« 2006年9月3日 - 2006年9月9日 | トップページ | 2006年9月17日 - 2006年9月23日 »

2006.09.16

原発のタービン問題その4

読売新聞より「日立製作所、550億円の黒字が赤字に…3月期見通し
日立製作所は15日、2007年3月期連結決算の業績見通しについて、税引き後利益を当初見通しの550億円の黒字から、550億円の赤字に大幅に下方修正すると発表した。

営業利益は当初見込みの2900億円から1800億円に1100億円下方修正された。
原発の補修費用のほか、ハードディスクドライブ事業の収益悪化、家庭用エアコンやDVDレコーダーの販売不振なども響いた。

古川社長は15日の記者会見で、原発事故について、「電力会社など関係者にご迷惑をかけて申し訳なく思っている」と改めて謝罪したが、原発の事故原因については「当時の設計では想定外だった」と述べ、設計ミスとの見方を否定した。
最後の「設計ミスとの見方を否定した」というのは、読売新聞の記事だけです。

日経新聞
古川一夫社長は同日、都内の本社で記者会見し、タービン事故に関し「原因究明は続いている」としながらも「(中部電力が最近の中間報告で示した日立の設計ミスとの指摘が)最も可能性が高い原因」と述べた。
毎日新聞
タービンの損傷について中電は12日、損傷は製品を納めた日立の設計に起因するとの中間報告をまとめていた。
15日、東京都内の本社で記者会見した日立の古川一夫社長は、報告の指摘する設計上の問題が「(損傷の原因として)一番可能性が高い」と話し、報告を踏まえて補修費用を負担する考えを明らかにした。
サンケイ新聞
古川一夫社長は浜岡5号機のタービン事故を、「(中電の指摘する)振動が重なった可能性が一番高いが、最終的な結論に至っていない」と説明。その上で、今後予想される中電からの損害賠償請求については「まだ(織り込む)段階でない」と述べた。
中部電力は日立製作所に損害賠償を請求する方向のようですが、1000億円ぐらいになるそうで、北陸電力でもほとんど同じ事なので、賠償額は最大では2千億円となりそうです。
今回発表した2006年前期の業績予想は

   修正前  売上高 4兆5900億円、営業利益 560億円
   修正後  売上高 4兆6600億円、営業損失 170億円

です。 これに、1000億円・2000億円といった賠償額が掛かってくるとかなり大変なことになりますね。
対策がすぐに出来るものでしょうか?あまりに長期に渡って対策が出来ないとそれ自体が問題になってきます。

読売新聞の「設計ミスとの見方を否定した」というのは、設計ミスだから損害賠償の責任があるという言葉が抜けているのではないか?と思います。
将来「設計ミスであるが、不可抗力であった」と主張するための用心をした発言かもしれません。
わたしには、これだけの致命的な障害について不可抗力を主張しても損害賠償を逃れる根拠にはほとんどならないと思いますが、早急に原因と対策の公表が必要です。

9月 16, 2006 at 02:54 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.15

中央高速の多重衝突事故その2

大石英司の代替空港にこんな記事が出ていた「※ 長野・中央道:「毎月のように事故」…また魔のカーブで
これは人間工学上の方法で減速させるのって限界がありますよね。
道路工学上の技術でもって、速度が強制的に落ちるようにしないと。
これはちょっと忘れていた視点ですね。

最近は走っていないが、問題の阿智の300Rを70キロなら安全に走ることが出来るのか?というちょっと疑問があります。
安全に止まれるかは大いに問題があるところでしょう。まして100キロとかだと車線を維持するのが手一杯。

法的には高速道路でも直ちに止まれるのが正しいなんて事になってますが、それは無理なことが経験則で分かります。
もっと言えば、どんな道路でも一般的に安全といわれる速度から下げるのも上げるのも意外と幅が狭いのではないか?

知らないで速くなる、遅くなるということあるがドライバーが速度をコントロールする場合は高速道路でも130キロぐらいが上限で、それ以上は相当意識しないと速度を上げることが出来ない。
一方下げる場合も、どうも80キロ以下になると意識して下げるようです。
いわば意識の慣性とでも言うのでしょうか?

もしこれが正しいのであれば、高速道路とはどんな場合でも130キロから80キロの範囲で走れるようにしないと事故の確率が高くなる。なんてことになるのではないでしょうか?

首都高には以前は信号があって止まるという論外のところがありましたが、今でも速度コントロールはとても難しい。道路の都合で交通に技術が必要です。

このようなことが「人間工学的な誘導の範囲外」な300R+下り坂+その先上り坂という無茶苦茶なカーブががそのまま残っているのではないでしょうか?
根本的には下り坂を無くしてしまえばよいのかな?と思っているのですが。

9月 15, 2006 at 11:30 午前 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (0)

遺伝子の外科治療

北國新聞より「傷ついたDNA、光で修復 北陸先端大の藤本准教授が確立 がんの遺伝子治療に光
傷ついたDNAを光で瞬時に修復する方法を、北陸先端科技大学院大の藤本健造准教授(化学生物学)が世界で初めて確立し、英国王立化学会の「化学生物学誌」九月号に発表した。

修復したい部分に張り付く人工DNAを作り、そこに”修復装置”を組み込んで、光を当てて作動させる。
DNAの一部を狙い撃ちする全く新しい遺伝子操作となり、がんの遺伝子治療や農作物の遺伝子組み換えなど、DNAを扱うすべての分野で威力を発揮する可能性がある。

藤本准教授が確立したのは、長い暗号(DNA)の中から、狙いを定めた一文字(一塩基)だけを光で書き換える手法である。

長い暗号のうち修復したい部分のコピーを修復作業の鋳型とし、鋳型の先端に書き換え用の一文字を装着した。鋳型は修復したい部分を探し出し、張り付いて待機する。そこに光を当てると、鋳型の先端が活性化し、一文字だけ書き換えられる仕組みだ。

DNAを書き換えるには従来、数多くの酵素を使ってDNAを切ったり、つないだりしなければならず、作業に二、三日もかかる上、成功率は六、七割どまりだった。

藤本准教授はこれまでに特定の光でDNAを切ったり、つないだりする方法を開発している。これをDNAの書き換えに応用し、数時間の作業で、ほぼ100%の確率で成功できるようになった。

すでに「C」と「T」の書き換えに成功し、「A」「G」の書き換え技術の確立も急いでいる。藤本准教授は「がん治療に応用する場合は、鋳型となるDNAを注射した後、がんだけに特定の光を当てることで、がん細胞を正常細胞に戻すことができる」と話している。

ジェリー・デービス英クイーンズ大教授(DNAの構造と機能) 生きている細胞のDNAを修復できる初めての方法となるだろう。四つの塩基すべての修復が可能になれば、真に実用的な手法として普及すると考えられる。さらなる研究の発展を期待する。
DNAへの物理的な=外科手術ということでしょうか?
酵素利用に比べて短時間で確実にということであれば遺伝子治療の速度が格段に進みますね。
もっとも、遺伝子治療自体がかなり危険な副作用の報告もあるので、なかなか大変なのでしょうが技術が進むことはマクロには正しいことですね。

こんな事が出来るようになる時代が来るとは予想していませんでした。技術的に完成して欲しいものです。

9月 15, 2006 at 09:33 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (0)

自治医科大病院の死亡事故原因

下野新聞より「洗濯水再利用で菌大量発生 自治医大病院の院内感染
自治医大付属病院(下野市薬師寺)でセレウス菌の院内感染が起きた問題で、感染源となった病院のタオルなどに通常の1万倍ものセレウス菌が付着したのは、クリーニング業者による洗濯水の再利用が原因だったことが14日までの同病院と県の調べで分かった。洗濯水の再利用は法令違反ではないが、県は15日にも県内22カ所のクリーニング業者に水の再利用を行わないよう指導する。

自治医大や県の調査によると、同病院のシーツやタオルを納入するクリーニング会社(本社・宇都宮市)の工場には、七つの大型洗濯機があるが、うち一台で、同病院のタオルやシーツを洗っていた。
これは工場で唯一の節水タイプで、すすぎで使った水を再び、洗濯に使い回せる仕組みになっていた。

院内感染を八月に把握した同病院が洗濯機で再利用された水を分析したところ、セレウス菌が大量に見つかったという。
同病院などは水の再利用が菌の大量発生を招き、タオルなどに付着したとみている。
すすぎで使った水を洗濯に回せるとはどういう仕組みなのだろうか? 水の利用の仕方で、排水をより汚い洗濯などに使うのは昔からの生活の知恵としてあるから、最終的にすすぎをする水が水道水つまりセレウス菌が増殖していない水を使ったのだとすると、どこでセレウス菌が一万倍にも増えたのだろうか?
なんか仕組みが良く分からない。

9月 15, 2006 at 09:18 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.09.14

中央高速の多重衝突事故

朝日新聞より「中央道で21台事故、4人死亡、1人重体 長野
14日午前1時ごろ、長野県阿智村駒場の中央道下り線の阿智パーキングエリア(PA)付近で、大型トラックや乗用車など21台が絡む多重衝突事故が発生した。
ここは300Rで右に90度旋回する下り坂でドライでもかなり緊張する高速道路にはあるまじき難しいカーブだと思います。

雨が降っていて、道路はつるつるの状態。氷の上みたいだった
というドライバーの声もあって、これは雨で滑ったのか?という疑問を感じます。
まるで凍結時の多重追突と同じですよね。
事故当時は弱い雨が降っていたとのことで、それが21台衝突というのはちょっと別の理由ではないか?と思います。

長野気象台のデータを見ましたが、9月14日午前1時の飯田では、気温17.5度、降水量1ミリですから横浜などと変わりはないですね。
なぜ、後続車は止まれなかったのだろう?

9月 14, 2006 at 01:57 午後 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

酒酔い運転問題

酔っぱらい運転についての記事を集めてみました。

9月12日付の日経新聞の記事「警察庁、ひき逃げ厳罰化を検討
警察庁によると、昨年1年間のひき逃げ事件は1万9660件にのぼり、過去10年間で3倍近くになっている。
ひき逃げの法定刑は現在、5年以下の懲役または50万円以下の罰金。
業務上過失致死罪と併合すると懲役は最高7年6月になるが、
危険運転致死罪の最高刑は懲役20年になる。

ひき逃げの多くは飲酒運転の発覚や危険運転致死罪の適用を逃れるために現場から逃走しているとみられ、酔いを覚ましてから出頭するケースが多発している。
福岡市で幼児3人が死亡した車両転落事件では、現場から離れた容疑者が大量の水を飲んで、アルコール濃度を下げようとしたことが分かっている。
危険運転致死罪が適用になる場合と、そうでない場合の落差が大きすぎるから、と言う意味ですね。
落合洋司弁護士は「警察庁、ひき逃げ厳罰化を検討」で次のように説明しています。
ちょっとした立証の可否により、懲役20年まで行くか、懲役7年6月止まりかが分かれることになり、一か八か逃げてしまえ、という者が激増しているのでしょう。
立法技術の稚拙さが、こういった事態を招いたと思います。

業務上過失致死傷の法定刑は変えないまでも、飲酒、無免許、ひき逃げ、その他の危険運転(構成要件上、明確化して)を伴えば、併合罪加重した刑の3倍まで刑が科せる(懲役20年まで科せることになるでしょう)ようにすれば、悪質な運転者を十分処罰でき、抑止効果も期待できると思います。
この警察庁や国家公安委員長の見解などをうけて新聞も一気に厳罰化の方向についての意見が出てきました。
しかしながら、一方で自治体の長が職員から誓約書を取るといったシンボル的な運動あるいは言い訳的運動をするところもあって、現実の問題としてどうやって運転させないか、といった根本的な解決を目指すとは言い難いところがあります。

沖縄タイムス社説  甘い風土を一掃しよう
沖縄は酒に寛容といわれる。「これぐらいは大丈夫」「家まで近いので」といった甘い考えが取り返しのつかない事故を生む。

県警によると、一月から七月までに起きた飲酒絡みの人身事故は百四十五件。全事故の3・62%に上り、全国ワースト。飲酒運転の摘発は免許人口一万人当たり六十二人。全国平均の六・三倍という異常な数字だ。

天久台病院(那覇市)の安部康之医局長は沖縄の特徴を「飲みすぎても注意する人やクレームをつける人がいない」と指摘する。飲酒運転は違反者だけでなく、周囲の人も同罪だ。
北國新聞社説  公務員の飲酒運転 「酒気帯び」も厳罰の検討を
全国の自治体が進めている厳罰化で注目されるのは、酒酔い運転と酒気帯び運転を同等に扱う傾向が見られることである。
岩手県や神奈川県、京都府などがそうであり、「ちょっと一杯ぐらいなら」という誘惑を断つには有効な方法だろう。

また、横浜市や佐賀県多久市のように、事故を起こさなくても、検挙された時点で原則として免職という厳しい処分を科す自治体もある。
これも「多少酒を飲んだとしても事故を起こさなければよい」といった甘い考え方を排除するのに大いに役立つはずだ。
朝日新聞より「福岡3児死亡事故、危険運転罪適用へ より重い求刑可能
福岡地検など検察当局は、より重い求刑が可能な危険運転致死傷罪を適用、道路交通法違反(ひき逃げ)の罪と併せて起訴する方針を固めた。

容疑者が事故当夜の運転前、かなりの量の酒を飲んでいた事実や、酔った勢いでトラブルを起こしていたことなどが判明。
また、事故現場の約1キロ手前の交差点では停車中の乗用車にぶつかりそうになったという目撃証言も得られた。

さらに、事故後に友人に身代わりを頼んだり、水を持ってこさせて飲むなどしていることと併せ、「酒に酔って正常な運転が困難な状態」だったと立証できると判断した模様だ。
毎日新聞より「>飲酒運転防止車:自動車メーカー開発急ぐ 不可欠と判断
日産自動車やトヨタ自動車など自動車メーカーが、飲酒運転を防止する装置を搭載した四輪車の開発を相次いで検討し始めた。

コストや抑止効果、交通関係の法律との兼ね合いなど、検証が必要な課題は山積しており、両社とも実用化の時期は未定という。

9月 14, 2006 at 09:50 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2006.09.13

私立大学・一般入試は半分以下

サンケイ新聞より「私大入学者、一般入試の半数割る AO・推薦拡大
面接などで合否を決めるAO入試や推薦入試の拡大で、一般入試により私立大学に入学する受験生が、来春の入試から2人に1人を割り込む見通しであることが文部科学省のまとめで12日わかった。

。一般入試による私大入学者は、平成11年度入試で64.8%を占めていたが、AO入試や推薦入試の拡大で年々減少。今春は50.5%となり、現役の高校3年生が臨む来春の入試では半数を割り込むことがほぼ確実となった。

大手予備校「代々木ゼミナール」では「学生を勉強に駆り立ててきた受験の“推進力”が徐々に減退し、『勉強しない受験生』と『勉強する受験生』に分かれていく。
高校教育も二極化し、大学は入学後の補習教育が大変になっていく」と分析している。

一方、文科省では「入試の多様化という点では評価できる半面、“受験勉強”なしで入学できる現状に問題はないのかという見方もあるだろう」と影響を危惧(きぐ)。
ただ、「今後は大学が看板にふさわしい内実を備えているかが厳しく問われていく。
勉強せずに入学した学生を有為な人材に育てて社会に送り出すのであれば、それはそれで評価されてよい」と話している。
どうも日本では、入り口である「試験突破」だけを評価しすぎではないだろうか?大学入学後に一般入試とAO入試で入った学生の間にどういう違いがあるのか、さらには卒業後にどういう違いがあるのかを評価しないと入試の方法を論じてもさほど意味があるまい。

そもそも大学の入試の方法を問題にするべきなのだろうか?くじ引き抽選でも先着順でも構わないだろう。
医学部に入学した学生が高校時代に生物の授業を取っていなかった、とか化学に進学したが物理を全くやってない、経済なのに数学をやっていない、といった実際問題として困ってしまうという例も報告されている。

大学がその大学の学生になる資格があるのかを見るのが入学試験だとすると、それは各大学でバラバラでよいはずだ。
入学試験の方法に基準を設けるのは、効率の向上という意味なのだろうが、学生数が減少していく方向なのだから、効率重視から質のチェックに向かうべきだろう。

さらには、高校卒業の証明や大学入試資格検定がなぜ必要なのか?これも受験生をいかに手早く絞るか?という効率の問題に過ぎない。ここまで話が進めば、どういう学生を入れるのかは各大学が工夫すればよいことであって、卒業生の評価も自然に決まってくるというものだ。

9月 13, 2006 at 09:48 午前 教育問題各種 | | コメント (1) | トラックバック (1)

原発のタービン問題その3

朝日新聞より「浜岡原発損傷、中部電力「設計に起因」と中間報告
中部電力浜岡原発5号機のタービン損傷問題で、中電は12日、蒸気流の乱れや逆流でタービンの羽根の取りつけ部分が疲労破損したことが原因と推定されるとした中間報告を発表し、経済産業省原子力安全・保安院に伝えた。
発表では、損傷はメーカーの日立製作所の設計に起因していると指摘した。

復旧は問題部分を取り外して運転する「応急復旧」と、新たな羽根を取りつける「本格復旧」の2段階を想定、運転再開の時期は「見通し不明」としている。
運転停止が長期化すれば、中電の負担が大きくなるため、日立側との費用負担の交渉が難航しそうだ。

中電によると、羽根の損傷は3基の低圧タービンの外側から3段目の羽根車にある計840枚のうち、663枚で確認された。この段以外には異常は確認されなかった。

中電は、損傷は設計に起因していると指摘したが、設計ミスかどうかについては断定しなかった。
一段分の羽根を取り除いて運転できるものなのでしょうか?

それにしても「原子力発電所問題」に示したようにタービン羽根を軸にさし込んでピンで固定するという箱根細工的な構造なので、ちょっとデリケートすぎるのではないか?といった感じがします。

読売新聞の記事「浜岡原発のタービン羽根損傷、高圧蒸気逆流で金属疲労」では
中電は12日、タービンを回す高圧蒸気の逆流によって羽根に振動が発生し、金属疲労が進んだことが原因とする調査結果を発表した。

タービンの低出力運転や緊急停止時に逆流が起きることは知られていたが、大型タービンで高出力化(138万キロ・ワット)した浜岡5号機では、設計した日立製作所の想定を超える逆流が起きた。

このため、2004年4月~05年1月に試験運転を行った際、ワイヤーによる補強などの振動対策が取られていない羽根に集中的にひび割れが起き、その後の本格運転で傷が拡大した。同様の破損は、同じ日立製タービンを採用した北陸電力志賀原発2号機(石川県)でも見つかった。

ほぼ同出力の東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)のタービン(米GE製)では、羽根に十分な補強対策が取られ、破損は起きていない。日立の設計ミスだった可能性が高いが、中電は「設計ミス」とは断定しなかった。
と強くワイヤーによる補強が重要であると指摘しているが、固定方法が全く同じでかつワイヤーによる補強が追加されているのだろうか?
なんかちょっと違うような気がするのだが。

この段だけが破損したとなると、自励振動ではないか?とまで思ってしまうが、まさか実際に壊れるまで運転するわけにはいかないから、十分な検証が不可欠でその中には「一段外して運転」も含まれてしまう。
なんといっても、中部電力の発表に運転再開の見通しがないことが一番の問題で、不安が増大してしまいます。

9月 13, 2006 at 09:28 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.09.12

ミツトヨ輸出手続きのごまかし

サンケイ新聞より「ミツトヨ、米にも不正輸出か
ミツトヨ(川崎市)の不正輸出事件で、同社が最近10年間に米国の現地法人に輸出した、核兵器製造にも転用可能な3次元測定器約4000台の4割以上が、個別の輸出審査を受けなくても済む「包括輸出許可」制度を悪用した不正輸出の疑いが強いことが11日、警視庁公安部の調べで分かった。

公安部の調べでは、同社はこの10年間に約1万台の測定器を輸出したが、うち4割にあたる約4000台が不正輸出と確認された。

約1万台のうち米国の子会社「米国ミツトヨ」向けは約4000台。

このため、公安部は、米国向けでも少なくとも約4割にあたる1600台以上が、包括許可制度が適用されない高性能機種にもかかわらず、性能を低く偽装して輸出したとみている。

警視庁公安部は、ミツトヨが、3次元測定器をシンガポールの子会社にも不正輸出していたとして、外為法違反(不正輸出)の疑いで、同社元社長、手塚和作容疑者(67)ら4人を再逮捕する方針を固めた。
基本的には一々輸出審査を受けていたら数が出ないから書類をごまかした、ということだろうと思います。
その中に少数であるが、核兵器製造の可能性がある正体不明のところに渡った製品がある。
それは、現地の査察でバレてしまった。ということでしょう。

つまり、1万6千台の全部が核兵器製造など目的を隠蔽したユーザに渡ったということでないにしても、書類上は低精度の製品だったのだから、安値受注であったのでしょう。

これは非上場企業ゆえの問題かもしれませんね。

9月 12, 2006 at 11:30 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.10

面白い法律対談

壇弁護士の事務室」に紹介があった「【談話室たけくま】日本の著作権は「鹿鳴館」である

これは、著作権法というわけの分からない法律のできあがりの過程などを説明した竹熊健太郎氏と白田秀彰氏の対談記事です。

第一回が掲載で現在は(第2回に続く)となっていて期待が持てます。面白いところは。
  1. フランスの国立視聴覚研究所が、過去制作された10万本のテレビ・ラジオ番組を、ほとんど無料で公開
  2. 日本(の著作権法)はドイツ(ベルヌ条約)ですね。
  3. 江戸時代の書籍商組合である「本屋仲間」というものがありまして、そこで版木に関する権利を検閲と引き換えに認めてきた、ということがあったみたいですね。版権という言葉は無かったと思います。「権利」という概念も西洋法からの借り物ですから。ただ、確実に言えることは、「株」という言葉があったということですね。個別の作品に対する版元の権利よりも、もっと広いイメージです。
  4. 9世紀ころに各種法典をつくるときに、いったんそれまで国に存在していた、各種の実行されている法律を分析して、どんどん抽象化していった結果、それぞれの国に固有の法概念とか、法のベースになるものを発見した、と19世紀の学者さんたちは考えた。当時は観念的な法律学がはやっていたんです。そこでどうなったかというと、網羅しているはずだから、それから漏れるものは論理的にあり得ない、どんな新たな事件が発生してきても、既存の法律の推論で説明がつくんだという言い方をしたわけですよ。
  5. 「今の法律はおかしいから、もう壊してつくり直しちゃえ」なんていうことは、法律学の負けを認めることになる。現行法がおかしいからといって、まるっきり作り直すということであれば、じゃあ、改正前の法律に基づいて裁かれた人たちへの正義はどうなるか、という疑問も生まれてくる。
  6. 結局は田舎の温泉旅館みたいになっていくわけですよね。
  7. めちゃくちゃな話なんですけど、独自の言語体系として存在することに法律学の価値があるんですね。
といったところですね。
「法典」の意味がそういうことだったのか、とは初めて知りました。
まぁ確かに「今までの法律は、概念として無かったことにする」とか突然変更になっても困りますよね。
だからどっちかという解釈を拡大しつつ、綿密になっていって、結果として専門家じゃないと分からない、という展開になっているのでしょうか?

9月 10, 2006 at 03:33 午後 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)

高校で日本史を必修にしたい

読売新聞社説より [日本史必修論]「自国の歴史知らぬ高校生たち」
「高校で日本史を必修に」。こんな要望書を東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏4都県の教育長が、近く文部科学相に提出するという。

最初に言い出したのは、神奈川県の引地孝一教育長だ。

「日本が米国と戦争したことさえ知らない若者がいる」「県内で3割の高校生が日本史を学ばずに卒業していく」「国際社会で競うためにも、自国の歴史や文化を深く理解する必要がある」。
そんな考えから先月末、4教育長の会議で、連名での要望を持ちかけ、合意を得た。

神奈川県は、こんな提案もする。日本史の必修化が難しいなら、世界と日本の「近現代史」を総合的に学ぶ融合科目を新設し、全生徒に履修させてほしい。

現在の高校学習指導要領は「地理歴史」の教科の中で「世界史」を必修とし、併せて「日本史」か「地理」のいずれかを選択履修することになっている。

1989年の指導要領改定でそうなった。それまでの「社会科」が「地理歴史」「公民」の二つに改編され、地理歴史は「国際化の進展に対応し、他国の文化や世界の歴史の学習を充実させる必要性」から、世界史だけが必修とされた。

近現代史に関しては、4年前に実施された高校の全国学力テストで、「基本的な事項の理解が不十分」との調査結果が出ている。
受験の影響だろうか、用語は覚えているのだが、歴史の流れの中に位置づけて理解できていない実態もわかった。指導法の改善も必要だろう。

日本史、世界史、両方の必修化には、「地理」の重要性を訴える有識者らの反発が予想される。
日本史だけを必修にするなら、今度は「小中高を通じ、世界史を学ぶ機会がほとんどなくなる恐れ」が指摘されよう。調整は容易でない。
まさか、地理、世界史、日本史が席の取り合いをしているとは思わなかった。

学校教育の中に少々ではあるが関わってみると、短時間に実に内容の濃い教育が出来るように仕組みとして完成していることが分かってきました。
学校教育とか医者のOJTを比較するとOJTは時間を無駄に使っているようにしか見えない。
100年以上の教育実践の成果であることは確かだ。

しかし、文部科学省が「キャリアー教育の推進」を打ち出してから社会人が学校で講演することも一般化しつつあります。

社会人の立場から学校教科を考えてみると、とても良くできていると思う反面、なんでここまで分けないといけないのか?とは以前から感じるところですが。
それ以上に問題なのは、数学で文章問題では問題が読み取れないから回答できない、といった実社会では必ず必要になる複数の授業内容を組み合わせて問題を解決する、という方向には非常にやりにくいことです。

わたしは高度経済成長時代の話を高校ですることが多いのですが、結局はこれは近代史であって歴史はさらには政治史、技術史といった分類も可能です。こういういきさつがあったから今がこうなっている。という説明以外に高校生の将来の職業観に有益であろう話なんて出来ないですよ。

「未来はこういう産業が必ず優位になります」と分かっているのであれば、別に歴史なんて語る必要もないけど、分からないから未来なのであって判断は生徒も含めて一人一人が模索していくものです。
その判断力を高めるのには、社会全体への総合的な判断力を高めることが第一であると考えています。

つまりは、あらゆる教科というか教育そのものが歴史を無視しては成立しないと思うのです。

それを、地理と歴史にまとめたから、とはどういう事なのでしょうか?
そろそろ教科の分類を厳密にすることを緩めた方がよいのではないでしょうか?
世界史と日本史を分けてどうするの?「歴史一般」とでもした方がよいのではないか?

南北戦争が終わったアメリから武器が大量に流れ込んだから、鳥羽伏見の戦いでは旧来の銃と新しい銃の戦いになって、諸外国の帝国主義傾向が強くなると判断した開国派が鎖国政策を止めて富国強兵の方針で進むために、幕府を倒した。

とでも覚える方が楽ですよ。
今まで「教科を分解して、ムダを無くして濃縮したものが教育」とされて、事実これで極めて短期間に教育が出来ました。しかし、今や時代の変化に追従するためには「総合的な能力」が必要になってきていて、大学で教養課程が必要といった話にも関係しています。

歴史は必要だし、なによりも総合的に学んだことを使えるようにすることが重要です。

9月 10, 2006 at 10:07 午前 教育問題各種 | | コメント (3) | トラックバック (0)

原発のタービン問題その2

「原発のタービン問題」にコメントをいただきましたが、こっちに続きを書きます。

2005年に発表された「日立評論」というPDFがありました。
「中部電力株式会社浜岡原子力発電所第5号機の建設」(PDF)

2.高効率蒸気タービン 浜岡5号機向け蒸気タービンは,ABWR用蒸気タービンとしては日立製作所の初号機であり,最大容量機となる。
先行機である浜岡4号機(1,137 MW)と比較し,その特徴について以下に述べる。

2.1 蒸気タービンの構造
浜岡4号機との基本諸元比較を表1に示す。
出力が1,380 MWの浜岡5号機では,浜岡4号機よりも排気流量が増加するため,最終段動翼を従来の43インチ(約109 cm)に代えて,52インチ(約132 cm)長翼を採用した。
これにより,車室数を増やすことなく,浜岡4号機と同じ高圧1車室,低圧3車室の計4車室の構造を可能としている。
この52インチ長翼は,1985年に試作,開発したもので,実機への適用は浜岡5号機が初めてとなる。

各車室寸法は,蒸気流量が増加するため,先行機よりも大きくしており,特に低圧車室は52インチ最終段動翼に最適な 排気口面積を確保するよう考慮した。

また,この蒸気タービンでは,近年のロータ素材製造技術の向上を反映させ,従来標準で行ってきたロータ中心孔のせ ん孔,焼鈍,および熱安定試験を省略し,仕様の適正化を図った。

2.2 蒸気タービンの性能向上
この蒸気タービンでは,浜岡4号機よりもさらに性能向上を図るため,静翼と動翼に新技術を採用している。
その中の代表的な技術の一つは,AVN(Advanced Vortex Nozzle)である。
AVNを適用することにより,静翼の翼長方向に湾曲させ,腹側を凸状に形成することができるため,二次流れなどによる 流れの不均一性を緩和することができる(図3参照)。
また,この構造により,静翼で発生する損失を低減し,蒸気タービンの内部効率を向上させることができた。この蒸気 タービンでは,高圧と低圧の全静翼にこのAVNを採用している。


項目5号機4号機
出力(MW)
1,380
1,137
型式
TC6F-52
TC6F-43
主蒸気温度(摂氏)
283.7
282.3
主蒸気圧力(MPa・a)
6.79
6.65
主蒸気流量(t/h)
約7,300
約6,100
回転速度(毎分)
1,800
1,800
段落数 高圧側
7段×2流
6段×2流
低圧側
7段×6流
8段×6流
最終段動翼長(インチ)
52
43
車室数 高圧側
1
1
低圧側
3
3
全長(m)
約49
約45
抽気段数 高圧側
2段
2段
低圧側
4段
4段
特に強調されているのが、低圧側タービンの設計変更で実際に43インチの羽根を52インチと20%も大きくした。
しかし段数は、8段から7段に減らした。

大変に意欲的な設計に挑戦したのは、確かであろうが今回壊れたのはこの低圧段である。

初めて実機装備した仕組みに耐久力がなかったというのは、最近の日本の重電機技術ではそうそう起きる現象ではない。
比較してはナンであるが、一部の家電製品のようだ。

4号機から5号機への設計変更は、効率の向上のためといわれていて、かなり期待されていた。
そのために、志賀原発にも採用されたのだが開けてみたらヒビが入っていて運転停止にせざるを得なかった。

このような事実から見ると、わたしも「枯れた技術」と思っていたし、テスラさんは「歴史の長い装置」とコメントしているとおりで

まさか今どき蒸気タービンの羽根が飛散するものか?

という驚きは大きく、事情が分かってくるにつれて根本原因はナンだったのか?となっています。

9月 10, 2006 at 12:38 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)