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2007.10.11

787大幅遅延

毎日新聞より「ボーイング787:納入が半年遅れに…次世代中型機

【ワシントン斉藤信宏】
米航空機大手ボーイングは10日、来年5月に予定していた次世代中型機「787」(ドリームライナー)の納入開始時期が6カ月以上遅れて来年11月下旬~12月になると発表した。
部品不足が主因という。1号機が引き渡される予定の全日本空輸(ANA)は北京五輪に合わせて来年8月に羽田-北京便に787を就航させる計画だったが、変更を余儀なくされる。
日本航空(JAL)など導入準備を本格化させている航空各社も影響を受けそうだ。

ボーイング社は納入遅れの原因について、組み立ての際に使う留め具などの部品不足や運航管理機器のソフトウエア開発の遅れを挙げており、初の試験飛行も来年3月末に延期する。

787は、機体の35%の開発・生産を三菱重工業、川崎重工業、富士重工業の3社が担当。主翼など機体の約50%を「鉄より強くアルミニウムより軽い」と言われる炭素繊維の複合素材で製造しており、燃費効率は同型機比で20%改善する。
軽量化効果で、中型機(標準機種の座席数210~250)にもかかわらず、航続距離は最大1万5200キロと大型機並みで日本から米東海岸へも直行できる。

これまでに、世界全体で約50社から700機以上を受注。燃料価格の高騰で疲弊している日本の航空各社は、経営改善への効果に期待を寄せていた。

欧州の航空機大手エアバスも、超大型機「A380」の引き渡しが大幅に遅れ、業績が悪化した経緯があり、ボーイング社の経営に影響を及ぼす恐れがある。

ANAは「機材計画の見直しが必要で、策定中の08~11年度の中期経営戦略に納入遅れを反映させなければいけない」(広報室)と話している。
JALは「期待していたので残念。機材運用計画を見直し、影響を最小限に抑えたい」(広報部)としている。

エアバス社のA380の引き渡し大幅遅れはエアバス社の業績悪化から地方経済問題、国際政治問題にまで拡大していました。
それに対してボーイングの787は妙に順調な情報ばかりで「本当に心配ないのか?」と思っていましたが、結構すごいことになったようですね。

日本航空では747の退役をどんどん進めています。
朝日新聞(昨日の記事)さらばジャンボ 燃費に難、世代交代へ

ジャンボの愛称で知られ、前方が盛り上がる2階建てのボーイング747型機が日本の空から消えつつある。超大型機で燃料を多く消費するため、天井知らずの原油高が直撃。航空会社が「満席でも経費に合わない」と、燃費が良い新型機への交代を急いでいるためだ。機長、副操縦士、航空機関士の3人が乗り組む旧型(在来型)はあと2年半で完全に消える。空の旅を身近にした名機だけに、惜しむ声が上がっている。

94年の関空開港時、国際線の5割以上はジャンボだった。今は1割弱で、香港、台北、ソウルなど6路線の週50便だけだ。貨物便は3割余り残るものの、一般の人が乗れる機会は減っている。

ジャンボは70年、日本航空の羽田―ハワイ線で日本にデビューした。席数は当時の主力機DC8の約3倍。日航は「空飛ぶ豪華船」と宣伝した。

85年にDC8からジャンボの副操縦士に転じた若林一男機長(57)は「初めて離陸した時、まさに大型艦船が浮き上がる感じがした」と振り返る。操縦席の高さはビルの3階並み。地上が遠く見え、感覚が狂って車輪走行中につい速度を出しすぎるのに苦労した。

席を埋めるために安いツアーが広まり、海外旅行は身近になった。若林さんは「年末年始はハワイの空港にずらっと日本のジャンボが並び、壮観だった」と懐かしむ。

「ジャンボは航空をあらゆる面で変えた」と、日航広報部で歴史資料を収集する伊藤勝久マネジャー(59)は評する。女性客室乗務員が大量採用され、ビデオ、オーディオといった機内サービスも一般化した。

空港が込み合う日本では大勢の人を一度に運べるジャンボが国内線でも重宝された。関西には77年の大阪(伊丹)―羽田線で初就航。85年に同路線の日航ジャンボが群馬県の山中に墜落し、520人が死亡した。

騒音対策で伊丹空港は06年4月からジャンボの発着が禁止された。関空も国内線は全日空の羽田線1便のみ。

エンジンが四つあるジャンボは燃料消費量が多い。エンジン二つでジャンボに近い席数を持つボーイング777型機(94年初飛行)と同じ東京―パリ間(約1万キロ)を飛ぶと、1回で約4万リットル(ドラム缶約200本分)かさむ。席が減った分を引いても年15億~20億円の差になるという。

航空会社はジャンボの退役を急ぐ。ボーイングから世界最多の通算108機を購入した日航は、現59機のうち旧型10機は10月にまず1機が引退し、9機も10年3月までに全廃する。通算45機の全日空は06年に旧型を全廃し、機長、副操縦士の2人で飛べる新型についても、21機中7機の売却がすでに決まっている。

次の空の主役は来年登場するボーイング787型機になりそうだ。全日空が50機、日航が35機を発注している。最大330席の中型機だが、ジャンボより60%程度燃費が向上するといい、両社は「2回飛ばしてもジャンボを1回飛ばすより安上がり」と期待する。

朝日新聞の記事は、企画記事でしょうからだいぶ前に取材して書かれたものでしょう。
それが翌日になったら、大幅な納期遅れの発表。まるで、図ったようです。

すぐに、日本航空は「747の退役は予定通りに進める」と発表してダメージが影響しないようにアピールしていますが、このところの燃料高騰は非常に問題になっているようで、低燃費と運行で小回りを利かせるための「ダウンサイジング」だったのでしょうから、ここでつっかかるとというのはエアラインにとっては大問題でしょう。

一方、ボーイングについてはこのところヘンで、航空自衛隊(とイタリア空軍かな?)が発注している、KC767空中給油機が完成しているのに納入されません、契約でボーイング社はかなりの違約金を支払い続けているようですが、かなりの問題があるようで最終的に検査をパス出来ていないとのことです。

航空機メーカが合併によって大型化し、同時に大幅なコストパフォーマンスの向上をクライアントに提示することで、技術的な高度化とコストダウンの厳しい途を選択肢、同時に予備の航空機メーカがないから次善の選択も出来ない、という脆弱性が表れてきたのでしょう。

同じようなことは、自動車メーカでは十数年前にあって、フォードグループが非常に巨大になったり、ベンツとクライスラーが一つの会社になったりとありましたが、最近ではフランス・イタリア・ドイツなどで小規模メーカも成り立つようになってきました。

これからは、企業の小型化の時代に向かうのかもしれません。

10月 11, 2007 at 02:00 午後 国際経済など |

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コメント

Boeingは、10年ほど前に経営者の大半が入れ替わった結果、777を開発した時代とはすべてが変わりました。787で複合材を全面的に採用したり、自社では全く製造しないですべて下請けにまかせてまるで商社のようです。複合材で重量が軽くなると言っているけど1号機では予定より25トンも重くなっていて頭を抱えているところです。
来年春に飛行試験が始まってもいろいろ問題が出てきたり、下請けの製造がうまく行かずにごたごたして、引き渡しのスケジュールが遅れたりするでしょう。
エアバス社のA380の遅れとは状況は基本的に異なります。 又、日航の問題は機材のせいではなくて日航の古くからある経営の問題です。

投稿: 767 Designer | 2007/10/12 16:44:35

この787の遅れは、いわば周知の事実だったものを、ようやく最後にボーイングの経営陣が認めたということ。
最近のボーイングのマネージメントは首をひねらざるを得ない対応が目立ち、会社としての非常に間違った方向に進んでいるとしか思えない。
飛行機のコンセプト自身は正しいだけに、マネージメントによって大失敗となりかねないのが残念。

投稿: ぽん | 2007/10/14 8:40:16

飛行機のコンセプト自身が正しいとは思われません。就航後、エアランは複合材の問題で手を焼くでしょう。コンセプトに疑問を持つ経験のある主要なエアラインは787を発注していません。

投稿: 767 Designer | 2007/10/15 10:13:51

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