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2007.12.14

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決その2

「三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決」の詳細です。
朝日新聞より「三菱自元部長ら有罪 母子死傷事故で横浜地裁判決

横浜市で02年、走行中の三菱自動車製大型車の左前輪が外れて歩道の母子を直撃し、3人が死傷した事故を巡り、業務上過失致死傷罪に問われた同社の品質管理部門の元部長ら2人に対し、横浜地裁は13日、禁固1年6カ月執行猶予3年の判決を言い渡した。木口信之裁判長は検察側の主張にほぼ沿って事実認定したうえで、「2人の任務違背は重大で誠に悪質だが、リコールを回避しようとする会社の姿勢の中から発生した犯行」と指摘した。無罪を主張した両被告は同日、控訴した。

欠陥製品による人身事故が相次ぐなか、メーカーの担当幹部の怠慢に対する刑事責任が明確に認定されたことで、メーカー側には、これまで以上にトラブル発生時の誠実で迅速な対応が求められることになりそうだ。

起訴されていたのは、市場品質部の元部長(61)=求刑禁固2年=と、部下だった元グループ長(59)=同1年6カ月。

判決はまず、今回の死傷事故で破断していた車輪と車軸をつなぐ金属部品「ハブ」に欠陥があったかどうかを検討した。

三菱自動車では死傷事故までに39件の破損事故があったことなどから、「強度不足の欠陥があったと十分認定することができる」とし、欠陥が事故につながったと指摘。運転手側の整備不良や過酷な使用が原因だとする弁護側の主張は「運転手の使用状況が異常で悪質だったとまでは言えない」として退けた。

そのうえで、2人が今回の事故を予測できたかどうかについて検討。まず、元グループ長が、同社製のトラックのハブ破損事故が続出していた事実を、広島県で同社製バスのハブ破損事故が起きた99年には知っていたと認定。遅くともこの時点で「ハブの強度不足を疑えた」とした。2人がバス事故の報告を受けていたことと合わせて、いずれも「(ハブ破損で)人身事故が起きることを予測できた」と指摘した。

さらに、2人が今回の事故を回避する措置をとれたかについては、それぞれの職務を分析。旧運輸省からバス事故についての報告を求められた際、元部長については「部下に適切な報告を求め、徹底した原因調査を行わせ、リコールなどの措置に向けた手続きを進めるべきだった」、部下の元グループ長については「上司に措置をとるよう進言すべきだった」と指摘。2人の怠慢が母子死傷事故に結びついたと認定した。

弁護側は「ハブ破損はユーザーの整備不良が原因とする考えが当時の社内では確立していた」として2人の責任を否定していたが、地裁はこの主張を退けたうえで「リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった。このような業務態勢は、2人が始めたものではない」と述べた。

  1. 死傷事故までに39件の破損事故があった
  2. 強度不足の欠陥があったと十分認定
  3. 運転手の使用状況が異常で悪質だったとまでは言えない
  4. 2人がバス事故の報告を受けていた
  5. 同社製のトラックのハブ破損事故が続出していた事実を、99年には知っていた
  6. 人身事故が起きることを予測できた
  7. 運輸省からバス事故についての報告を求められた際、徹底した原因調査を行わせ、リコールなどの措置に向けた手続きを進めるべきだった
  8. 怠慢が母子死傷事故に結びついた
  9. 業務態勢は、リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった

というのが裁判所の認定ですね。

特に「ハブは強度不足であった」という認定がありますから、ユーザの使用が原因という弁護側の主張の根本が否定されています。

それにしても、三菱自動車はなぜ今になっても「強度不足」=「設計ミス」という事実を裁判で争うのでしょうか?

問題のハブはたびたび変更されているのですが、材質変更がなどが主になっています。
いわば材質変更すること自体が形状が強度不足であることの証明であって、少なくとも適切とはいいがたいわけです。
これを認めるのであれば、大々的な形状変更によるハブと周辺部品の交換になる「大リコール」が発生するはずで、それをいまだにやっていないのは「いずれは市場からトラックが無くなるのを待つ」というパロマのガス湯沸かし器と同じことだと考えます。

12月 14, 2007 at 12:15 午前 もの作り, 事件と裁判 |

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