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2006.07.29

パロマ工業は・・・・・その5

北海道新聞より「パロマ 修理の定期報告要求 不正改造の系列業者に契約結び緊密関係
パロマ工業(名古屋市)製のガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故で、販売に当たる親会社のパロマ(同)は、不正改造が指摘されている「パロマサービスショップ」と、技術指導などを通じて緊密な関係を持っていることが、二十八日、分かった。
パロマはショップに対し契約書などで修理業務の定期報告も要求。
日常的なやりとりがあったにもかかわらず、ショップ従業員による不正改造を見逃したパロマ側の責任の一端が浮上した。

サービスショップはパロマ製品の修理代行店で、パロマに直接寄せられた修理依頼などを同社から請け負っている。
パロマ側は一連の事故発覚後、「サービスショップと資本関係はない」などとし、事故の監督責任を問われるような関係にはないと否定していた。

北海道新聞が入手したパロマとパロマサービスショップが結んだ契約書では、サービスショップが行う業務として、パロマ全商品のアフターサービスや、修理内容についてパロマへの定期報告義務などを規定。
報酬額の算定方法なども細かく定めている。

製造元のパロマ工業によると、少なくとも一九七四年以降、すべてのサービスショップとの間で同様の契約を締結。
ショップ以外の販売店とは、細かな内容の契約書を交わしておらず、ショップが修理にかかわる業者の中でも優越的な存在であることを裏付けた。

パロマ側はショップとの契約などの関係について「契約を通じてメーカーとして技術指導する責任はある」としながら、「一連の事故についてパロマ側に責任はないことは裁判で認められている」と、不正改造の責任について否定している。
この問題の核心は、厳密な法的な解釈によって解決出来る事ではなくて企業が製品を通じて社会とどう関わっていくのかという企業の存在意義についての問題提起となっているといえるでしょう。
いくら法的に正しくてもそれだけで社会から企業として認められるものではないから、企業はいろいろな発表をしたり事業の範囲を制限したりしているわけで、現在のところパロマの対応はマイナスの方向にしか向かっていないでしょう。

現実の事故は、使用後10年といった古い機種で起きているから、新製品に交換するべきであったわけです。
それが何で改造して継続使用するなんてことなったのか?それこそが問題の核心であってパロマが「それは知らない、責任がない」では問題を明らかにすることを妨げていることになる。
このようなパロマの対応では、企業の評判を下げる事になってしまうから、もっと分かりやすい対応があるだろうにと強く思うところです。

7月 29, 2006 at 10:35 午前 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.28

カルト問題の報道

朝日新聞より「韓国カルト、日本で2千人 若者勧誘、教祖が性的暴行
首都圏や関西で、大学生ら20代の若者が、韓国人男性=海外逃亡中=の教祖に絶対服従を誓う新興宗教集団(カルト)に引き込まれ、マンションの一室で共同生活を送ったり、信者同士の合同結婚式に参加させられたりしていることがわかった。

集団には、約2000人が登録されているとみられ、少しずつ勢力を拡大している。教祖の女性信者に対する性的暴行も常態化しており、これまでに100人を超す学生らが被害に遭ったとされる。

脱会支援を進める日本基督教団や弁護士らには、「子どもを取り返したい」という親らの相談が200件以上、寄せられている。

この集団は、キリスト教の聖書を独自に解釈する教義を掲げ、韓国で80年ごろ設立された。当初は「モーニングスター(MS)」、現在は「摂理」と呼ばれている。

教祖の鄭明析(チョン・ミョンソク)氏(61)は、女性信者への性的暴行が韓国で社会問題化した99年、国外に脱出。ソウル地検などから強姦(ごうかん)容疑で指名手配され、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配されたが、逃亡を続けている。

教祖の暴行を受けた後、教義に疑問を感じ、脱会する女性が相次いだ。そのうちの一人は「乱暴されているときは何が起きたのか、理解できず、頭の中が混乱し、教祖にされるがままだった」と打ち明けた。
「摂理」は日本では、15年以上の活動歴があり、別の脱会女性は「被害に遭った日本人女性はゆうに100人を超える」と話している。

鄭教祖は、「摂理」を設立する以前の70年代に、世界基督教統一神霊協会(統一教会)でも活動していた。
私の記憶では大手新聞にこういう形でカルト問題が取り上げられたのは初めてのように感じます。
「ホームオブハートとToshi問題を考える会」で裁判の傍聴応援をしている方々には、オウムなどカルト宗教被害の関係者の方が参加しています。

カルト宗教問題の多くが、別の団体であっても実は同じような形の行動して結果として似たような事件になっていく、ということが分かってきました。
それぞれには、女性への暴行とか、児童虐待とかと事件化されるものが違うのですが、実は事件にならないだけで似たようなことに多くのカルトで同じように起こっているようです。 より一層こういった報道が増えることで、被害が減れば良いと思います。

7月 28, 2006 at 10:04 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.27

パロマ工業は・・・・・その4

共同通信(Yahoo!ニュース)より「老朽化で92年に事故多発 パロマなど注意喚起せず
パロマ工業(名古屋市)製のガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故で、機器の老朽化が始まった1992年に事故が集中し、翌年以降の死亡事故はパロマなどが不正改造を注意喚起したLPガス用器具では発生せず、都市ガス用器具だけで起きていたことが26日、分かった。

パロマは「都市ガス用器具に対する注意喚起が不十分だった」とし、ガス事故を担当する経済産業省の原子力安全・保安院の幹部も「LPと都市ガスで担当課が異なるなど、連携が不十分だったの一言に尽きる」と対応の不備を認めている。
何がすごいといって

死亡事故はパロマなどが不正改造を注意喚起した
LPガス用器具では発生せず、
都市ガス用器具だけで起きていた

これほど「右手のやっていることを左手が知らない」的な状況があり得るのか?と考えてしまいますが、読売新聞より「パロマ、リコール基準なし…不具合に対応できず
パロマ工業(名古屋市)が、ユーザーに対して製品の欠陥を早期に知らせ、無料で部品交換などを行うリコールの届け出基準を設けていなかったことが分かった。

リンナイ(名古屋市)は「火災や一酸化炭素中毒などで人命にかかわる事故が発生した場合」、ノーリツ(神戸市)は「人への危害が連続して起こりうる場合」と、それぞれ届け出基準を設けており、両社とも、担当部署に事故情報が入った後にどのような手続きで届け出を決定するかについても定めている。

しかし、パロマ工業には、こうした基準や手続きに関する規定がなく、事故への対応は品質管理部長に一任されていた。
リコール基準がなかったという記事ですが、結局は情報の共有がなされてなかった、ということでしょう。
総合的にどうあるべきかを考えていなかったから、事件が報道された時点での対応も後手後手に回った。
広い意味での危機管理が出来ていない。といったことが現れたように思います。

わたしが大学を卒業した直後に入った会社は電取法の対象製品を作ってかつ保税倉庫も持っていたので、製品不具合も含めて管理情報は毎日のように回覧がありました。
パロマは実際にはどうだったんでしょうかねぇ?

7月 27, 2006 at 01:00 午後 事件と裁判, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.26

地上デジタル放送に公的支援?

毎日新聞より「地デジ放送完全移行:地方局に公的支援 政府・与党検討
2011年7月の地上デジタル放送完全移行に向けて中継局整備などの投資負担がかさむ地方テレビ局に対し、政府・与党は公的支援を実施する方向で検討に入った。
国が放送局や携帯電話会社、地方自治体などから毎年徴収している電波利用料を活用する案が有力。円滑に地上デジタルへの完全移行ができるような環境を整えるために、政府・与党は財政資金の投入も検討したが、「財政再建が最大の課題となる中、黒字経営の放送局への税金投入は難しい」(与党幹部)と判断した。
なんで、地上のアンテナで電波を出さなきゃならないのだ?
衛星放送ならデジタルテレビ放送は今でもやっているし、それをCATVVで配信もしている。
さらにはワンセグでは電話でテレビ配信しているのに、そこから地上デジタルのための費用を徴収したら二重に徴収したことにならないか?
2011年のアナログ停波の時に全てのテレビが地上デジタル対応に切り替わることは無理だと考えているが、世間は「その時になったら考えよう」であろう。平たく言えばもうテレビにそれほど注目していない。確かに「ラジオが無くなれば困るでしょう」ではあるが、だからと言って「ラジオのために金を出す」という人はまずいない。今やテレビも同じ事で「テレビ!」とビックリマークで語るほどの値打ちはないのだ。
つまりは地上デジタル放送計画は無理なんだよ。

7月 26, 2006 at 10:12 午前 経済 | | コメント (10) | トラックバック (0)

パロマ工業は・・・・・その3

朝日新聞より「パロマ事故、70年型でも同じ改造
パロマ工業(名古屋市)製の湯沸かし器で一酸化炭素中毒事故が相次いだ問題で、経済産業省が指摘した7機種より前に製造、販売された同社製の別の湯沸かし器でも、安全装置を短絡させる不正改造が見つかっていたことがわかった。
一瞬どういう事か理解出来ないですが、昨日書いた「パロマ工業は・・・・・その2」では

パロマ工業は八九年までに事故機種の製造を中止し

とありますから、改造が行われて事故を起こした製品は80年代に製造されたものだと考えられていた、ということです。

朝日新聞の記事は
事故を巡る損害賠償請求訴訟でパロマサービスショップの元経営者が証言していた。不正改造は以前から行われていたにもかかわらず、パロマ工業は、簡単に安全装置の短絡ができる構造を機種変更でも改善せずに放置していた可能性が出てきた。

北海道恵庭市で95年に1人が重症になった事故の裁判記録によると、元経営者が不正改造を指摘したのは「PH―6号F」という型の湯沸かし器。 パロマによると、この型は70年6月に売り出された。
これは95年1月に起きた事故の裁判での99年2月の証言のようです。
この事故で問題になった製品が、70年代の製品であり、それに問題があることが事故としては95年に判断出来たということでしょうが、96年に80年代の同様の設計の製品の部品供給を打ちきっているということになります。

これはどういう事か?

事故情報の管理を全くしていなかった、ということになりそうですね。
昨日書いた記事では

パロマ工業総務部では「国の通達の供給期間(七年)を超えて、部品を供給する義務はない。
故障が生じて部品がない場合、製品の使用を中止するのが消費者側の通常の対応だ。
不正改造で使用を継続することは、メーカー側が予想できないこと」と話している。

と言っているようですが「製品に責任は持ちません」と言うのと同じ事ではないか?

7月 26, 2006 at 09:51 午前 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.07.25

パロマ工業は・・・・・その2

北海道新聞より「交換部品96年製造中止 パロマ、不正改造誘発か 事故機種、道内2500台使用
パロマ工業(名古屋市)の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、同社は、不正改造による事故が相次いでいた最中の一九九六年までに、事故関連機種の交換部品の製造を中止していたことが二十四日、分かった。

部品の製造中止は九六年以降も発生した不正改造による事故を誘発した可能性があり、パロマ側の姿勢が問われそうだ。

事故を起こした機種は「PH-81F」「PH-101F」「PH-102F」「PH-131F」の四機種。
パロマ工業によると、計二十四万五千台を製造・販売し、道内では、数万台を売ったという。
事故機に構造が似ている「PH-82F」「PH-132F」「PH-161F」の三機種も含めると現在、道内では二千五百台以上がなお使用中という。

パロマ工業は八九年までに事故機種の製造を中止し、国の通達に従って七年後の九六年まで、交換部品の製造を続けたがそれで打ち切った。

パロマ工業総務部では「国の通達の供給期間(七年)を超えて、部品を供給する義務はない。
故障が生じて部品がない場合、製品の使用を中止するのが消費者側の通常の対応だ。
不正改造で使用を継続することは、メーカー側が予想できないこと」と話している。


これに対し、北海道消費者協会の根本芳紀常務理事は「メーカーには製品に対する責任がある。
事故の発生情報を十分に開示しないのに、使用中止の時期をユーザーに判断させるのは、消費者無視もはなはだしい」と指摘している。
パロマ側の主張は無理があると考えます。

「不正改造して使用し続ける」という表現には「使用者がみずから不正改造して」と取れますが、瞬間ガス湯沸かし器といったものを使用者(消費者)が自力で改造することはほとんどあり得ないことで、工事業者が改造したのがほとんどでしょう。
工事業者にはメーカであるパロマから取付を含む技術情報が通知されているわけだから「部品がないから交換しろ」という通知が行っているのが当然で、その通知の中には「改造は絶対にしてはならない」となっているはずです。

一方、修理部品の生産をやめた理由が「国の通達で7年間」とやっていたのですから市場にある使用中の製品の状況にかかわらずに生産を打ち切ったと取れます。
一方で部品供給を止めてしまい、その一方で市場(工事業者)に製品の新機種への交換を指示していない。
これは「あっちにもこっちにもいい顔をしたい」という姿勢のあられでしょう。あるいは「時間が経てば新品に交換してくれる」という甘えですか。

なぜ「新製品に交換」という指示を出さなかったのか?を想像してみると「部品がないから新品にしろ」とやったら、他社製品に乗り替えられる可能性があるから、でしょうね。
つまりは「問題先送り」であり「供給の都合優先」であり「役所の指示に従っていればよい」という姿勢や判断力の甘さの集大成が現れた、というべきなのでしょう。

7月 25, 2006 at 09:15 午前 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.07.24

学校がいじめられている

産経関西より「先生に無理難題、理不尽な親急増 阪大教授ら研究会発足
保護者が教師に無理難題を言うケースが各地で急増している。教師が頭を悩ますこうした「理不尽な親たち」について、大阪大の小野田正利教授(人間科学、教育制度学)は、文部科学省の科学研究補助金を受けて教育関係者や弁護士、精神科医らによる「学校保護者関係研究会」を発足させ、原因究明と対策に乗り出した。

小野田教授の調査によると、小中学校・園の8割が「無理難題要求が増えた」と回答。
研究会には、親たちの信じがたい実態が全国の教育現場から続々と集まっている。

背景として研究会メンバーの嶋崎政男・東京都福生市教委参事は「教師の能力に問題があるケースもあるが」と前置きした上で、「行政による『開かれた学校』がうたわれた結果、ささいなことにもクレームが寄せられるようになった」と指摘する。

無理難題を言う保護者の養育態度は「過保護型」「放任型」「過干渉型」の3種類に大別されるという。
また、要求態度については、子供の言い分をうのみにする溺愛(できあい)型▽教師の困った様子を見て満足する欲求不満解消型利得追求型-などに分類できるという。

小野田教授は「たてつかない弱者をいじめる『言った者勝ち』の傾向が社会に蔓延(まんえん)している」と指摘。
社会問題としてとらえ、第三者機関の設置や学校の“守備範囲”の限定を訴えている。
まぁ人の世ですから「常識外」とか「こんな事が」と思ったことが起きるのが常だとも思います。
わたしは社会人講師として主に公立高校で話していますが、今の高校生の平均的な姿は非常に形にはまっていると強く感じます。
平たくいうと「高校生が高校生のあるべき姿を演じている」といったところです。

特に受験のテクニックとして「試験の(回答の)ムダになることを極力削る」としているので試験に無関係なことに興味を示すことが良くないといったところがあり、高校生なのに趣味の話とかが出てきません。

さらには、将来何をしたいか?と質問すると
  1. 「高校在学中は大学受験のために勉強」
  2. 「大学ではよい職に就くために勉強」
  3. 「就職したら一人前になるために勉強」
と回答するのが大勢(聞いた例では一クラスで数人だけに聞いたら全員がこの回答)。
いくら受験「勉強」中だからといってそれはやりたいことではないだろ。第一その先はどうするのだ?

教育というものが「社会の要請で個性を平均化する」事にあるのは幼稚園前ぐらいの子どもが何をするか分からないことを考えれば容易に理解出来ますが、それは没個性を意味するのではなく、例えば専門分野として芸術的な側面を主にするのか、技術的な側面を主にするのか、といった現実の職業選択などに直結します。

ところがこれもピンポイントではなくて「経済学では数学が必要」「プログラマには会話・表現能力が不可欠」といったことが受験のためとして、フィルターされて無くなってしまっています。
これを「高校生の浅知恵」と決めつけてしまうのは簡単ですが、実際には進路指導と密着していて、経済学部は文系だから数学不要、情報学科は理系だから国語は不要、といった理解になっているのが受験の世界の中心です。

そこに持ってきて「不要なことは後回し」とやるから本当に本を読まない映画を見ない、とやってしまう。
目標が「勉強」になってしまうわけです。

学校の意識が「学校は弱者で、いじめられる」というのでは大変に困るわけで、どうも全体を見通してどうする?という点を強調するしかないですね。

7月 24, 2006 at 09:52 午前 教育問題各種 | | コメント (3) | トラックバック (0)