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2006.08.05

プール吸い込み事故の暗黒面その4

ふじみ野市のプール事件(事故ではないだろう)では、どうも報道のつっこみが甘いというか取材者が世の中の理を理解していないのではないか?と感じところがあります。

わたしには格子が二重になっていないというのが施設として失格だと思うのですが、報道では監視員が高校生のアルバイトだったという方が大きな記事だったりします。そういう「この報道は?」という視点でまとめてみます。

読売新聞 「プール事故の委託業者、監視員調査書未提出のまま落札
朝日新聞 「埼玉プール事故 管理会社、救命講習修了証提出せず受注」 この二社の記事はつじつまが合っていると思えないのです。

どう考えても、監視員の調査書が揃っていなければ入札資格がないとしたら、誰も応札出来ないでしょう。
読売新聞の記事「プール事故の委託業者、監視員調査書未提出のまま落札」では
調査書は昨年も未提出で、入札を担当する同市管財課に連絡もされておらず、同課は「未提出がわかっていれば入札には参加させなかった可能性がある」としている。同市教委の池本敏雄教育次長は「市教委の手落ち」として、ミスを認めている。
こんな発表をするふじみ野市もひどいと思うが、なんで記者は「そりゃ無理でしょう」と突っ込まなかったのかな?
「将来とも提出されない」なんて事が分かるわけがないですよ。
だから、この後に続くのは「将来のことは分からないのだから、提出しない業者でも仕方なかった」でしょう。
ふじみ野市のやるべき事は書類が提出されていない時点で、チェックすることだったはずです。
それを「入札に監視員の資格を確認するべきだ」と記事するのでは読売の記者の見識というか常識はどこにあるのかね?

朝日新聞の記事「埼玉プール事故 管理会社、救命講習修了証提出せず受注」はいわばタイトルが内容を示していないと言うべきじゃないかな?あるいは、記事の中身はふじみ野市批判であるのだが、タイトルでは業者の問題であると振ったのかな?
市側は再三、求めたが、提出されなかった。
このため同社は、今年度の指名競争入札から外される可能性があったにもかかわらず、市職員が必要な手続きを取らなかったため、業務を受注していた。
市教委は「職員が担当課へ伝えなければ、という意識が低かった」と話している。

同社の対応は市との契約違反にあたり、本来なら市教委は、翌年度のプールの管理委託業務の入札を担当する市管財課に伝えなければならなかった。
管財課は、同課が事務局を務める「市指名業者選定委員会」を開き、入札で同社を指名に加えるかどうか検討する必要があった。

選定委員会の委員長でもある北村政夫助役は「市が修了証を求めたのに、出さなかったことは重要な事項だ。
委員会で指名除外の可能性もあった」と話している。
そういうふじみ野市のワケの分からないか対応がいろいろな見落としを進めて、結果として死亡事件になったわけでしょう。
事件での重要性は正にこの記事の中身であるふじみ野市の実際には何もしていない対応にこそ原因を求めるべきであって、「入札するのに監視員の資格必要」と誤読させるようなタイトルを付ける波大きな間違えであろうと思います。

問題にするべき事を列挙すると
  • 格子が二重でなかった
  • 格子を固定すること意味を理解していない工事
  • 格子の取付状態の点検を全くしていない
  • 監視員の教育訓練などをチェックしていない
重大なチェックポイントでこれだけあるのですから、細かいことを取り上げたらきりがない。
これ、全部がふじみ野市の責任であると断定します。
何よりも利用者は「当然上記の手続きが保証されているからこその市営施設」と考えているでしょう。どう考えるのか?

8月 5, 2006 at 11:29 午前 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.08.04

ソニー創業の土地を売却?

日経新聞より「>ソニー「創業の地」売却へ、品川の旧本社ビルなど
ソニーは東京都品川区の旧本社ビル一帯の保有不動産を売却する方針を固めた。
今年設立60年を迎えたソニーにとって旧本社ビルは実質的な創業の地だが、本業のエレクトロニクス部門が再生途上にあるため、聖域を設けず資産リストラを加速する。
いや~時代の流れですな。
ソニーの創業当時の名前「東京通信工業(東通工)」以来の創業の地ですね。
わたし、小学生の時に親の納品に付き合って行ったことがあります。

売却ですか・・・・・品川区としては「売却しないでもっとうまく利用してくれない」と思っているでしょうね。

8月 4, 2006 at 08:41 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.03

プール吸い込み事故の暗黒面その3

中日新聞より「全監視員、危険認識せず
文部科学省が吸水口のふたをボルトなどで固定するよう求める通知を出していたにもかかわらず、市はプール管理を委託した業者に通知内容を伝えていなかったことが三日、分かった。

通知は一九九九年に「学校水泳プールの安全管理について」との題で文科省(当時文部省)から都道府県に出された。
翌年以降は「学校以外のプール」も対象となり、毎年五月末に都道府県に通知。文科省の通知を受け、県は市町村の教育長らに事故防止の通知をしていた。
ふじみ野市教委は六月六日に今年の通知を受け市内の十八小中学校に伝達していたが、市営プールについては委託業者に連絡していなかった。

文科省や県の通知は「吸水口のふたが固定されていない場合、早急にネジ・ボルトで固定すること」と明記していた。
これは、ふじみ野市がプールの吸水口の格子についての通達を取り違えていた、という件ですが元になった旧文部省の通達が出た理由となった「プールの吸水口の格子を固定しなければならない」は、今回の事件となった壁の側面に格子が付いている状況だと「なんでわざわざ固定しろと指示したのか?固定しなければ脱落してしまうではないか」と考え方が多いかと思います。

以前は、普通の25メートルあるいは50メートルプールの底にある吸水口(排水溝)の上に鉄製の格子を置いただけだったのです。
いわば、道路の排水溝の格子のようなものでした。
それを水中で持ち上げて外ししまうと、吸い込まれて抜け出せなくなる、事故が多発したのです。

旧文部省は「格子を置いてあるだけではダメで、持ち上げられないようにネジ・ボルトで固定せよ」と指示したのです。
趣旨は「子どもがいたずらで外すことが出来ないようにする」であって「ネジで留まっていればよい」という意味とはちょっと違うと考えるべきでしょう。

このような意味のある措置だから、文科省になった今も「毎年通知している」となっているわけですが、それをふじみ野市は学校だけに通知したというのだからおよそ中身を読んでませんね。
だから市営プールには通達すらしない、検査もしない。
そもそも、問題になったプールの格子は文科省の指示の「二重にする」に反しているし、格子をボルトで留めることの意味がそこにある鉄の格子をを持ち上げたり外したり出来ないようにする、という意味からすると側面にあるの格子にはつかまりやすいことを考慮すればより一層の強度が必要で、「ネジが取れたら脱落する」構造自体が不適格と言うべきでしょう。

ふじみ野市は、市営プールなのだからこのような点は当然チェックする義務があったのだから、結局は何重にもミスを重ねて危険なプールを公開していた、となりますね。

8月 3, 2006 at 05:44 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (1)

ユーロトンネル倒産

日経新聞より「ユーロトンネル、再生手続き開始へ
パリ商事裁判所は2日、英仏海峡トンネルの建設・運営会社ユーロトンネルを裁判所の管理下に置き、再生手続きに入ることを決めた。同社が7月中旬に適用を申請していた。債務返済と利払いを凍結し、営業は継続する。

同社は90億ユーロ(約1兆3000億円)超の債務を抱え、債権者に借金の大部分の棒引きを求めている。7月中旬に債権者との交渉が暗礁に乗り上げたため、裁判所に管理を申請していた。
ユーロトンネル倒産ですね。
日本は債権がないのかな?

収益見通しが甘いと開通前から指摘されていた上に火災事故で半年間閉鎖でした。

ウィキペディアによれば建設費が1兆8000億円だそうで、現時点の債務が1兆3000億円では、94年の開通以来の12年間で債務は27%しか減っていない。
金利相当分ぐらいですね。実際の利払いがどうなっているのか分かりませんが、収益という観点からは非常に難しい。
出来ちゃっているのですから経済効果としては有効なのでしょう。

8月 3, 2006 at 09:24 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.02

原付ナンバーの秘密?

毎日新聞より「札幌市:原付きバイクの所有者照会拒否、一転OKに
改正道交法(6月施行)に伴う原付きバイク(125CC以下)の放置車両取り締まりに絡み、道警からの所有者情報の照会を拒否していた札幌市が、総務省からの通知を受けて近く開示に転換することになった。
陸運局は同様の照会に応じており、同市の対応が取り締まりを滞らせた形だ。

同法は放置車両の運転者が反則金を納めない場合、所有者に「放置違反金」の支払いを義務付けた。
警察当局はナンバープレートを基に、一般車両は各地の陸運局、原付きバイクは市町村に所有者情報を照会している。

ところが同市は「地方税法上の守秘義務や個人情報保護の義務がある」と照会に応じていない。
このため放置違反金が未納付の同市内の原付きバイクは7月末までに約1800台に上っている。

総務省は警察庁の要請を受け、7月20日付で「原付きバイクの所有者情報は、所有者と公安委員会の間では『秘密』に当たらない」と全国の市町村に通知。
札幌市の対応は個人情報保護法の過剰適用例そのものだと思いますが、私は総務省の通達の方が気になる。


原付きバイクの所有者情報は、
所有者と公安委員会の間では『秘密』に当たらない

これは個人情報保護法の話なんでしょ?そうなると所有者情報が秘密に当たらないってどういうことよ?

個人情報保護法の最大の問題点をわたしは、(秘密を)保護するべき情報と保護に値しない情報に区別がないところだ、と考えています。
個人情報保護法の定義する個人情報は「個人を特定出来る情報」であってその情報が秘密であるかどうかは規定がありません。
必要な情報は複数の人や機関で共有しているはずで、共有していない情報を共有するときには、個人情報の本人の許可を取れとなっています。
秘密だから保護する、秘密じゃないから伝えよいなんて話は今までどこにも出てこない。

こんな点は個人情報保護法が現実離れしていてそれをしゃくし定規に使うと何も出来ない、という点をわたしは強く非難するし「さっさと改正しろ」という論者ですが、一体これは何を言いたいのだ?
誰か事情を教えてくれませんかねぇ?

8月 2, 2006 at 07:18 午後 個人情報保護法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

プール吸い込み事故の暗黒面その2

読売新聞より「「何のふたか分からなかった」女児死亡のプール監視員
現場にいたアルバイト監視員3人は、遊泳していた男児が流水プールで見つけた吸水口のふたを、「何のふただか分からなかった」と埼玉県警の調べに供述していることが2日、分かった。
  • 7月31日午後1時半ごろ、流水プールで泳いでいた男児がプール内に落ちていたふたを発見し、
  • プールサイドの監視台にいた女性監視員に手渡した。
  • 監視員は無線で、管理棟の事務所2階にいた男性監視員に「何かのふたが外れている。重要なものかもしれないので来てほしい」と連絡。
  • 男性監視員と別の女性監視員、現場責任者の3人がプールに向かった。
  • 4人のうち現場責任者だけがふたを見て吸水口のふたと気づき、女性監視員2人に吸水口近くに立って「(吸水口に)人を近寄らせなくするように」と指示。
  • 自らはふたを補修しようと、針金や道具などを取りに事務所に戻った。
  • 責任者が戻る途中の同1時40分ごろ、事故が起きた。その間約10分だった。
  • 女性監視員は目の前で瑛梨香ちゃんが吸い込まれるのを目撃し、「吸い込まれたー」と大声を出した。
  • 事故に気づいた責任者が起流ポンプを止めに管理棟に戻ったという。
格子が外れた段階で、アクシデントであり運営を中断するべきでしょう。インシデントがアクシデントになるといいますが、格子を止めるビスがなくなった段階でインシデントであり、報告されているべきでした。

毎日新聞より「プール事故:「去年の針金交換」 ずさん管理常態化
現場責任者は、プールの管理運営を請け負ったビルメンテナンス会社「太陽管財」から、市に無断で業務の丸投げを受けた「京明プランニング」の社員。
ふじみ野市と「太陽」が委託契約を結んだ6月19日以降にプールを訪れて点検。
「去年のもの(針金)から今年のものに、吸水口のふたの針金をすべて自分で交換した」と説明しているという。
ただし、何カ所を固定したのか、針金を交換した詳しい日時などは不明。

また、県警の調べで、吸水口の60センチ四方のステンレス製ふた計6枚のうち、四隅ともボルトで固定したものは1枚しかないことが分かった。

流水プールは3カ所に吸水口があり、それぞれ左右に並んだ2枚のふたでふさがれていた。
事故のあった吸水口は左側のふたが外れ、右側のふただけが四隅をボルトで固定されていた。

残り5枚は針金だけ、または針金とボルトで固定され、何も留めていないボルトの穴だけの個所もあった。
6枚の格子の内で、精機に取り付けてあったのは、1枚。またまた一枚が外れて死亡事故になったわけですが、正規に取り付けてあった1枚と脱落して死亡事故を引き起こした一枚を除いた4枚のどれもが、正式に取り付けられていなかった。 これでは、取付状態の確認は全くしていなかったですね。 良くもまぁこれで、市営の施設として運営したものだと呆れますが、市はそもそも契約した管理会社が丸投げしていることを知らなかった。ではチェックの実態は?となると。

朝日新聞より「埼玉プール事故、管理会社など捜索へ
市教委によると、今季のプール開園前の7月5、7日、管理業者が水を抜いて、ポンプやプール側面を清掃・点検した。
市の報告書には清掃したのは「太陽管財」と書かれているが、業務を事実上丸投げされていた「京明プランニング」の可能性もあるという。

清掃には市職員も立ち会ったが、プールの床面に降りて、点検することはなかった。
プールサイドからの点検では、さくにボルトがなかったり、針金で留めたりしていたことは分からなかったという。

プールが開園した同15日以降も、市職員は2日に1度、プールを訪れていたが、管理業務が適切かどうかを、管理責任者に聞いたり、ざっと見回ったりしただけで、細かくチェックすることはなかったという。
開園前の点検に立ち会い、2日に一度の割合で訪れて一体何を見つけるつもりだったのでしょうか?
実質的に市職員の時間つぶし以外の何物でもないでしょう。 ひどい話だ。

8月 2, 2006 at 06:40 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (4)

パロマ工業は・・・・・その8

読売新聞より「パロマ改造関与、説明ちぐはぐで経産省が経緯報告命令
31日に経済産業省へ提出した事故調査報告書では、パロマ側の不正改造への関与について触れていないにもかかわらず、提出直後の記者会見では、「(パロマグループ)社員で改造にかかわった人物はいない」と報告書にない発表をしていたことがわかった。

経産省は説明の食い違いを重視し、1日、同社に経緯を報告するよう命じた。

パロマ工業は31日の会見で、経産省への報告の骨子とする資料を公表。資料では
  • 「社員で改造にかかわった人物はいない」
  • 「パロマサービスショップで改造をしたと認めている人物は確認されていない(法廷で証言をした人を除く)」
  • 「経産省(提出報告書)と報道向け(資料)は同内容」
と回答していた。ところが、経産省が報告書を調べたところ、報道向け資料のような記述はなかった。 経産省は1日、発表内容の具体的な根拠を7日までに回答するよう命じるとともに、「(製品に)構造的欠陥はない」とするパロマ側の主張についても根拠を示すよう求めるなど、30項目の追加報告を命じた。

パロマ総務部は「なぜ、報告書にない発表をしたのか分からない」としたうえで、「サービスショップへの聞き取り調査はしているが、詳細は分からない」としている。
「パロマ工業は・・・・・その7」

問題が無いと言えば、現実の問題が無くなる

と書いたのですが、全くこの通りであって経産省から指摘されると、

パロマ総務部は「なぜ、報告書にない発表をしたのか分からない」

この総務部の発言自体がおかしい。なぜ分からないと発表すればよいと判断したのか?共通しているのは「発表段階でその反響を考慮しない」です。
7月15日に報道されて大騒ぎになりました。以下に読売新聞記事データベースからパロマ側の発言を並べてみます。日付は記事が出た日にち

7月15日
  • 「(だれかが)製品を延命させるために、安全装置が働かないよう改造した可能性がある」
  • 「いずれも当社に落ち度はなかった」としている。
  • 「4機種はいずれも一酸化炭素漏れがあれば、自動的に制御装置が働いて使えなくなる仕組み。修理業者が湯沸かし器を不正改造したため、事故が起きたと考えている」
  • 「当社にうまく情報が入って来なかった。知っていれば、もっとアクションを起こせた。メーカーとして力が足りなかった。改善の余地はあった」
7月16日
  • 「在庫不足が瞬間的に生じた可能性はあるが、パロマサービスが応急措置で配線を改造した事実は確認していない」
  • 「事故は不正改造によるもので、業界団体を通じた安全対策だけで十分と考えていた。結果的に多くの犠牲者を出してしまったことは重く受け止めているが、当時としては精いっぱいの対応をしたと思っている」
  • 「設置後に修理業者などが不正改造した」
7月17日
  • 「メーカー及び販売会社は一切関与していない」
  • 「高裁判決の内容は認識しているが、古いことなので現在、事実関係を確認している」
7月18日
  • 「自社製品が、はんだ割れを起こすケースは把握しているが、他メーカーと比べこの部分が弱いかどうかはわからない」
7月19日
  • 当時としては最善の設計だった。現在の基準では不良と言われるかも。
  • 販売店が修理したり、サービスショップが修理した例はある。
  • だれが不正改造したかは不明。
  • (改造を指示したのでは?)全くございません。
  • 故障時に部品がなく、安易に修理として改造された例がある。
  • (27件とも担当部署では把握していたのか?)いずれも書類はあった。部が引っ越して書類がバラバラになり、きちんと管理されていなかった。
  • (事故はほかにないのか?)いとは断言できない。
  • (1992年の事故時、消費者向けになぜ広報しなかった?)業界向けだけでいいと判断したと思う。
  • (品質劣化が原因ついて)「製造した責任があり、補償については社内で検討し、対応する」
  • 「不正改造が原因と考えて事故を見過ごしてきた」
  • 「我々すべての責任という姿勢で対応すべきだったと反省している」
  • 「当時は最善の設計だった」
  • 「今の基準では設計不良と言われるかもしれない」
7月20日
  • 「不正改造は品質の問題とは別という認識で、報告しなかった」
  • 「コントロールボックスの修理方法を説明した文書を出したことはあるが、不正改造にかかわる文書は出していない」
  • 「修理業者が刑事処分を受けたと聞き、特殊な事案と考えて何も手を打たなかった」
7月22日
  • パロマ工業は21日、愛知県清須市の同社清洲工場で、事故を起こした瞬間湯沸かし器と同じ機種の製品を使い、不正改造した場合に安全装置が働かなくなる様子などを公開した。再現後、鎌塚渉・品質管理部長が「簡単な改造ですべての安全装置が損なわれてしまう。このような改造は絶対にあってはならない」とコメントしたが、製品の品質劣化についての質問が出されると、予定時間(30分間)が過ぎたことを理由に、質問には答えず、会見を打ち切った。
7月25日
  • 「金額の大小はあくまで裁判所の判断で、責任の有無には関係はない」
  • 「サービスショップと資本関係はなく、別会社。(証言は)解決金支払いには関係ない」
7月28日
  • 「この修理員の担当エリアは特に念入りにチェックしたので、チェック漏れはなかったと考えているが、当時の記録が残っていないので分からない」
7月31日
  • 「修理業者への周知徹底を図った」
  • 「構造的欠陥ではない」
  • 「ガス事業者を通じた働きかけの方が有効と判断した」
  • 「改造を指導、容認した事実はない」
  • 「(系列の)パロマサービスショップで、改造したと認める人物は確認されていない」
  • 「他社製品に比べて出荷台数が圧倒的に多かった」
  • 「改造者の危険性に対する認識が希薄だった」
8月1日
  • 「社員の関与はない」
  • 「不正改造を認めている人物は現在、確認されていない」
  • 「だれが改造したかは発見できなかった」
  • (調査方法について問われると)「時間的な余裕がなく、何人かには事情聴取しているはず」
  • (消費者に不正改造の危険性を呼びかけなかった)「(消費者が)不正改造の有無を判断するのは困難」
  • (「はんだ割れ」が多発していたことについて)当時では標準的な仕様。構造的な欠陥ではない」
こうして並べてみると、発表することでかえって信用を無くしていると言えるでしょう。
俗に言う「社員が上ばかり見ている」なのかな?とも思いますが、一種の企業文化なのでしょう。
その意味では「同族企業だから」という批判は当たらないと思っています。上場企業でもワンマン経営者は少なくない。しかし近年は企業の社会的責任といった点が強調されてきて、企業内部の都合だけではダメだというのが多くの企業に浸透しています。一番すごいのは、

パロマ総務部は「なぜ、報告書にない発表をしたのか分からない」

という発表をしてしまうことでしょう。問題は、こういう事を言ってしまう(やってしまう)体質にあると思います。

パロマは対策費が200億円との見通しを発表していますが、パロマ工業の2006年1月期の決算は、売上高が260億円、経常利益は22億円とされているので、これでは完全に倒産水準ギリギリになってしまいます。株式公開で資金調達するしかないでしょう。天動説同様に「我が社が全て」とやっていては、こういう時の対応もままならない、ということです。

8月 2, 2006 at 12:56 午後 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.01

プール吸い込み事故の暗黒面

サンケイ新聞より「流水プールを実況見分 小2女児死亡で埼玉県警
監視員や現場責任者は事故前、ふたが外れているのを遊泳客の指摘で把握しており、県警は業務上過失致死の疑いで同市や施設の管理・運営を委託されていた会社の責任について捜査している。

監視員らは流水プールにいた客に吸水口近くに近づかないよう呼び掛けていたが、遊泳中止やポンプを止めるなどの措置は取らなかった。

プール利用者からふたが外れているとの通報があってから瑛梨香ちゃんが吸い込まれるまで約10分あったという。

調べでは、瑛梨香さんは7月31日午後1時50分ごろ、頭から吸水口に吸い込まれ、約5メートル入ったパイプの中から約6時間後に救出されたが、病院で死亡が確認された。

吸水口は、ボルトで固定された2つのふたのうち片方が外れ、針金で補修した形跡があった。市の調べでは、吸水口のふたが修繕された記録はなかった。
フタが外れていることを客に指摘されて、給水好日が付かないように呼びかけていた。
というのは昨日のニュースでも伝えられていましたが、毎日新聞より「プール事故:自治体合併で点検回数減っていた
同プールでは現在、50分遊泳した後、休憩時間を10分設定し、その間に監視員らが気温や水温を中心に確認している。
事故前の31日午後0時50分からの点検では、瑛梨香ちゃんが吸い込まれた吸水口の異常には気付かなかったという。
他のプールなどでは、格子を二重にして「万一吸い込まれて止まる」といったフェール・セーフの考え方を取り入れている施設もあるそうで、その点「針金で留めていたのだが、記録がない」とはずいぶんと手抜きだと言えます。

さらに、最後の点検が0時50分からで、1時40分ごろに客から「格子が外れている」と指摘され、1時50分ごろに事故が起きたようなので「監視員が近づかないように呼びかけた」とは一体どういう事をやっていたのか?が問題ですね。
例えば「マイクで呼びかけた」というのであれば、どう考えてもほとんど効果がないでしょうし、少なくとも被害者の少女が吸水口に近づくことを留めることが出来ない「監視」であれば一体何をしていたのか?

そもそも、点検で格子が外れていた場合に「どういう対処をすることになっていたのか?」それは「近づかないように呼びかけることになっていたのか?」といった問題になります。
「格子の脱落を施設側が知らなかった」ならある意味で問題は単純ですが、今回の事故では「脱落を知っていたのに、どういう対処することになっていたのか?」灯言うちょっと難しい判断が必要だったことは事実ですが、これを判断してこその施設でありましょう。「判断出来ないから動けなかった」ということであれば、判断出来ないこと自体が犯罪的な無責任と言うべきです。

8月 1, 2006 at 02:35 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (10) | トラックバック (1)

パロマ工業は・・・・・その7

パロマ工業は社長が経産省に報告書を提出し、その後東京でパロマ工業の社長の記者会見、愛知県清洲市の工場でパロマ工業、パロマの両社長の記者会見がありました。各紙がいろいろな記事を書いています。

朝日新聞 パロマ改造、社員関与を否定 経産省に報告書
日経新聞 パロマ、事故対策の不備認める・経産省に報告書
読売新聞 パロマが報告書「改造容認」「構造的欠陥」を否定
読売新聞 パロマ事故報告書に遺族の怒り「反省しているのか」
毎日新聞 パロマ湯沸かし器事故:消費者軽視の弁明 点検困難理由に情報未公開--事故報告書
サンケイ新聞 「汚れや劣化原因」9件 パロマ、再発防止へ報告書
北海道新聞 製品の欠陥否定 パロマ両社長が会見
北海道新聞 事故対応に200億円 パロマ、人員削減も


報告書の内容についての切り口が各社の記事で違っているのですが、報告書の内容について集めてみました。
  • 安全装置が機能しないようにした改造
  • 老朽化による部品の汚れや部品の劣化による故障
  • 安全装置の改造を、同社が指導したり、容認したりした事実はない
  • 改造に関与した社員はいない
(以上朝日新聞)
  • 不正改造を複数回にわたって認知していたが、「その都度、改造の厳禁を呼びかけてきた」
  • 系列のパロマサービスショップの従業員についても、「改造を認めた人物は確認できなかった」
(以上読売新聞)
  • 「一般使用者へ働きかけなかった理由」として、「ガス事業者を通じた周知徹底の有効性」
  • 実際に使用している消費者に伝えなかったのは(1)フロントカバーを外す必要がある(2)不正改造の有無の判断が消費者には困難--という理由を挙げた。
  • 製品のリコールを92年時に検討したことも明らかにした。しかし、社団法人「日本ガス石油機器工業会」の基準が「通常の使用状況において消費者の生命・身体もしくは財産に対して危害・損害を発生させる重大事故」となっていることを挙げ、一連の事故の原因となっていた「改造」が「通常の使用状況」に当たらないと判断。リコールの届け出を見送っていた。
  • 「結果的に事故が繰り返された理由」は、「改造による事故は、製品に起因するものであるという認識はなかった」とし、事業者による改造が続出したのは、(1)出荷台数が他社に比べて圧倒的に多かった(2)製品の使用が想定期間を大幅に超え、老朽化し部品故障が多くなった(3)改造者(事業者)の危険性に対する認識が希薄だった
(以上毎日新聞)
  • これまでの事故対応が不十分だったとして、新たにリコールの自主基準を設けることを報告書に盛り込んだ。外部の識者を加えた検討委員会を設置する方針。今後はガス事業者や警察と協力し、積極的に事故情報を収集するとしている。
(以上サンケイ新聞)


各社の記事もタイトルの段階ですらかなり批判的ですが、読売新聞 パロマ事故報告書に遺族の怒り「反省しているのか」
事故を消費者に知らせなかったことに関し、「ガス事業者を通じた働きかけの方が有効と判断した」とも釈明した。
この点について一人の被害者の母は「知らされれば湯沸かし器を取りかえることも考えたし、少なくとも注意はできた。なぜ、こんなに大きな問題を業者にしか伝えなかったのか」と怒りを新たにしていた。

事故原因の一つの不正改造について、パロマ側は今回、「改造を指導、容認した事実はない」「(系列の)パロマサービスショップで、改造したと認める人物は確認されていない」とした。

しかし、1987年の北海道苫小牧市と95年の恵庭市で起きた事故に関係する民事訴訟では、出廷したサービスショップの元修理員が「応急処理的に(不正改造となる)バイパス修理をある程度の件数行った」と証言している。
と極めて批判的な記事になっています。

私は一部の機種に欠陥があり、モデルチェンジしても欠陥が是正されなかったから長期間に渡って大量の不具合機種がでて、さらに不正改造から死亡事故に至ったのであるから、問題の根本はなぜ一部の機種に問題が集中したのか?だと思うのです。
どうも会社の出した報告書の中の「欠陥はなかった」とは製品がメーカ出荷時のまましようし続けた場合に、死亡事故を起こす欠陥はなかった。という狭い意味で鹿捉えていない、あるいは意図して狭く解釈した。
そのために「不正改造をした理由は分からない」となっているのでしょう。

不正改造がでてきた理由こそが、1%~3%といわれるハンダ割れによる停止にあったのだ、というべきでしょう。
そもそも一般家庭向けの製品の故障率が1%では、ビジネスとしては成立しませんよ。
問題を一部で隠すというのは、その他の部署からは問題がなかったように見えるるのがポイントでしょう。

問題が無いと言えば、現実の問題が無くなる

という変な思い込みまま抜け出せないように見えます。

8月 1, 2006 at 12:04 午前 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.07.31

パロマ工業は・・・・・その6

毎日新聞より「パロマ:事故機種、5年間で6500件の不具合
事故機種が発売当初から故障が相次ぎ翌年に設計変更を行ったにもかかわらず、その後も故障が続発していたことが分かった。

(事故機種の)故障率は約3%(100台中3台が故障)に上っていたが、同社の役員会には一度も報告されず、パロマ幹部が事故につながる重要な事実を把握しなかったことが、事故対応への遅れにつながったとみられる。

事故機種は1980年の発売当初から、制御装置に「はんだ割れ」が起き、種火がつかなくなるトラブルが相次いだ。
同社は81年、この欠陥を改善するため、はんだの量を増やすなどの設計変更を行った。
しかし、事故機種の不具合はなくならず、1993~97年の5年間で計6500件に上った。
故障原因の約7割が制御装置のはんだ割れで、故障率は約3%と、同社の他製品の数十倍から数百倍に達していた。

不正改造による中毒事故は85年に初めて発生。
同社は88年までに、不正改造が故障の修理に伴うものである可能性を把握し、全国の営業所に「修理時は、必ず安全(制御)装置を修復すること」と指導していた。

同社品質管理部は、88年以降も故障の多発を把握していたが、不具合情報を役員会に報告することはなく、事故機種についても「故障率は高いが、部内で対応できる」として一度も報告しなかった。

一方、不正改造による死亡事故はすべて役員会に報告されており、同社は「事故原因は製品の欠陥ではない」と結論付けていた。
このため、故障の多発と不正改造による事故の多発との関連についての議論はされないままで、不正改造事故を防止するための製品の回収や一般消費者への周知といった対策はとられなかった。

ほとんど全文転載になってしまいましたが、この署名記事によると
  1. 新機種を発売直後からハンダ割れが発生
  2. 故障率3%という致命的発生率だった
  3. 設計変更したが改善せず
  4. 不正改造による死亡事故は役員会に報告
ハンダ割れが起きて、設計変更したが改善しない。
というは欠陥商品=リコールしか現実には選択の余地がなかった、ということでしょう。

そのために、不正改造・死亡事故になってしまったが、なぜ不正改造が行われたかを議論すると、欠陥商品=リコール問題に触れてしまうから、取締役会で意図して取り上げなかった。
ということでしょうね。

これは縦割り管理の怖いところですね。

たぶん3%の欠陥率という致命的な情報の段階で隠してしまったのでしょう。
納品後の商品の3%の修理をするくらいならモデルチェンジするべきでトンでもないコスト増加になってしまいます。
だから、経営トップまで情報を上げないで隠してしまったのでしょう。

しかし、補修部品の出荷状況や作業報告を見ていればイヤでも分かってしまいますが、役員会で不正改造・死亡事故の報告はあったとのことですが、そこで「何で不正加増になったの?」という議論をしていない。つまりは、役員会では議論する場ではなかったのでしょう。情報を検討するのには、縦横斜めのからの検証をするべきで、そのためにこそ一人ではなく会議という形を取るわけです。

それが会社組織であり取締役会であるはずですが、「他の部門のことは分からない」とやってしまうと、縦割りになってしまうと分からなくなってしまうのでしょう。

7月 31, 2006 at 10:09 午前 事件と裁判, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.30

個人情報保護法を改正するべき

読売新聞社説より「[個人情報保護法] 運用の見直しだけでは済まない
「個人情報は隠すべきもの」という誤解が蔓延(まんえん)している。
早急に是正しないと、社会がますます不健全になる。

昨年4月の法施行以来、「過剰反応」による行きすぎた保護が目立つ。

事故など緊急時に病院が家族や警察の問い合わせに応じない。
緊急連絡網や卒業アルバムがなくなった学校もある。
地方自治体では高齢者や障害者ら「災害弱者」の名簿作りが進まない。

神奈川県は、住民に「個人情報を保護するとともに有益に利用しよう」と呼びかける手引を作った。
こうした過剰反応対策をとった自治体は、まだ全体の2・6%に過ぎない。

過剰反応を防ぐには、まず法の解釈を明確にし、医療や教育など分野別に各省庁が出しているガイドライン(指針)の周知徹底を図る必要がある。

関係15省庁は2月末、過剰反応防止へ対策を強化することを申し合わせたが、十分効果を上げているとは言えない。
運用の見直しでは限界があるだろう。

日本新聞協会は「個人情報の保護を理由に情報の隠蔽(いんぺい)が進んでいる」と指摘している。
これでは報道機関は、行政を監視できない。
行政の透明化を目的とした情報公開法の趣旨にも反している。

日本弁護士連合会は、具体的な法改正案を提案した。
個人情報の種類や利用目的などによって、保護するよりも情報を提供する方が利益が大きい場合は、個人情報を提供出来るようにする。
個人情報保護法には、そんな条文を加える。

行政機関個人情報保護法でも、職務遂行に関連した公務員の氏名などの個人情報は、情報提供を制限する条項の例外とするよう求めている。

今後の議論の焦点の一つになろう。

「過剰反応」は、啓発やガイドラインの見直しだけで解消される問題ではあるまい。
法改正を前提として、具体案の検討を進めるべきである。
個人情報保護法はとでも出来が悪くて、個人が特定出来る情報を個人情報とするなんてやっているのが問題の根源なのだろうと思っています。
法改正を目指すべきです。

7月 30, 2006 at 04:22 午後 個人情報保護法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

パトカー追跡死亡事故

朝日新聞より「パトカー追跡受けた車が衝突事故、3人死傷 静岡・浜松
容疑者は約700メートル離れた場所で検問を受けたが逃走。
同署のパトカーの追跡を受け、赤信号の交差点に侵入して衝突した。
事故後、容疑者からアルコールが検出されたことから、同署は道交法違反(酒気帯び運転)容疑で現行犯逮捕した。
同署によると、パトカーはサイレンを鳴らし、赤色灯を回して追跡。
追跡時は約200メートル離れていたといい、「追跡方法に無理はなかったと考えている」としている。
このところほとんど連日のように

パトカーが追跡、事故

が起きています。
そして毎回「追跡方法に問題はないと考える」なんですが、それじゃ

「死亡事故が起きることも必然だ」といっているのに等しい

ことになってしまうのだが・・・・・。
いい加減にもっとマシな対応方法にしたらどうなのよ。

7月 30, 2006 at 10:43 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)