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2007.08.31

学習指導要領改訂に

日経新聞より「小学校、40年ぶり授業増へ・指導要領改訂素案

小学校の授業時間が約40年ぶりに増える見通しとなった。
学習指導要領の改訂作業を進める中央教育審議会の専門部会は30日、小学校で国語や算数など五教科の授業時間数を約1割増やし、5、6年生では英語の授業を導入する素案を大筋で了承した。基礎学力向上に重点を置き、授業時間数という「量」で学力低下を食い止める。

ゆとり教育の象徴とされる総合的な学習の時間は削減され、ゆとり路線は名実ともに見直される。ただ、教育関係者の間では「ゆとり教育の功罪は総括されていない」との声は根強い。

現在の小学校の学習指導要領は以下のようになっています。
文科省は学校が開いている期間を年に35週、週5日、一日6時限で計算しているので、最大で1050時限になりますが、この中から各種行事などの時間が割かれるので最大で945時限となっています。

分かりやすく言えば、それぞれの科目を35で割ると週に何回の授業あるかを示しています。
例えば総合学習が105となっているのは週に3時限を行う事になります。

区分国語社会算数理科生活音楽図画
工作
家庭体育道徳特別
活動
総合
学習
合計
1年2721141026868903434782
2年2801551057070903535840
3年23570150706060903535105910
4年23585150906060903535105945
5年1809015095505060903535110945
6年17510015095505055903535110945

サンケイ新聞はもっと踏み込んだ記事になっています。
サンケイ新聞より「総合学習は「遊び」の批判も 「ゆとり教育」転換

「ゆとり教育」の象徴と鳴り物入りで導入された総合学習の時間だが、授業内容は教師の指導力に左右され、学校によっては事実上「遊びの時間」になっているとの指摘や「何をやっているか分からない」との批判も強かった。

「基礎基本の学力が定着しない段階で総合学習を取り入れたのは、そもそも無理だったのでは」

プロ教師の会を主宰する日本教育大学院大学の河上亮一教授はこう指摘する。河上教授によれば、調べ学習を中心とする総合学習は児童の学力が高い一部の学校では有効だが、基礎基本が不十分な学校では「遊びの時間」になるなど、逆効果のケースもみられた。

運動会や学芸会の準備時間が削られるなど、学校行事を軽視する傾向も目立っていたという。

学力低下問題に詳しい国際医療福祉大の和田秀樹教授も「学力低下に対応する画期的な内容だが、総合学習は全廃すべきだ。勉強意欲を増すといわれてきたが、実際には勉強ができる子にしか効果が表れていない」と話す。

教員の中からも総合学習への批判がある。

埼玉県の公立小学校教諭は、授業準備の負担が大きいため、行事の準備時間に利用したり、勉強の苦手な子供向けの“補習”に利用したりしている学校もあるという。

「総合学習は、教員側に問題があるともいわれるが、時間も費用もないなかで独自の授業などできない」と嘆く。

神奈川県の公立中学の野牧雅子教諭も「どうせなら全廃すべきだ」と主張する。

総合学習の時間に一部の教員が過激な性教育を行ったり、イデオロギー的な平和教育を行う弊害もみられたという。

「総合学習の導入により教員の負担は倍増した。準備に追われて、最も大切な教科学習がおろそかになっている。1時間減らしただけでは、充実した教科学習はできない」と訴えている。(川瀬弘至)

社会人講師として総合学習に参加して現場を見た経験からすると、総合学習の一番の問題は「あまりに教員の負担が大きすぎる」です。
総合学習だからという理由で教科書も教材も無い。教員が用意するとなっていますが、これはとてつもない手間で、とても出来るものじゃない。
しかも、予算がない。これで「総合学習をしろ」というのがムチャクチャで、結果として社会人講師で参加するときにも、ボランティアでは追いつかず別の事業で得た資金を注ぎ込むといったことなります。
これでは、続くわけがない。

一方、サンケイ新聞が紹介している「反ゆとり教育」を標榜する方の意見もおかしい。
「学力の高い子に有効で・・・・」というのはゆとり教育を導入したときに「生徒の個性に応じて」であって、言葉を変えれば「全員同一ではない」としたのだから結果として当然で、これは総合学習の問題じゃないでしょう。
論点のすり替えであると断じます。

わたし個人としては、総合学習が小学校3年生からかなりの時間を割いているのは、やり過ぎだと思います。
小学校では6年生だけでよいのではないでしょうか?

ただし、従来の教科授業を強化すると広い意味ので学力が向上するか?となると疑問です。
元々、教育は学校教育・家庭教育・社会教育があると言われています。
何十年か前から比べると、少子高齢社会でありハイテク社会であり、団地化社会になったので一番変化したのは社会教育の機会の劇的な減少でしょう。

学校教育は週5日制度の導入ぐらいの変化しかないですし、家庭のあり方もそうそう極端に変化できるものではないでしょう。
その点、社会の変化はすごくて工場街で育ったわたしは町工場を覗いて、溶接とかガラス工場などを見ていました。
それが今では、工場街には人が住んでいないから当然子どもも居ない。子どもたちが居るのは住宅街であり、団地です。仕事や社会といったものが見えない生活をしているのです。
聞いた話ですが、小学校の高学年になってようやく現金を見たという子供もいるそうです。

だから、従来の教科をやればよいというとは別に、学校で社会教育をせざる得ないでしょう。
商店街や工場街に住むのが有利になるように税制を変えるとか、工場では外部から見えるガラス張りの工場を優遇するといった、総合的で施策が必要です。

8月 31, 2007 at 10:47 午前 教育問題各種 |

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今日の新聞によると、文部科学省は、小学校の総合学習の時間を削って、主要4教科と体育の授業時間を一割増やす方針だそうですね。 また高学年を対象に週1時間程度の英語活動を新設するので、年間の総授業時間数は低学年で70時間、中高学年で35時間程度増えるのだそうです。 これだけを読むと、子供たちの学力が上がり一見良いようにも思えますが、現実にあまりに忙しく追われている子供たちを見ていると、子供 ... 続きを読む

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