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2007.06.22

温泉爆発:なぜ知らないと責めてもダメだろう

東京新聞より「ガス発生認識せずに営業 渋谷の温泉施設爆発事故

渋谷区の女性専用温泉施設「シエスパ」の爆発事故で、施設を運営する「ユニマットビューティーアンドスパ」(港区)幹部が、警視庁捜査1課などの聴取に対し「温泉から天然ガスが発生することは想定していなかった」と説明していることが22日、分かった。

天然ガスが発生する危険性を認識しないまま、ユ社経営陣が温泉施設を営業していた疑いが浮上した。

東京、千葉、埼玉、神奈川など首都圏の地下には「南関東ガス田」があり、地中深くから温泉をくみ出すと、溶け込んでいた天然ガスが発生するのは業界では広く知られている。
こうした認識もなく温泉事業に進出したユ社の企業体質が厳しく問われそうだ。

捜査1課も、ユ社がガス発生を認識し十分な対策を施していれば事故を防げたとみて、押収資料の分析や関係者の事情聴取を重ねるなどして、さらに調べる。

本当にこういう理解をしているのだとすると、なんのためにガス分離器を設置しているのか分かっていなかった、となります。
直感的には「知らないはず無いだろう」と思うのですが、最近のコンピュータなどに代表される技術のブラックボックス化やかなり高度なこともお金を出せば簡単に入手できるといった現実は「技術のことは知らない」「自社で使っている仕組みを理解していない」でもとりあえずは事業が成立するような時代になってきたということなのでしょう。

結果責任を追及するのはこの記事の示すところですが、「なんで知らないで事業が出来たのか?」と責任追及しても「知らなかった」しか出てこないでしょう。
それでは責任は追及できるでしょうが、対策にはならない。

だからと言って、ありとあらゆることを事前に役所が検査して承認するというわけにもいかないから、社会の知識として安全についての情報などが沢山あることが大事で、常識になっていれば「知らなかった」と視聴しても「こんなに沢山情報があるから、知らないはずがない」と言えます。

ジェットコースターのシャフト破断死亡事故も「なんでこの程度の点検・交換をしなかったのか?」と驚くところですが、これも基本的には「知らなかった」でありましょう。

このように見ると、最近のちょっと珍しい事故では「知らなかった」といったことが遠因になっている事故が多いと感じます。
改めて、事故の調査分析をして社会的な対策を提案する仕組みが必要だと強く思います。
交通安全の教育でも「警察に叱られる」と教えるのと「危険だから」と教えるのでは全く質が違うわけで、今必要なのは「社会の知恵の程度を向上させること」だと思います。

6月 22, 2007 at 11:57 午前 事故と社会 |

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コメント

必要性が理解できない機械を購入したとしたら、それはそれで取締役の義務を果たしていない希ガス。

投稿: Ikegami | 2007/06/22 15:58:53

温泉が原油に変わるかもしれないとロマンを持てなかったのでしょうか。

この世には殺傷石なるものがある等とは。

まさか誰も昔ながらの温泉地知らない?

温泉では?????も。

だから。

投稿: yumerou | 2007/06/22 21:42:26

天然温泉を天然ボイラーと安易に考えてたのでしょう
鉱物系マニアがブレーンに一人でも居れば…

温泉水でご飯を炊くと腐らないなんて話、実は砒素濃度が高かったと言う落ちが有ったりしますから


投稿: トレペ | 2007/06/25 0:54:05

興味深い記事でしたので、当方のブログにリンクを付けさせていただきました。

投稿: honda | 2007/06/27 7:36:02

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