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2007.12.31

国際協力時代の終焉か?

年末でニュースも枯渇状態でネタに困っております(^_^;)
とは言え新聞などに倣えば「特集企画」に行くわけでして、複数のニュースを無理矢理並べてみました。

朝日新聞より「冷める米英、日本危機感 宇宙に迫る「ILC計画」暗雲
共同通信より「核計画申告遅れ「残念」 期限遅れで米国務省
AFP BB より「スペースシャトル「アトランティス」、1月の打ち上げ予定も再延期

これらはいずれも国際協力として日本が深く関わっている事柄ですが、様々な事情で当初の思惑通りに進まなくなってしまいました。
1960年代までの日本は敗戦国の位置づけであったと実感しますが、1980年代は世界から利益を受けるだけの国という感じで、1990年以降は「根拠無き国際協力が当然」であったのだろうと思います。

まもなく2010年代が始まるわけですが、上記のようなニュースを並べてみると、ふたたび国際協力よりも国家中心に戻るのではないか?と感じざるを得ません。

朝日新聞より「冷める米英、日本危機感 宇宙に迫る「ILC計画」暗雲

日本をはじめ欧米、アジア諸国が協力して進めてきた次世代粒子加速器・国際リニアコライダー(ILC)計画に暗雲が漂っている。
今月、米国が大幅に予算を削減し、英国も事実上の撤退を表明した。
計画に不透明感が増す中、日本の推進議員連盟(会長=与謝野馨・前官房長官)のメンバーは来年2月にも訪米し、関係強化を図る。

ILCは約30~40キロの直線トンネル内で光速に近い電子と陽電子を正面衝突させ、宇宙誕生(ビッグバン)から1兆分の1秒後という超高温・超高密度状態を再現。宇宙と物質の謎に迫る世界最高性能の加速器だ。
建設費は約8000億円。

日本では高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)や各地の大学が技術開発をしており、建設適地を検討したこともある。昨年結成された推進議連は「開発・調査に5年で総額200億円の予算確保」などの提言を盛り込んだ中間報告を今月3日に公表した。

しかし26日に成立した米国の08会計年度包括歳出法では科学技術関係予算が削減され、中でもILC関係は要求の4分の1の1500万ドル(約17億円)に圧縮された。08会計年度はすでにほぼ3カ月がすぎており、歳出法は残り9カ月の研究停止に等しい措置。国際設計チームは「深刻な事態」としている。

英国の公的研究資金分配機関の一つ、科学技術施設審議会も11日、08~11年の方針で「ILCに対する拠出を中止する」と発表した。08年に欧州で稼働する別の大型加速器(LHC)への集中などを理由に挙げている。

ILCのアジア側代表の野崎光昭・高エネ研教授は「米国の予算削減は政治要因の副次的結果であり、計画中止を意味しないと考える。日本はこれまで通り研究開発を進め、英米の一刻も早い復帰を願う」としている。

共同通信より「核計画申告遅れ「残念」 期限遅れで米国務省

【ワシントン30日共同】

米国務省は30日、北朝鮮が6カ国協議で合意した核計画申告の提出が遅れていることを「残念だ」とする声明を発表、「完全で正確なすべての核計画、核兵器、核拡散活動」についての申告を早期に提出するよう促した。

6カ国協議の10月合意文書には、核計画申告の期限は12月31日と明記されている。期限切れをにらんで出された声明は「北朝鮮が義務を果たせば、米国も6カ国協議の合意に基づいた義務を果たす」として、完全申告に向けた決断を北朝鮮に迫った。

声明は核計画申告とともに、北朝鮮が核施設無能力化作業のペースも落としているとして遺憾の意を表明。米国は今後も日本など他の協議参加国と連携し、北朝鮮に対しすべての核計画申告と無能力化作業の完了を促していくと強調している。

AFP BB より「スペースシャトル「アトランティス」、1月の打ち上げ予定も再延期

【12月29日 AFP】

米航空宇宙局は28日、1月10日に打ち上げを予定していたスペースシャトル「アトランティス」について、打ち上げの再度延期を発表した。

27日、シャトル計画責任者の会合を開いて問題解決の進ちょく状況を協議した結果、1月10日の打ち上げも「達成不可能」との結論に至ったと説明している。新たな打ち上げ日程は未定。

アトランティス打ち上げは、国際宇宙ステーションに欧州の宇宙実験棟を輸送するため。当初の打ち上げ予定は12月6日だったが、液体水素の燃料センサーの欠陥が見つかり、これまで数回にわたって延期されている。(c)AFP

日本では「国際公約だから」と言うと誰も反論できなくなるようなところがいまだにありますが、すでに「他国に迷惑が掛かろうが出来ないものは出来ない」といった政策決定が続々と出てきていることには注目するべきでしょう。

国際宇宙ステーション計画では、日本の実験棟は非常に大型のもので期待も大きかったのですが、すでにスペースシャトルの運航に期限が切られていて、さらにその実施すら怪しいとなると実験棟は出来ても実験は出来ないということも十分にあり得る事でしょう。

巨大プロジェクトとして他に有名なものには「国際熱核融合実験炉計画」がありますが、これはまるで海の物とも山の物とも分からないと言って良いので、国際宇宙ステーション計画すら止まるようではとても実現するとは思えません。

マクロに見ると、日本の国内政治でも同じですが「反対しにくいからドンドン話だけ大きくなった」と評価するべきなのでしょう。
全くの夢の段階では話を進めることが出来たが、いざ取りかかってみると、とてもではないが続けることが出来ない。
投資に見合う成果を得るためにはもっと現実的な規模の計画にするべきだ、となるのは必然で2010年代の国際潮流は「国際協力よりも国内事情の優先」に向かうのではないか?と考えるのです。

一方、世界の警察官役を自他とも認めていたアメリカの軍事力も国際協力無しには動かなくなってしまいましたから、国際紛争レベルではかなり不安定になっていくように感じます。

国家が例え反米的であってもそれなり安定していれば、戦争レベルの国際紛争にまでは拡大しないかもしれませんが、国家ではない集団が事実上の国家レベルの軍事力を持つと予想されますから、例えば海運が困難になる、石油のパイプラインが途絶する、といった戦争よりもひどい内乱や海賊行為といったことが出てくるかもしれません。

国際協力を無条件でアテに出来る時代ではなくなったとすると、国際平和こそが日本の経済の生命線であるという現実は非常に重いものになってきて、日本はどうやって生き延びるべきかという問題に直面するかもしれません。

12月 31, 2007 at 10:55 午前 日記・コラム・つぶやき |

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