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2007.12.25

マイクロバスのドア

朝日新聞より「バス運転の男性ら、容疑で逮捕 外環道バス転落事故

東京都練馬区の東京外環道内回り大泉ジャンクション付近で24日、マイクロバスのドアが開き、小学校5年が車外に投げ出され、トラックにはねられた死亡事故で、埼玉県警は25日、バスを運転していた同県川越市今福、会社員と、トラックを運転していた運転手の両容疑者を自動車運転過失致死の疑いで逮捕した。

県警高速隊の調べに対し、マイクロバスの運転手は調べに対し、バスの出入り口を「(ドアが開かないようにする)自動に切り替えていなかったようだ」と話していた。県警はドアが誤って操作された可能性もあるとみて、事故直前のドアのロック状況などを詳しく調べている。

県警によると、バスは06年の製造。ドアはスライド式で、開閉を手動と自動に切り替えるレバーが、運転席付近とドア付近にあった。

バスは埼玉県川越市を拠点に活動するサッカーチーム「川越福原サッカークラブ」を運営する有限会社名義で、マイクロバスの運転手は同社員。小学5年生は、茨城県かすみがうら市でのサッカーの練習試合を終えて出発する際、前から2列目のドア側に近い席に座っていたらしい。落ちる直前、ドアの乗降口にあるステップの部分にいたという。

まず間違えなく落ちた少年がいたずらでドアを開けてしまったのでしょう。このマイクロバスについては前の記事に解説があります。

朝日新聞より「走るバスのドア開き、小5転落 ひかれ死亡 都内高速道

24日午後6時10分ごろ、東京都練馬区大泉町4丁目の東京外環道内回り大泉ジャンクション付近で、走行中のマイクロバス(定員29人)のドアが開き、埼玉県ふじみ野市の小学5年生が車外に投げ出された。少年は路上で、後続のトラックにはねられ、まもなく死亡した。県警高速隊はドアが開いた原因などを調べている。

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バスのドアはスライド式で、車体左側の中央付近にある。開閉は自動と手動を切り替えられる型で、切り替え装置はドアの昇降口付近と運転席にあるという。

県警の聴取に対し、マイクロバスの運転手は「自動に切り替えていなかったようだ」と話しているといい、手動になっていた可能性が高い。死亡した少年はドア付近にいたらしい。

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一帯は片側2車線と大泉の出口に向かうための側道のある区間で、バスは右側の本線を、トラックは左側の本線をそれぞれ走っていた。トラックを運転していた埼玉県入間郡内の会社員男性(25)は「バスから物が落ちてきて、トラックに当たったと思った」と大泉料金所の社員に通報してきたという。

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走行中のバスから転落した事故は、

  • 01年6月、宮崎県高崎町(現・都城市)の国道で、スイミングスクールの送迎マイクロバスの窓から小学2年の児童(7)が転落して死亡
  • 05年3月、静岡県焼津市の東名高速で、愛知県美浜町の小学6年の児童(12)が観光バスの窓から転落し、後続の車にひかれて死亡
――などがある。

自動車のドアをロックする機構については色々な考え方があって

  • 車速に応じて自動的にロックするもの
  • 運転席だけはロックしていてもドアハンドルでいつでも開くもの
  • 内側のドアハンドルで開くことが出来ないもの(チャイルドロック)
  • 開くと警報が鳴るもの(バスの非常扉)

などがあります。
ヨーロッパ車では、常に内側からドアが開くものが多かったと思います。(最近はどうなのだろう?)

今回のマイクロバスは29人乗りですから、中型免許で運転できる上限でしょうか。
つまり事実上バスなのであって、ドアも社会中央部の運転手からは見えにくいところにあります。
そのドアが走行中にロックしていない、というのは日本の現在の車の標準的な仕様としては異例なように感じます。
車速感応型の自動ロックを採用するべき車種でしょう。

確かに「自動ドア状態にセットすれば手動で開かない」ことは間違えないでしょうが、これはドアを運転者が開閉するための仕組みでしょうね。走行中に開かないようにする、といった機能を直接目的にはしていないのではないだろうか?

そんな風に考えると、このバスの設計(企画)と走行中にドア開けることが引き起こした事故でしょう。
特に、この種の車では自動ロックは不可欠ではないだろうか?

12月 25, 2007 at 10:27 午前 事故と社会 |

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受信: 2007/12/26 12:54:37

コメント

バスのドアなのですから、走行中に運転者の意図せぬ操作ができるのは製品安全上からは大きな問題でありましょう。
ロックなんぞ無くても良いから、動き出したら自動ドアの電源そのものが切れる程度の装置は当然あるもんだと思ってました。
もしくは切替スイッチにはカバーが付いてるとか。
ゆえに今回の事故は最初聞いた時「??なんで??」でした。

走行中に歩き回ったりあろうことかドアを弄ぶという行動には社会的道徳性の低さを物語っていることにも注目すべきでしょうけど...
バスと言うからにはそういう行動も予測して然るべきかも知れません。

ちなみに私は自分で車を運転する際、もう15年程前から全員がベルトを締めないと走り出さない、小さな子供はチャイルドロックして後席に乗せる主義を押し通してますので、ドアにはロックをかけていません。
今乗ってる乗用車は、運転席のドアだけは仮にロックしていてもノブを引けば電気仕掛けで全ドアのロックが解除されますが事故時の閉じ込めを考えるとロックする気になれません。

投稿: wader | 2007/12/25 21:45:33

コメントありがとうございます。

わたしも、停車中の車から出るのにロックを解除しないとドアが開かない、という現在の車速感応型自動ロック機構には反対なのですが、今回の事故で「走行中にドアノブを操作してドアが開く必要があるとは思えない」と気づいたのです。

速度センサーが走行中を示していれば、ドアをロックしてドアノブの操作ではドアは開かない。
速度センサーが停止を判断したら、ドアロックは解除してドアノブで開くことが出来るようにする。

という方式の方が合理的ですよねぇ。

特に、マイクロバスとか、ミニバンなど大人数が乗るとか、子供が乗る機会が多い車には当然の装備だ思います。

投稿: 酔うぞ | 2007/12/26 10:22:14

ドアの構造の問題が一番大きいのでしょうが、万一ドアが開いてしまった場合や追突事故に備えたフェイルセーフとしてのシートベルトの着用状況、シートベルトの着用を大人が指導していたかどうか、シートベルトが各座席にきちんと付いていたのか、シートベルトをしていてもドアが不意に開いた場合には転落が防げないような車の構造だったのか、などはどうだったのでしょうかね。

投稿: be_tu | 2007/12/26 21:24:55

シートベルトは運転席・助手席以外は装着義務は高速道路だけですね。
それも遵守されないのが常識・・・・・。

マイクロとは言えバスなのですから、運転者が同乗者を十分に管理できないことは多いでしょう。
観光施設の送迎なんてのは酔客もいるでしょうし。

やはり、走行中にドアを開くことが出来る、というのは設計上の盲点と言えるでしょうね。

投稿: 酔うぞ | 2007/12/27 11:01:09

 自分もサッカーに関わっており、息子は亡くなったお子さんと同い年サッカー小僧ですので、他人事とは思えませんでした。
 この事故がらみで「自動ドアのシステムを作動させた状態で事故に遭うと、救助や脱出の際にドアが開かなくて難渋することがある」という話を聞きました。真偽は定かではありませんが、仮にこの手の言説が流布していたとすると、運転手の過失を問うのは酷にも感じます。
 正直お子さんを亡くされた親御さんや周囲の方のお気持ちを思うと胸が詰まりますが、かといって、この事故の運転手が氏名および写真まで全国に公開される(引用された記事にはありませんが、そういう報道はありました)重大犯罪の容疑者かというと、どうも違和感を禁じ得ません。
 せめて、これをきっかけに、マイクロバスに合理的な安全装置を取り付ける流れができればなあ、と感じています。

投稿: miya.h | 2007/12/27 22:50:14

    この事故がらみで「自動ドアのシステムを作動させた状態
    で事故に遭うと、救助や脱出の際にドアが開かなくて難渋
    することがある」という話を聞きました。

この手の都市伝説のようなことは大昔からありまして、シートベルトをすると事故で死ぬなんてのもありました。

今では自動車の窓やドアのロックを自動化するために電動にしていますが、これについても「水没すると動かない」とよく言われます。

実験では、緊急脱出のためには電動でも機能しているのですがね。


今回の車種はトヨタ・コースターで29人乗りバスとしては一番売れているのではないかと思います。日野ブランドでも出てきますし。

そのトヨタのコメントが、J-CAST の取材で出てました。
http://www.j-cast.com/2007/12/26015054.html

    トヨタ広報部に、運転中はドアを自動にすべきかどうか
    聞いてみた。すると、答えはこうだった。
    
    「取り扱い説明書や販売時の説明では、
    ドアの自動や手動の使い方に触れますが、
    走行中にどちらにすべきとは申し上げていません。
    使われる場合によって違いますので、
    その都度お客様の判断で選ぶのが適当だと考えています」

つまりは「走行中にドアを開くのはお客の勝手」としているわけです。
これは、不当な見解とは言えないけど車速感応型自動ロックがイヤだという人もいるわけで、どう見ても「メーカのお勧め」をユーザに押しつけている面は否定できません。

その上で「自動にすると運転席からしか操作できなくなる。だから結果的にロック出来る」というのは筋違いだろう、と強く思います。

実のことを言えば、ミニバンなどでも電動スライドドアを装備できる車は多いのですが、少なくとも以前は走行中に電動ドアを運転席から開けることが出来ました。
(現在の標準は知らない。知っている方は教えてください)

これは、多分「ドアの開け閉めは全く人間の意志次第」という昔からの考え方を電動ドアにもそのまま使った。
つまり、ドアノブをロックするのは「チャイルドロックだけ」ということなのでしょう。

実のことを言えば、わたし自身も今回の事故を知るまでは「車が走行中にドアをロックしているべきだ」とは考えていませんでした。と言うか、そういうこと自体を考えなかった。

冷静に考えると、走行中にドアが開く必要は皆無でしょう。
そして、車速感応型ドアロックは普通の乗用車ではほとんど採用されています。
この二つを合わせるだけで「走行中はドアを開けられない」車は簡単に出来ますが、この考え方は自動車文化といった観点からはかなり嫌われる考え方でもあるでしょう。

しかし、マイクロバスやミニバンといった車種では、走行中はドアを開くことが出来ない、で問題ないと思います。

投稿: 酔うぞ | 2007/12/28 2:49:28

走行中にドアが開いたら普通の車のドアもとても閉めにくい(閉められない)ですよ。

負圧になってますからね。

そういう意味でも開いたらアウトと言って良いのですね。

投稿: 酔うぞ | 2007/12/28 16:52:41

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