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2006.08.11

大学全入はあり得ることか?

読売新聞より「大学全入、まだ先の話?文科省調査で予測下回る
大学・短大の志願者数に対する入学者数の割合は今春、89・0%で、文部科学省の試算値95・1%を大幅に下回ったことが10日、同省の学校基本調査(速報)で分かった。

同省は、志願者数と入学者数が一致する「大学全入時代」が来春に到来すると予測し、大学関係者の注目を集めているが、到来時期が遅れる可能性も出てきた。

文科省は、少子化の影響により18歳人口が減少するため、志願者数が大きく減る一方、入学定員は横ばい状態で推移するため、志願者と入学者の総数が近づいていく、と予測していた。
ところが今春は、景気回復の影響で、家庭の経済状態が改善するなどしたため、現役生の志願者数が文科省の予想を上回ったという。

大学全入時代になると、大学の経営危機が進むため、各大学は経営合理化を図っている。
文科省は2年前、予測される到来時期を2009年春から07年春に前倒しした経緯があるが、同省幹部は「現役生の志願者数は波が大きく、来年の動向も不透明で、改めて予測の修正はしない」と話している。
大学全入の定義がよく分からないのですが、常識的には「大学入学志望者の総数が大学の募集定員を下回る」事なのかな?と思います。
しかし、入試・入学と言うことで考えると「全入」とは大学進学を希望していて、大学に入学出来ない者が居ないことではないかと思います。
果たしてそんなことがあり得るのか?


大学が全入になるのであれば、高校はその3年前に全入になって当然ではないだろうか?
ところがいまのところ「我が高校は、志望者全員が入学出来ます」と言っている高校はない。
これはどういう事かというと、「全員入学」と言った途端に志望者が激減するのだそうだ。
そのため、形だけでも競争試験をして「合格しないと入学出来ない」という形を維持している、と言うのです。

そもそも、個々の高校にとっては「全入」は目標ではなくて結果であるから、高校が全入に向かって努力するなんてことはあり得ない。
だから「事実上の全入状態」のままで推移しているし、今後も変わらないだろう。

これはそのまま大学入試にも当てはまるはずで、今後大学は特色を打ち出す必要があるから、むしろ成績中心で定員を気にしないといった形もでてくるのではないか?
「全入は目標ではなく結果だ」そのものであって、文科省が「全入になった、ならない」とか言っている方がおかしいのではないだろうか?
来年度に入学者の割合がもっと減ったら、文科省はどう説明するのだろうか?

8月 11, 2006 at 09:14 午前 教育問題各種 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.08.10

プール吸い込み事故の暗黒面その10

毎日新聞より「プール事故:「不備」2339カ所に 文科省全国調査
文部科学省は10日、全国の公立学校や公営プールを対象にした緊急調査の最終結果を公表した。
吸排水口のふたが固定されていないプールが40都道府県375カ所、吸排水管内の吸い込み防止金具が設置されていないプールが39都道府県1964カ所で、不備のあるプールは延べ2339カ所に上った。
プールにいずれの不備もなかったのは、山形、長野、福井、大分、沖縄の5県だけだった。

公立学校のプール3万127カ所と、教育委員会が所管する公営プール2824カ所を対象に調べた。
7日の発表時点から、ふたの未固定が70カ所、金具の未設置が368カ所の計438カ所増えた。

各都道府県教委からの報告数に変更があったのが原因で
  • 金網状のふたがあれば適正と勘違い
  • 『修理する』と回答した不備を『問題ない』とみなし
  • 調査中のプールをカウントしていなかった
  • 北九州市の数を後に加算した
  • 大津市分を後に加えた
同省は「プールの安全のため調査のスピードを優先し、事務的に無理なお願いをしたのでやむを得ない」としている。
公立学校や公営プールとなっていますから、これは各都道府県市町村などの教育委員会の所管施設です。
文部科学省の「教育委員会制度について」より
[教育委員会制度の仕組み]
  1. 教育委員会は、地域の学校教育、社会教育、文化、スポーツ等に関する事務を担当する機関として、全ての都道府県及び市町村等に設置。
  2. 首長から独立した行政委員会としての位置付け。
  3. 教育委員会は、教育行政における重要事項や基本方針を決定し、それに基づいて教育長が具体の事務を執行。
  4. 月1~2回の定例会のほか、臨時会や非公式の協議会を開催。
  5. 教育委員は、地方公共団体の長が議会の同意を得て任命。任期は4年で、再任可。
  6. 教育長は、教育委員のうちから教育委員会が任命。
となっています。
事件の当事者であるふじみ野市はもちろん、今回のいくら急いでいるからと言って、集計が混乱するような事からは、教育委員会制度に無理があるのではないか?と思わざるを得ません。
教育委員会制度は、政治的中立性の確保・継続性、安定性の確保・地域住民の意向の反映を目的としているのですから、チェック機関的な意味合いがあるのかな?と思うのですが、公立学校の人事・予算をコントールしているはずで、実際には教育関係を抜き出してしまった縦割り行政になっている、と言って良いでしょう。
縦割り行政の欠陥は、それぞれが専門でない分野についても抱え込まざるを得ないことで、今回のプール死亡事件のポイントとなったところは建築技術や機械技術といった分野ですから、それぞれの自治体の技官が対応するべき事だったはずです。
やはり横の連絡を使わないからこんなことなったのでしょう。

8月 10, 2006 at 12:36 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

パロマ工業は・・・・・その10

朝日新聞より「湯沸し器事故、パロマに立ち入り検査 経産省
経済産業省は10日、ガス事業法と液化石油ガス保安法に基づき、同社と親会社のパロマ(同)に対する立ち入り検査を始めた。
パロマは2度にわたって事故原因などについて文書で報告しているが、同省は報告が不十分と判断し、検査を通じて追加の資料などの提出を求める。

検査は事故の原因や背景を探るのが狙いで、故障が相次いだコントロールボックスの構造や事故に結びついたはんだ割れなどについての資料を重点的に調べる。
検査対象の営業所は事故が起きた地域が中心で、事故情報が本社と営業所の間でどのように伝達されたかも調査する方針だ。

パロマはこれまで7月31日と8月7日の2度にわたり、同省に事故調査報告書を提出。
安全装置の改造などを主な事故原因と説明していた。
報告によると、81、82年ごろの初期に製造された湯沸かし器で事故が多発したこともわかっている。
当時の多くの資料については同社は「時代が古く、データが残っていない」などと説明しているといい、同省はこれらの資料の有無についても調べる。

85年以降、北海道、奈良、東京などで17件の事故があり、15人が死亡したとしていた。
パロマ側は当初、「不正改造が原因だ」と説明していた。
しかし、その後の調査で、北海道や秋田に当初の発表には、含まれていない事故があることが分かり、28件で死者は21人に拡大した。
同族企業という以上に、無借金、海外からの技術ライセンス収入などで、日本国内の売り上げはかなり少ない会社なのだそうです。
そこで、これを機会に国内工場の大幅縮小に向かうようです。

そもそも、今回の事件の発覚は経産省の発表によるもので、普通はこんな事になりませんよ。
製品をリコールするでしょう。
それが、大事件に発展しても、リコールや点検をしないとアナウンスし、ようやく最近になってひっそりとテレビで無償点検、無償交換のCMを出し始めました。

最初から経産省は怒っているのでしょう。
そして、とうとう立ち入りです。
それなりの行政処分になるのじゃないかな?

8月 10, 2006 at 12:15 午後 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.08.09

ザ・ミートリックス

MIXI でとても面白いものを紹介してもらいました。 「The Meatrix is」

「MEATRIX」です。

基本的にアメリカの畜産業についての批判を映画マトリックスに準じてアニメにしたものです。 現在のところ、その1その2があってその1では日本語字幕版もあります。

面白いとは言え、ちょっと背筋がゾクゾクします。

8月 9, 2006 at 12:40 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (1) | トラックバック (0)

プール吸い込み事故の暗黒面その9

「プール吸い込み事故の暗黒面その8」の最後に次のように書きました。
プールとはどこに問題があるのかを教育委員会など運営側が理解していないのではないか?本質的なところで大問題だと思う。
旧文部省が「プールの吸い込み(排水)口の格子(フタ)はボルトやネジで外せないようにしろ」と指示を出していて、さらに「(万一格子(フタ)が無くて、人が吸い込まれても)安全確保のために奥にも格子を付けて二重にしろ」と指示しています。
しかもこれらの指示は毎年出しています。
それでも事件になった上に、当事者のふじみ野市は「市営プールには適用されないと思った」「(針金で留めているとは)知らなかった」などと言っています。

中日新聞社説 「あまりにもずさんだ
小坂憲次文部科学相は八日の閣議後会見で「予想を上回る調査結果で衝撃だ。
従来の通知は画一的な文章だったのではないか」と、反省の弁を述べている。
通達を出している文科省が驚いているというのは追跡調査を全くしていなかった証明ですから、その点について文科省の責任は間違え無くありますが、通知を受け取っていた主に教育委員会の判断力というより理解力や知識レベルの方が問題じゃないかと強く思うのです。


読売新聞社説 「子どもたちの歓声を取り戻せ
財団法人日本体育施設協会によると、

1965年から2004年までに、
吸水口や排水口での事故は59件発生し

54人が死亡している。多くは学校プールが舞台だ。特異な事故ではないと言える。

文科省は毎年、学校プールの事故防止についての通知を都道府県教委を通じて各市区町村教委に出している。

96年以降は、フタのボルト固定と吸い込み防止金具の設置という二重の事故防止策を通知に盛り、対象に公営プールも含めることを明記している。

指示が現場に浸透せず安全対策がないがしろにされていた。
教委の怠慢だ。
39年間で59件、54人の死亡ですから、毎年一人以上が死んでいるのです。
本来なら、プールの管理者はこのようなデータを把握しておく責任があると思うし、そうすればなぜ文科省がこれだけ繰り返して注意の通達を出してくるのかを分かるだろう。
今回は文科省は「安全確保の措置が取られるまで、問題のあるプールの使用中止を求める通知」を出たのだが、現場で混乱しているという。
さらにはテレビの報道では「工事には時間も費用も掛かるからどうしようかと言っている」というものすらあった。
これでは「言われたからやった」以上でも以下でもないだろう。現場が問題の本質を見ていないことの証明だ。
なんで「問答無用で、文科省の指示の通りにボルトやネジで留める」を実行しないでよいと考える現場があるのか?は毎日新聞の昨日の記事 「プール事故:営業中止の判断分かれ、混乱も 文科省調査」が紹介している例が典型でしょう。
吸排水口のふたが固定されていなかった福岡県の田川市民プールでは、営業するかどうかで判断が揺れ、訪れた約100人が約1時間にわたって入場を待った。
その後、「

ふたはボルトで固定されていないが、
125キロの重さがあり、構造上安全と判断

した」として、通常より1時間遅れの午前10時半、営業を始めた。
125キロ=125000グラム/7.8(鉄の比重)=16000立方センチ、厚みが20ミリ(2センチ)の板であるとすると、8000平方センチ=250センチ×30センチ野穴の全くない板、1/3ぐらいの穴があるとしても、30センチ×350センチぐらいの格子、となるでしょう。
そんなに大きな物ではありません。で問題は、実際にこれを持ち上げるのには、ウエイトリフティングじゃないのだから手作業ではいっぺんに持ち上げるヤツは居ないですよ。片側だけ持ち上げる。早い話が、125キロじゃなくて、60キロを持ち上げるのであって、しかも水中では浮力があるから、50キロぐらいの負荷にしかならない。これでも、「持ち上がらない」と言うのか?

文科省の通達は「引っ張っても外れない構造」を要求しているのであって、「外れないだろう」じゃダメだということが分かっていない。
これだから、「格子を二重にすること」というフェールセーフの考え方も浸透していない。
「何も考えていません。判断もしていません」というのと同義語だ。安全を確保するという観点から、管理者の知識・判断力の試験をやらないとダメだね。

8月 9, 2006 at 11:23 午前 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.08

プール吸い込み事故の暗黒面その8

いろいろな記事が出てきました。

文科省の調査指示で、どうも1600箇所のプールが不適格であるらしいこと。
ふじみ野市は市は安全点検を全くしていなかったらしいことなどです。


東京新聞 「1596プールが金具なし 文科省が使用中止要請
サンケイ新聞 「防止金具不備1596カ所 プール事故受け文科省緊急調査

昨日のテレビで1600個所と聞いてさすがに驚きました。
内容的にはまだ整理されていないようです。
文部科学省が実施した緊急調査で、全国の学校や公営プールで吸い込み防止金具が設置されていない所が37都道府県で1596カ所に上っていることが7日、分かった。
吸水口のふたが固定されていない所は38都道府県の305カ所見つかった。

公営プール約5000施設で調査が済んだ2886施設のうち、吸水口が固定されていないのは4.1%にあたる120施設。
北海道が15施設と最多で山口県(13施設)が続いた。
吸い込み金具を設置していないのは12.4%にあたる358施設。
東京都(39施設)、山口県(37施設)、神奈川県(27施設)が多かった。

全国3万136校にプールが設置されている公立校では、吸水口のふたの固定に不備があるのが185校。
福岡県で36校見つかったほか、愛知県でも27校あった。
防止金具に不備があるのは、1238校。
千葉県(183校)が最多で、東京都(138校)、山口県(115校)が続いた。

通知は都道府県の教委と知事、国立大学と国立高等専門学校あてに出した。
水泳プールの安全確保のため、必要な構造として、ふたの固定と吸い込み防止金具という二重の防護策ができていない施設に対しては、必要な対策が講じられるまで使用を中止するよう求めた。
朝日新聞 「プール使用中止相次ぐ 文科省、立ち入り検査へ
文部科学省の緊急調査によって40都道府県の約1600カ所で見つかった問題で、各地の教育委員会や教育現場などが、8日から改修や点検など改善に向けての取り組みを本格化させている。

すでに処置を終えて営業再開したプールがある一方、改善策が講じられるまでプールの使用禁止を求める通知を文科省が7日夜に出したのを受けて、8日、新たに中止に踏み切ったところも出ている。
文科省は、安全対策に不備がある場合、必要に応じて施設に対して立ち入り調査を行う方針を明らかにした。

8日から新たに使用中止を決めたプールがあるのは栃木、千葉、東京、神奈川、愛知、富山、大阪、広島、山口、香川、愛媛、高知、福岡、長崎などの各都府県。
こんな事ですから、かなり混乱しているようです。

読売新聞 「プール事故:営業中止の判断分かれ、混乱も 文科省調査
東京都三鷹市第2体育館室内プールでは、プール底の中央付近に2カ所ある吸排水口には吸い込み防止の金具が設置されていなかった。
その上のふたも固定しておらず、水圧で押さえる仕組み。
当初、安全上問題はないとして、8日午前通常通り営業を始めたが、急きょ午後から休止。
吸い込み口に網を張り、ふた4カ所をビスで固定する工事を行うことを決めた。

同市によると、排水口の口径は15~20センチで、ふたの大きさは40センチ四方。
口径が小さく、ふたもポンプで水を吸い込むので浮き上がる心配はないとして当初営業を続ける方針だった。
73年のオープン時からこの状態だったという。

吸排水口のふたが固定されていなかった福岡県の田川市民プールでは、営業するかどうかで判断が揺れ、訪れた約100人が約1時間にわたって入場を待った。

その後、「ふたはボルトで固定されていないが、125キロの重さがあり、構造上安全と判断した」として、通常より1時間遅れの午前10時半、営業を始めた。入場口前に子供らが列を作り、「今日は開くの?」と尋ねる人もいた。
前に指摘していますが、格子(ふた)が重いから開かないだろう、と思われたのを子どもが持ち上げて事故になったというのが文科省が「ボルトやネジで固定する」と指示を出した理由ですから「重いから安全と判断した」はかなりいい加減な解釈というべきしょう。この段階でも文科省のし時の意味が浸透しないのはある意味ですごいと思いますが、小坂憲次文科相がこんな事を言ってます。
8日の閣議後会見で「まだ集計中だが、予想を上回る不備が報告されてきたことは誠に衝撃であり、プールという人命にかかわる施設の管理について危険の認識に緩みがあるという印象を持った」と不快感を示した。
だから、こうなります。 東京新聞 「立ち入り調査も検討 プール安全不備で文科相
もともと今回の事件で「どこが何を管理しているだ?」となって、何をどう解釈したのか理解出来ませんが、ふじみ野市の教育委員会は管理下にある小中学校のプールと市営プールを分けて考えてしまった。
さらにはこんな状態ですから、確かに統一することは必要だし、安全設計基準、運用基準も明確に決めるべきです。

サンケイ新聞 「国交相「プールの統一安全基準策定を」
国土交通省の北側一雄国交相は8日の閣議後会見で、埼玉県ふじみ野市の市営流水プール事故を受けて、都市公園内や学校、民間などすべてのプールに対する横断的な安全基準を策定する考えを示した。
国交省や文部科学省、厚生労働省、経済産業省など関係省庁と連係して検討を進める方針。

プールの安全管理態勢については、国交省が都市公園内、文科省は学校施設のプールをそれぞれ所管しているが、民間のプールについては所管省庁が明確でないため、水質基準を監督する厚労省や経済産業省も含め、「安全管理についての統一基準の策定について議論を行う必要がある」と述べた。
それにしても、ふじみ野市の対応は「知らない」の連続といった印象で、逆に「何が分かっているのだ?」と思うところですが、なんでこんな事が「分からない」なのだろう?

読売新聞 「職員のプール巡回、料金回収が主目的…安全点検せず
合併前の旧大井町職員が行っていたプールへの巡回は、売上金の回収が主な目的で、設備の安全点検はほとんど行っていなかったことが8日、元職員の証言で明らかになった。

巡回の際に点検すべき設備などを定めたマニュアルもなかったといい、安全点検を管理業者任せにした行政側の安全意識の欠如が改めて浮き彫りになった。

99年から当時の大井町教委に勤務した元幹部によると、「部下から巡回、点検の報告を受けたことはない」という。

ふじみ野市教委の吉野英明教育長は「旧大井町の職員の業務は料金回収だけでなく毎日、点検も実施していたと報告を受けている。
料金回収だけが仕事だったとの認識はない」と話している。
こんな「知らない」「認識がない」で済むような話だったのか?というと、ポンプの容量が毎分10トンという事ですから、早い話が断面積が1メートル角で長さが10メートルの水の固まりを一分間で移動するというほどの仕事です。
とても人力で出来る仕事ではない。

毎日新聞 「プール事故:吸水管内の吸引力は、最大280キロ
ポンプに水を引き込む吸水管内で生じる吸引力は、最大約280キロに達することが専門家の計算で分かった。
吸水管がふさがれた場合、このような力が発生するという。
県警は、ふじみ野市や管理業者が吸水口の防護措置を取らなかった場合の危険性を十分認識すべき立場にあったとみており、関係者から事情聴取を進める。

新潟県横越町(現新潟市)の町民プールで04年7月、小学6年生の男児がプール底の排水管(直径約17センチ)に両足を吸い込まれて死亡した事故でも、強い吸引力があったため男児をプールサイドに引き上げるのに大人6人を要した。
この事故で町職員が業務上過失致死罪に問われた公判では、新潟地検は冒頭陳述で発生した吸引力を「推定300~500キロ」と指摘している。
どうして、これだけ事故があったのに、プールの改修が出来ていなかったのだろうか?さらには、プールとはどこに問題があるのかを教育委員会など運営側が理解していないのではないか?本質的なところで大問題だと思う。

8月 8, 2006 at 05:02 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.08.07

パロマ工業は・・・・・その9

昨日あたりに気づいたのだが、パロマがTVCMとして松下と同じく「無償点検、無償交換」と流し始めました。
やっていることは悪くはないと思うのだが、なんでそれが報道に流れないのだ?
Google やYahoo! で検索してもヒットしない。
blog 検索エンジンの Technoratiではようやく出てくるが、いずれも昨日あたりの記事ばかり。

プログの感想は「松下そっくり」で、まぁたしかにそう思うけど一般論としては他の表現方法がどれほどあるか?となりそうです。
それにしても、blog で取り上げられるようなことをやったのにそれを報道に載せない、そこらの極端なほどの不器用さが一連の事故の遠因だと思う。
こんなところにもある種の「風通しの悪さ」が透けて見えるわけですね。

8月 7, 2006 at 02:55 午後 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

プール吸い込み事故の暗黒面その7

朝日新聞より「事故のプール、二重さく設けず 埼玉・ふじみ野市
市が管理する市内の19カ所のプールのうち、吸排水口のさくを二重にする対策がとられていなかったのは、事故の起きたプールだけだったことがわかった。

文部科学省が例年5月に出している


事故防止に関する通知は、吸排水口の安全対策について、00年以降、

  (1)排(環)水口のふたはネジ、ボルトなどで固定する
  (2)吸い込み防止金具について、丈夫な格子金具とする

とし、

いたずらなどで簡単に取り外しができないよう

さくやふたを二重に設置することを求めている。

市内には小中学校18校のプールのほか、二つの市営プールがある。別の市営プールは老朽化のため営業を休止している。
05年10月に合併する前の旧上福岡市と旧大井町は、今年までに市内にある小中学校18校のふたを二重にする工事を終えた。
一方、事故が起きたプールは吸水口3カ所に付けたさく6枚が二重になっておらず、5枚は針金が使用されていた。
うち1枚は四隅のうち2カ所に留め具がないなど外れやすい状況になっていた。

99年の夏にプールの排水口に吸い込まれる死亡事故が相次いだため、文科省は00年以降の毎年の通知では、学校以外のプールについても、学校と同様の対応をはかるよう求めていた。
ふじみ野市教育委員会は「この通知が市民プールが対象となっていることには気づかなかった。
これで分かることは、何のために何をするのかを全く考えていない、事がはっきりしています。
毎年出てくる通達を何年間も無視したのはどういう事か?という問題でしょう。
さらには、そもそも格子がビスで留まっているのは「いたずらなどで簡単に取り外しができないよう」という通達が要求している水準に達していると言えるのか?

「市民プールが対象か気付かなかった」なんて事よりも、判断基準はどうなのか?の方がよほど問題だと思います。

これから何かを考えるのであれば、プールの危険度判定のようなもので全国のプールを判定してみるといったことをやるべきでしょう。

8月 7, 2006 at 08:54 午前 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.06

プール吸い込み事故の暗黒面その6

毎日新聞より「プール事故:ずさんな安全管理が次々と明らかに…
吸水口のふたが針金で固定されていたり、危機回避策が取れる態勢になっていなかったことなど、ずさんな安全管理が次々と明らかになった。
県警は業者に加え、市に対しても業務上過失致死容疑での立件を視野に入れ捜査を続けている。
今後の捜査は、業務上過失事件の成立に必要な「事故の予見可能性」過失と事故の因果関係などの見極めがポイントになる。
例えば、「針金を使えばふたが落ちて事故が起きると認識していたか」(予見可能性)という点では、過去にふたの脱落はなかったため、さらに関係者への事情聴取や針金の強度を調べる必要があるという。
市は針金使用については「知らなかった」としており、どれだけ現場の管理状況を把握していたかさらに説明を求める。
そもそもふじみ野市(の担当者)が「どういうものであるべきかを把握していたのか?」という問題になるでしょう。
やたらと「知らない」を連発しているようですが、格子が二重を構造であるべき事の理由を理解していたのか?といったところが問題になります。

学校のプールには適用されると理解していたらしい、こんな理解が出来るとはちょっと思えないのだけれど、おそらくは書類の字面を読んだだけなのだろう。
つまり「なぜ二重にする必要があるのか」は知らないじゃなくて考えてないだろ。。

そうすると、そもそも縦に付いている格子をネジ停めるという構造が適切なものと判断していたのか?適切だとするのであれば、その根拠は?となっていく。
「知らないじゃ済まない」のであって、プールの運営は命に関わるのは承知しているけど、内容については考えたこと無い、というのでは廃業しかあるまい。
その方がよほど良いとも言えるだろうね。

8月 6, 2006 at 01:43 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (1)

プール吸い込み事故の暗黒面その5

朝日新聞より「死亡事故のプール、管理会社が談合か
管理運営を委託された「太陽管財」と、実質的に管理していた「京明プランニング」が、入札で談合していた疑いが強いことが関係者の話で分かった。
県警の調べでは、「太陽」は入札で落選した「京明」に毎回丸投げしており、安全性が重視されるプールの運営業務の入札が骨抜きになっていた形だ。

調べでは、「太陽」は92年以降、97年と00年をのぞき、プールの委託管理業務を落札し、「京明」に下請けに出した。

ふじみ野市が公開した00年から06年までの入札調書によると、「太陽」は7回、「京明」は6回入札に参加。
今年6月の入札では2社を含む9社が参加し、「太陽」が1100万円で落札、落札率は99%だった。
「京明」は9社中4番目に低い1128万円だった。

この入札に10年ほど前、参加したビル管理会社の元社員によると、「太陽」は参加業者から「親」と呼ばれていた。
「太陽」の落札額からわずかに上乗せした金額を指示され、別の入札での協力を条件に協力したという。

また、昨年まで4年間、「京明」で監視員のアルバイトのまとめ役だった会社員は、02年の業務を終えた打ち上げの席で同社員から「来年もプールを管理するので、みんな来てほしい」と頼まれたという。

一方、00年に両社など10社が参加した入札で落札したビル管理会社(東京)は「開業前の点検時にさくのネジがなかったので、行政側に指摘して用意してもらってつけた」と話している。

県警の調べに、「京明」の社員は「6、7年前から針金を使っていた」と話しており、県警は01年以降、連続して同じ業者が運営していたことで、ずさんな安全管理が改善されなかった可能性もあるとみている。
わたしは前から入札制度については、役所の側に判断が出来ないのであれば、意味がないだろうという主張をしています。
要するにやった仕事をチェックして品質が要求水準に達していることを確認した上で、価格が安いが正当化されるわけで、価格は安いが品質は分からないでは、入札なんてしない方がよい。
今回の事件は、安かろう悪かろうの方向だった疑いが極めて大きいです。

00年に落札した会社は「ネジがないぞ」と行政に申し入れています。つまり業務の品質は良かったが、00年以降は太陽管財が落札している。
これはどうかと思う。

8月 6, 2006 at 01:29 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)