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2007.06.05

ジェットコースター脱線死亡事故その8

毎日新聞より「コースター事故:車軸と軸穴にすき間 長年使用で磨耗か

大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」で、ジェットコースター「風神雷神2」の車両の車軸が折れて脱線し、乗客の女性が死亡した事故で、車軸と軸穴が長年の使用で摩耗し、すき間ができていた疑いが浮上した。
車軸は本来、軸穴にすき間なく差し込まれる構造設計だが、エキスポランド社の関係者は「走行に伴う摩耗ですき間ができる」と証言。
この結果、車体に固定された車軸のうち、折れた付け根部分に荷重が集中し、金属疲労を起こした可能性が出てきた。

折れた車軸は「ボギー軸」と呼ばれ、車体側と車輪ユニット側の軸穴にそれぞれ差し込む「はめ合い工法」で組み立てられている。
風神雷神2の車軸は、強度の強い特殊なはめ合い工法により軸穴にきつく差し込まれる設計で、中央部分と両端を固定している。中央部分が太く、最も荷重がかかる構造だ。

エキスポランドで遊具の保守点検に携わった経験のある技術者は「ボギー軸は、5~6年たつとはめ合い部分が摩耗しているものがあった。
接着剤ですき間を埋めたりして補修した」と証言する。解体点検の際は油圧式機械やハンマーを使って車軸を抜いたり、差し込んだりするが、摩耗が進行し抜けやすくなっているものもあったという。

本来、はめ合い部分で荷重を支える構造なのに、ここにすき間ができると、車体と固定された車軸の付け根部分に荷重が極端に集中する。付け根部分が支点となり振動などで車軸が上下左右に動くため、金属疲労による亀裂が進行するという。

風神雷神2と同型の立ち乗りコースターがある「よみうりランド」(東京都)でも、はめ合い部分の摩耗が原因で00年に車軸12本をすべて交換した。軸穴を再加工したため、差し込む車軸もそれに合わせて新しいものにしたという。

風神雷神2は15年前の使用開始以来、一度も車軸を交換していない。関係者は「どの程度の摩耗で交換すべきかは技術者の判断。
摩耗の進行を見落としていたか、まだ大丈夫だと判断したのではないか」と指摘する。

府警吹田署捜査本部は、コースター発生1カ月を前に4日、折れた車軸の破断面などの写真を公開した。破断面は金属疲労の特徴があり、専門家は「少なくとも数年前から金属疲労による亀裂が進行していたと推測できる」と指摘。
エキスポランド社は、年1回は車両の解体検査をしていたと説明しているが、数年間にわたり亀裂を見落としていた可能性が浮上した。

折れたのは2両目の車両の車軸で、ナットで車体と固定された部分が破断した。材質は鉄にニッケルとクロムを加えた合金で、折損部分は直径3.6センチだった。

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なんとも分かりにくい内容ですが、以前の記事「ジェットコースター脱線死亡事故その7」にアップしたシャフトの写真と「ジェットコースター脱線死亡事故その5」で示した構造図を合わせて見ると分かってきます。

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  1. 車体に車軸は締嵌めで取り付けられている
  2. 車軸に車輪ユニットが取り付けられる
  3. 車体側の穴が摩耗で大きくなる
  4. 車軸が長手方向に動くようになる
  5. 固定ナットに衝撃が繰り返し掛かるようになる
  6. 車軸のネジ部分が疲労して破断
ということのようですね。

回転方向の動きも当然あると思うのですが、どこが動いていたのでしょうか?
破断した部分だけで長手方向の抜け出しを押さえていることになりますね。これはちょっと怖い。
変形することで異常を知らせるとか、複数部品で支えるとか、いきなり致命的な事故にならないようにするという配慮に欠けた設計だと思います。
点検/補修すれば起きなかった事故ではあるが、設計不良と言えると思います。

しかし、運用側の整備担当者はこのような構造であることを承知していたのだろうか?
整備情報のノウハウを交換することは飛行機では組織的に行われているのだが、他の機器ではどんなものだろう?

6月 5, 2007 at 09:37 午前 事故と社会 |

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