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2007.06.28

携帯電話の明日はどっちだ

読売新聞より「ケータイ業界に大変化、キャリアの収益モデル見直し求める--モバ研報告書

総務省の研究会「モバイルビジネス研究会」が6月26日、報告書案を公開した。
販売奨励金の見直しやSIMロックの解除など、既存の携帯電話事業者(キャリア)に対して収益モデルを抜本的に変革するよう求める内容となっている。

既存キャリアは現在、ネットワークから携帯電話端末、サービスまでを一体化した垂直統合型のビジネスを展開している。
これに対して研究会では、それぞれを切り離して利用者が自由に選べる環境が望ましいと指摘する。

報告書の提言は大きく3つ。

  • 携帯電話端末を販売する際の奨励金の見直し
  • キャリアが自社の端末を利用者に使わせるためのSIMロックの解除
  • キャリアの通信回線を借りて携帯電話事業を展開するMVNOを増やすための環境整備

2008年度には新料金プランを一斉導入、ポイント制は廃止

まず、販売奨励金の見直しを求めた。
販売奨励金とは、キャリアが携帯端末を販売する代理店に一定の料金を支払うことで利用者が安く端末を購入できるようにしたもの。
キャリアは利用者から毎月得る通信料金でこの奨励金をまかなっていることから、端末をあまり買い替えない利用者にとっては不利になるとの指摘が出ていた。

現在、ソフトバンクモバイルなどは2年間の契約をする代わりに初期の端末購入料金を安くする割賦販売制度を導入している。
一定の利用期間が定められた契約については、研究会もその意義を認めている。
ただし、あまりにも長期になりすぎると、利用者を囲い込むことなり競争を阻害すると指摘した。
また、端末の価格を補填するために機種に応じて通信料金を割り引く仕組みについても見直しが必要とした。

このほか、通信料金の額に応じてポイントを付与し、このポイントを端末購入時の割引にあてる方法については、「実質的に分離プランの趣旨を没却することになるため、こうした施策を採用することは適当でない」と廃止を求めた。
NTTドコモは自社のクレジットサービス「DCMX」でこのポイントがたまることをアピールポイントの1つにしており、戦略の変更を迫られることになる。

販売奨励金は会計上、営業費用として計上されている。
この費用はほかの事業者との接続料を計算する際の元となっており、結果として端末の販売費用をほかの事業者から徴収していることになると研究会は判断。
公正な競争を確保するためには、会計上の取り扱いを見直す必要があるとした。

このため、2007年度をめどに電気通信事業会計規則を改正するべきとする。実際の施行は2008年度からとなりそうだ。これが実現すれば、利用者の通信料金引き下げにつながる可能性がある。

SIMロック廃止は次世代ケータイで実現へ

SIMカードと呼ばれる通信カードを差し込まないと携帯電話端末が使えず、キャリアを超えて同じ端末を使うことができない「SIMロック」と呼ばれる問題については、2010年に結論を持ち越した。
これは、現在の状況でSIMロックを解除しても、利用者にとっての利益がほとんどないためだ。

現在、ドコモとソフトバンクモバイルはW-CDMAという方式を、KDDIはCDMA2000方式を採用している。
両者に互換性はなく、SIM カードを差し替えて使うことは技術的に難しい。
また、ドコモとソフトバンクモバイルであればSIMカードを差し替えることで音声、ショートメッセージサービスを利用することはできるが、記述言語が異なるため同じ端末でメール送受信やウェブブラウジングをすることができない。

このため、研究会では「SIMロックについては原則解除することが望ましい」としながらも、第3.9世代や4世代と呼ばれる次世代の携帯電話端末でSIMロック解除を義務づけるよう検討すべきとし、2010年の時点で最終的な結論を出すべきとした。

SIMロック解除のメリットとしては、キャリア共通の端末の上に利用者が必要とするアプリケーションを購入し、利用するようになれば、あまり機能を必要としない利用者はシンプルな端末を低価格で手に入れられるなど、選択の余地が広がることが挙げられる。

また、これまで端末メーカーはキャリアごとに別の端末を製造する必要があり、開発費の高騰につながっていたが、SIMロック解除によりコストを下げ、独自の戦略で端末を展開できるようになるとした。

MVNOへの回線貸し出しは義務化へ

キャリアの通信回線を借りて携帯電話事業を展開するMVNOについては、新規参入により競争が加速されるとともに、利用者が新しい選択肢を得られることで市場が拡大する可能性があると期待を寄せる。

具体的には、固定通信と連携したFMCと呼ばれるサービスや、地域に密着した事業者の登場、法人市場の開拓などを挙げた。

WiMAX、フェムトセルへの対応は2007年度中に結論を

このほか、2007年度中に行うべきこととして、WiMAXへの対応やフェムトセルと呼ばれる新しい基地局への対応などを挙げた。

まずWiMAXについては、通信チップがPCに内蔵される可能性を指摘。
現在、通信機能を持つ端末は財団法人電気通信端末機器審査協会(JATE)の認証を受ける必要があるが、2007年秋にモバイルWiMAXの周波数が割り当てられることもあり、2007年中に新たな仕組みの整備が必要とした。

フェムトセルは、無線LANルータの機能を持つ小型の携帯基地局。
これを利用者が家庭に設置すると、屋内では携帯電話を無線IPフォンとして利用できるようになり、利用者が通話料金を下げられると期待されている。
しかし現行の電波法では、利用者が勝手に基地局を設置することはできない。
このため、 2007年度末をめどに、フェムトセルを法律でどう扱うか決めるべきだとした。

検討課題としては端末プラットフォームの共通化、端末とネットワークの接続性やソフトウェアの相互運用性などを検証できる場の創設、携帯電話向けのウェブ記述言語の共通化、携帯端末のAPIの公開なども挙げた。

携帯電話の通話料が下がって、電話機代が上がるとニュースに取り上げられた件です。
テレビのニュースで「なんで0円携帯電話が成立するのか?」を一言で解説して「電話会社が電話機まで作っているからだ」とキッパリと言っていました。

通信方式が電話会社毎に違っているので、電話機を取り替えずに電話会社を取り替えることが出来ないから、通信料金が収入源である電話会社にとっては電話機の価格は意味がないわけです。
ところがこれで大問題になるのが、国内と海外で互換性がないことです。

これは以前から問題にされていて、どう考えてもいつまでも互換性の無いままで続けられるとは思えません。
「レバタラ」そのものですが、現時点で海外の標準規格であるGSMを採用する携帯電話会社を作ったらビジネスとして成り立つのではないだろうか?

その一方で、携帯電話から携帯端末として高度化するのは当然の趨勢で、次世代では統合というような主張はもっともだと言えます。
しかし、電話機のハードウェアを作っているメーカは実際に様々なキャリアーに対応する電話機を作っているわけで、日本では使えない海外の特にスマートフォンの日本向け改造版が出てこないものか?と期待しているわけです。

そんなわけで、これに期待するのであります。

6月 28, 2007 at 10:48 午前 新商品やお買い物 |

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コメント

 企業のビジネスモデルに国が口出しするのではなく、新規参入を促して寡占状態を打破することが、消費者にアピールするさまざまなビジネスモデルの出現を促すのではありませんか?
 つまり、携帯電話周波数帯をもっと広げ、3つどころか、30社ぐらいが参入できるようにする。
 電波帯域は場所によってはほとんど利用されていません。たいへん勿体無い話ですが、既得権益が重視され、免許を取り上げることができません。
 政府が場当たり的に認可してきたので非効率的な資源配分が放置されています。政府専用の緊急回線や電波天文学などの帯域以外の免許はすべてオークションにかけて取引対象にした方がいいと思います。

投稿: Inoue | 2007/06/29 6:38:01

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