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2007.11.20

F2墜落事故の原因と問題その2

「F2墜落事故の原因と問題」の続報です。
中日新聞より「F2墜落事故 設計守られず? 配線の長さ誤接続が可能

愛知県豊山町の県営名古屋空港で10月31日、航空自衛隊F2支援戦闘機が墜落・炎上し乗員2人が重軽傷を負った事故で、飛行制御システムの配線の長さが設計通りでなく、墜落原因となったコードの誤接続が可能なケースがほかにもあることが、県警捜査一課の調べで分かった。

F2を製造・整備する三菱重工業は「設計でコードには一定の長短をもたせており、誤接続は不可能な構造だ」としていた。

県警は製造過程や整備などに問題があった可能性があるとみて、業務上過失致傷容疑で調べを進めている。

墜落原因について防衛省事故調査委員会は15日、飛行制御コンピューターからの2本の配線が、機体の姿勢変化を検知する2種類の機器に入れ違って接続されていたためと断定。
誤った情報がコンピューターに伝わった結果、水平尾翼が異常な動きをして墜落したと分析した。

一方、三菱重工業は同日の会見で「配線の長さやコネクタの向きを接続する機器によって別々にし、誤接続が起きない構造にしている」と主張。

設計書で配線の長さを指示しており、取り違えた場合は、片方の機器にはコードの長さが足りないため届かないと説明していた。

しかし、事故機を整備していた同社名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場(豊山町)にあったほかのF2を6機調べたところ、設計通りの長さになっていないコードもあることが判明。
うち1機は事故機と同様、設計上は届かないとされた誤った接続も可能だった。

県警は、事故機の点検を担当した整備士から事情を聴くなど、配線の誤接続が起きた原因について詳しく調べている。

一言で言えば「情けない」です。

墜落機が誤配線が原因で墜落したことが発覚した時点で三菱が「設計上、誤配線不可能になっている」と記者発表したところが分からない。
ことは、現実の事故がなぜ起きたかであって、設計がどうであろうと「問題は何か?」が最重要だろう。

設計・素材・製造・組み立て・使用状況・環境・寿命管理といった様々なことがそれぞれの部品に影響して、そのどこかが破綻すると事故になる。
だから、設計は一つの要素ではあっても他に問題があれば事故にはなるわけです。
三菱はメーカなのだから、設計以外にも製造・組み立て・整備作業・点検などについて責任があるわけで「設計は・・・・」は全体から見ると一部に過ぎない。

なんで「設計上は誤配線出来ない」と事実(誤配線があった)対立するような記者発表をしたのか?
なんか、事実を直視しない企業姿勢が見えてしまう。
現代のメーカとしては根本的な姿勢に問題があると感じる。

11月 20, 2007 at 10:10 午前 もの作り |

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コメント

昨日はこんなニュースもあったし
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20071119it07.htm

日本の製造業はどうなってしまったんだろう。

投稿: alpha2 | 2007/11/20 10:27:12

まぁ、設計図面通りにものが作れない製造現場は二流ですね。
で、製造現場の実力を見切った設計ができない設計屋は三流です。
そこにブツを発注する輩は問題外.....

製造効率や無駄減らしだけが良い事だとは決して思いませんし、
トヨタ生産方式のそっち方面ばかり強調して導入したがる製造業
は「いかがなものか?」なんですが、「バカよけ」の思考方法は
どこでも見習って然るべきと思うんですがね......
こいつは金と手間が掛かる割に効率が上がらないので導入しない
場合が多い。 「都合の良い解釈」がまかり通る限りは日の丸
製造業の将来は明るくないですなぁ。

投稿: wader | 2007/11/20 22:32:33

> 「設計上、誤配線不可能になっている」と記者発表した
多分、その原稿を作成したのが、設計部門の人間だったのでしょう。

投稿: mimon | 2007/11/21 18:12:35

超大手の仕事が重層下請け構造で成り立っているのは周知の事実ですね。

この重工の事故も、製造部門が重層下請け構造、設計者の意図が末端まで伝わらず、検査も下請け検査を上が書類で確認しているだけという、市川と港区の超高層マンションで見つかった配筋ミスと同じ要因だと思っています。墜落したけと゜、運良く空自小牧基地内の関係者だけの被害で済んだから良かったものの、空自は思いがけないところで「もの作り」の怖さを再認識したでしょう。一方の重工は、事の本質が判っていなかったから、あんな発表を平気でしたのだと思います。

ところで、戦闘機って、やっぱり性能発注なんですかね。

投稿: 昭ちゃん | 2007/11/21 21:01:20

>この重工の事故も、製造部門が重層下請け構造、設計者の意図が末端まで伝わらず、検査も下請け検査を上が書類で確認しているだけという、市川と港区の超高層マンションで見つかった配筋ミスと同じ要因だと思っています

重層下請け構造に問題があることには全く同感です。
ただ、些細なことなのですが、マンションの配筋ミスとは、少し違う所があると思います。
配筋ミスは社内検査で見つかったので、不良品がお客さんに引き渡されたわけではありません。とはいえ、工期が伸びてお客さんに迷惑をかけているので、完全に社内の問題にとどまっているわけではありませんが。

F2の場合は「バカよけ」が無かったか、あっても機能せずに、墜落事故に至った、本当に情け無い話です。一方のマンションは、施工後とはいえ引き渡し前に、「バカよけ」の検査が機能したわけです。重層構造の建設業では「バカ」の存在を前提としなければ成り立ちません。

報道でも、工期遅れによる迷惑を批判しているのではなく、安全性に問題があるような言い方をしているのが気になります。検査で不備が見つかることすら悪いのであれば、「バカよけ」の検査の否定につながります。こう言う批判を繰り返していると、検査をごまかして引き渡してしまうという、昔の建設業に戻ってしまう気がします。

もちろん、配筋ミスが許されると言いたいわけではありません。的確な批判報道をして欲しいということです。マスコミには望むべくも無いことかもしれませんけど。

投稿: zorori | 2007/11/22 7:38:18

>ところで、戦闘機って、やっぱり性能発注なんですかね。

飛行機に関しては、世界的に政治マターですよ。

ボーイングとエアバスの競争は、アメリカ政府とEUの非難合戦になっているし、F2については操縦システムであるフライバイワイヤーのソフトウェアは非開示だったから日本の独自開発です。

それでもものすごく高額なライセンス料金をアメリカに支払ってますが、なんの値段なのか考えてしまう。

面白いのは、エアフォースワンで知られるアメリカ大統領専用機がエアバスになる可能性が少なからずあるんですね。

ボーイングが双発機しか作らなくなってしまって、4発の大型機はエアバスしか作っていない、だからと言うのです。

実際に、ヘリコプターにおいてはアメリカは開発しなくなってしまったので、日本でも一年後に派遣する南極観測隊が使うヘリコプターはヨーロッパ(ユーロコプタで良いのかな?)製(ライセンスで国産)です。

アメリカでもライセンス生産して国産と名乗っています。
アメリカが外国の飛行機を導入するのなんてのは、1950年代の初め以来じゃないのかな?

当時はあまり抵抗がなかったのですが、今ではライセンス生産とすら言いがたい雰囲気のようです。

投稿: 酔うぞ | 2007/11/22 8:15:17

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