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2006.09.23

ドイツ・リニア線で衝突死亡事故

読売新聞より「独・リニアが作業車と衝突、21人死亡…実験走行中
ドイツ北西部ラーテンで22日午前10時(日本時間同日午後5時)ごろ、実験走行中のリニアモーターカーが軌道上の作業車両と衝突した。AP通信などによると、29人が試乗中で、少なくとも21人が死亡した。

事故があったのは、全長32キロ・メートルのテストコース。車両は無人の遠隔操作による運転で、事故当時、時速200キロで走行中だったと見られる。

事故原因について車両を開発したトランスラピッド・インターナショナル社の広報担当者はAP通信に対し、「車両故障ではなく、通信系統のトラブル」との見方を示した。
通信系統がシステムの重要部分で車輌故障ではない、というのはなんか間違えだと思うけどね。

作業車に高速度で衝突したのだから、これは普通の電車などでも起こりうる話であって、新幹線では全くないことだし、普通の鉄道でもほとんどありません。
実験線とは言え人を乗せて走っているのだから、普通の鉄道よりも高度な管理体制が期待されるわけで、これでは一気に信用が落ちてしまうでしょう。

9月 23, 2006 at 08:28 午前 海外の話題 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.09.22

国旗国歌は尊重されるべき

読売新聞より「国旗・国歌で起立・斉唱強制、都教委通達は違憲…地裁
東京都教育委員会が、入学式や卒業式で教職員が国旗に向かって起立し国歌斉唱するよう通達したのに対し、都立学校の教職員ら401人が都と都教委を相手取り、通達に従う義務がないことの確認や損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。

難波孝一裁判長は、「通達や都教委の指導は、思想・良心の自由を保障した憲法に違反する」との違憲判断を示し、教職員に起立や国歌斉唱の義務はなく、処分もできないとする判決を言い渡した。また、慰謝料として1人当たり3万円の賠償を都に命じた。

都側は控訴する方針。
いかにも議論を呼びそうな判決ですが、現時点ではわたしが拝見してる弁護士さんのブログでこのニュースに言及してるのは山口貴士弁護士だけです。

山口弁護士は結論として次のように述べています。
ただ、日の丸、君が代の押し付けには絶対反対します。日の丸を掲げろ、君が代を歌え、と強制することは間違いですし、その風潮がある限り、市民の反発を買うことは当然です。というか、僕自身も強い反発があります。
日本は、思想良心の自由を初めとする人権を尊重する民主主義国家であり、国旗、国歌は日本という国のあり方を定めた日本国憲法の理念の象徴の筈です。幾ら公務員とは言え、懲戒処分による恫喝をちらつかせ、起立・斉唱を強制すること自体、国旗、国歌の理念に反するというのが私の意見です。日の丸、君が代は、掲げたい人が掲げ、歌いたい人が歌えばよいのです。
わたしも基本的には山口弁護士と同じ考えですが、この判決には少々違和感を感じます。

東京都が原告教員の思想信条が東京都の基準に相応しくないから処分したのか?です。
事実関係として式場に於いて起立をしなかった、があります。
よって東京都は起立するべき時に起立しなかったという外形的な判断で処分をする事は出来るでしょう。
判決の趣旨はそういう外見的なことを理由に思想信条をしばることは許されないということだろうと思いますが、では思想信条の自由のためには外見的にどのようなことも許されるのか?と言えばそれはあり得ない。
思想信条の自由ために罰を受けることもある、というのが根源的な思想信条を護る途でしょう。

わたしは思想信条の自由は護られるべきだが、外見的行為についての処罰可能である、という判決があっても良いのではないか?と思うのです。
もちろん、現実の判決において今回の東京都の処分は過酷に過ぎる、となるべきでしょう。

9月 22, 2006 at 01:20 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.20

横浜地裁に裁判員制度対応法廷が稼働

神奈川新聞より「裁判員用に改装の法廷が初披露/横浜地裁
裁判員制度のスタートを控え、横浜地裁一〇一号法廷の改装が終了し十九日、報道陣に公開された。地裁では順次、刑事裁判に使う他の七法廷のうち、六法廷を裁判員裁判用に改装する。

一〇一号法廷は、旧地裁庁舎の仕様を壁面や家具のデザインに盛り込んだ、歴史を伝える法廷。
傍聴席は八十四席と、同地裁で最も大きい。

改装では、三人の裁判官が座っていた法卓を約一・五メートルのばして約七・四メートルとし、裁判員を含め計九人が座ることができるようにした。
また、裁判を分かりやすくするための映像機器などの導入を図りやすいよう、配線に配慮したフロアにした。



同法廷は、二十日から使用開始される。

いよいよ、裁判員制度対応の法廷が実用されるのですね。
10月27日には「環境ホルモン裁判」で横浜地裁に行きますから、見てこよう。


裁判員裁判は2009年5月まで始まることが法律で決まっていますから、たぶん2009年4月からの裁判では裁判員裁判が始まるでしょう。

最高裁判所のサイトにある「裁判員制度」に詳しい説明がありますが、その中の「裁判員の選ばれ方」を見てみると、
  1. 裁判員候補者名簿を作ります。
  2. 事件ごとにくじで,裁判員候補者が選ばれます。
  3. 裁判所で,候補者から裁判員を選ぶための手続が行われます。
  4. 裁判員が選ばれます。
裁判員候補者に選ばれると、通知が来るのだそうです。
手順を逆に辿ると、個々の裁判で裁判員を揃えるためには、
  1. 裁判員を決める
  2. 裁判員候補者の面接
  3. 裁判員裁判の適用を決める
  4. 裁判員候補決定通知
となりますから、有権者名簿から抽出して裁判員候補決定し個人に通知されるのは、余裕を見ると3ヶ月以上前になるでしょう。
もし、2009年4月に裁判員裁判が始まるのであれば、

2009年の正月からすぐに
「あなたは、裁判員候補に決定しました」
という通知が来る

ことになりますね。
2年半後に来ます。

平成17年(2005年)の全刑事裁判11万2千件を対象に裁判員裁判の適用を計算すると、3.2%である3629件であるとされています。
これを「各地方裁判所別の裁判員候補者の必要数の試算表」(PDF)で見てみると、横浜地裁では、1万2700人から2万5400人の候補者が必要となります。有権者の0.18%から0.36%です。
400人に一人ぐらいですから、町内から一人は選ばれるといった感じでしょう。
最近は裁判を傍聴する人も着実に増えていると思いますが、もっと傍聴する人が増えるべきだと思います。

9月 20, 2006 at 09:42 午前 裁判員裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.09.18

酒酔い運転問題その2

朝日新聞より「「きょうは車」名札も 自治体飲酒運転厳罰化の効果は
山梨県企業局は9月、全職員に名札を配った。車で出席した飲み会ではこの名札に「きょうは運転するので飲めません」と記したうえで着用するよう義務づけた。さらに、全職員の家族にも飲酒運転を戒めるよう要請文を出した。

佐賀県。8月末、福岡市の事故を受け、経営支援本部長名で、全職員あてに「飲酒運転を行った職員に対しては、懲戒免職といった厳しい処分を行うことになる」と、メールで警告した。

高知県では、厳格化前と後の各8年半の間に、飲酒運転により免職になった知事部局の職員数を比較した。
すると、厳格化前は19人、厳格化後は6人。
なんか知恵が足りないというか、本末転倒といった感じがつきまといます。
そもそも、酔っぱらい運転をさせないことに重点を置くべきでしょう。
そりゃ酔っぱらい運転をすれば懲戒免職です、とか言うのは確かに抑制効果を狙っているのでしょうが、じゃあ今まで何もしていなかったのか?となるとやっていることは同じでしょう。それでも酔っぱらい運転で事故がある。

具体的にどんな手段があるのかは分からないけど、例えば職場の宴会には携帯用のアルコール検知器を持たせるとかの方が効果があるのではないか?
あるいは、車で来ているかどうかをチェックするとか。

後になってカバーするよりも、あらかじめ排除しちゃう方が簡単でしょうに。

9月 18, 2006 at 06:51 午後 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.09.17

裁判員制度アンケート

毎日新聞より「裁判員に「参加」回答51%に 課題も残る
毎日新聞が実施した全国世論調査(面接、9月1~3日)によると、裁判官と一緒に重大な刑事裁判の審理をする裁判員に選ばれた場合に、51%の人が「参加する」と回答した。
04年9月の前回調査に比べて10ポイント増えたものの、なお46%の人が「できれば参加したくない」と答え、裁判員制度を「評価しない」という人も6割に達した。

裁判員に選ばれた場合に「積極的に参加する」と答えたのは17%(前回調査17%)▽「義務なので参加する」は34%(同24%)だった。両者を合わせると過半数の51%に達した。

「できれば参加したくない」という回答は46%で、前回調査の56%より減少した。

裁判員制度を「評価する」と答えたのは34%で、「評価しない」の60%を大きく下回った。「評価しない」と答えた人に理由を聞いたところ「判決が感情に左右されるおそれがある」が43%▽「専門性が必要」が41%▽「裁判員になりたくないから」が13%だった。
わたしは裁判員制度が話題になった頃には、無条件で裁判員制度賛成でしたが、段々具体的になってくるにしたがって、極めて難しいと感じるようになっています。
仕組みはマクロには賛成だが、簡単にできることではないな、という感じで世論調査も同じような傾向かと思います。

裁判員に選ばれた場合今回前回
積極的に参加する17%17%
義務なので参加する34%24%
できれば参加したくない46%56%
裁判員制度を
評価する34%
評価しない60%
評価しない理由
判決が感情に左右されるおそれがある43%
専門性が必要41%
裁判員になりたくない13%



裁判員制度を評価しないとする意見の内容に「専門性が必要」と「判決が感情に左右される」を挙げている方が多いのは、それだけ深く考えている方が増えたのだと思います。

ほとんど同時に刑事裁判への被害者の参加が検討されていてこれは正に被害者感情によって判決は左右されるべきだ、という考え方です。
その意味では、判決が感情によって左右されて良いという方向に向かっているようですが、個別の事件に感情を持ちこむのであれば復讐に近づくわけで、公訴という手続きを取っている限りは刑法の改正を優先するべきだと思います。

一方、判決には専門性が必要というのも深刻で、モトケンさんの説明で納得したのですが
刑法が主観的要素を多く要求しているからです。
例えば、故意、目的などですが、問題なのは、内心の事情の内容によって、成立する罪名が変わり法定刑も大きく変わる場合があります。

典型的な場合としては、深夜、路上を歩いている女性を犯人が無言で殴りつけたところで別の通行人に捕まったという事案を考えてみますと(被害者は怪我をしていないとします)、犯人が強姦するつもりだったら強姦未遂、わいせつ行為をするつもりだったら強制わいせつ未遂、金を取るつもりだったら強盗未遂になります。
しかし、このいずれかは無言で殴りつけた段階で捕まってしまいますと、外形的な行為からは判別がつきません。
「金を出せ」とか「やらせろ」などという言葉が出ていて、それを被害者が聞いていれば、被害者の供述から犯人の内心を推認することはできますが、無言であるとそういうわけにはいきません。

そうすると被疑者を取り調べて、どういうつもりだったのかという自供を得なければ、何罪が成立するか決められないのです。

つまり刑法の規定の仕方というものも、取調べと自白の重要性に影響を与えるわけです。
この話を読んだ(3月ですね)に「こりゃ大変だ」と思ったのです。

模擬裁判員裁判を2ヶ所でやって有罪・無罪に分かれたという報告がありました。
無罪になった理由は検察の立証が不十分、というものでした。

今まではプロ同士の判断の相場というものがあったのでしょう。それを素人に説明する必要がある。ところが説明する内容が、客観的な証拠ばかりでない、となると主観的判断を証拠として裁判員が信じるレベルまで持ち上げることが出来るのか?ということになるのでしょう。

さらには、麻原裁判のように極端に長い裁判になってしまったらどうするのか?
裁判員裁判を適用しない場合も考慮されていますが、裁判員裁判を始めてから途中で変えるなんて出来るのでしょうかね?
あるいは、被告が有利になるために二つの裁判制度を選択するなんて事にならないのでしょうか?

こういった法廷そのものよりも裁判員として裁判に参加するだけで専門性が必要になってしまうような気がして、これは法律の改正をして自白を重要な証拠にしないといったことにしないと無理ではないか?とも思うのです。

9月 17, 2006 at 11:38 午後 裁判員裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)