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2007.08.30

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その7

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その6」ではアルバイトをした側(お金を受け取った側)が書類送検された記事を伝えましたが、すぐにお金を出した側が送検されました。

送検されたのは、小林議員の公設秘書の出納責任者と、事実上の選対事務長と思われる県連職員です。
事務長か出納責任者のいずれかが有罪になった場合は連座制が適用となり、議員は失職します。
この事から、今回の送検は小林議員の連座制適用での当選無効・失職へ向けて事態は進んでいると見るべきでしょう。

新聞報道では、出納責任者の弁護士は「選挙運動とされる部分はごく一部で、事務所で内勤だった日もある。受け取った現金は報酬にあたらない」として争う姿勢を示していますが、県連職員については、肝心の県連が小林議員が国会にも出ないで雲隠れ状態を「(次の)選挙が出来ない」と言っているくらいですから、裁判になってこの県連職員が検察の主張をそのまま認めてしまうかもしれません。

そうなると、出納責任者が無罪を主張して、極端に言えば「本当に知らなかったから出納責任者は無罪」であっても、事務長が有罪で連座制適用により小林議員は失職となるでしょう。

すでに小林議員の失職後をにらんでのその後の4月の補欠選挙に関わる判断に動いているのだろうと思いますが、自民党と公明党と民主党の3勢力の関係性が今まで10年間ぐらいとはまるで違ったものになっていくと思われます。
一議員の選挙違反事件ですが、ことは神奈川県の政界再編成とも言えるインパクトがありそうです。

東京新聞記事では選挙事務所として弱かったとありますが、実際問題として選挙に至るまでに「講習会」のようなものを政党主催で開くものです。
そういった準備を経て選挙戦にはいるのですが、送検された出納責任者が決定したのが公示日の2日前というのは、ほとんど「あんたで届けておくからね」程度の事だったのでしょう。
それでは「その時の選挙実務のノウハウ」なんて入ってくる時間などありゃしない。

わたしが関わっていた統一地方選挙では、4月15日告示22日投票の選挙に対して、わたし自身は1月から事務所に入りましたが、候補の夫人はその次点から選挙戦の直前まで昼間はほとんど事務所に来ないで、各種手続きを含めて外回りで情報を収集していました。

夜になってから「今日はこういう情報があったが、どうしようか」と話し合って行動を決めていく。
こういったことに十分な時間を掛けてやることが重要であると知っている人たちが居ないで、人数だけ揃えてもダメだと言えます。
運動を手伝ってくれると集まって来た方の中にも「宴会やらなくては」とか言い出して周囲が「おいおい」と止めるなんてこともありました。
そういう人たちも含めて「こうやっていかなくてはいけない」「公選法は大変だ」と認識して貰うことこそが、選挙事務所の中心にいる人間の責務であって、その意味では「分かってなかった」とか「認識が違う」では回りの人に多大な迷惑を掛けます。
今回も、学生を中心とするアルバイトの人たちに迷惑を掛けたのは明らかで、それだけでも「責任あり」と言えます。

神奈川新聞より「出納責任者ら起訴、小林参院議員が辞意否定

参院選神奈川選挙区で当選した自民党の小林温議員陣営が運動員に報酬を支払ったとされる事件で、横浜地検は二十九日、公選法違反(日当買収)の罪で、出納責任者と県連職員の両容疑者を起訴した。小林議員はコメントを出し、現時点で議員辞職する考えがないことを明らかにした。

今後、出納責任者の有罪が確定すると、連座制が適用されて小林議員が議席を失う可能性がある。また県連職員が「組織的選挙運動管理者」と認定された場合も同様の流れになる。

一緒に逮捕された同党市連職員と、金銭を受け取ったとされ書類送検された学生ら二十四人は不起訴(起訴猶予)になった。

事件発覚以後、公の場に姿を現していない小林議員はコメントで「現在は報道された以上のことは分からないので、裁判を通して事実関係を正確に把握した上で対応を考える」との意向を表明した。

公選法違反事件の一審は通常、事件受理日から三十日以内に初公判が開かれ、次回以降は週一回以上のペースで審理することになっている。裁判所には判決を百日以内に出す努力義務の規定があり、順調に進めば十二月までに結論が出る見込み。

起訴状によると、両被告は市連職員の男性と共謀し小林議員の当選を目的に、投開票日の七月二十九日ごろから八月一日までの間に二十四回にわたり、横浜市中区の事務所内などで学生ら二十四人に選挙運動の報酬として現金計百五十三万円を渡した。

読売新聞神奈川版より「雲隠れ小林議員に批判自民内からも自分の口で説明を

参院神奈川選挙区で再選した自民党の小林温議員(43)派幹部の選挙違反事件は29日、出納責任者ら2人が起訴された。
小林議員は事件後、臨時国会を欠席するなど公の場に姿を見せていない。
自民党内にも「説明責任を果たしていない」と、批判や疑問の声も出ている。
出納責任者は調べに「アルバイトの学生らが選挙運動をしていることは知らなかった」と犯意を否認、今後の裁判の行方が注目される。

小林事務所によると、小林議員は出納責任者らが7日に逮捕されて以降、臨時国会に登院せず、横浜市の自宅マンションにも戻らず、東京都内のホテルを転々としている。県連幹部の一部にしか居場所も伝えていない。

出納責任者の起訴を受けて小林議員は「裁判を通して事実関係を正確に把握した上で、対応を考える」とコメントを出した。

こうした対応に、県内選出の自民の若手衆院議員は「説明責任を果たしていない。このままでは疑惑が晴れないままダメージだけが広がっていく。自分の口できちんと説明すべきだ」と批判する。

別の衆院議員も「89万票も取ったのに会見しないのでは、県民に納得してもらえない。県連も次の選挙に入れない」と頭を抱える。

自民県連幹部の一人も「陣営関係者が起訴されたことに対して公の場で県民に謝罪し、説明責任を果たせないような人間は、国会議員である資格はない」と対応を厳しく批判した。

一方、職員の起訴について自民県連は「報道以上のことについては分からない。裁判の推移を見守っていきたい」としている。

また、次点だった松あきら前議員の公明県本部幹部は、連座制で失職するなどした場合、繰り上げ当選の可能性があるだけに、「現段階では何とも言えない。裁判の推移を見守りたい」と慎重に言葉を選んだ。

■出納責任者ら起訴■

連座制適用で議員が失職するかどうかは、出納責任者の起訴で「百日裁判」に委ねられる。出納責任者の弁護人は無罪主張する方針。小林議員は辞職せず、裁判の行方を見て進退について判断するという。

横浜地検の調べによると、出納責任者とともに起訴された党県連職員は遊説活動のまとめ役で、場所取りなどを行う「設営班」の学生らを指揮していた。出納責任者は学生らに「日当」名目で選挙運動の報酬を支払った。

公選法は、候補者の資力によって選挙結果が左右されないよう、「選挙運動は無償のボランティアが行う」ことを想定。ウグイス嬢など特定の運動員以外には、報酬を支払うことを禁じている。

学生らは設営作業のほか、遊説で小林議員と一緒に練り歩く「桃太郎」行為をしたり、ビラ配りで投票を呼びかけたりしていた。捜査当局は「全体として選挙運動をしていたと評価できる」としている。

また、出納責任者はこうした実態を「知らなかった」と否認しているが、捜査当局は「同じ事務所で仕事をしており認識できた」として起訴した。

出納責任者の弁護人の高原将光弁護士は「選挙運動とされる部分はごく一部で、事務所で内勤だった日もある。受け取った現金は報酬にあたらない」と反論。選挙違反事件として成立するかどうか争うことも検討しており、裁判では激しい争いが予想される。

一方、県警は小林議員本人の関与の有無も捜査した。捜査幹部は「議員もビラ配りの運動員を見ていただろうし、側近の出納責任者の行為を知らないはずはないと考え、捜査は尽くした。裏付けるだけの証拠が確認できなかった」としている。

東京新聞神奈川版より「小林温議員陣営買収事件起訴弱い組織に甘い認識

七月の参院選神奈川選挙区で当選した小林温議員(43)陣営の選挙違反事件で二十九日、公設第二秘書だった出納責任者ら二人が横浜地検に起訴された。捜査当局は、選挙運動を行った大学生らに報酬として現金を渡すという違反に及んだ背景に、陣営の弱い組織体制や甘い認識があったとみる。一方で、出納責任者は現金を渡したことは認めながら、「買収ではない」と否認を続けている。(佐藤大、中沢穣)

「事務所としての体制が薄かった」。起訴を前に陣営幹部は、疲れ切った表情で、組織について反省の弁を述べた。

現職とはいえ、もともと“落下傘候補”で強固な支持基盤を持たなかった小林議員。選挙スタッフは「寄せ集め」(陣営幹部)状態だった。そんな中、小林議員の公設第一秘書が六月ごろ、個人的な都合で事務所を辞めてしまう。

出納責任者のなり手がいない中、公設第二秘書が出納責任者に納まったが、それが決まったのは、公示日のわずか二日前だった。別の衆院議員のスタッフとして働いたこともある出納責任者だが、選挙についての経験は乏しかった。周囲には「私でも(出納責任者が)できるかな」と不安を漏らしていたという。

◆選挙運動か否か

選挙資金の管理を一手に引き受けることになった出納責任者。投開票日の七月二十九日、事務所の給湯室などに大学生らを一人ずつ呼び出し、「ご苦労さま」と一人当たり一万円から十二万円の現金を手渡していった。

公選法では、ビラ配りなどで投票を依頼する「運動員」に報酬を支払うことは禁じられているが、あらかじめ選挙管理委員会に届け出た「事務員」やポスター張りなどの単純作業を行う「労務者」に報酬を渡すことは認められている。

出納責任者の弁護人によると「大学生らは労務者などとしてかかわっていた。設営や場所取りがほとんどで、選挙運動には当たらない」と出納責任者の潔白を主張。出納責任者は「大学生らが選挙運動をしていたことは知らなかった。買収ではない」と否認しているという。

しかし、捜査当局は学生らの主な活動は、ビラ配りなどの選挙運動だったと断定。選挙運動には当たらないという主張について、捜査幹部は「へ理屈にすぎない」と切って捨てる。出納責任者が深い認識がないままに違反に手を染めていたとみる。

◆口止めの意味は

一方で、ビラ配りや街頭活動のまとめ役となった自民党県連職員は容疑を認めている。

ただ、「事務員でも選挙運動用の腕章を着ければ、ビラ配りなどができると勘違いしていた」と犯意はなかったとし、学生らに「(現金のことは)言わないでね」などと口止めをしたとされる点について、「事務所内のボランティアの人が気を悪くしないようにと思って言っただけだ」と、その趣旨の違いを強調しているという。

8月 30, 2007 at 11:00 午前 選挙 |

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