ホールに移して日曜日に議会を開いたというのはいささか違和感はありますが、これで市長選挙になるわけでちょっと結果待ちでしょうか?
正直な話が、こんな背景がある事件だとは思っていませんでした、知事の独善的な動きか?と思っていたのですが、意外と問題はややこしいようですし市民がどういう判定をするのか非常に興味深いです。

5月 14, 2007 at 10:17 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ジェットコースター脱線死亡事故その7

Up_16 四国新聞より「検査で摩耗見逃しか/大阪のコースター事故

「エキスポランド」で事故を起こしたジェットコースター「風神雷神☆」と同じ立って乗るタイプで、別の遊園地にあるコースターの車軸が、7年で交換が必要な基準値まで摩耗し、交換されていたことが13日、分かった。

関係者によると、7年で車軸を交換していたコースターを運行するのはよみうりランド(川崎市)。
風神雷神☆と同じトーゴ社製で、超音波などで小さな傷を調べる探傷試験を委託するメンテナンス会社「トーゴサービス」は8年での交換を奨励していた。

解説によると、写真は破断したシャフトと同じものだそうです。

写真の上側がネジで、穴はクラウンナットのワイヤー穴でしょうね。

この写真の上・下どちら側に車輪ユニットが付くのかちょっと分からないのですが、写真で見ると下側はテーパー軸のようにも見えます。

写真の下側は、ナットですよねぇ?

気になるのは「基準値まで摩耗した」でして、どこが摩耗するのだ?とも思うところです。

どういう動きをする仕組みなのでしょうかね?

5月 14, 2007 at 09:30 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.05.13

ジェットコースター脱線死亡事故その6

朝日新聞より「エキスポランド社、探傷試験の記録残さず

エキスポランド社が車軸の微細な傷を調べる「探傷試験」について、実施結果を示した記録を社内に保管していなかったことが関係者の話で分かった。府警は同社のずさんな安全管理が事故を起こしたとみており、エキスポ社の検査担当者らから探傷試験の実施状況を聴く。

探傷試験は、遊戯施設の車軸など主要部品について、目視では判別できない微細な亀裂や傷を超音波や磁粉で調べる試験。日本工業規格(JIS)が年1回以上の実施を定めている。

エキスポ社は、毎年1~2月にこのコースターの定期検査を行い、探傷試験も実施していた。しかし、今年は試験の場所が確保できないとして探傷試験のみを大型連休後に延期したとされる。03年以前にもこうした先送りが複数回あったという。

エキスポ社は少なくとも06年までの3年間については、通常通り定期検査時に探傷試験を実施した、と説明している。

ところが事故原因を分析するため、府警がエキスポ社を

家宅捜索したところ、
昨年までに実施した探傷試験の
記録が見つかっていない

という。

JISの基準作成にかかわっている専門家は「試験を実施すれば記録を取り、それを保管するのは、法律以前の事業者としての常識」としている。これに対し、エキスポ社は記録の有無について「わからない」としている。

どこの世界に探傷試験のの結果を残さないということがあるのものか。

探傷試験に問題が無くても、後で問題が起きたときに「探傷試験の結果を検討しよう」となるのが普通だろう。だとすれば次回の探傷試験までは記録を残さないと、探傷試験を実施した意味がない。

「分からない」ではなくて「実施していない」のではないだろうか?少なくとも「検査結果の活用をする意志がなかった」と責められても仕方あるまい。

ところで、エキスポランドの施設で探傷試験を実施するべき施設は複数あるようだが、その記録はどうなっているのだろうか?非常に気になる。

5月 13, 2007 at 11:59 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)