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2007.01.12

不二家の不祥事

不二家の洋菓子製造ラインで消費期限切れ牛乳の使用から工場と店舗の全面休止という大騒動になっていますが、毎日新聞が時間を追って記事を出しています。

最新更新日時
     
記事のタイトルおよび概要

1月11日 16時13分     不二家:洋菓子販売を全面的に休止 社長陳謝
                                    昨年11月8日に埼玉工場で製造したシュークリーム2000個に前日が消費期限となっていた牛乳を使用していた。
シュークリームは1都9県で販売された。
このほか、社内調査によって、りんごの加工品「アップルフィーリング」を期限切れのまま出荷したり、殺菌検査で出荷基準に満たない洋菓子「シューロール」を出荷していたことなども新たに判明したという。

同社は今後、問題のあった埼玉工場を含む全5工場で操業を休止。
同日から全国の不二家チェーン約800店舗での洋菓子販売を休止する。

一方、この問題を受けて、埼玉県は11日、同社埼玉工場を立ち入り検査した。

1月12日 01時27分  不二家:基準超す細菌検出の菓子出荷…消費者から厳しい声
                                    昨年6月8日に埼玉工場(埼玉県新座市)で製造したシューロールで、基準を超える細菌を検出した113本をそのまま出荷した。
昨年9月、洋菓子事業の再建に向けて設立した構造改革チーム「2010推進プロジェクト」の調査で分かった。

一連の問題の発端となった「期限切れ」も、同チームによる職員のヒアリングで分かった。
同11月8日、前日に期限切れになった牛乳を使用していたケースが判明。
同13日にこの事実をまとめた報告書を管理職など約30人に配布したが、報告書には「期限切れの原料使用がマスコミに発覚すれば、雪印(乳業)の二の舞となることは避けられない」と記した文書が添付されていた。
この時点での公表見送りは、雪印乳業の事例におびえ、隠し続けようとしたとも受け取れる。

混乱ぶりは、休業を決めた店舗でも垣間見られた。

1月12日 01時16分  不二家:問題隠ぺいの形跡?「雪印の二の舞い」と内部文書
                                    藤井林太郎社長は、食品衛生法の規定の10倍、社内基準の100倍の細菌が検出された洋菓子「シューロール」を出荷していたことを明らかにした。
同社は「発覚すれば(解体的出直しを迫られた)雪印乳業の二の舞いは避けられない」との内部文書を作成しており、問題を隠し続けようとした形跡もある。

内部文書は社内の調査チームが作った報告書に添付されていた。

藤井社長は、自身の責任について「社会的に信頼回復を図ることを一義に考えたい」と述べるにとどまった。

1月12日 10時56分  不二家:株が続落 昨年の最安値割る
                                    12日の東京株式市場で、消費期限切れ原料の使用で洋菓子販売を全面休止した大手菓子メーカー・不二家の株に売り注文が相次いだ。
不二家株は3日続落。
一時、前日終値比22円安の189円まで値を下げ、取引時間中としては昨年7月27日以来、約5カ月半ぶりに200円を割り込んで昨年の最安値194円も下回った。

1月12日 12時43分  不二家:埼玉工場、安全管理マニュアルなし
                                    埼玉工場には製品ごとに使われた原料の消費期限などの記録や、安全管理マニュアルがないことが、埼玉県の11日の立ち入り検査で分かった。

同県によると、製造日報はあったが、製品ごとの使用原料の記録の詳細は残っていなかった。
国の衛生規範には義務化されていないが、県は「大手企業なら記録するべきで安全管理がお粗末」と話した。
食品衛生法上の立ち入りで、同法違反は見つからなかったが、県は同工場に安全管理体制が確立されるまで製造を停止し、今後の対策をまとめた報告書を提出するよう指導した。

1月12日 14時08分  不二家:北海道、栃木、佐賀の3工場に立ち入り検査
                                    北海道、栃木、佐賀の3工場に対して、各道県の保健所が12日午前までに、食品衛生法に基づく立ち入り検査を実施した。



テレビニュースによると、記者会見での質問で「誰が期限の過ぎた牛乳を使用すると判断したのか?」という質問に対して「60代のベテラン職人が独断で決めた」といった趣旨の返事をしてテレビ側がかなり批判していました。
また、細菌の数値が食品衛生法を上回っていた製品を出荷したという情報をわたしは「どうやって分かったのだ?」と思っていたら、検査して記録したのに出荷指示票(検査合格)には反映していなかったのだそうです。
これではなんのために検査しているのか分からない。対策を「2名から3名に増やす」というのですが、そういう問題じゃないでしょう。

マスコミも厳しく批判していますが、なんか鋭い決定の出来ない生ぬるい会社、という印象になりましたね。
株価への影響は大きいでしょうが、そもそも2006年12月13日に系列子会社でレストラン経営の不二家フードサービスをファンドとの共同会社にして経営再建をする、発表したところです。

株価は12月12日は前日比+5%、出来高は15倍。
それが1月11には、前日比-9.5%、出来高は51倍(12月13日の4倍)となりました。

経営判断として厳しく責任を追及されています。

1月 12, 2007 at 03:04 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (2) | トラックバック (3)

2007.01.10

通信の秘密は未定義なのか?

昨日の夜は情報ネットワーク法学会の勉強会でした。

内容はミスターITこと高橋郁夫弁護士のプレゼンテーションでタイトルが「通信の秘密の数奇な運命」というものでした。

高橋弁護士とはずいぶん前からの知り合いで、あちこちでお目にかかっている間柄です。
タイトルだけでは内容はさっぱり想像がつかないのですが、高橋弁護士のお話なら面白くないはずもない。ということで出かけました。

実は情報ネットワーク法学会の総会以外の会議に参加したのは今回が初めてです。
ざっと20人ほどの勉強会でしたが、目からうろこと言うかものすごいお話を伺いました。

ネットワーク管理者として何かと考えなくてはならないことも一つに「通信の秘密」があります。
高橋弁護士のプレゼンテーションは、この「通信の秘密」というものが法律的にどういうことなのかを憲法の成立時点にまでさかのぼって解き明かしてみるというものでした。

一般的な理解として通信の秘密は憲法21条によるとされています。
第二十一条
  • 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
  • 検閲は、これをしてはならない。
  • 通信の秘密は、これを侵してはならない。
これを素直に読むと、通信の秘密は表現の自由の中に含まれていると、なってしまいます。
つまりあまりよくわからない。

帝国憲法では現憲法の通信の秘密に相当するのは
第26条
  • 日本臣民ハ法律ニ定メタル場合ヲ除ク外信書ノ秘密ヲ侵サルヽコトナシ
となっていて、いわゆる信書の秘密にあたります。

そこで、通信の秘密とは「通信の本文=コンテンツ」と「通信をしていることの情報」のどちらなのか、あるいは両方なのか、が問題だとされます。

通信の秘密を守る側の立場から言うと、通信をしているかしていないか自体を明らかにしないとされますが、DDoS攻撃対策やWinny対策は、通信をしているという事実をもとに、通信を遮断するといったことをプロバイダーが行う、とされています。
ここで通信をしている事実(高橋弁護士によると「トラフィック」)は通信の秘密に当たらないとすることで初めて対策できるとなります。

ネットワーク管理といった実務の観点からいうと、法律の専門家あるいは国がここら辺について明確な説明をしていないことが気になっているわけですが、高橋弁護士のプレゼンテーションによるとなんと憲法制定時にまでさかのぼっても、実は議論がされていなくて「通信の秘密とは何か」は憲法にはないも同然となるそうです。

この憲法で通信の秘密を明確に定義していないことが、刑法や通信に関する法律が、通信の秘密を明確に定義していない、当然通信の秘密を侵すことが何かわからない。というヘンテコな事態を引き起こしています。

確かに通信の秘密というものがはっきりしなかったことはよく承知していますが、なんとこれら憲法にまともに転院されていないし。元をさかのぼっても、まともに議論していなかったらしい。ということが、分かってきました。大変に興味深くも、びっくりするプレゼンテーションでした。

1月 10, 2007 at 09:04 午前 セキュリティと法学 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.01.09

入院日数を一定にする?

日経新聞より「入院医療費、1回あたり定額に・厚労省検討
厚生労働省は入院医療を対象に、病気やケガの種類が同じなら検査・投薬の数量や日数にかかわらず医療費を入院1回あたりの定額とする新制度を導入する検討に入った。
過剰診療を減らして医療の効率化を促し、欧米より長い入院日数を短縮する狙い。2008年4月の診療報酬改定で導入を目指す。

現在の医療費は入院・外来にかかわらず投薬や検査など診療行為ごとに決めた報酬単価を積み上げて算定する「出来高払い」が原則。
診療行為をすればするほど医療機関が受け取る報酬が増えるため、必要性の低い検査をするなど過剰診療になりやすい面がある。
このニュースは日経新聞にしか出ていないので、どこまで本当なのか?という気はしますが。

ちょっと無理ではないだろうか?
事前に入院回数を決めるとは、標準入院日数といったものを作っておくことになるだろう。
標準的な入院では標準入院日数で十分な治療が出来ることが必要なるが、そうなると標準入院日数は必要な日数ではなくて十分な日数になる。
つまり、標準的には常に入院日数が過剰である、となるような気がする。

言うまでもなく、患者の体力とか体質といった個々の違いがあるからそもそも標準入院日数が定義できるのか?という問題も出てくる。

どっちかというと、明らかに過剰な入院日数のある亊案をチェックして保険診療の停止といった措置を取る方が実際的ではないだろうか?

1月 9, 2007 at 09:15 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.01.08

組み立てたレゴがレゴを組み立てる

Engadget Japanese より「終わりの始まり:レゴを組み立てるレゴ
ドイツの学生グループがレゴ・マインドストームで制作したレゴ製全自動工場。
レゴがレゴを組み上げてレゴ車を完成させます。

レゴで論理ゲート ・ レゴでディファレンス・エンジンあたりから恐れていたことがついに現実となってしまったようです。
制作したグループに「次の目標」は決して実現してはならないと警告すれば間に合うかもしれませんが、もう手遅れかもしれません。
人類と文明の行く末を考えさせられるニュースの多い日です。
しゃれたコメントはとにかくとして、YouTube のムービーに注目です。
すごいわ。

1月 8, 2007 at 05:02 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.01.07

秋田空港着陸ミス事件

2007年1月6日12時過ぎに秋田空港で起きた大韓航空機の誘導路着陸事件の詳細が明らかになってきました。

朝日新聞より「大韓機の誘導路誤着陸、機長見誤りの可能性強まる
機長は「空港の手前7~8キロで2本の滑走路のようなものを見て、右と判断して降りた。
副操縦士は異状を感じて機長に指摘したが、機長は確信が持てず、そのまま着陸したという。
毎日新聞より「機長の単純ミスとほぼ断定 事故調査委
ボイスレコーダーには駐機場に移動した後に「誘導路に降りてしまった」と話す機長の声が録音されていた。副操縦士は着陸直前、誤認に気付き機長に指摘したが、確信がなかったため制止しなかったという。
機長は過去4、5回、秋田空港へ着陸経験があったが、いずれも自動操縦で着陸可能な空港東側からの進入で、目視確認が必要な西側からの進入は初めてだった。
NHKニュースより「誘導路着陸 明かり見落としか
機長は「滑走路の目印となる明かりがついていなかった」と話していることが新たにわかりました。
この明かりは「進入灯台」と呼ばれ、秋田空港では滑走路に2台設置されており、大韓航空機が到着した当時は点灯していたことが確認されています。
この三つの記事は非常に重要なことを示しています。

秋田空港は滑走路が1本で隣に誘導路がありますから、確かに見かけ上は二本の滑走路があるように見えます。
そこで、右側滑走路なのか左側滑走路なのかという判断をする必要があるのですが、飛行機は飛行場の地図をもって飛んでいます。
この地図には、どこで旋回してどちらに向かって降りていくのかといったことが、細かく記入されていて滑走路の形も描いてあります。
したがって秋田空港に西側から進入して、右側が滑走路だと認識するということはこの地図をうろ覚えで飛んでいたことになります。

さらに有視界飛行での進入だったのですから地図の確認はかなり重要なことだと思うのですが、それを副操縦士も機長も確信が持てずにそのまま降りてしまった。

すごいのはNHKニュースの報道で、進入灯台が点灯していなかったと書いてありますが、もし実際に点灯していないのであれば空港に問い合わせるべきことでしょう。

飛行機をめぐる事件としては、空港と交信しつつも全く間違った飛行場に降りてしまったという例もあって、このようなこと自体がそう珍しいことではありません。
つまりは十分に注意するべきことでした。

2002年に名古屋空港で起きた中華航空(台湾)のエアバスA300型機墜落事故では、機長と操縦士の関係が教官と学生の関係をそのまま引き継いでいて、副操縦士が機長の操作をチェックするゆとりが全くなく、二人が同じように操作を間違えた結果として墜落しました。
今回の大韓航空機の誘導路着陸事件も、もし副操縦士が「滑走路と確認できないのだからやりなおそう」と言えば、回避できた事件でした。

パイロットの判断の水準が大いに問題になる事案と言えるでしょう。

1月 7, 2007 at 10:16 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)