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2007.08.30

中華航空機爆発炎上事故その11

朝日新聞より「炎上機と同型のANK機、留め具なし 製造時つけ忘れか

那覇空港での中華航空機(ボーイング737―800型)の炎上事故を受け、同系機の緊急点検を指示していた国土交通省は30日、全日空グループのエアーニッポン(ANK)の1機(同700型)の主翼内部で、固定されていない金属製のボルトが1本見つかったことを明らかにした。那覇の事故は脱落したボルトが燃料タンクに突き刺さったことが原因とされ、ANK機も同様の危険性があった。同機は就航間もなく問題個所は点検対象ではなかったため、製造段階で留め具をつけ忘れた可能性があり、同省は製造国の米国に報告するとともに、原因究明を要請した。

ANKや国交省によると、左主翼の前側に4枚ある可動翼(スラット)のうち、一番翼端側の1番スラットの支柱(アーム)を29日深夜に点検したところ、ワッシャー(座金)と呼ばれる金属部品がボルトについていなかった。

ボーイング社の仕様書によると、アームにあるボルトの取り付け穴は直径1.1センチ。ワッシャーは外径1.57センチ、内径が0.66センチで、ダウンストップという部品を留めている。ダウンストップには真円ではない穴(直径1.04~1.06センチ)が開いており、この穴の摩耗度合いなどによっては、ワッシャーがなければナット(直径1.06センチ)がついたボルトが脱落しかねない状態だった。

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。国交省は「製造段階での付け忘れの可能性がある」としている。

問題のボルトでは、炎上事故以前に海外で2件、ナットの脱落があり、うち1件は燃料漏れにつながっていた。事故を受けた米国の連邦航空局(FAA)の命令に基づく、同系列機約2300機を対象とした緊急点検でも、新たに4件の部品脱落が確認され、うち1件はトラックカンと呼ばれるアームの収容部に損傷があった。FAAは28日付で点検期限の前倒しを命じる耐空性改善命令(AD)を出した。

国交省の報道発表資料より「中華航空事故に関連した我が国航空機に対するスラット機構部取付状態の一斉点検における不具合の発見について」さらに別紙(PDF)に詳細図がありました。

Up

組み立て状態図。

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今回、ワッシャ無しで見つかった状態。

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本来のワッシャが付いている状態。

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今回、ワッシャ無しが発見された機体は

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。
ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。

ですから、国交省が「製造段階で取り付けられていなかった可能性あり」と言うのも当然でしょう。

それにしても、なんかすごい乱暴な仕組みですね。

8月 30, 2007 at 11:11 午後 もの作り, 事故と社会 |

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コメント

ボーイングも薮をつついて蛇が出て来た状態ですね〜
分解整備前の機体でワッシャ無しだとすれば、国交省の言い分はおそらく正しい。
でも、多分この構造は737-800に限ったものでは無いでしょうから他はどうか??って広がりも出てくる様に思います。

仕組みは乱暴に見えても、温度差の激しい状態で使うからベアリングの類いは固着が怖くて使えないでしょうし、六角形のガイドがレールの中を滑る構造はそれほど問題視することも無いのではないでしょうか。

ただ、中華航空の場合はワッシャも内部から見つかっているって話ですから、今回の話とは切り離して「整備の問題」として考える必要があると思います。

投稿: 通りすがりの懐かしい顔 | 2007/08/31 0:06:53

ご承知の通り航空少年だったわけですが、B52の主翼が地上では垂れ下がっていて、上空では逆に反り返るのを見て、中はどうなっているのだ?と思ったものです。

その後、実は塑性変形の方が遙かに難しい、と知るわけではありますが。

作家の大石英司が作品中で「航空機メーカの大合併の結果、問題が隠されるようになった」と書いていますが、大型旅客機のメーカが、ボーイングが過半数を占めてエアバスが残りを持って行くというのでは、いくらコストダウンのためとは言え、保険が利かなくなっていますね。

ユーザーももうちょっとコストを負担しないといけないのではないかな?

投稿: 酔うぞ | 2007/08/31 0:16:04

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