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2007.12.26

国家基本問題研究所なんだって

IZA 阿比留記者のブログより「来年に向けた一つの希望の光、国家基本問題研究所

阿比留記者の記事とはいえブログですから、少々略しますが「国家基本問題研究所」なんてものが出来ていたとは知りませんでした。

案内してもらったのができたばかりの保守系シンクタンク、「国家基本問題研究所」の真新しい事務所でした。
ジャーナリストの桜井よしこ氏と、田久保忠衛・杏林大客員教授らが中心となって呼びかけたものだそうです。

このシンクタンクは18日に約40人が参加して事務所開きをしたばかりだとのこと。
予定では、来年1月に米国による北朝鮮のテロ支援指定国家指定解除に反対する声明を出し、その後、記者会見やパーティーを開いて活動を本格化させるそうです。
将来的には、米国にあるようなときの政権の政策・方針にも影響を与えるような大きなシンクタンクにしていきたいという話でした。現在のメンバーは以下の通りです(50音順、敬称略)。

理事=石原慎太郎、伊藤隆、稲田朋美、遠藤浩一、小倉義人、城内実、斎藤禎、桜井よしこ、高池勝彦、田久保忠衛、塚本三郎、中條高徳、中西輝政、長島昭久、西修、平河祐弘、平沼赳夫、松原仁、屋山太郎、渡辺周 評議員=荒木和博、井尻千男、上田愛彦、潮匡人、梅澤昇平、工藤美代子、佐藤守、すぎやまこういち、芹澤ゆう、立林昭彦、西岡力、春山満、平松茂雄、渕辺美紀 企画委員=桜井よしこ、田久保忠衛、高池勝彦、潮匡人、遠藤浩一、大岩雄次郎、城内実、島田洋一、冨山泰、西岡力

民主党の若手議員が3人メンバーに入っていて、平沼氏も参加しているのが目につきますね。これがどういう意味を持つのか。
官僚はあえて入れなかったそうです。既得権益保護に走ることを警戒したということでしょうか。すでに支援者も集まりつつあるというこどした。
桜井氏恐るべしです。「趣意書」にはこうあります。

《私たちは現在の日本に言い知れぬ危機感を抱いております。緊張感と不安定の度を増す国際情勢とは裏腹に、戦後体制から脱却しようという志は揺らぎ、国民の関心はもっぱら当面の問題に偏っているように見受けられます。平成19年夏の参議院選挙では、憲法改正等、国の基本的な問題が置き去りにされ、その結果は国家としての重大な欠陥を露呈するものとなりました。

日本国憲法に象徴される戦後体制はもはや国際社会の変化に対応できず、ようやく憲法改正問題が日程に上がってきました。しかし、敗戦の後遺症はあまりに深刻で、その克服には、今なお、時間がかかると思われます。「歴史認識」問題は近隣諸国だけでなく、同盟国の米国との間にも存在します。教育は、学力低下や徳育の喪失もさることながら、その根底となるべき国家意識の欠如こそ重大な問題であります。国防を担う自衛隊は「普通の民主主義国」の軍隊と程遠いのが現状です。

「普通の民主主義国」としての条件を欠落させたまま我が国が現在に至っている原因は、政治家が見識を欠き、官僚機構が常に問題解決を先送りする陋習を変えず、その場凌ぎに終始してきたことにあります。加えて国民の意識にも問題があったものと考えられます。

私たちは、連綿と続く日本文明を誇りとし、かつ、広い国際的視野に立って、日本の在り方を再考しようとするものです。同時に、国際情勢の大変化に対応するため、社会の各分野で機能不全に陥りつつある日本を再生していきたいと思います。そこで国家基本問題研究所(国基研・JINF)を設立いたしました。

私たちは、あらゆる点で自由な純民間の研究所として、独立自尊の国家の構築に一役買いたいと念じております。私たちはまた、日本の真のあるべき姿を取り戻し、21世紀の国際社会に大きく貢献したいという気概をもつものであります。

この趣旨に御賛同いただき、御理解をいただければ幸いに存じます。御協力を賜りますようお願い申し上げます。》

ここに書かれている問題意識は、私も完全に共有します。
日本がこのままで溶けていってしまう、しかし、現在の政治情勢、国会の構成では政治にもなかなか期待できないというときに、こうしたシンクタンクの活動が始まるのは有意義なことだと考えます。
ある程度の規模と広がりを持たないと、社会に意見を十分に発信していくことは難しいでしょうが、その点でもメンバーはまだまだ増えそうですし、将来性に期待が持てる気がします。

来年に向けて楽しみが一つ生まれました。
今年は参院選以降、どうしても日本の将来にとっていい材料が思い浮かばず、煩悶することが多かったのですが、一筋の光明を見た思いです(少しおおげさですが)。
こうした保守系の活動が本格化し、その提言が政権・与党や国民各層の耳に届き、一定の影響力を持つようになればと心から願います。

平沼新党構想に期待をかける人も多いようです。ただ、これもタイミングと状況次第だと思うのですが、新党結成にはリスクも考えられます。例えば、自民、民主両党の保守派がある程度平沼新党に結集した後、保守派がほとんどいなくなった自民、民主両党が大連立し、公明党もついていった…なんてパターンも想定できます。となると、完全なサヨク・リベラル政権ができ、保守派はそれにほとんど影響力も発言権も持たなくなるという事態も生じかねません。逆に、平沼新党がキャスティングボードを握るような展開になれば面白いのですが、どうでしょうね。

まあ、先のことは分かりませんから、今はこつこつとやれることをやるだけですね。私自身も年が変わるのをきっかけに、心機一転したいと思っています。政治はまだまだ、来年もドタバタ劇や離合集散、悲喜こもごもの愛憎劇に脱力してしまうような愚かな現象…といろいろありそうです。

阿比留記者の意見に全面的に同意は出来ませんが、その代表が仕組みの変更に大きく寄りかかりすぎているのではないのか?と感じられるところです。

確かに「国家基本問題研究所」なるシンクタンクを作るのは勝手だし、全くの無意味とも思わないが、理事などに名を連ねている人たちが作ってきた社会が問題なのじゃないのか? そりゃ「わたしたちは野党でした。自分たちの考えていた社会(国家)と現実が違うから作り直す」という意見はあるだろうけど、

教育は、学力低下や徳育の喪失もさることながら、その根底となるべき国家意識の欠如こそ重大な問題であります。

そうなのか? じゃあ、国家意識つまり国家帰属意識以外のところは現在の教育はそれなりの効果を上げているのか?
そんな視点から教育問題を取り上げていたらここまで大きな騒動になっているわけが無いだろう。
単に「近頃の若者に社会を任せることが出来るのか?」という漠然とした不安が誰にでもある、というのが実情で、それを「国家意識の欠如」に理由を求めるのは無理がありすぎだろう。

なんというか、五十歩百歩というか、どちらも古いよという印象が極めて強い。
この際だから、偏見と非難されることを承知で書いてしまうが、阿比留記者も櫻井よしこ氏も「ジャーナリスト」の枠の中にとどまって、周囲に影響力を及ぼすつもりなのだと思う。

広い意味でのジャーナリストつまり何かを伝える人というのは、社会の一人ひとりが伝えたい事がある人の代理人だろう。
ネットワークの実用化は、代理人の必要性を非常に大きく減らしてしまった。あるいは、減って当然なのだ。
だから新聞の販売数は大きく落ち込んでいるし、テレビも見る人が減ってきた。
その分だけジャーナリストの発言力は割り引いて考えなければならない。

では、なぜそのようなマクロな「ジャーナリスト削減論」に対して、現実は個々のジャーナリストは活躍できるのか?
もちろん「使いやすいから」しかないですよ。
ネットに集まる顔の見えない大衆よりも個人が分かっているジャーナリストの方が扱いやすい。

ジャーナリストがネットワークを目の敵のように扱っている事の問題点は、ジャーナリストが本来立脚するべき「大衆からの意見を代理する」という本質的な仕事の「大衆」から足を踏み外しかけている事でしょう。 易きに流れているのではないでしょうかね?

国家基本問題研究所

12月 26, 2007 at 01:35 午後 国内の政治・行政・司法 |

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櫻井よしこ氏、田久保忠衛氏、屋山太郎氏が中心となって本格的な真正保守のシンクタンクを結成との記事を見たのが、2007年10月25日だった。それ... 続きを読む

受信: 2008/01/21 23:04:27

コメント

ご説ごもっとも。ではまずあなたから有効な事を始められてはどうか?

投稿: さわさわさわ | 2008/01/23 12:22:47

他人が起こした行動にイチャモンつけるのは誰でも出来るし悪い癖で、不毛もしくは害を招きますよ。
対案は何があるのか、あなたは何をするのかが価値ある事なんです。それを提示できない人がイチャモンだけ主張するのは不快なだけです。

投稿: にいあ | 2008/04/04 15:37:51

元報道関係者や民主の議員など、メンバーのバックグラウンドをあれこれあげつらうよりは、この「趣意書」の理念の是非を問うことの方が重要なのではないでしょうか。

私はこのようなシンクタンクがこのタイミングで創立されたことは意義深いと思います。

投稿: wizwire | 2008/04/04 21:21:26

今、日本の教育は平和呆け戦争は絶対にしては行けない、その通り、それにはどうしたら良いか、を教えてない、何も言わず成り行きに任せればよいのか、とんでもない世界の何処を探してもそんな流暢な国など1つもない、大人しくしていれば必ず攻めてくると考えていたほうが良い。戦争をしない、させない、なら軍備を強化すべきである。しかし戦争は絶対いけない。もっと大物でしたたかな政治家がいないものか、、今の日本の政治は50年先の話である。

投稿: 小松正郎 | 2008/06/23 17:02:03

ジャーナリストについてのあなたの見解に同意です。
なるほど!と納得してしまいました。

この研究所もジャーナリストも世の中に必要な部分もあるし、
貢献してくれる部分もあると思うので全否定はしませんし、期待もしていますが、
何となくしっくりこないところがあるのも事実なんですよね。

なんというか、素晴らしいことを提言しているんだけど、微妙に市井の感覚から
ずれているというか・・・うーん、まあこれは個人的な感覚でしかないのでしょうし
大所高所から意見を言う場合はどうしてもそうなってしまうのかもしれませんし・・・。

投稿: オレンジ | 2008/07/15 21:06:28

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