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2007.03.28

牛乳と表現の自由の争いなのか?

FujiSankei Business i より「牛乳は有害 の根拠ただす 健康科学会議が新谷教授に公開質問
医学や栄養学などの学識者で構成する「牛乳乳製品健康科学会議」(会長・折茂肇健康科学大学学長)は27日、100万部超のベストセラーになっている「病気にならない生き方」(サンマーク出版)の著者、米アルバート・アイシュタイン医科大の新谷弘実外科教授が、「牛乳を飲み過ぎると骨粗しょう症になる」などと記していることについて、その根拠などを正す公開質問状を送付した。

同会議では、「新谷教授の主張には科学的根拠に大きな疑問がある」(折茂会長)とし、4月30日までに回答するよう求めている。

質問書は8項目。新谷教授の主張の見解を裏付ける科学的根拠を示すよう求めると同時に、主張に反論する同会議としての見解を明記している。
こんな問題が起きているとは知らなかったが、アマゾンで検索してみるとレビューの中にもかなり強い新谷教授への批判もあった。

さらにネット上には「牛乳消費低下の一原因」なんて意見もあって「だから、公開質問状を出すのか」と変に納得してしまった。
サンマーク出版の本には少なからぬトンデモ本があって、これもその一つか?とも思うのだが、牛乳業界としては見過ごせないというのが大きいのでしょう。

FujiSankei Business i の記事には詳細な質問事項が並んでいます。
  • 【質問1】 「市販の牛乳は『錆(さ)びた脂』ともいえる」、「ホモゲナイズ(均質化)することにより、生乳に含まれていた乳脂肪は酸素と結びつき、『過酸化脂質』に変化してしまいます」、「超高温にされることによって、過酸化脂質の量はさらに増加します」と述べているが、それを裏付ける科学的根拠は。


  • 【質問2】 「カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウムを減らしてしまう」と述べているが、それを裏付ける科学的根拠は。


  • 【質問3】 「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」と述べているが、その科学的根拠は。


  • 【質問4】 「牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界4大酪農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股(こ)関節骨折と骨粗鬆症が多いのはこのためでしょう」と述べているが、その科学的根拠は。


  • 【質問5】 「牛乳ほど消化の悪い食べ物はないといっても過言ではありません」「牛乳に含まれるタンパク質の約8割を占める『カゼイン』は、胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いのです」と述べているが、その科学的根拠は。


  • 【質問6】 「日本ではここ30年くらいのあいだに、アトピーや花粉症の患者が驚くべきスピードで急増しました。(中略)その第1の原因は、(中略)学校給食の牛乳にあると考えています」と述べているが、その科学的根拠は。


  • 【質問7】 「市販の牛乳を(中略)子牛に飲ませると、その子牛は4、5日で死んでしまうそうです」と述べているが、その科学的根拠は。


  • 【質問8】 「ヨーグルトの乳酸菌は、胃に入った時点でほとんどが胃酸で殺されます。(中略)腸まで届いたとしても、はたして常在菌と手を取り合って働くことが本当に可能なのでしょうか」と述べているが、その科学的根拠は。
本を読んではいないのですが、割とありがちなトンデモ本という印象が強いですね。
もっともこの公開質問状が「科学的根拠を述べよ」となっていますが、過去のこの手の論争では「科学的根拠が正しいとは言えない」といった「哲学的(?)」論争になってしまうことが多く、意見の衝突も平行線のままでした。

3月 28, 2007 at 10:00 午前 日記・コラム・つぶやき |

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 かなり前の通勤中に聞いていたことなのでうろ覚えなのですが、ラジオで次のようなことを言っていました。「最近、牛乳が体に悪いと書いてある本が100万部以上も売れている。日本は表現の自由がある国なので、それは構わないのだが、反論する自由も当然ある。なぜ、牛乳関連の業界団体は反論しないのか。反論しなければ、"反論できないってことは本に書いてあることは本当なのか"、と判断される可能性もある。100万部というのは無視できない数字だ。」 確かに、その通りだと思います。また、この本が病気にならない生き方のことだと... 続きを読む

受信: 2007/03/30 8:49:21

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受信: 2007/04/07 1:16:00

コメント

こんばんは。

数年前、農水省が、この記事を取り上げた週刊誌の編集部に対し、質問状を出しています。やりとりの結果は、今回ご紹介いただいたモノとほとんど変わらなかったようですが。

http://food.kenji.ne.jp/review/review343.html

紹介したURLに、牛乳有害説がいかにトンデモなのか、詳しく解説してありますので、ぜひご一読を。

comの結論…例え件の医師が臨床医としてある分野の権威だったとしても、異なる分野においては単なる素人として見るべきだ、ってことでしょうかね。

有機化学の専門家が、高分子化学の専門分野で本を書いた、みたいな感じでしょうか。
基本となる知識は共有されているでしょうが、掘り下げて議論できるとは思えませんしねぇ。

投稿: com | 2007/04/01 3:22:34

わたしは内容よりもマスコミを舞台にした情報合戦といった風に受け取っています。

あからさまに言えば、もし牛乳消費量が伸びていたのであればこんな公開質問状を出すといったことにならなかったのではないだろうか?と思っています。

投稿: 酔うぞ | 2007/04/01 8:56:18

そもそも牛乳が栄養食品だの完全食品いわれることがおかしいのであって、牛乳がよろしくないらしいことはもはや常識だと思う。毒ではないにせよ。この4月も
http://www.pcrm.org/news/archive070405.html
前立腺ガンが乳製品のカルシウムで起こるのではということが言われている。

より詳しいことは最近書店に並んでいる山田豊文さんの
「病気になりたくない人が読む本」を読むべし。
ハーバード大のナースヘルススタディー(研究)、76000人もの大規模研究で牛乳が骨折予防にならないということを結論づけた記事が出てるから。

新谷氏に質問する前に酪農協会と国こそが、どうして牛乳が健康食品なのか、その実態を踏まえて説明すべきでは。最近のアレルギーやその他の疾患と乳製品に因果関係はないのか、きちんと証明すべき。

とはいえ、この質問状は酪農協会のポーズではないかな。

もし、これで新谷氏の意見に分があるとなれば大変なことに。それこそ国を巻き込んで。

個人的に最も不思議なのはスーパーなどに行くと200円以内で牛乳は山積みされて販売されていること。そんなに牛は牛乳を生産できるのか?

投稿: 牛が最もかわいそう | 2007/04/17 12:26:45

このような書籍が出てくる背景としていろいろな見方ができるが、現在の世に存在する製品も食品も情報も何一つ安心して頼れるものはない。そうした中で、一般市民の多くは難しいことを言われても理解できないこともあって、多少不安を感じることについて新鮮味のある結論のみをズバリ言ってくれる人を求めている。極端な話であるが、著者からすれば、記述内容の一部に嘘があってもよいのである。

もう一つ、著書には「~の分野の世界的権威」との記述があるが、英語のサイトを見てもそのような表現は見当たらない。おそらく、著者の自称であろう。著者は、「医師」の肩書きにこのような形容句を付ければ一般市民の多くが信用することを見込んでいるのであろう。

病気にならない生き方② 実践編」には電子レンジに関する記述もある。詳細は割愛するが、電磁気学や放射線学、量子力学の分野には全くの素人の医師ががこんなことをよくも公言したものだと呆れてしまう。あまりにも読者を愚弄した書籍である。

投稿: かもしか | 2007/05/01 11:49:46

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