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2007.12.05

小林元参院議員陣営の公選法違反事件・判決

東京新聞神奈川版より「検察側の構図、ほぼ追認 小林陣営選挙違反判決 出納責任者の被告の認識を認定

自民党の小林温・元議員(43)陣営の選挙違反事件は四日、横浜地裁で、出納責任者の被告(33)と自民党県連職員の被告(34)に有罪判決が言い渡された。

栗田健一裁判長は「小林元議員が示した『若さをアピールした選挙運動』という共通の認識の下で、若い大学生らを投入して選挙運動をさせた」という検察側が描いた構図を、ほぼ全面的に追認した。
両被告の弁護人は控訴を検討している。(中沢穣、佐藤大)

公判で最も激しく争われたのは、公選法違反で起訴された出納責任者の被告が、大学生らがビラ配りなど選挙運動をしていた実態について認識していたのかどうかという点だった。

判決は「認識を推認させる間接事実は認められない。他方で認識がなかったことを推認させる事実もない」として検察、弁護側双方がそれぞれ示した事実を退けた。

その上で、判決は、大学生らによる街頭活動の設営作業には「ビラ配りなど選挙運動が“一般的に”組み込まれていた」と指摘。

出納責任者の被告は十年以上にわたって衆院選や県知事選を手伝ったことがあり、こうした経験などから、「出納責任者の被告のみが(設営活動に)選挙運動が含まれていないと理解していたとは考えがたい」と述べ、状況証拠に基づき、出納責任者の被告の認識があったと認定した。

もう一つの争点だった「報酬の趣旨」については、判決は弁護側の主張を全面的に退け、「大学生らは機械的労務と選挙運動を一連一体として行っている。支払われた金額全体が選挙運動の報酬だった」と認定した。

一連の事件では、出納責任者の被告とともに逮捕された自民党横浜市連職員と、報酬を受け取った大学生らが起訴猶予処分となっている。
検察側は小林元議員への連座制適用を視野に、百日以内で判決言い渡しを求める「百日裁判」を申し立てていた。

量刑理由を聞き涙、出納責任者の被告、しばらく放心

出納責任者の被告は、判決の言い渡しがすべて終わった後も、しばらくは放心したように被告席に座り込んだままだった。

午後一時。地裁で一番大きい一〇一号法廷。出納責任者の被告は自民党県連職員の被告に続いて入廷した。黒のジャケット、グレーのスカート姿。一礼した顔に、不安そうな表情が張り付く。

判決の主文が告げられる。「出納責任者の被告を懲役一年二月に処する。五年間、刑の執行を猶予する」-。直立の姿勢で聞いた出納責任者の被告は、その瞬間も固まったように身動きしなかった。

裁判長に促されて被告席に着席すると、出納責任者の被告はハンカチを握りしめ、無表情のまま、じっと床を見つめていた。だが裁判長が判決の量刑理由を読み上げると、こらえきれなくなったのか、出納責任者の被告の目にみるみる涙がたまった。

閉廷後、同じく有罪判決を受けた自民党県連職員の被告は足早に法廷を後にした。
対照的に、出納責任者の被告は弁護人の方を向いて腰を下ろしたまま、しばらく動くことができなかった。

傍聴席には、多くの自民党関係者らが詰めかけたが、小林元議員の姿はなかった。

小林元議員の選対事務局長を務めた竹内英明・自民党県連幹事長は公判終了後、「厳しい。無罪の可能性もあると思っていた」と険しい表情。「もしかすると、ぼくたちも含めて一部の人間に(公職選挙法の)曲解があったかもしれない。あらためて確認していく。(有罪判決を受けた)二人のためにもちゃんと整理したい」と話した。

<メモ>小林氏陣営選挙違反事件参院選神奈川選挙区で当選した小林温氏陣営の出納責任者らが、運動員24人に街頭でビラ配りなどをした報酬として計百数十万円を支払ったとして、県警が公選法違反(買収)容疑で出納責任者ら3人を逮捕。
横浜地検は2人を起訴、残る1人と公選法違反(被買収)容疑で書類送検された運動員24人は起訴猶予とした。
小林氏は「国政の停滞を避ける」として、連座制の適用対象となる出納責任者らの「百日裁判」を待たずに議員辞職。
次点の松あきら氏(公明)が繰り上げ当選した。

わたしが手伝った、2007年4月の統一地方選挙では、「選挙に関わる人の報酬」について非常に厳しい判断になる、という情報が繰り返し流れてきました。
結果として、4年前の選挙ではOKだった報酬が全面的に出なくなりました。
学生諸君は交通費を使ってボランティア活動になってしまうので「今日は交通費がないから参加できない」という電話連絡を受けたこともあります。
「電車賃ぐらい出すから参加してよ」と言えないのは、まことに辛いものがあります。

そういう経験をした後の夏の選挙である参院選で起きた事件ですから「何をやっているのだ?」という感想だったのですが、その後も裁判でも徹底的に争うのを知ってビックリしていました。

別に公選法が改正になったわけでありません。いわば今までは「お目こぼし」だったわけです。
それが条文を厳しく見る、となっただけのことです。

ただ、選挙の実務において公選法の解釈などを誰がするのか?という問題はあります。

候補者本人はもちろん、対外的に動いている人には「法律の解釈を勉強する」時間がありません。
選管や警察さらには政党などでも「選挙についての説明」は何度も開かれますが、そこに参加する時間がない。

「事務方」と呼ぶ、出納責任者を筆頭として、選対事務局長など公式の役職者とその次長、といったあたりに「判断の全責任が掛かる」ものなのです。

わたしが手伝った選挙では、わたしは選対事務局次長といった役回りでしたが、前回との違いなどについては随分と考え判断して、それを皆さんに伝えて納得して動いていただくように努めました。

非常にチームワークが重要で、そうしないと情報が入ってきません。情報が無くては判断も出来ない。

選対事務局長はいわば表の顔で、報道陣の取材にも応じたりするのが重要な仕事ですから、実務も細かいところまで知っていて判断を下す立場にあるとは必ずしも言えません、むしろ政党職員などの方が情報量も多いはずだから適当な役回りでしょう。

単なる「役割の名前」でやっていたのでは選挙は出来ません。実質が伴わないと無理で、平均的に言えば選挙チームの活動期間はほぼ半年は掛かりますし、相応に経験者でないと厳しい。
そういう人材を得ることが出来なかった小林前議員が候補者としての基本的な資質に欠けていた、と言うべきです。

12月 5, 2007 at 10:18 午前 選挙 |

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