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2006.06.10

残業割増率の引き上げ

読売新聞より「残業の抑制に「割増賃金」最低基準を引き上げへ
政府は10日、一定時間以上の残業に対する割増賃金の最低基準を引き上げる方針を固めた。
現行の25%を40%程度にすることを検討している。
ようやくか、という印象ですがこれは簡単じゃないよ。
現状はいくつかの問題が平行してあります。
  • 残業代が生活給の要素がある場合
  • 会社の命令によって残業するというのがタテマエになっている場合
  • 裁量労働でありながたら業績の評価がきちんと出来ない場合
  • 労働生産性の評価がアイマイなこと
こんなことをすぐに思いつくので、コメントもこんなになっています。
ただ、経済界は「高い残業代を狙った必要のない残業がかえって増える恐れもある」と反発している。 割増賃金を払わない、違法なサービス残業の増加につながるとする指摘も出ている。
要するに、法律で決めれば解決という問題じゃないだろう。
方向性としては残業を減らすべきだし、生活コストを引き下げる方が正しいとは思うがそれは社会というよりもむしろ文化の問題であって、一片の法律でなんとかなるものではない。
結局は徐々に着実に残業削減に向かうように誘導することが肝心で、そのためには数年がかりで目標値に誘導する。というのはどうだろか?
問題は、残業時間の管理の部分にも大きく関わっていて、サービス残業が出来てしまうところをどうやって止めるのか、なんてところまで考えないといけない。

もう一つは、実際的な管理の面から言えば「一分・一秒を問題にしても仕方ない」とこがあって、残響抑制とは相反するとも言えるが、業績つまり能力だけで評価すれば残業なんて事を考える必要は無いわけだから「時間だけに細かくこだわる」のは大間違えの元だ、具体的には残業時間になった瞬間に一定の残業割り増しにしないで残業時間が長くなるに従って割増率が上がるような方向にした方が分かりが良いだろう。

さらには裁量労働だからいつまで仕事しても良いという話にはならない、という方向への誘導つまりは休暇の義務づけといったこともセットにして考えないとダメだろうと思う。

この問題は結局は堺屋太一の言う「最適工業社会」として生産性の向上だけに着目すれば後はどうでも良いということが、結果的に工業・生産以外の社会により大きな負担を強いたことを訂正することであって、考え方の修正の方が重要なのだから数字で示せるようなところだけに目標設定するのではある種の本末転倒という面が出てきそうです。

6月 10, 2006 at 03:48 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (0)

エレベータ死亡事故・その5

NHKニュースより「エレベーター事故 断線はなし
エレベーターの電源を入れて通電状態を調べたところ、ドアの安全装置やブレーキ、それにモーターなど装置全体に正常に電気が流れ、断線などの異常はなかったことがわかりました。コンピューターが入った制御盤にも、外見上、特に変わった点は見られないということです。 このため警視庁は、コンピューターのプログラムにトラブルが生じた疑いもあるとみて、今後、エレベーターを実際に動かしてコンピューターからの信号の流れ方に異常がないかを調べ、事故原因の特定を進めることにしています。
なんというか「外見上で異常があるものだ」というのは、調査過程の一つではあっても外見上に異常がありそれが故障の直接的な原因になるとは限らない。
なぜなら、エレベータを機能させている根本は電気(電流)であって、例え配線が切れていようとそれで分かるのは「この配線には電気はたぶん流れないだろう」だけであって、現実の作動を引き起こす「実際の電気流れが見えないことに変わりはない」=「見えない」=「分からない」なんですどねぇ。なんでこんな記事になるのだろう?

読者の多くは技術者でしょうから、釈迦に説法ではありますが今回の事故に至るまで「不具合が再現せず」的な状況であっただろうことは容易に想像できます。
一般にこのような「原因不明の故障」に対する判断は「制御回路など電気部品の劣化」といったとらえ方を多くしますが、詳細はもちろん分かりませんが制御用に使用する機器は専業メーカが作ったもので、極めて信頼性が高く機器や部品の個々の故障は事実上考えないでも良いほどです。
特にあっちこっちでいくつもの不具合があったということは、機器や部品の問題ではなくて、組み立ての問題かシステムの問題です。

今回も香港での同様な事故でも「ドアが全開のまま上昇した」というのですね、なんでドアが開いたままで動くことが出来るのか?という疑問が出てきますが、常識的には「ドアが開いていることを感知していないから」でしょう。

ドアは動作として、閉めておく・開けておく・閉め始める・開け始めるといった4つの作動状況があり、かつ作動状況の確認をしないとドアの開け閉めの制御にはなりません。
だから常識的には「スイッチは一個ではない」のであって、それだからこそ「複数のスイッチが同時に壊れることは無いだろう」というの自動運転(自動制御)が安全上で実用に耐える最大の理由となっています。

今回は、この部分が機能しなかったから死亡事故になっていますから原因を追及するべきところは「一ヶ所壊れると致命的なところがあるか?」であって、これは設計の検証に他ならないでしょう。
もし、根本的に設計の問題でかつ修正することが出来ないところ例えば信号をバスに流していて、その扱いをしているソフトウェアの中核がダメである、といった場合には不具合の修理は利かなかったのではないか?と思うのです。
エレベータの不具合の修理では、機械部分の清掃でゴミなどを取り除くこと、センサーの感度(感知位置)の調整をすること、が中心でしょう。ソフトウェアの入れ替えとかなら大騒動になるはずです。(やっていたら怖いというか、論外)
つまりバスの不調などなら「いくら調整しても直らない」という現象が出たはずで、今のところそういう報告は無いようで、むしろ東工大すずかけ台キャンパスの「ドアが外れた」といった、機械的なトラブルのすごさの方に注目したいと思います。

ドアが取れるというのは、ちょっと考えがたいことですが本質は「機械的な出来が悪い」としかならない。そこで、センサーの取り付けなども同様に「出来が悪い」さらには「センサーの数が少ない」(兼用している)というのがあるのではないか?と考えています。

これも専門家には釈迦に説法ですが、ドアを開くといった動作を考えると「ドアと開くためにモーターを作動させる」→「ドアが定位置まで開いたら、モータのスイッチを切り、ドアは開いた位置で止まる」とすれば良いのですが、もし開きすぎたらどうする?ということを織り込むのが設計です。
開きすぎるというのは、定位置でスイッチが切れないあるいは外部の力で動いたですから、ドアがどの位置にあるのか分からないとなります。
そこで「開きすぎた場合を調べるスイッチを付ける」となります、同様に「もうじき開いた側の定位置にあるとチェックするスイッチ」を付けることも精密な位置制御が必要な場合には良くやります。
原理的には「異常になった場合に、異常な状況そのものを感知する」であって正常作動時には使わない機能を付けておくのです。
これを「普通は使わないから無くても良いだろう」とやると、故障した時に「後がない」か結果的に暴走するのですね。
高級に言い方だと「フェイル(失敗)セーフ(しても大丈夫)」なのですが、少なくとも結果的に作動していませんでした。

香港の事故、港区の事故ともに少年が被害者です。
これをメーカ主張の通り「使い方の問題」だとすると「少年が乗ると正常動作が保証できない」というつもりなのかもしれません。
かなり問題は深いと思いますね。

6月 10, 2006 at 09:02 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

エレベータ死亡事故・その4

毎日新聞より「エレベーター事故:マンションの5台、他社に交換 港区
武井港区長は9日夜の記者会見で、同マンションに設置している「シンドラーエレベータ」(東京都江東区)製のエレベーター5基を他社製に取り換える方針を明らかにした。

最近は駅に設置されたエレベータを見るとエレベータの構造が良く分かりますが、ユニット化・プレハブ化が進んでいて、駅に後からエレベータを設置するなどでは建物に穴を空けるといった工事の方が大変です。
ビルのエレベータでは最上階の機械室に動力部分があるので、これの扱いは簡単では無いでしょうが取り替えはむしろ簡単にできるといって良いでしょう。
問題のマンションは管理者が実質的に港区ですから、区長が決定するのは自然なことですが、ようやく出てきた不具合は
シティハイツ竹芝では03年4月~06年5月の間に計43回の不具合が起きていたことが区の調査で明らかになった。
わたしは「建物は98年に出来て、エレベータもそれ以来動いているのに、03年になってから不具合の報告が激増した」という点にこそに問題の本質がある、と考えます。
まる4年間で43回では毎月どこがに不具合があったわけで、これでは幼児も含めて誰もが使用する公共物としては故障頻度だけを見ても失格でしょう。

6月 10, 2006 at 08:18 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.09

総務省がNTTの光回線利用料を値下げ?

IT+PLUS より「NTTの光回線 接続料大幅下げへ

このタイトルだけ読むと「NTTが会社として光回線の値段を下げる」と読めるので、ビックリしたのですが記事によると違うようです。
総務省はNTTの光ファイバー網を他の通信事業者に貸し出す際の利用料金(回線接続料)を大幅に引き下げる方向で検討に入った。
総務省が価格を決めることが出来るか?という根本的な疑問がありますが、そもそもNTTの主張は
ただ、NTTは「(光ファイバーの接続料は)原価割れの状況」(和田紀夫社長)と主張。
逆に光ファイバーの回線開放義務の撤廃や接続料の値上げを求めており、調整は難航する可能性がある。
これには、ADSLの他社に開放することを義務づけられた時に、メタル回線について認めるがこれから引く光回線については対象外、つまりNTTの独占使用で良いのでしょうね、という密約を取ったという説があります。
というか、元々民間企業が作った施設を貸すとかについてはその企業の自由度が認められて当然ですが、メタル回線については「公共物だから」という観点で他社の利用を義務づけたという特殊事情でした。

この結果、NTTはひかり電話への変更を促進して回線数を減らしてメンテナンスコストを下げることを狙っているのでしょう。その上で「メタルと同様に安く開放しろ」というのは、NTTとしては納得しがたいでしょうねぇ。
さらには、KDDIが TEPCO光 と統合して光回線事業に乗りだそうとしているわけで、これにはユニバーサルサービス(全国一律)の意味の変化とか、色々な展開が予想されます。

それを旧来の総務省が企画展開するというのでは、反対方向への動きとしか考えれないのですが、こんなことを押し通すのでしょうかねぇ?
大疑問です。

6月 9, 2006 at 10:51 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.08

エレベータ死亡事故その3

毎日新聞より「エレベーター事故:ブレーキ利かない…救出の点検会社社員
救出作業に加わった保守点検会社の社員が警視庁捜査1課の事情聴取に、救出作業後のエレベーターの急上昇について「機械室で巻き上げ機のブレーキをかけていたのに利かなかった」と証言していることが分かった。

これはきわめて大きな技術的な告発と言えるでしょう。新聞記事のポイントを並べると
  1. マンション屋上にある機械室で救出作業に加わり
  2. 市川君の体を挟んだエレベーターを下げる作業に当たった
  3. エレベーターの主電源を切った
  4. 手動でブレーキを解除
  5. ハンドル式の昇降装置を回してエレベーターを下げようとした
  6. ハンドルが重かったため操作を断念
  7. 手動でブレーキをかけた
  8. が、エレベーターが上昇する方向に少しハンドルが動いた
  9. ロープでハンドルを固定した
  10. 市川君が救出された
  11. ロープをはずした
  12. エレベーターの上昇に連動してハンドルが回り出し
  13. 回転は最初はゆっくりだったが、だんだん速くなり
  14. まもなくエレベーターが機械室の床下にある最上階の天井に衝突

このことから、重りとかごの重量バランスがまともで無い可能性が出てきましたね。
手動ハンドルが使えない、手動ブレーキでは止めることが出来ない。ということですね。
基本的な設計が危険な方向に寄りすぎていた、それを制御で強引に止めていたといったところでしょうか?
ボタンを押した方向に動かないとか、ドアが閉まったまま・開いたままといったところは制御シーケンスが甘すぎるというのも確実だとは思いますが、これはどうも重量バランス、ブレーキの効き、制御のレベルの浅さなどあっちもこっちも手抜きという印象ですね。
それが何年間か機能していたのは、メンテナンスでカバーしていた、それがコスト増加になったので自社でのメンテナンスを放棄して第三者であるメンテナンス専門会社に替わった、ということではないでしょうか?

テレビのコメントで「耐震偽装と同じだ」と評した女性がいましたが、この直感的に発言が案外正しいかもしれません。けっこう根の深い問題があるような気がします。

6月 8, 2006 at 07:04 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.06.07

エレベータで死亡事故その2

シンドラーエレベータ事故の記事を集めてみました。

朝日新聞 「事故当時、エレベーター扉は全開状態と判明
生徒がエレベーターの床と12階の天井に挟まれた際、扉は全開状態だったことが警視庁の調べで分かった。 同庁は扉の開閉を認識する部品の異常で、エレベーターが「扉が完全に閉まった」と誤認して動き出した可能性があるとみて調べている。
朝日新聞 「シンドラー社は説明拒否、住民怒り エレベーター事故
事故機を製造したシンドラーエレベータ(東京都江東区)が住民説明会への出席を拒否し続けている。
区長からの要請にも応えず、6日夜の説明会にも姿を現さなかった。
「職員でだめなら、区長が直接電話してほしい」「どうしても説明を聞きたい」という住民からの再三の要望で、武井雅昭区長が途中退席。
同社の担当者を相手に携帯電話で出席を求めたが、答えは「現在進んでいる捜査に支障をきたす理由がある」だった。
産経新聞 「シ社製エレベータートラブル相次ぐ 国交省が全国調査へ
シンドラーエレベータ社製のエレベーターのトラブルが、東京工業大すずかけ台キャンパス(横浜市緑区)のほか、さいたま市、長崎県佐世保市でも相次いで発生していたことが6日、分かった。
さいたま新都心の合同庁舎2号館の敷地内に設置された同じメーカーのエレベーター3基では、ドアが開きっぱなしになるなどのトラブルが4件発生した
トラブルは平成12年12月、エレベーターのドアが開きっぱなしになったほか、14年11月と17年10月にドアが閉じたまま開かなくなった。同11月には、ドアが勝手に開閉を繰り返すなどのトラブルもあったという。
一方、長崎県によると、佐世保市の県営黒髪団地で4月23日、4階と5階の間に停止。
女性が閉じ込められ、約1時間後に作業員が救助した。同15日に器具の交換工事をした際のミスが原因だったという。
毎日新聞 「エレベーター事故:製造会社、説明会出席を拒否 住民怒る
「シンドラーエレベータ」(江東区)が、住民らへの説明を拒んだまま沈黙を続け、批判が高まっている。
3日の事故発生以来、住民説明会は数回開かれたが、武井雅昭・港区長からの出席要請を断り、6日までに社員は一度も姿を見せていない。
「捜査への影響」が理由というが、住民からは「企業としての姿勢を疑う」との怒りの声が出ている。
保守点検を請け負っている「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)の社員も出席。
住民の要望を受け、区長はシンドラー社にも出席を求めていたが「捜査に影響を及ぼすと判断した」として拒否された。
読売新聞 「エレベーター制御で誤信号か、全国でトラブル三十数件
事故機と同じ「シンドラーエレベータ」(江東区)製のエレベーターが、神奈川や愛知、埼玉など少なくとも1都5県の15か所で、三十数件の故障やトラブルを起こしていたことが6日、読売新聞のまとめでわかった。
事故機の制御盤に、誤った電気信号が送られたことが原因だった可能性が高まっており、警視庁捜査1課は、原因究明を急いでいる。
故障やトラブルが判明したのは、名古屋市や長崎県佐世保市、仙台市、さいたま市、練馬区、横浜市の公営住宅や国の出先機関の庁舎など。
名古屋市の市営住宅では昨年11月、30分間にわたり住民2人が閉じこめられ、
佐世保市の県営住宅では今年4月、約1時間閉じ込められた女性が、気分が悪くなったとして病院で手当てを受けた。
練馬区の区営住宅でも2004年秋、エレベーターのボタンが点灯し続けるなどトラブルを確認。
横浜市では、05年1月から今年4月にかけて、7か所の市営住宅で、エレベーターに約1時間から30分間閉じ込められるトラブルなどがあった。
また、さいたま市の新都心合同庁舎2号館でも00年12月以降、3基の扉が閉まったまま運転不能になるなどのトラブルが計4件発生した。

東京都昇降機安全協議会によると、シンドラー社は、スイスに本社のある世界第2のエレベーターメーカーのグループ企業で、日本国内での占有率は1%程度。国内メーカーより値段が安く、競争入札を実施している官公庁に納入されるケースが多いという。
西日本新聞 「高2死亡 同社製エレベーター 佐世保でも閉じ込め
県によると、トラブルは4月23日、同市黒髪町の県営黒髪団地で発生。
D棟4階と5階の間で止まり、女性が閉じ込められ、約1時間後に同社の作業員が救助した。
同15日に器具の交換をした際の工事ミスが原因だったという。

シンドラーエレベータ社のHPに沿革があります。
  • 1935年 「東和エレベーター工業所」製造部として創業発足
  • 1954年 「日本エレベーター工業株式会社」設立
  • 1966年 日本発斜行エレベーター1号機納入
  • 1973年 静岡県袋井市に工場新設
  • 1985年 シンドラーホールディングが日本エレベーター工業の株式の30%を取得
  • 1988年 船舶用エレベーター2000隻を突破
  • 1989年 日本初 ホームエレベーター完成
  • 1991年 「シンドラーエレベータ株式会社」に社名変更
  • 1994年 シンドラー製エスカレーター・動く歩道本格導入開始
  • 1995年 シンドラーホールディングが日本エレベーター工業の株式の96.7%を取得
  • 1997年 「Schindler 300J」発売品質の国際規格ISO9001認定を取得
  • 1999年 「Schindler Mobile」発売
  • 2000年 階段室型共同住宅用エレベーター「ミレニアムタワー」発売「Schindler Smart J 」発売「Schindler 300J MRL」発売
  • 2001年 「ミレニアムタワー」が2001年度グッドデザイン賞受賞
  • 2002年 階段室型共同住宅用エレベーター「ネクストタワー」発売「Schindler neu 」発売
  • 2003年 本社・東京支社を東京都江東区越中島に移転「Schindler neu 」発売
  • 2004年 創立50周年
  • 2005年 国内有数の独立系エレベーター、エスカレーターの保守会社マーキュリーアシェンソーレ株式会社(本社:鹿児島)の全株式を取得
今回の死亡事故になった浜松町のマンションは朝日新聞の記事「エレベーターに挟まれ、高2男子が死亡 東京・芝」によると
建物が完成した98年から稼働している。
18階に住む主婦(39)は「1年ほど前に、17階と18階の間で止まり1時間ほど閉じこめられた。ボタンを押した階でドアが開かないこともあり、苦情が出ていた」と話し、「子ども1人だけで乗せると心配だと思っていた」。
13階に住む自営業の男性(51)によると、エレベーターは最近まで、故障や部品交換による点検が頻繁に行われていたという。「これまでも点検で動かず、階段で上り下りすることがあった」と話した。
98年からということだとほぼ8年目なわけで、どうも故障は最近になって増えたのではないか?と感じます。
東工大のすずかけ台キャンパスのJ2棟のエレベータが面白いという記事が MIXI に2005年10月から始まっています。
この記事でも、マイナートラブルの連発だったわけですが、2005年に建物が出来た時から続いているようです。

これらの記事を見るとどうもメンテナンスレベルというか、調整の安全というか、メーカ的視点ではバカよけといったところが、下手なのじゃないか?という印象が漠然としますね。
ドアが全開で上昇を始めたから死亡事故になったということであれば「ドアの全開をなぜ感知しなかったのか?」となりますが、すずかけ台キャンパスの記事には「ドアが外れた」という記事もあり、これは構造の問題でしょう。だからセンサーが作動しない状況もあり得ただろうと思うのです。

そもそもエレベータというモノは建物の中に箱を入れるわけですから、プレハブ構造になっています。そうでなければ建物を建て始める最初に入れておかなくてはならない。
この事から想像できるのは、現場で組み立てる機械であるので下手な設計だとセンサーの取り付けなどが確実ではないことになりかねないです。ここは難しいところだと思います。
メンテナンスが必要(義務づけられている)機械ですから、メンテナンスコストにしわ寄せがあったのか?とも感じます。下手に職人技に依存しちゃいけないとこですね。

6月 7, 2006 at 10:24 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (2)

2006.06.06

エレベータで死亡事故

この一週間ほど多忙で、見事に更新できませんでした。m(_ _)m この間にいくつか大きな事件が起きていますが、わたしの興味を惹く事件は「エレベータ故障事件」です。

毎日新聞より「エレベーター事故:ブレーキに異常か 電源切で急上昇
救出された後、関係者がエレベーターの電源を切ったところ、「かご」が急上昇し、昇降路の最上部で停止していたことがわかった。
マンション関係者がエレベーターの電源を切ったのは、救急隊員が市川君の体をエレベーターから引き出した後。
正常ならブレーキの作動によって緊急停止するはずのかごが、電源を切ると同時に相当のスピードで最上部まで上がったという。
この記事の表現では
「相当のスピードで最上部まで上がった」

というのがどの程度の問題なのか分かりませんが、どうも上昇の結果は産経新聞より「制御盤などの異常か エレベーター高2圧死」となったようです。
警視庁捜査1課と三田署が5日、現場検証した結果、エレベーターは最上階まで上昇し、ワイヤがはずれていたことが分かった。
昇降をコントロールする制御盤やワイヤを駆動するモーターなどが何らかの異常を起こし、事故につながった可能性もあるとみて、ワイヤがはずれた点と事故との因果関係について今後調べることにしている。
ちょっと理解しがたいのだが、かごが落下しない方向にしかブレーキが無かったとかなのだろうか?
死亡事故も上昇して起きてます。
ワイヤーが外れたというのもどういうことか?ですが、重りがストッパーまで落ちてしまって、ワイヤーが余ってしまった、とかでしょうか?

報道では「電気系統に異常」といったトーンの記事が多いですが、エレベータの安全確保は電気制御よりもむしろメカニカルなもので、重りであるとか機械的なブレーキなどによっていました。
だから、大昔から使われていて別に電子制御時代になって出来た技術ではありません。

最近は駅に設置されているエレベータの仕組みなどを覗いてみると結構簡易化しているようで、今回の事件のようにかごの上昇=重りの落下の方向のメカニカルブレーキがあるのかが、分からない機種もあるように感じます。

それにしても、かごの上昇側にメカニカルブレーキや調速機が全く無いのだとすると、それは安全基準に違反する設計ではないのか?と感じます。
社団法人日本のエレベータ協会の「エレベータの駆動の仕組み」の図を見ると「調速機」が明示されていますね。

Up
この問題は、停止位置の制御や扉の開閉といった自動制御の部分と振動したとかかごが急上昇したという動きの部分に分けて考えるべきだと思います。
扉の開閉とか、隣のエレベータの動きを関知して運転するといったことは、電子技術の進歩によって自動化したもので、戦前は人が制御するとか上と下の2点だけしか止まる所がないといった制御を必要としない簡単なものから始まりました。
それでも、かごの落下を防ぐために調速機やメカニカルブレーキがあったわけで、位置制御や扉が閉まらないのに動く(だから死亡事故になった)といった自動制御上の問題とは別に、電源を切ったらかごが急上昇=重りの落下があったという、戦前の水準からしてもあり得ないことが起きた、というところに注目するべきでしょう。
同型同種の設計をしている機種はすべて運用中止にするべきでないかと思います。

6月 6, 2006 at 09:18 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)