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2006.04.15

陸自イラク撤収か?

読売新聞より「サマワ派遣陸自、交代隊の派遣命令延期…撤収期を模索
政府は、イラク南部サマワに派遣している陸上自衛隊第9次復興支援群(第9次群)と交代する第10次群の派遣命令の発令を20日ごろに予定していたが、これを今月末まで延期する方針だ。

陸自は、テロ攻撃への対処など極度の緊張を強いられるため、派遣期間を約3か月に限定してきた。
第9次群は、撤収作業をする予定で派遣された「精鋭部隊」(防衛庁関係者)で、1月末に派遣命令を受け、2月中旬に第8次群と交代した。

しかし、イラク国内の宗派抗争激化などで本格政権樹立の動きも遅れ、陸自撤収のタイミングを見い出せないまま、5月中旬には活動開始から3か月を迎える。
ふ~む
けっこうきわどい話ですね、5月に10次隊に交替すると10次隊は7月のイラクの夏に直面するというのですね。
2004年2月に始まったので、すでに丸々2年を越えました。
そこで撤収となればすぐに決断しなければならない、ということですね。

4月 15, 2006 at 09:13 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

建築偽装・奈良のホテルは全面対決

奈良新聞より「偽装事実知らず過失ない-「サンホテル奈良」耐震強度偽装問題
「サンホテル奈良」オーナー会社「増富」が開業指導などに携わったコンサルタント会社「総合経営研究所(総研)」と内河建所長、
建築確認を行った「イーホームズ」などを相手に、工事代金など総額約7億1300万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が13日、奈良地裁であり、
被告側は「耐震強度が偽装された事実を知らなかった」「何ら過失はない」とし、請求の棄却を求め全面的に争う姿勢を示した。
開業指導指導や建築確認にどういう責任があるのか?という問題でしょうね。
少なくとも結果責任も無いとなると、この手のサービスには存在価値が無いとなりかねません。
まあ、成功報酬であるべきでしょうね。金は受け取るがサービスは保証しない、ではちょっと通用しないでしょう。
「知らないから責任が無い」という主張は少なくとも建築確認をしたイーホームズは知っていれば建築確認をを出さないのは明らかですから、過失があったことは間違えなく、知らないことは過失を許す理由には全くならないので、どういう主張をしているのか興味のあるところです。

4月 15, 2006 at 10:52 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

都教育委員会・挙手禁止で何を得る?

東京都教育委員会が「職員会議での採決・挙手の禁止」を通達したことについての記事を集めました。

朝日新聞社説 採決禁止 東京の先生は気の毒だ
毎日新聞社説 教職員会議 挙手・採決禁止は大人げない
まぁ職員会議とは何か?という定義の問題はあるでしょう。毎日新聞にはこのような通達だったとあります。
「学校経営の適正化について」と題した通知は
(1)校長、副校長(教頭)、主幹教諭らで構成する企画調整会議を学校経営の中枢機関とし、十分な議論を行う場とする
(2)職員会議は校長の職務を補助する機関で、機能を教職員に対する報告、意見聴取、連絡に限定している
「職員会議を中心とした学校運営から脱却することが不可欠」
しかし学校での行事(運動会など)の企画などについてまでも多数決とか挙手を禁止するのではかえって能率の低下をもたらすでしょうね。
そもそも、学校の運営についてあまり世間に知られていないことが問題でもありましょう。

今回、いささか奇妙に見える通達をしたのは朝日新聞社説では「東京都教育委員会が・・・・」とし、毎日新聞社説が「東京都教育庁が・・・」が書いています。この二つの名前あるいは組織はどういう関係か直感的には分かりません。

教育委員会については「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の第2条以下
第二条(設置)
都道府県、市(特別区を含む。以下同じ。)町村及び第二十三条に規定する事務の全部又は一部を処理する地方公共団体の組合に教育委員会を置く。
第三条(組織)
教育委員会は、五人の委員をもつて組織する。
ただし、条例で定めるところにより、都道府県若しくは地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市(以下「指定都市」という。)又は地方公共団体の組合のうち都道府県若しくは指定都市が加入するものの教育委員会にあつては六人の委員、町村又は地方公共団体の組合のうち町村のみが加入するもの(次条第三項及び第七条第二項から第四項までにおいて単に「町村」という。)の教育委員会にあつては三人の委員をもつて組織することができる。
第四条(任命)
委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化(以下単に「教育」という。)に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。
と法律で各自自治体に設置が義務づけられている組織です。一方「東京都教育庁」とはどう考えても東京都庁内部の部局でしょうから、法律的には「東京都教育委員会が・・・」というのが正しいとなります。
問題は法律では「教育委員会は5人の委員で構成する」となっている点で「5人で何が出来るのだ?」となってしまいますから、常識的に教育委員会の業務執行機関は東京都では東京都教育庁となっているのでしょう。
そこで都庁のサイトで「東京都の組織-教育委員会」を見てみます。
2 定数

 事務局職員定数      766人(平成18年度)
 学校教職員定数   6万2千51人
要するに、6万人の現場(都立学校)を管理する800人の組織ということでしょう。
大企業の本社といったイメージに近いですね。

一般的には学校の管理者は校長となりますが、校長には人事権などはありません。学校教育法の28条、40条、51条に定義があります。
第二十八条
小学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。
○3  校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。

第四十条
第二十八条から第三十二条まで及び第三十四条の規定は、中学校に、これを準用する。

第五十一条
第二十八条第三項から第十二項まで及び第三十四条の規定は、高等学校に、これを準用する。
これで、小学校、中学校、高等学校の校長の位置づけが同じものだと分かります。
基本的には教育という技術などの長であるとされているようです。
そして、管理業務は教育委員会が一手に引き受けるという構造なのでしょう。

都立学校の数は、小学校・中学校・高等学校の普通校の総数がか2182校ですから、教育委員会がすべての都立学校の管理をきめ細かくできるとは到底思えません。そのため、校長など管理者とならざるを得ないのでしょうが法律的には管理者とは言い難いので、校長として板挟みでしょう。
「多数決、挙手禁止」とする一方で現実は教育委員会の管理者は居ないという、実態として管理無き学校になってしまうのではないかと思います。
もちろん、教育委員会は通達を出すことが出来ますが全てが外部の管理者が仕切るなどといったことは会社などでも不可能ですから、下手すると都立学校が機能停止になりかねないかと思います。

社会人講師として高校のキャリアー教育に関わるようになって、学校の実態を以前よりだいぶ深く理解出来るようになりましたが、なにしろ生徒も含めると1000人ぐらいの人が居る組織なのですから、管理はかなり重要なことでありとあらゆる方面に注意が必要な難しい組織であり、校長・教員の皆さんには大変な職場でもあります。その難しい組織に中途半端すぎる管理をしているから問題が大きくなっていくのではないか?と感じます。

「多数決・挙手を禁止」で何を得て何を失うのか?について疑問がありますね。

4月 15, 2006 at 10:37 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)

江戸民具街道

昨日は中西 vs 松井裁判の傍聴で午前十時に横浜地裁に行きました。

朝、書類仕事をしていたので電車では間に合わなくなって車で行きました。
裁判の日程は、曜日、時間、法廷番号を大体固定します。民事裁判では大体2ヶ月に一回の開廷となります。中西 vs 松井裁判は木曜・金曜日の午前10時半~午前11時す。
午前11時に閉廷してから隣の弁護士会館の会議室に移動して報告会があって報告会が終了するとお昼なので横浜地裁の地下食堂で食事をして解散というのがいつものパターンです。

そんなわけで、apj さんと com 氏を誘って、江戸民具街道に行ってきました。

この前、江戸民具街道の秋澤館長に「文字書き人形のビデオ画像から静止画を抜き出した欲しい」という依頼があって、それは新聞に秋澤さんが書いているコラムに自筆のペン画(ボーペン画)を描いて「文字書きに人形のカムなどの構造図を描きたい」とのことでした。

どんな絵になったのかな、と見に行きたいということとネットに宣伝して欲しいということがあってお誘いしました。
apj さんは「車で行かないと到達困難な場所にあるが、見学が可能な人はぜひ一度といわず、訪れてみてほしい。」と書かれてますが実際に公共交通機関ではかなり大変なこの場所です。

また何かの折には、ネット上の知人の方々を誘って案内したいと思います。
この博物館の収蔵品は江戸から大正時代ぐらいまでに限定されていて、約1万点だそうで基本的に民具に限定しているために、品物の質は極めて高く両国の江戸東京博物館にある民具よりも良い品物が多いです。
秋澤さんは「灯火が一番重要だ」とお考えで、タンコロという火皿のようなものをリメイクしていたりします。
行灯(あんどん)、がんどうといった江戸時代あるいは時代劇でおなじみの灯火を実演していますが、なたね油で灯を庶民が使えるようになったのは江戸時代になって、なたね油が量産されるようになってからだそうです。それでようやく三食の生活になりました。
このなたね油の量産以前には油はごま油が中心で、司馬遼太郎の「国盗り物語」には神宮が専売していた油を楽市楽座で自由販売にしたことが戦国時代・江戸時代と油の消費を増やしたという説明になっています。

今では「油」というと石油を考えてしまいますが、日本を例にすると明治時代になるまで灯火も植物油でした、石油がなぜ使われなかったのか?という秋澤さんは「石油の分留が出来てから日本ではランプを使った」とのことです。確かに、アメリカも鯨油を大量に採っていたから、日本開国を要求したのですね。
ところが明治時代には電気が入ってきていて、大正時代には東京では電気照明が一般的になってしまいます。つまり石油ランプの時代は日本ではほぼ一世代だけだったのですね。なたね油による行灯(あんどん)などは200年~300年といった長期に利用されたから色々な器具が江戸民具街道にあるわけですね。
長らく通っているとこんなことを改めて考えるようになりました。

4月 15, 2006 at 08:22 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (0)

中西裁判・2006.4.14

今日は、中西 vs 松井裁判の口頭弁論でした。
「環境ホルモン裁判」に書いたように何が争いなのか良く分からない裁判になっています。
名誉毀損裁判では「どの表現が名誉毀損なのか」を明らかにすることが基本だと思います。これを「事実の摘示」と言います。原告の主張はワケが分からないと被告側も応援団も考えているので、前回の口頭弁論で「何が事実なのか説明せよ」という質問を原告側に行ったのですが、その回答が今日ありました。
弁護側と裁判所に届いたのは昨日だそうです。

先に「事実の摘示」つまり「この表現が名誉毀損をしている」とはっきりさせるのは当然ですが、具体的には「バカだ」といった表現に代表される相手(原告)を評価し貶めるといったことが名誉毀損の事実と考えて良いでしょう。
ところが、表現ですから「感想や意見」などもあるわけです。例えば「この部分はこうするべきだと考える」といった表現ですね。意見であっても不快に感じるつまり名誉を毀損するということはあるわけですが、法律の理屈の世界では「これは、事実の摘示でこっちは意見の表明」と分けて考えるのが常識のようです。

確かに「全体として言い分が名誉毀損である」とかやったらケンカはすべて名誉毀損になりかねません。
ところが、今回の原告側準備書面(現時点ではまだ応援団サイトにアップされていません)を原告弁護団が骨子を説明したところで、事実の摘示は何か?という被告側の質問に対して聞いている分には意見も感想も含めて「全部が事実」がといった内容のようです。

わたしのイメージでは裁判とは物事を整理することで結果としてアイマイな部分からはっきりしているところを抜き出して、社会が合意できる形にまで整理して判決が決まる、というものだと思っています。
つまり裁判の進行によって段々議論の幅が狭くなるものだと思っていました。ところが今日の原告側の主張はどう考えても議論の幅を広げるものでした。
ますますワケが分からなくなって来ました。

書類にはなっていませんが、大変に気になったのは原告側弁護士の誰かが「インターネットで(裁判の進行を)批判するのが悪いのだ」という趣旨のことを2回ほど発言したことです。
中西応援団サイトはいわばバーチャル傍聴席です。わたしは、apj さんと「サイトを作ろう」という話になった時から「裁判の進行を野次馬として見るサイトを作る」方向で考えたので、最初から掲示板が付いてるサイトになりましたし、裁判に提出される書類は被告側の有利不利を抜きにしてサイト上で公表するという方向で現在も進行しています。
つまり、原告側弁護士の「批判が良くない」とは「傍聴人が意見交換をしてはいけない」あるいは「傍聴人が居るのが良くない」というのと同義語だとなります。

4月 15, 2006 at 12:12 午前 裁判傍聴 | | コメント (1) | トラックバック (3)

2006.04.14

警察のPC・あと2年私物使用?

毎日新聞より「ウィニー問題:警察官にPC配備 国家公安委員長が検討
沓掛哲男国家公安委員長は14日、岡山県警などでファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介して警察官の私物パソコンから捜査資料が流出した問題を受け、国費で全国の警察官へのパソコン配備を検討していることを明らかにした。
07年度予算への計上を目指すという。同日の衆院内閣委員会で泉健太議員(民主)の質問に答えた。

武市一幸警察庁情報通信局長も「07年度末までに目的を達成したい」と述べた。
07年度末というのは、2年先の2008年3月までという意味ですよ。
WInny が云々という以前に「私物PC使うことが問題」だと思うのですが、なんか認識が甘いと感じます。
2年間もあればまた流出事件が起きても不思議じゃない、その時にこの「検討」が正しい判断だったのか問題になるように思います。

4月 14, 2006 at 09:04 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

父の死後に冷凍精子で妊娠した子は認知されるべきか?

朝日新聞より「凍結精子で出産、「認知」判決見直しか 最高裁で弁論へ
西日本に住む40代の女性が夫の死後、凍結保存していた精子による体外受精で男児を出産したとして、男児を夫の子として認知するよう求めた訴訟について、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は14日、認知訴訟で被告となる検察側の上告を受理し、7月7日に弁論を開くと決め、関係者に通知した。
死亡した男性の子と認知した高松高裁の判決が見直される公算だ。
これはどういう判決になるでしょうか?
昔、教わった法学では「法的には人とは生まれから死ぬまでの間」でした。
胎児や死者は、人(自然人)ではないということですね。

古来からの人の概念に一致していますから法的にも是認されている考え方ですが、医学の進歩によって「それで良いのか?」というのがこの裁判の本質でしょう。
わたし自身は、この認知は認めないのが法的には正しいと思ってます。最高裁の判決はどうなるでしょうか?

4月 14, 2006 at 06:31 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (0)

アイフル・全店業務停止

アイフル全店営業業務停止命令の記事を並べてみます。

朝日新聞 アイフルに3~25日間の業務停止命令 近畿財務局
産経新聞 どうする?アイフル 全店業務停止
読売新聞 アイフル全店に業務停止命令
毎日新聞 アイフル:全店舗に業務停止命令へ 金融庁
日経新聞 近畿財務局、アイフル全店に業務停止命令

記事のタイトルだけ見ると、そもそもアイフルの全店舗とは何ヶ所なのか、業務停止が具体的に何日間が分かりませんが、色々な新聞の情報を寄せ集めると分かります。

朝日新聞の記事「アイフルに3~25日間の業務停止命令 近畿財務局」より
違反があったのは諫早店(長崎県)など5カ所だが、社内規定の不備など、違反行為を防止する適切な対応がとられていなかったとして、全店を対象にする異例の業務停止を命じた。
産経新聞の記事「どうする?アイフル 全店業務停止」より
アイフル被害対策全国会議・事務局長の辰巳裕規弁護士(兵庫県弁護士会)は金融庁の方針を受け、「現段階では具体的内容が分からず、内容を見極めたい」としたうえで、「私たちが把握していた被害事例からすると、行政処分は当然。いつか出されるだろうと思っていた。金融庁の毅然とした姿勢を評価したい」。

さらに、「全店が処分対象になったことから考えると、一部の従業員の行為というわけではなく、アイフルの体質、ひいては消費者金融業界の構造的な問題点が浮き彫りになったといえる。今後も、業界のあり方の見直しを求めて取り組んでいきたい」と話した。
読売新聞の記事「アイフル全店に業務停止命令」より
近畿財務局は14日、貸金業規制法に違反する事実があったとして、消費者金融大手アイフルに対し、全店舗の業務停止を命じた。

現時点ではこの記事しかWebには出ていません。読売新聞が詳しい記事を書く準備をしているのでしょうか。
毎日新聞の記事「アイフル:全店舗に業務停止命令へ 金融庁」より
金融庁は14日、同社の国内の約1900の全店舗を対象に新規の貸し出しなど、一部業務の停止命令を出す方針を固めた。

金融庁が全店を対象にした業務停止命令を出すのは、昨年11月の事業者向け貸金業者SFCG(旧商工ファンド)への処分以来。
日経新聞の記事「近畿財務局、アイフル全店に業務停止命令」より
停止期間は違法行為のあった五稜郭(北海道函館市)など3店が5月8日から25日間、諫早(長崎県諌早市)など2店が同日から20日間、その他全店舗が同日から3日間。
まとめて見ると、
全国の店舗数は約1900店、この内業務停止25日間が3店、2店が20日間、この5店以以外は3日間です。 停止期間は違法行為のあった五稜郭(北海道函館市)など3店が5月8日から25日間、諫早(長崎県諌早市)など2店が同日から20日間、その他全店舗が同日から3日間。
それにしても全店舗で業務停止というのが、商工ファンド以来というのが重々しいです。
しかし、悪評という意味ですごいもので、事業に問題が出てくるかもしれませんね。
金融庁は思い切ったことをやったと感じますから、社会からは「金融庁がここまでやるなら」という見方もされるでしょう。

4月 14, 2006 at 06:17 午後 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.04.13

海上保安庁・個人情報保護法で困った

読売新聞より「海保の負傷者情報収集が難航…個人情報保護が壁に
鹿児島県・佐多岬沖での高速船事故で、事故直後、鹿児島海上保安部が負傷者の情報を収集する際、搬送先の医療機関から「個人情報保護の観点から電話では言えない」と次々に断られ、捜査が難航していたことが分かった。

事故発生後の9日深夜から翌10日未明にかけ、少なくとも約80人の負傷者が、同県指宿市と鹿児島市の十数か所の病院などに運ばれた。

同海保は、負傷者が到着した二つの港で負傷者の氏名や搬送先などの概要をまとめ、各医療機関に電話で確認しようとしたが、「個人情報にかかわることは言えない」と大半は断られた。

このため、すべての搬送先に海上保安官を派遣、海上保安手帳を提示して身分を明らかにした上で、ようやく人数や氏名、負傷の程度などを確認できた。負傷者情報の取りまとめには最終的に4日を要した。
う~む。
海上保安庁が病院に電話で聞いたら大半の病院から断られた、そこで海上保安庁の職員が直接病院を訪問したらようやく情報が出てきた、ということですね。
結構微妙ですね。

そもそも、個人情報保護法は一般人の生活では遵守義務に当たらないように「5000人以上の個人情報を過去半年以内に一度でも管理した者が対象」となっています。
ところが医療福祉機関では5000人というのが外されているので「一人の情報も管理しなければならない」です。

海上保安庁が怪我人の情報を集約しようとしたら4日間掛かったから問題、ということでありますが海上保安庁からは救急車で十数ヶ所の病院に搬送されたのがほとんどじゃないでしょうかね?
ということは、消防(救急)には情報は入っているのではないだろうか?少なくとも、人数、年齢、性別、氏名、住所ぐらいまでの情報は救急でも集めていると思います。
病院じゃなけりゃ分からないのは症状でしょうね。海上保安庁はこういった病院でしか分からない情報を電話で聞こうとしたのかね?これは個人情報保護法が仕組みはとにかくとしても、なんとか保護の機能を果たしたことの証拠じゃないのか?海上保安庁にすら情報が出なかったから、報道の取材にも間違えなく出なかった。その何が問題なのだろう?

新聞記事では、
堀部政男・中央大法科大学院教授は「今回の対応は過剰反応ではないか」と指摘している。
となっているが、海上保安庁(行政機関)からの問い合わせだから病院は電話での問い合わせに無条件に答えて当然というのはヘンだろう。現実に役人が個人的に知りたい情報を役所名義で問い合わせて知ってしまったという事件は数多く起きている。一方、緊急性があるから当然だ。となると身元確認などを家族への連絡などのために必要ということかもしれないが、病院がそこまで理解しているか?となると無理じゃないのか?つまり海上保安庁の仕事を病院が理解しているのか?という問題に直面します。

海上保安庁が職員を病院に送ったから調査に4日間掛かったことが問題だとするのなら、海上保安庁は組織的に人を送って調査することでずっと短縮出来ただろう。4日間掛かったことの全責任が病院側にあるとまでは言えない、つまり4日間という数字の一人歩きのような気がする。


もちろん、そもそも個人情報保護をこのレベルでやる必要があるのか?という問題は今回の事件などとは無関係にあります。
JR西日本の尼崎事故で、見舞金などを詐取した犯人が逮捕されたなど、大規模な事故では色々な問題があって完璧には処理できないものなのだから、個人情報保護法を守ることばかりに目が向いていては何か大きなことを見落とす可能性もあると思うので、もっと緩めた運用をするというか、個人情報保護法の抜本的な改正をして「保護するべき情報」を明確化するべきだろう、とは思います。

しかし今回の事件が「個人情報保護法の過剰適用なのか、個人情報保護法の適切な運用なのか?」という問題だけに絞れば、わたしはどちらかと言うと適正な運用だったと思います。逆に言えば「こんなことになるから、さっさと改正しろ」であります。

4月 13, 2006 at 09:07 午前 個人情報保護法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.04.12

六カ所村再処理工場で水漏れ

日経新聞より「プルトニウム含む水漏れる・再処理工場、試運転後初のトラブル
日本原燃は12日、試運転(アクティブ試験)中の青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場内にある前処理建屋の小部屋内で、プルトニウムなどの放射性物質を含む水約40リットルが漏れたと発表した。

使用済み核燃料を切断、溶解した際に出る廃棄物を洗浄するための水槽から洗浄水を貯蔵用の水槽へ移すため、ホースを取り付けようと遠隔操作で閉止プラグを取り外そうとしたところ、間違えてプラグの下の接続部品を抜いたため漏水した。

洗浄水にはプルトニウム約1グラム、ウラン約260グラムなどが含まれていた。
誤操作で水漏れのようですが、ちょっと問題だと思います。

核燃料の切断とありますが、核燃料は長いパイプの中に核燃料が詰まっています。
再処理の最初の工程で、これをそのまま切断してしまうのだそうですが、放射性物質とは言え金属ですから切断するのは機械加工になります。そこで加工には水を使うわけで、その水の移送のためのホースを扱うときの事故ということでしょう。
ホースを取り付けるのが遠隔操作というのがいかにも大変ですね。
とても自動処理といったところではなく、操作オペレータにかなりの技量を要求するのでしょうか?
40リットル中にプルトニウム1グラム、ウラン260グラムというのはかなり多いのではないかな?切削や洗浄した廃水だとすると、かなり濁っているのではないでしょうか?

これほどの手間を掛けて、再処理が採算が取れるとはちょっと思えないんですよね。

4月 12, 2006 at 06:15 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

警察権不行使は違法行使

毎日新聞より「リンチ殺人:警察権の不行使…賠償命令 宇都宮地裁
柴田秀裁判長は「警察権を行使しなかったことで、殺害行為の招来を防止できず死亡に至ったと言える。警察権の不行使は国家賠償法の違法な公権力の行使に該当する」として、県に約9600万円の支払いを命じた。また加害者側に約1億1200万円の支払いを命じた。
なるほどです。

朝日新聞の記事では
国家賠償法などに基づき総額約1億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決
としか書かれていないため「どういう根拠で1億円近くを県が支払うのか?」という根本的な疑問の答えが出ません。

警察権を行使しないのは、違法な行使である、という判決はそれなりに明確ですね。
被告である警察側の反論は
捜査の違法性を否定。両親の届け出からは切羽詰まった危機意識を見て取れず、須藤さんの命に対する具体的な危険性を予見できなかったと主張して争った。
でしたが、原告側の主張がポイントを押さえているために「予見できない」以前に「聞いていないだろう」という判決になったようなものですね。
それにしても、不行使が違法な行使であるというのは、あらゆる業務に適用できる原理で世の中ちゃんと対応しなくてもいかんのよ、というのはネットワーク管理などでも重要な指摘ですね。

4月 12, 2006 at 12:48 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

アスベスト汚染・ようやく疫学データ

産経新聞より「4キロ先でも基準以上の濃度 クボタ旧工場の石綿調査
クボタの旧神崎工場(兵庫県尼崎市)周辺のアスベスト(石綿)被害で、アスベストを扱っていた当時の気象データをもとにアスベスト繊維数濃度を推定したところ、大気汚染防止法で定められている基準値を超える濃度が、工場から4キロ離れた地域まで及んでいたことが11日、分かった。大阪府立公衆衛生研究所の熊谷信二課長が調査、報告した。

熊谷課長は当時の気象データをもとに、旧神崎工場周辺のアスベスト相対濃度を算出。その結果、南南西の方向に最も多く飛散し、実際の中皮腫患者の発生分布状況と一致していることが分かった。
患者の発生状況に一致しているというのは、1848年のロンドンのコレラ発生が井戸であると解明した、ジョン・スノーの研究と同じですね。

クボタは中皮腫患者への見舞金支払いの範囲を「工場からおおむね1キロ以内に居住」と考えたようですが、どうも半径1キロではくくれないようで環境基準では半径4キロ、対象居住者数12万人とのことです。

環境リスク学で評価しないと水掛け論になってしまいそうですね。
それにしても、後知恵ではあるけどもっと早く対策出来たのですよね、総合的に判断することがいかに必要かを示すニュースだと思います。

4月 12, 2006 at 11:26 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (0)

金沢市教育委員会教師のPCを調査

北國新聞より「全教職員2千人、自宅パソコン「捜査」 金沢市教委 ウィニー被害撲滅へ 退職者も追跡
金沢市教委は七十九の小中学校、金市工高の全教職員の自宅パソコンに、ウィニーや成績、評価などの個人情報が取り込まれていないか”徹底捜査”する。
データを持ち帰り自宅パソコンで作業するケースもあったが、今後は持ち出しを禁止し、ウィニーが見つかれば削除して漏洩(ろうえい)を防ぐ。
しかし、結果は自己申告制で、新手のウイルスが台頭する心配もあり、ネット全盛期に100%阻止するのは困難との見方もある。

調査対象は、約二千人の教職員の自宅パソコンと、児童生徒が授業で使う約二千台のパソコンで、十九日までに結果報告を求める。

自宅パソコンの調査は、学級担任はもちろん、英語特区で独自採用した英語インストラクター、校務士、調理士、カウンセラーにまで。本人にウィニー使用の覚えがなくとも、供用する家族が取り込んでいる可能性もあるという。

調査の網は、今春の退職者や市外異動者にまで及ぶ。市教委の監督権限が及ばないためウィニー削除まで指導できないが、教え子の個人情報が残っていないかを照会し、見つかれば抹消してもらう。

授業で使う児童生徒用のパソコンには、「ウィニーや個人情報が入っていることはあり得ない」(市教委)としながらも、念には念を入れて点検する。

校内で使用する公用パソコン約千四百台について、市教委はすでにウィニーが使われていないことを確認済みだ。

学校パソコン持ち出しも一切禁止する。記録などでどうしてもパソコンが必要な場合は、市教委が持ち出し用パソコンを貸し出す。一方で持ち出し禁止による業務上の支障も調べる。
まあ大変だと思いますが、こんなの無理でしょう。

今までだって、警察などは何度も指示を出していたがやるヤツはやってました。PCの所有権が個人にあるからコントロール出来ないのは明らかで、社用のPCであれば単にエロ画像を見ていたとして処分される場合にも異議は出ません。

「こんな面倒なことならPCを使わない」とかになるに決まっています。全体として極めてバランスが悪いです。

わたしの従姉妹が教員だから何年か前にインターネットに接続すると言い出したときに、インターネット用のPCを用意させました。
やる人はちゃんとやっているし、教員に学校がメールアドレスを与えないとか、1000人ぐらいの人が居る学校という場所にネットワーク管理者を置けない(タテマエだけだったりする)といった根本的な問題に手を付けないわけにはいかない。

市教育委員会がやるのなら、教育訓練に先生を送り出すために予算を使う方が有効ではないだろうか?

4月 12, 2006 at 08:56 午前 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)

受信料の義務化

朝日新聞より「NHK受信料支払い義務化 総務省検討、値下げ前提に
総務省は11日、NHKの受信料を値下げすることを前提に、支払いを義務化する方向で検討に入った。
不払いに対する罰則導入を求める意見も政府・与党内にあり、どこまで強制力を持たせるかは今後調整する。
それ以前に「受信料」とは何なのかをはっきりさせないと無理だろう。

現在のように月々徴収 & 受信機を持っている者を対象で、普通に考えたら「サービスの対価」であろう。
だから「NHKは見ない」とか言って不払いというのが以前から続いている。
税金だとするなら、受信機があろうが無かろうが徴収することになると思うが、それでは自動車を持っていないが自動車税を払えとか、が否定できない。

大体、受信料は今はNHKのテレビ放送だけに掛かっているのだが、テレビとは何か?という問題になると思うよ。
PCのテレビ受信ボードなんてのはどう考えるんだ?
ディスプレーの問題で無いことは明らかでさらには、地上デジタルに切り替わったらどうするのだ?

現行の地上デジタル対応受信機の売れ行きから考えると、予定通りにアナログ放送を停波した場合「テレビが無くなる」が相当数になると予想されています。
アナログ放送でこそ「受信機を持っていれば見える」と強弁しているわけで、デジタル放送になると登録制だからかなり範囲が明確になるわけで「義務化を法的に決める」というほどのことでは無くなるだろう。
受信料を今のままの定義で支払義務があるとすると、裁判を連発されそうな気がする。

4月 12, 2006 at 08:31 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.04.11

NHK・出張旅費水増し

読売新聞より「NHKチーフプロデューサー、カラ出張1762万円
NHKは11日、報道局のチーフプロデューサーが、2000年から6年間にわたってカラ出張を繰り返し、計約1700万円を着服していたと発表した。
約6年間に、架空の国内出張名目で242回にわたって計1762万円を受け取り・・・・
一回あたり約8万円の出張旅費を請求しているのだから、領収書のチェックをするとかが普通ではないのか?
あるいは機械的であれば日数計算か?それでも常識的に3泊4日とかじゃないのかね?

00年6月から06年4月までだというから、常識的には1400日ぐらいが勤務日数のはずです。
出張したのが242×4日だとすると、968日は出張していたわけで一週間に3.5日は出張で1.5日しか職場に居ないという計算になりますよ。
実際にこの人は出張する仕事があったわけだから、下手すると勤務日数を出張日数が越えてしまうとかなるのではないか?

普通の会社なら「なんだアイツは」とウワサになるでしょう。
6年間もチェックされで、配置転換も無かったというのがそもそも考えがたい。
要するにこんなのが通用してしま組織だということで、会社が必要とする統治能力がNHKには無いという証明でしょう。
ひどい組織ですね。

4月 11, 2006 at 10:40 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.04.10

米国牛輸入で・リスク評価を

ニッポン消費者新聞より「米国BSE対策の実態を踏まえ独自に再度リスク評価を」=「委員半数辞任問題」で消費者団体が松田担当大臣などに申入れ

ニッポン消費者新聞のWebは新聞記事の概略だけですので、細かいところは分かりません。
関連記事はニッポン消費者新聞4月15日号に掲載予定、となっています。
日本消費者連盟に事務局を置く「食の安全・監視市民委員会」や主婦連合会などの消費者団体は食品安全委員会「プリオン専門調査会」の「委員半数辞任問題」を重視し、米国のBSE対策を踏まえ「改めて米国産牛肉のリスク評価を実施すべき」とする申し入れを食品安全委員会・寺田委員長と食品安全担当・松田大臣に提出した。 これまでの調査会での検討について「輸入再開を前提にしていた」とする指摘が辞任委員から提起されたため。
アメリカ産牛肉の輸入に関する問題はかなりワケの分からない経過を辿って、遂には「プリオン専門調査会」の「委員の半数辞任」問題になってしまった。
そこで「リスク評価の実施」という意見が出てきたのだろうけど、元は「日本の全頭検査」と「アメリカの目視検査」との対立が解消しないからだろうと思います。
「リスク管理」という言葉だけでは「BSEの牛が市場に出てしまうリスク」なのか「異常プリオン部位の流出のリスク」なのか「BSEによって人がクロイツフェルトヤコブ病に感染するリスク」なのか分かりません。
これについて整理した記事が中西準子先生の「環境リスク学」に出ています。

アメリカの牛の生産量 年間4000万頭
そのうち1/40の100万頭が日本に輸入される。
アメリカでのBSE発見の率から推定すると、年間4000頭がBSEに汚染されている
そこで、実際の汚染率が400頭、4千頭、4万頭の3段階、
危険部位除去作業後の残留率を1%、5%、10%、100%(除去せず)
検査の程度を、無検査、全頭検査、1%(40万頭)の検査
といったパラメータで計算しています。説明として次のようになっています。
無検査、年間400頭汚染、異常プリオン残留率1%では、日本では1年間で0.1頭分の以上プリオンが市場に出ると計算されるそうです。これはアメリカの方式ですね。
これに対して日本での方式を適用計算すると、全頭検査を実行、年間400頭感染、異常プリオン残留率1%と同じ条件では、0.001で全頭検査は無検査の1/100になります。
確かに検査を強化することでリスクが減ることは間違えないが、どこまで減らすべきか一頭分の異常プリオンは大問題なのか?と中西先生の説明はクロイツフェルトヤコブ病のリスクに進みます。
どのくらいの異常プリオン量なら受容できるかを考えてみよう。米国牛を100年間食べ続けて、vCJD の発症が一人以下を目標にした場合、米国からの以上プリオン量が年間10頭相当量程度ならいいということになる。
米国牛の年間4000頭が感染し、異常プリオン残留率が10%以上だと10頭相当になるので条件を満足できない。
対策として全頭検査をすれば、条件を満足できる。
100年間の全頭検査の費用を2000億円とすると、0.001人弱の命を救うために2000億円をかけることになり、全頭検査によるリスク削減対策の経済効率は極めて低い。

したがって、日本が米国に要求するべきは、米国ではBSE感染牛が年間400頭、4000頭、4万頭のいずれのレベルにあるのか、また、危険部位除去はどこまでできるのかをはっきりさせることで、とるべき対策が決まるのである。
元データは累積値として5万7千頭((0.001%)を検査して1頭が陽性、から出発しています。
アメリカは検査数を今後0.1%(4万頭)にすると言っていますが、全頭検査(100%)を主張する日本との意見の差が問題になっています。
これについて中西先生は、年間40万頭(1%)を検査(10倍にする)しても、無検査で異常プリオン残存量が10頭当量に比較して9.901頭当量であってほとんど減少しない。
と指摘しています。


なかなか大変な話だとは分かりますが、詳しくは「環境リスク学」をお読み下さい。
つまり「リスクの検討を科学的にやっていないのでは?」ということが委員の半数辞任の背景にあるようですが、与えられた条件の中で判断するのが科学者の仕事、という見解もあるようです。
しかし、どうも「環境リスク学」的な検討をしていないのではないでしょうか?中西先生も「アメリカはもっとちゃんと説明するべき」と書かれています。

いずれにしろ「きちんとリスク評価をするべき」というのは当然のことですね。

4月 10, 2006 at 10:43 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (4) | トラックバック (0)

悪徳商法・愛染蔵(あぜくら)資金の流れ

産経関西より「愛染蔵、社長親子へ23億円貸し付け回収不能に
破産手続き中の呉服販売大手「愛染蔵(あぜくら)」が、自殺した植田健仁社長と息子の植田真史副社長に計約23億円の貸し付けをしていたことが8日、分かった。

破産管財人によると、決算書では貸し付け名目は「土地取得資金」となっているが、貸し付けが始まった時期などの詳細は不明。
貸付金はこの他にもあり、総額50億5500万円にのぼるが、ほとんど回収の見込みがないという。
破産管財人は資金の流れに不審な点がないか、調査を進めている。
愛染蔵(あぜくら)は「呉服過量販売」という言葉の元になった、押し込み販売で社会問題化し破産手続き中に社長が自殺した、という経緯を辿りました。
今回あきらかになったのはかなり異様な資金移動です。

記事からまとめてみると
植田健仁社長に対して約12億8300万円
真史副社長に対して約10億2千万円が、それぞれ長期で愛染蔵から貸し付け

関連不動産会社「愛染蔵ことぶき屋」に対しても約21億9700万円の貸付金があり

愛染蔵が保有する不動産や有価証券などの資産総額は約96億2600万円だが、
この半分以上がこうした貸付金の債権
社長親子と関連会社への貸付金の合計は44億9700万円で、報道の総額50億5500万円の89%です。
なんか個人で取り込んでしまったにしては多すぎると思うし、悪徳商法であってもむしろ事業を継続した方がメリットがあったのではないか?と思うのですが、一気に破産申し立てに至った唐突さについて
呉服過量販売対策会議代表幹事の木村達也弁護士は「(販売方法などの追及を始めてから)あまりにも早く倒産しており、計画的な破産の可能性もある」と指摘していた。
なんか怪しいですなあ。

4月 10, 2006 at 09:08 午前 事件と裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.04.09

普天間基地問題・名護市と国の合意

普天間基地移設問題についての社説・記事を集めてみます。

日経新聞社説 稲嶺知事は額賀・島袋合意に協力を
朝日新聞社説 普天間移設 沖縄の苦衷はなお続く
読売新聞社説 [普天間合意]「早期移設へ着実に作業を進めよ」
毎日新聞社説 普天間移設 名護市の決断重く受け止めよ
産経新聞社説 普天間移設合意 沖縄県も現実対応さぐれ
琉球新報社説 普天間修正合意・抜本的解決策にあらず/危険は残されたままだ
沖縄タイムス社説 まやかしの再修正案だ

産経新聞記事 稲嶺知事は反対崩さず 普天間移設で額賀長官と会談
読売新聞記事 普天間移設、国との合意内容地元区長ら了承
東京新聞記事 滑走路2本で合意
朝日新聞記事 沖縄知事、反対を表明 普天間移設で防衛庁長官と会談

沖縄タイムス記事 「普天間」移設 沿岸修正案で合意
沖縄タイムス記事 「奇策」に市側折れ/方針転換に批判必至
沖縄タイムス記事 急転合意 地元困惑/普天間移設
沖縄タイムス記事 狭まる知事包囲網/修正案合意

琉球新報記事 知事、新沿岸案を拒否 従来案以外なら県外 普天間移設
琉球新報記事 「海上案の範囲内」 公約違反に当たらず 島袋名護市長
琉球新報記事 頭越し合意、撤回すべき 名護・野党市議11人が会見
琉球新報記事 「県のスタンス堅持」 稲嶺知事、沿岸案反対を強調

タイトルを並べただけでも、すごいことになっています。
普天間基地の辺野古地区移転問題というのがあって、政府、沖縄県、地元(名護市ほか)の関係が複雑化した、というのが今回の「合意」がもたらした衝撃と言えます。

ことは米軍基地の問題ですから、政治・外交の問題でもありもちろん地元の騒音や危険の問題や県の政策の問題でもあるから、それぞれの立場で色々な意見が出て衝突するもの当然です。

名護市長と防衛庁長官が移転について合意したので、沖縄県知事だけが行政機関としては反対しているという構図になってしまいました。
日経新聞社説、読売新聞社説、毎日深部社説、産経新聞社説は沖縄県知事に対して「移転を進めろ」と主張しています。
朝日新聞はいわば中立論です。
琉球新報と沖縄タイムスの2紙の社説は共に「反対」とはなっているが、実際に読んでみると微妙に違います。

琉球新報社説 普天間修正合意・抜本的解決策にあらず/危険は残されたままだ
この合意で、普天間移設問題は新たな段階を迎えたことになるが、釈然としない。
名護市民、周辺自治体住民、さらに県民は、恒久的な新たな基地建設を許容するのだろうか。
本当にそれでいいのか、いま一度、問いたい。
「反対はしないが、しかし」という態度である。これに対して

沖縄タイムス社説 まやかしの再修正案だ
滑走路を二本にするにせよ、稲嶺恵一知事や故岸本建男前市長が反対した沿岸案を超えるものではない。かえって当初案を巨大化させ、危険性をより増大させたというのが実情だろう。
だが市民の理解を得られたとは言えず、関係地区の住民の間にも不満が渦巻いている。
島袋市長は市民を守ることに全力を尽くすべきであり、政府の圧力があったとしても拙速を避け、市民本位で市政に臨むことこそ肝要だということを肝に銘じるべきだ。
市長と防衛庁長官との「合意に反対」となっています。


なかなかすごい展開になってしまいましたが、全体としては反対しているのが沖縄県知事だけであるということになってしまって、普天間基地移設膠着問題解決に向けて一歩踏み込んだことに間違えはありません。

4月 9, 2006 at 11:38 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

人権侵害・3割が被害者?

長崎新聞より「「人権侵害された」3割 県民意識調査
県は、人権に関する県民意識調査の結果をまとめた。
調査は人権行政の推進に役立てようと、昨年秋に実施。選挙人名簿で無作為抽出した県内在住者二千九百九十一人に郵送し、千三百二十三人から回答があった。

人権侵害の経験が「ある」と答えたのは28・8%で、二〇〇三年に内閣府が実施した全国調査結果(13・9%)の二倍超。内容は「地域や職場での無理強いや仲間外れ」も多かった。

インターネットによる人権侵害への対策は、情報発信者の監視態勢や取り締まりの強化を求める声が多かった。

今回初めて調査したインターネットによる人権侵害の問題点については、「個人情報の不正な取り扱いや信用情報の流出」がトップ。「出会い系サイト犯罪を誘発する場」「青少年に有害な情報を掲載」が続いた。

防止策では半数近くが「違法情報発信者への監視、取り締まり強化」「個人情報の管理強化」を挙げ、プロバイダーへの情報停止など法整備を求める意見も多かった。

一方、犯罪被害者に対する人権問題では、回答者の三人に二人が「マスコミの過度の取材活動やプライバシーの侵害」を問題視。プライバシーに配慮した取材活動や報道を求めている。犯罪被害者に対する国の補償制度の整備、相談態勢充実についての要望も目立った。
ちょっと驚きました。
どういう調査なのか全貌が見えないのですが「人権侵害された人が3割」では、何かどこかがおかしいです。

長崎新聞の記事には
・内容は「地域や職場での無理強いや仲間外れ」も多かった。
・インターネットでの人権侵害の問題点
・プロバイダーへの情報停止など法整備を求める意見
・マスコミの過度の取材活動やプライバシーの侵害
・犯罪被害者に対する国の補償制度の整備、相談態勢充実
と並んでいて「人権侵害された経験がある」という重大な調査なのか「世相・社会をどう考える」という調査なのか分かりません。

わたしは例えば、「仲間外れにされた」=「人権侵害」であるとは考えません。
「人権侵害とされるほどの仲間外れ」といった具合に「人権侵害に相当する重大な問題」と考えるべきで、具体的にはその問題が刑事・民事で裁判になるような時に「人権侵害問題になった」とするべきなのだろうと考えています。
現状の人権侵害問題の中心は「裁判にしたいが出来ない」といったところなのだろうと思っています。

この記事の数字をそのまま読むと「3割の人が裁判をしたい」となってしまいますが、それは直感的におかしいし、第一「人権侵害されたのが3割」なら「人権侵害したのも3割」とかなってしまって、社会の安定が保てないレベルではないでしょうか?

この調査でヘンだと感じるところは

人権侵害とは何かが誰にも了解できる定義になっていないのでは

と思うのです。
少なくとも、もし「3割の人が人権被害の救済を申し立てたり、相談を希望しても」それに国や地方自治体はもちろん社会全体としても応じることが出来ないはずです。
つまり、報道された調査は何かがおかしいし、出てきたデータは使えないと言っても過言ではないでしょう。

人権とはどのようなもので、人権侵害とはどういうことかが社会に浸透してない、混乱しているという証拠ではあるでしょう。
これを整理することは重要だと分かりますが、インターネットが出来たことで社会は旧来とはちょっと変わりました。
その点については、いまだに一部の「インターネット・オタク」のような人たちが議論を提起しているのが現状で、インターネット以前の社会のあり方の中にインターネットを当てはめるという考え方では無理だということもほとんど通用していません。
そういう時点で「取締を求める」といった意見だけが目立つというのも危険だな、と強く感じます。

4月 9, 2006 at 10:13 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (0)

日航機・間違えてドアを開けた

産経新聞より「日航機、誤操作で脱出シューター開く
8日午後1時ごろ、北京発成田行き日航780便ボーイング767が成田空港の駐機場に到着した際、訓練乗務中の女性客室乗務員(22)が誤って後部の乗降用ドアを開け、脱出シューターが開いた。
後部ドアを開ける必要はなかった。
シューターはドアを開けると自動で飛び出す仕組みになっており、この客室乗務員はドアを開ける前に自動設定を解除する手順も踏んでいなかった。
どうも分からない事件だ。ドアの開け閉めの時にチッェクリストで作業しているぞ。
何が起きたのか?防止できないものか?

そもそも、ヘンなところは
開ける必要のないドアをなぜ開けたのだ?
なぜチェックリストに従わなかった?
ドアを開けた時の結果を考慮していたのか?
どのドアを開けるべきなのか把握していなかったかね?下手にドアを開けると二階の屋根ぐらいの高さに開いてしまうわけで、それを理解していないから開けることが出来るのではないかね?
さらにこれは、訓練で経験していることではないのか?
特に訓練中だということは、地上での訓練もしているという事だろう?その時に「こう失敗する」という訓練をしていないのか?それだとすると大問題だ。

座学ではない実習では失敗も重要な項目で特にシミュレータとか訓練装置が利用できるのであれば、失敗を経験することは極めて需要だと思うし、それこそれ身に付いていることが一番重要なことだが、それが出来ていなかったのだとすると訓練の方法に問題があるとなるだろう。

4月 9, 2006 at 12:57 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (1) | トラックバック (0)