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2006.03.25

原発差し止め判決・社説いろいろ

志賀原発2号機の運転差し止め判決について社説を集めてみました。

朝日新聞社説 「原発差し止め 地震の備えが問われた
読売新聞社説 「[志賀原発判決]「科学技術を否定するものだ」
産経新聞社説 「原発運転差し止め 現実的な対応策が必要だ
東京新聞社説 「運転差し止め 原発の耐震不安を除け
西日本新聞社説 「耐震性に警鐘を鳴らした 志賀原発判決
北國新聞社説 「志賀原発2号機 疑問の多い「差し止め」判決

さすがに差し止め判決を「予想通りで当然だ」といった論調の社説は無いようです。その結果、判決そのものに対する評価が、肯定・中立(とまどい)・反対に分かれました。


どういう判決なのかは判決文を見ていないので厳密には解釈できませんが、朝日新聞社説が割と細かく解説しています。
朝日新聞社説
判決は原発そのものの安全性を立証する責任が北陸電力にあるとしたうえで、地震の危険性に対する電力側の「反証は成功していない」として、原告である住民側に軍配を上げた。
北陸電力が想定した地震の大きさは、最大マグニチュード6・6だ。ところが、政府の地震調査委員会は1年前、原発の近くにある断層帯について、地震が起きた場合は7・6程度になる可能性があると指摘していた。
女川原発の敷地内で想定を上回る揺れを観測していた。判決はこの点に着目し、もし志賀2号機がこうした揺れに襲われた場合、何重もの防護策が必ずしも有効に機能するとは言い切れないと指摘した。
原子力安全委員会が定めた耐震設計の審査指針は、30年近く前につくられた計算方法をそのまま使っている。阪神大震災など最新の科学的な知見が反映されていないのだ。
簡単に言ってしまえば、耐震設計の基準が30年前のデータでやっているから現時点の問題点の指摘に回答出来てない。
だから電力会社の敗訴。ということらしい。
昨日この判決を受けて国も含めて「大騒動」になってしまったのは「国定めたの耐震設計審査指針」を古いから使えないという判決を出してしまったことで、この点について批判しているのが
読売新聞社説
あり得ない状況まで想定していては、どんな科学技術も成り立ち得ない。
不合理な想定で不安をあおる判決は他の54基にも影響を及ぼしかねない。
耐震設計審査指針は、そうした事態に備え、強度に余裕を見込んである。女川原発も、揺れを感知して止まり、構造物に異常はなかった。
見かけ上は判決に対して全面反対のように見えるが、耐震設計基準について最近の構造計算偽装事件で有名になったように、普通の建物の耐震性能は大きな地震があるたびに見直されて強化されています。最近では阪神淡路大震災を元に改訂されています。
それなのに原発については30年間変わっていない、阪神淡路大震災のデータが反映されていないのはナンだ?と判決が指摘するのも無理はなかろう。
とは言え稼働して9日目に運転差し止め判決というのは実行不可能に近いし仮執行宣言はなされなかったので、上級審に判断をあずけたとも言えるので現実的な解決をするべきだと
産経新聞社説
裁判所が商業用原子力発電所の運転差し止めを命じるのは初めてである。意外な感は免れない。
地震と原子力発電所の関係には悩ましいものがある。地震研究は新たな大地震の発生を研究材料として進むからである。調査に伴い未知の断層が発見されることもある。それに加えてこうした断層はいつ動くか予測が極めて難しい。
原子力発電所の地震対策には現実的な対応が必要だ。原子力安全委員会は説得力のある指針を目指して改定を急いでもらいたい。
誰もが困惑するような判決になってしまった理由の大きな部分が国の耐震設計基準の改変が全く放置状態同然で最新型の原発ですら最近の地震の情報が反映されていないことが理由だったから、各社の社説もトーンは色々でも国がもっとはっきりしろ、と指摘しています。
判決の根本的な考え方は原告が安全性に不安があると指摘したのに対して被告の北陸電力が十分な反論をしていないから、原告の言い分を認めた、ということでキーワードは「不安」であるから
東京新聞社説
裁判に勝った負けたが問題なのではない。人の命、健康をどう優先させるのかが重要なのだ。地震をきっかけに、電気を供給するはずの機械から、許容限度を超える放射線が漏れて防ぎようのない人に甚大な被害を与える。事故が起きてからでは遅く、取り返しもつかない。
だからこそ、原発にはより一層の厳しさが求められる。国と電力各社は、この判決文を謙虚に読み返し、住民の不安を除く対策に取りかかるべきだ。
いささか以上に抽象的な表現になってしまう。
裁判長の井戸裁判官は、住基ネット訴訟で早々に判決を出した裁判官で「ビックリする判決を出した」と以前も注目された裁判官です。
北國新聞社説
井戸裁判官は昨年五月、住基ネットをめぐる訴訟で「反対者への適用は違憲」として全国の住基ネット訴訟の中で唯一の違憲判断を下し、話題となった裁判官である。
近年、各地の下級審でも公園をホームレスの住所と認めた大阪地裁判決や、小田急線高架化事業の国の認可取り消しを命じた東京地裁(高裁で逆転)など、首をかしげたくなるような判決が目立つ。
裁判は独立しているものではあるが、下級審判断が上級審で修正されることが続くこと自体、三審制を取っているとはいえ、正常なことではない。
裁判員制度の導入が三年後に迫っている。裁判長とて神ではないこともまた、この際、肝に銘じておかねばなるまい。
北國新聞の社説はちょっと色々なものをゴッチャにし過ぎていると感じるが、裁判制度は最後の判定であることは動かせないが、なんでも裁判でというのは問題があると思う。
ここらをうまくまとめたと感じるのが
日経新聞社説
原発に関する住民訴訟に司法は、原告適格や訴えの利益などを理由に、いわゆる門前払いで対応することが多かった。専門的・技術的な評価は司法判断になじまない、ということだったのかもしれない。

 しかし、ここ5、6年明らかに変化している。個人の人格権を重く見て、専門的な技術分野にも踏み込み、行政判断にも合理的な根拠や透明性を求めている。今回、行政や事業者が判決に驚いたとすれば、その流れを完全に見誤ったことになる。
以前から強く指摘されている航空事故調査委員会の位置づけがアメリカとは全く反対向きに近いので事故原因の解明と改善対策を引き止めている、というものがある。
高度に技術的な問題について、法律的な立場とは別の判断基準があっても良いのではないだろうか?
今回の運転し始めた原発の運転差し止めというビックリするような判決が突然出てくるようなことは決して望ましい社会とは言えないだろう、現状はかろうじて制御しているといったレベルでより良い社会はこういう形では無いと思う。

3月 25, 2006 at 09:44 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

永田議員・表でやれ

永田議員が仲介者を西澤なる人物であると明らかにしたら半日もしないで「西澤氏証人喚問」が決まってしまった。
与党側が「参考人招致」を提案したのを民主党が「証人喚問」を主張して証人喚問になったとのことです。
民主党がダマされたとして被害者であることを証明するとのことでしょう。

こんな下らないことに一ヶ月も時間をムダに使った責任はどうなんだ?
この西澤なる人物が意図すれば国会をコントロール出来るのだ、と主張するつもりなのか? そもそも、永田議員に限らず色々な情報が議員に届くのは当たり前のことだろう。それを判断して取り上げる責任が議員には当然あるだろう。そして自分の判断が正しいのかを組織として検討するのが政党の責任だろう。
その責任の全てが西澤なる人物にあると主張するのであれば政党なんていらないぞ。

ダマされたって議員にはダマされない責任が当然あるだろ。あまりバカバカしい話で、国会の外でやってくれ。

3月 25, 2006 at 03:18 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

病院で警報が聞こえないでは済まないだろう

読売新聞より「5か月女児、カテーテル詰まり死亡…アラーム気付かず
埼玉県川口市立医療センターは24日、2005年10月、生後5か月の女児がカテーテルにたんが詰まり、異常を知らせるアラームが作動していたにもかかわらず、看護師が気付かなかったため、13日後に多臓器不全で死亡した、と発表した。

同センターの大山哲朗事務局長は、「アラーム音が聞きづらかったことは知っていたが、施設の改善をしていなかったことが原因」とミスを認め、謝罪している。
「アラームが聞きづらかった」って何?
普通は「機能していませんでした」と言わないか?製造業界ではこういう問題の対策を「バカよけ」と言ってます。
最近はさすがに減りましたが、病院で(麻酔や酸素など)のガスのパイプの接続を間違えてというのがありますが、こんな問題は1950年代ぐらいに工業界では大事故を経験しつつ、異なったパイプの接続は出来ないようにとかなってます。

どうも「仕組みがあっても結果が出ない」といった問題の評価が甘いのではないか?と感じることが多くなってきたと感じます。
10月に行ってきた「ネットワーク・セキュリティワークショップ in 越後湯沢」の講演で医療システムの説明がありました。これは、基本的にはリアルタイム処理の重要性の話でありました。
4.リアルタイムとは2秒以内

具体的には、例えば投薬や注射を行う場合、医師や看護婦等の医療スタッフの個人識別を行い、処方内容のバーコード、薬剤や注射液の識別のためのバーコードを、バーコード対応携帯端末で次々と読みとり、誰がいつの時点で何を処方し、誰がいつの時点で実際に患者に投与したか、あるいは投与出来なかったという場合等も含め、すべての診療行為のデータ化を図ることとした。
実施入力時点でのエラーチェックにより事故を防止でき、血液製剤、輸血などのロット管理が電子的に行え、輸血記録などの管理が容易になる。
このシステムでは、従来のシステムで把握できなかったリアルタイムの指示変更が、調剤時、処方監査時、混注時、投与時それぞれに最新データと2秒以内にリアルタイムに照合する。したがって、オーダ後の指示変更や破損、破棄などの情報も正確かつリアルタイムに扱えるので、安全対策のみならず在庫管理も正確になる。
逆に言えばなんでこんな事が話題になるのか?と言えば、Windows に代表される「万能システム先にありき」といった調子で、ソフトウェアとか狭い意味でのシステム優先で仕組みを組み立てることだけを重要視するような傾向が強すぎるのでしょう。
システムを構築しても現実の出力が有効でなければ意味ないのですが、この点をどうも見落としがちのようです。

3月 25, 2006 at 02:23 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.03.24

さよならパソコン通信オフ募集

さよならパソコン通信オフの詳細が決まりました。
なるべく多く方の参加をお待ちしています

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3月31日をもって、最後?の商業パソコン通信としての NIFTY SERVE が終了します。
それを見送るべく、さよならオフを開きます。

■場所 【 DINING BAR mixing
・東京都新宿区新宿3-34-9 メトロ会館3F
Tel 03-3354-1475
・公式サイト http://www.metro-net.co.jp/mixing/
サイトに分かりやすい地図があります。
・ぐるなび http://r.gnavi.co.jp/g897500/
★有線/無線LANあり
★80インチプロジェクターあり

■日時 【 2006年3月31日・20:00~23:30 】
・閉店まで貸し切りです。

■参加費 【 5000円 】
・高くて済みません。
実はコレでもかなりの赤字になると思われますので、カンパ大歓迎 ^^;
・途中からの参加、途中でのお帰りも結構ですが、参加費は負かりません A^^;;

■参加者について
・最大100人まで大丈夫なので、まだまだ余裕があります。
・参加者はパソコン通信に思い入れがある人なら誰でもOKですので、ご家族やお知り合いをお誘い合わせの上でご参加下さい。

■募集期限 【 2006年3月27日 】
・募集期限は仮です。これ以降でも恐らく大丈夫ですが確認中です。

参加表明先は正式には mixi のコミュニティですが、わたし(酔うぞ)にメールをいただくか、ここにコメントをいただいても結構です。

■諸注意
・有線/無線LANは開放する予定ですが、セキュリティには各自十分ご注意下さい。
・電源については確認中です。

3月 24, 2006 at 12:01 午後 ウェブログ・ココログ関連 | | コメント (0) | トラックバック (0)

プロバイダ事業は終点が見えた?

朝日新聞より「NECと住商、ネット事業で提携へ ビッグローブ独立
NECと住友商事はインターネット事業で提携する方針を固めた。NECのネット接続(ISP)サービス事業部門の「BIGLOBE(ビッグローブ)」を7月に新会社として独立させ、そこに住商などが出資する。ビッグローブの電子商取引や動画配信のサービスを強化して、ヤフーや楽天などと対抗できる総合ポータル(玄関)サイトに脱皮させる狙いだ。28日に正式決定し、発表する。
NIFTY-Serve が PC-VAN(BIGLOBE の前身)に比べて強かったのは、日商岩井と富士通の50%ずつ出資で独立した会社であったゆえに、休日無しのサービスを簡単に実現できたという面が大きいです。

NECのパソコン販売部隊の課長から「パソコン通信で業務サービスが出来ないか?」と相談された事がありましたが「PC-VAN は会社だから、休日のサービスとか無理ではないか?」と返事して、その計画は止まってしまいました。
時代が進んで、コンテンツ・サービスに乗り出さざる得ないということでしょうか?

朝日新聞は以下のように解説しています。
NECは93年にISPに参入し、96年にネットサービスを合わせたビッグローブ事業に発展させた。ネットサービスのシステムを支えるデータセンター事業もあり、部門売上高は約800億円とみられる。ISP会員は現在約400万人おり、ヤフーBB(ソフトバンクグループ)、ニフティ(富士通の子会社)、OCN(NTTコミュニケーションズ)に次ぐ規模だ。

大手電機各社がこぞってダイヤルアップのISP事業に進出したのは90年代半ば。ところが大容量高速通信時代になり、ヤフーBBなど新規参入組にシェアを奪われ、価格競争も激化したため、電機系のISPの利益や会員数は伸び悩んでいる。ビッグローブも最近は、売り上げの半分を稼ぎ出すネットサービス事業の強化に躍起だ。
ちょっと解りにくいですが、会員数というのがポイントで例えば光回線の TEPCOひかり を利用しようとすると、プロバイダ経由で料金を支払うことになります。元々 TEPCO は東京電力なのですから、東京電力に電力料金を支払うのと一緒に通信回線使用料を支払うでも良いと思うのですが、これをプロバイダ経由にしているのです。
当然、プロバイダに会費として支払われます。これはプロバイダの側からすると「会費収入」であって「サービス収入」ではありません。営業努力は回線事業者に向けるだけですから、ビジネス上は非常に楽な収入構造です。

ところが記事にあるように「競争激化」で価格低下しているわけで、こんな仕組み頼った収入構造が壊れるのは時間の問題です。
さらに、インターネットの仕組みの本質として「サーバーはどこにあっても良い」のでいったプロバイダとはどういう仕事をする事業者なのだ?と思ってしまいます。 この疑問については、1年ほど前にプロバイダ協会の重鎮の方がおっしゃった一言で納得してしまいました。

プロバイダとはナロー回線会員にブロードバンド回線を切り売りする事業

そうなると各家庭にブロードバンド回線が入ることで、切り売り自体が不要になってきます。そこでコンテンツ・プロバイダといった表現で有料コンテンツを販売するような事業者に変わることが今回の BIGLOBE の独立の表看板になっていますが、これも映画会社などが直接情報発信すると本質的事業ではなく、会員による会費の徴収が仕事と言えます。
これでは、ライブドアも大変な会員を持っていて機能しています。

よく考えると、インターネット上にクレジットカードの情報をあまり手広く出したくないから、ニフティ社などに会員番号(ID)とパスワードによって支払通知をしているだけです。
それなら、よく使うECサイト(通販サイト)などが全部代行したらOKではないのか?あるいはカード会社そのものがコンテンツ販売のチャンネルを開いたらどうなんだ?

というわけで、プロバイダ事業の終焉が始まったのではないでしょうか?
ブロードバンド回線はすでに家庭に入っているわけで、次はサーバをどうするか?ですがビデオ踏み台事件で明らかになったのは、PCの形をしてないサーバがすでにあるわけでサーバー機能をハードウェアにしてしまえば、誰でもサーバを安全に運用することは不可能では無いでしょう。
インターネットはネットワークとしてサーバを分散して設置することに意味があるのですから、現在のニフティ社などがやっているデータセンター運用がいつまでも続くわけもなく、そういう観点からもけっこう大きな転換点が見えたということだと考えます。

3月 24, 2006 at 08:32 午前 ネットワーク一般論 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.23

ネットワークとカスケード

Matimulog さんの記事「裁判所siteにリンクしたら電話しろと」は、タイトル通りで「裁判所のサイトにリンクしたら電話しろとあった。時代錯誤だ。電話の数に対応出来のか?」なんて話になってます。

「裁判所もかよ」とは思いますが、最近は企業サイトなどでもどうやって連絡しら良いのか分からないといったものを含めて、インターネットに流れる情報も自分でコントロールしようという風潮がちょっと強くなった気がします。

何回も書いていますが、わたしは近代産業社会が軍隊の指揮命令系統の考え方をほとんど全ての業界で取り入れて20世紀に大幅に経済の成長、病気の克服、寿命が大幅に伸びた、といったことで総合的には人類社会の福祉に大いに貢献した、と考えています。

実際に学校や企業などの中では、指揮命令系統とは関係の無い、県人会とか学閥といった組織があります。このような組織でも構造としては「会長・・・・・」となっている場合が多いので、指揮命令系統と同じような構造で頂点から枝分かれているカスケード構造である、言えます。

会社などでは業務用のカスケード構造を上から下に描いたとすると、県人会・学閥などはいわば横向きのカスケード構造であって、この二つの系統が重なるとネットワーク同然の機能が成立しているのだと思います。


会社などの組織に属していない家庭や地域になると、個人のつき合いとが出来ますが、この場合の情報伝達は多くの場合は個人から個人にであって「誰それに伝達してくれ」というの玉突き的な情報伝達はマレです。これはネットワーク構造なのですね。
最初に書いたように、カスケード構造が社会的に全面的に取り入れられたのは20世紀になってからのようで、ネットワークによる情報伝達の方が先にあったのであろうと思います。例えば橋の下に落書きするといったことは何百年も前から行われていました。


インターネット利用の広がりで、またネットワーク型情報伝達が広がってきたわけですが、企業などにとっては縦方向のカスケード構造、横方向のカスケード構造の上にネットワーク型構造が乗ってくるとイメージすると、これは3次元構造になってしまいますね。

会社の組織図に描くのにも3次元構造では極めて描きにくいです。もちろん説明も出来ない。
そこでカスケード構造の中に無理矢理ネットワーク構造を押し込もうとしているのではないでしょうか?
それが「リンクしたら電話しろ」になっていくのでしょう。
それは分からないではないですが、それこそ「木に竹を接ぐ」ではないでしょうか?カスケードはカスケード、ネットワークはネットワークとしてそれぞれの役割ややり方があって、取って代わるの極めて難しいでしょう。
つまりは摩擦としての「リンクしたら電話」とか「言いっぱなし(情報発信だけ)のインターネット利用」といったネットワーク利用とは言えない例も等分無くならないでしょう。

3月 23, 2006 at 01:32 午後 ネットワーク一般論 | | コメント (0) | トラックバック (0)

振り込め詐欺・主犯の判決15年

朝日新聞より「被害4億円、振り込め詐欺の主犯格被告に懲役15年判決
巨額振り込め詐欺グループの主犯格として詐欺の罪に問われた吉川被告(27)に対し、横浜地裁は23日、求刑通り懲役15年の判決を言い渡した。
吉川被告が三つのグループを結成させて計159人から総額約4億3772万円をだまし取ったと認定。「詐欺会社を組織した常習的犯行だ。家族を思う心情や事故に遭ったとされる相手方を気遣う気持ちを逆手に取った手口は巧妙、卑劣で酌量の余地はない」と述べた。
検察の求刑通りに懲役15年の判決、というところに裁判所が厳しく見ているところが現れていますね。
部下も懲役12年~8年の判決を受け、いずれも控訴中。
とのことでこれほどの重罰になるとは思っていなかったのではないでしょうか?
これで振り込め詐欺が減れば良いのですが。

3月 23, 2006 at 12:28 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

アメリカ軍が石油消費節約だって

CNN.jp より「米軍が燃料費削減に必死、節約命令も 原油価格高騰
米国防総省によると、2004年の消費量は約1億4480万バレル(1バレルは約159リットル)で、経費は67億ドル(約7772億円)。
なんかすごい量だなと思って計算してみると アメリカ軍の年間使用量 1億5千万バレル=2400万キロリットル
日本の石油年間使用量  2億5000万キロリットル(石油情報センター) これでは、アメリカ軍は日本の約10%の石油を消費しているのですね、ムチャクチャだよ。

3月 23, 2006 at 12:08 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

危ない飛行機規制・EU

NHKニュースより「EU 92航空会社を運航禁止
EUは、去年、航空機の墜落事故が相次いだことを受けて、安全性に問題がある航空会社の、いわゆるブラックリストを作ることを決め、航空会社への聞き取りや機体の立ち入り調査などを行ってきました。その結果、22日、ブラックリストとして、92の航空会社を公表し、これらの航空会社は今月25日からEU域内への運航が全面的に禁止されることになりました。
NHKワールドニュースを見ていたらフランスのF2がアフリカのどこかの飛行機の整備状況を詳細に取材していました。
登場した飛行機に驚いたのですが、なんとロッキード社が作ったターボプロップ旅客機でした。整備状況はすごいもので、主脚を詳細に見せてましたが錆だらけの上に油で汚れなんと油が滴っていました。

だいたいロッキード社製のターボプロップ機は登場した時代はすでにジェット旅客機の時代であったので、様々な問題もあって旅客機としては失敗作で、大幅に改造して対濳哨戒機P3Cになったのです。

検索したところウィキペディアにありました。民間機は「ロッキードL188」で1957年初飛行、生産は144機で旅客機ではなく貨物機として使われた。とのことです。

それにしても、自動車でもちょっと見かけないような整備状況の飛行機が飛んでいるのに驚きました。
別の機体なのかもしれませんが、コックピットのボロボロさ加減もすごいもので、ハンドルなど手を触れるところの塗装がはげて塗装が残っているところと地金が出ているところがある。後からワケ分からないスイッチを取り付けている(どう見ても飛行機用とは思えない製品)なんて状態でした。
飛行機というのは、部品を交換していけば極めて長期間使えるものですが、部品の定期交換なんてやっいるのだろうか?

なぜEUが今ごろこんなことを大騒ぎしているのか良く分からなかったのですが、アメリカと違ってヨーロッパでは乗り入れてくる飛行機の安全性について強制力ある規制をいままでしていなかったのだそうです。
アメリカはかなり厳しい規制をしています。そこでようやく規制に取りかかったのでしょうが、アメリカが国家として法的に規制できるのに対して、ヨーロッパの諸国が一斉に法的規制をするのは難しい、一方航空交通は一国の問題というよりEU全体の問題だ、ということでEUが警告をHPに掲載するといった方法を取らざるを得なかった、ということのようです。

3月 23, 2006 at 10:05 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

公立高校生徒の授業料減免の実態

朝日新聞より「都道府県立高、授業料減免11人に1人 文科省調査

わたしはNPOで主に神奈川県内の高校にキャリアー教育の授業で社会人講師で参加しています。授業料減免の話はアルバイト問題にも直結していてかなり大きな問題です。
04年度で率が高かった都道府県は、大阪、鳥取、北海道、兵庫、福岡、東京の順=表。大都市圏を抱えている都道府県が大半だ。
教育委員会などから取材した結果、学校間で率の差も大きいことがわかった。大阪府では、全日制で最高60.9%~最低5.4%の開きがあり高低差は55.5ポイントになる。50%を超えた高校が大阪市やその周辺を中心に10校あった。

生徒の3分の1が減免を受ける、福岡県のある高校では、理由の最多は「(母子家庭など)児童扶養手当を受けている」で全体の3分の1を占めた。
同校は「リストラで授業料が払えなくなる家庭も増えたようだ」と話す。
減免者の率が全国最大の大阪府では、03年度の統計で生活保護率や完全失業率、離婚率が全国2~3位と高かった。
なかなか衝撃的なニュースですが、色々と難しい問題があって授業料減免はその一つの現れです。

実際に(県立)高校に授業をしてみると、同じ県立高校でもアルバイト容認・黙認・禁止といった違いがあって、これが授業で「君たちもアルバイトで経験しているだろうが」と話せるかダメなのかに影響します。
中には「学費は生徒自身が自分で稼ぐ。親は金を出さない」という例もあるとのことです。

ではアルバイトを容認するのが良いのか?というと、アルバイトが中心になって学校に来なくなって中退してしまう例も多いし、授業の延長や夏休みなどに企画授業の時間を取ろうとしても学校が生徒のアルバイト時間に気を遣うといったで現実があります。

言うまでもなく、家庭の事情が高校生がアルバイトをしないでも問題なく勉強だけに集中できる生徒も居るのですが、それが成績の差になって学業成績の上位校と中下位校と分かれてしまっています。

上位校では全員が大学進学になりますから、キャリアー教育も知識というか情報だけで良いのですが、中下位校では就職する生徒には「目の前の問題」ですし、専門学校への進学も専門学校卒業後に全く別の職業には就きにくいことを考えると学校に行くというよりも就職と考えた方が良いのです。
こんなことを総合的に考えると「授業料減免の事実」は重要ですが、もっと細かい情報を知らせる必要があるでしょう。今の時代の高校生はとても大変です。

3月 23, 2006 at 09:06 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (2)

郵貯銀行・基幹システムを買い取るか?

日経新聞より「郵貯銀、大手銀から基幹システム買い取りへ
郵政民営化の準備会社、日本郵政は2007年10月の民営化で発足する郵便貯金銀行の基幹システムを、大手銀行から買い取る方向で検討に入った。

みずほ銀行・日本IBMと、三菱東京UFJ銀行・日立製作所に打診した。

みずほ銀行は04年に旧第一勧業銀行のシステムへの統合作業を完了、三菱東京UFJ銀行も08年に旧東京三菱銀のシステムへの一本化を予定し、いずれも統合で不要となる。
タイトルを読んだ時には「他の銀行が現在使っているシステムと同じものを郵便貯金銀行が使うのか?」と思ったのですが、どうも統合で使わなくなるシステムを譲り受けるということのようですね。
こんな方法は考えていなかったけど、かなりの手直しが必要なのじゃないかな?確かに何もないところから開発するよりも短期間で開発できるだろうし、コストが安くなると予想できるけど、現在の郵便貯金のシステムとの統合は必要なわけで、なんか微妙ですね。

それにしても、今まで思いつかなかった手法を試してみるというのは、新たな地平を開くことですから成功・失敗は別にしてもやってみるあるいは検討してみることは今後の日本では極めて重要なことだと思うので、このニュースは注目です。

3月 23, 2006 at 08:41 午前 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (0)

永田議員・社説を集めてみた

永田議員が懲罰委員会での弁明について論じた新聞社説を集めてみました。

朝日新聞社説  「民主党  何をぐずぐずしている
読売新聞社説  「[永田議員弁明]「早く混迷から脱却して出直せ」
産経新聞社説  「永田氏弁明 なぜ法的措置とらぬのか
西日本新聞社説 「早期決着を図るべきだ メール問題

テレビのコメントでも「何も分からない」とか「民主党はさっさと進めろ」「民主党執行部は死に体」といった言葉ばかりでありました。何よりもこの程度の問題に一月も国会が足止めされていることが問題です。
以下に各社の社説中で目をひくところを書き出しました。

こうして書き出してみると、すでに永田議員にどうこうしろといった論調は皆無で民主党と前原代表になんとかしろといった論調で統一されている。
他の案件があるのだから、さっさと明快にして次に進め。ということでも一致している。

それにしても、民主党はどうするつもりなのだろうか?他から起こされた問題ではなくて、民主党の国家議員が誰にも頼まれずに自分の起こした問題である。
問題を起こしておいて自分で解決できないというのはお子様なら珍しいことではないから、本人は放っておくしか無いととしても、民主党の一部であったのは確かなのだから民主党が何とかするするべきところはあるだろう。
それが「自分じゃ出来ません」のごとき事をいつまで続けられると思っているのだ?
週末に横浜市長選挙と合わせて市議会の補欠選挙がある。4月になれば千葉で衆議院の補欠選挙だ。現在は選挙の真っ最中であって、党執行部が選挙現場の足を引っ張ってどうするつもりなのだ?
朝日新聞社説  「民主党  何をぐずぐずしている
自浄能力の余りの乏しさに、うんざりしている人も多いだろう。偽メール問題をずるずると引きずっている民主党のことである。
黒塗りのコピーだけで永田氏が本物と信じたのはなぜか。そうした肝心なことはわからなかった。
元記者に名乗り出てもらうのが一番手っ取り早い。ところが、そうした説得を永田氏や民主党が真剣に試みた形跡はほとんどうかがえない。
元記者に表に出られると、永田氏や民主党に不利な情報が暴露されると恐れているのではないか。そう勘ぐられても仕方があるまい。
読売新聞社説  「[永田議員弁明]「早く混迷から脱却して出直せ」
従来の説明と大きく異なる所はなかった。永田議員が偽メールを本物と信じた経緯はともかく、いわゆる情報仲介者が、なぜ、どんな目的で、どのようにして偽メールにかかわり、永田議員に提供したのかは依然、不透明なままだ。
大きな国政の混乱を招いた問題の重要性を考えれば、情報仲介者から事情を聴取し、全容を明らかにすることはやはり必要なことだ。
本来なら、早い段階で、民主党が情報提供者から事情を聞き、その内容を公表すべきだった。衆院懲罰委でも、今後、秘密会などで、情報仲介者から事情を聞くことも検討すればよい。
最も責任を負うべきは民主党だ。野党第一党への信頼を損ね、政権交代への道も視界から遠ざかっている。前原代表は、党内でも“死に体”とすら言われ、外交・安保ビジョンの策定の見通しも立たない。
民主党自身のつまずきによる“自業自得”の結果ではあるが、日本政治の活力までも損なった責任は重い。
産経新聞社説  「永田氏弁明 なぜ法的措置とらぬのか
最大の疑問は、なぜ偽物と断定したのか、その根拠がいまだに明確に示されていないことにつきる。肝心の事実関係が解明されない限り、けじめはついたとはいえず、民主党に対する国民の信頼も地に落ちたままである。
永田氏の弁明で腑(ふ)に落ちないのは、仲介者の身元公表を控えるとしたことだ。永田氏は「質問した当時、私は問題のメールを本物と信じきっていた」と語ったが、仲介者にだまされたのなら、もはや秘匿すべき“情報源”に値しない。しかるべき法的措置を取るのが筋だろう。
前原誠司代表はこの問題以降、精彩を欠いている。対応が後手に回り、政権を任せられる政党かとの疑念を招いた。だが挽回(ばんかい)策は偽メール問題の解明にこそあるのではないか。まず自らの指導力でメスを入れることだ。
西日本新聞社説 「早期決着を図るべきだ メール問題
この程度の説明なら、もっと早い段階で民主党が自主的に済ませておくべきではなかったのか。同党の対応のまずさが問題の決着を遅らせている。
民主党がメールを偽物と認めてから既に三週間以上経過するのに、この程度の説明しかできないのだろうか。偽情報を頭から本物と信じ、検証も加えず国会で質問した永田氏のお粗末さがあらためて浮き彫りになっただけだ。
四月の衆院統一補選など今後の政治日程をにらみ、民主党に対する攻撃材料として審議の引き延ばしを狙っているのなら、ほめられたものでもあるまい。
偽メール問題はきちんと検証しなければならないが、検証が終われば直ちに永田氏に対する懲罰処分を決めて、けりをつけるべきだ。

3月 23, 2006 at 08:28 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.03.22

横浜市長選挙・翌日開票は問題あり

読売新聞より「横浜市長選、翌日開票に総務省などから疑問の声
26日投票の横浜市長選は、16年ぶりに翌日開票される。
一般会計の市債残高見込みが2005年度末で2兆4128億円に上る厳しい財政事情の中、約3200万円の経費削減を当て込んで実施を決めたが、財政が苦しいのはどの自治体も同じ。
総務省は、横浜市の“決断”が他自治体に波及しかねないと懸念している。

開票が平日となるため、窓口のある横浜市の各区役所は要員確保に躍起だ。日常の窓口業務もあるため、開票作業にあてられる区職員は必要人数の56%。残りは市本庁からの応援だが、区役所サイドは「昨年の衆院選を経験した区職員に比べ、経験不足は否めない」と不安を隠せない。
開票立会人を何回もやっているので開票の実務には通じている方に入ります。
一番の問題は、区役所の職員が月曜日に投票に借り出されることで区役所の通常業務に差しつかえる可能性があることです。

そもそも、選挙の実務は準備段階から投票、開票と進むわけで、投票の締切が20時ですから、投票箱を開票所(横浜市の各区では各区一ヶ所だと思う)に集められます。ここまでの時間が青葉区では20時45分とかまで掛かります。
開票そのものは、ニュースに流れる画像「大きな作業台に投票箱をひっくり返して投票の山を分類する」作業を「開披」と呼びます。

開披(仕分け)→第一点検→第二点検→100枚単位に分ける→100枚か確認→集計(100枚束に番号を振る)→投票点検(立会人らが一枚ずつ点検)→最終集計

という手順になります。取りかかっている人数は最初の開披などが一番多く、作業的には早く終わるので開披を終えた作業者(区役所職員)の内で何人か後の作業に移る、といった方法で徐々に人が減っていって、最終的に開票事務が確認印を捺して実務終了となるころには、開披作業をしていた人たちは居ません(大体24時前後)

最後まで残っている区役所職員のほとんどは各部門(土木事務所や保健所からも動員される)の管理職ばかりです。つまり、最初は投票を一枚ずつ分類するなど肉体労働ですが、段々と集計されて相対的に管理業務が残るのです。

この実情から考えると月曜の開票では、多くの若手・区役所の職員が短時間本来の仕事が出来ないという問題と、管理職が長時間に渡って本来の仕事場に居ない、という問題が起きます。現場としては本来の作業時間ではない日曜の夜に選挙に関わる方が作業の割り振りなどの観点からは楽でしょう。
川崎市選管が、昨年10月の同市長選と市議補選の経費約3億8000万円を、翌日開票として再計算したところ削減額は600万~700万円。開票職員は650人で、削減効果は横浜市とほぼ同じであることから、阿部孝夫市長は「この額なら別の方法でも節約できる。
即日開票の方が市民サービスの点で優れているのではないか」とする。
松沢成文神奈川県知事も「県は即日開票のため機材準備の補助金も出している。人件費だけで割り切れる問題ではない」と疑問を投げかける。
現場を経験した者としては、翌日開票のメリットはほとんど無いと思う。

3月 22, 2006 at 12:36 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

イラク・ブッシュ大統領が危険信号?

産経新聞より「「内戦ではない」 イラクについて米大統領
ブッシュ米大統領は21日、イラク開戦から3年が経過したことを受け急きょホワイトハウスで記者会見、イラク情勢について「内戦には向かっていないと判断する」と述べ、イラクのアラウィ前暫定政府首相が示した「(イラクは)内戦下にある」との見方を否定した。

大統領は、イラク情勢について、移行政府の指導者らが宗派対立に適切に対応しているとの認識を表明。一方で「この先、さらに激しい戦闘も起きるだろう」と述べ、見通しの厳しさも認めた。
なかなか微妙ですね。
「内戦に向かっている/向かっていない」というのは今後の展開をどう予想するかということのようなので、そりゃブッシュ大統領が「悪化していて内戦になるだろう」なんてのは政治的な自殺ですから言うわけがない。

その上で

「この先、さらに激しい戦闘も起きるだろう」と述べた

というのは実質的に「内戦になるだろう」ということと同じとも受け取れますね。
危険信号でしょうね、日本も事が顕わになる前にさっさと現地から撤退するべきでしょう。国際的なおつき合いももう十分であると思います。

3月 22, 2006 at 09:00 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (2)

PSE・電気用品安全法の不思議

朝日新聞社説より「PSEマーク 4月実施は凍結せよ
新製品は施行と合わせてマークの取得が義務づけられたが、中古品については、販売が禁じられるまで5~10年の猶予期間が設けられた。この3月末には冷蔵庫などの白物家電を含む259品目が期間切れを迎える。

しかし、中古品の取り扱いは法律の条文では触れられず、これも対象になると経済産業省がホームページで明示したのはこの2月に入ってからだ。

リサイクルと安全の根幹にある制度なのに、「そんな話は聞いていなかった」という業者や消費者が多い。「法律なのだから、従って当然」という官のおごりがあったのではないか。
PSEマークは「電気用品安全法」で義務づけられるのですが「電気用品安全法」は昭和36年(1961年)の法律ですね。「電気用品取締法」(電取法)の名前が変わったのでしょう。

わたしはスライド映写機のメーカで勤めた時に電取法と付きあってました。メーカにとってはそこそこ厳しい法律だったなと記憶しています。少なくとも日本国内の工場に電気製品の安全を保証させることだけなら電取法は十分に有効に機能していたと思います。

法令データ提供システムで「電気用品安全法」を見ることが出来ます。
注目するのは何回も改正されているようで、附則が沢山あります。

基本的にメーカーに安全を保証させる法律ですから「事業者」が何回も出てきますが、
第三条  電気用品の製造又は輸入の事業を行う者は・・・・・
となっていて、中古品販売が電気用品安全法の「事業者」に該当するのかは条文からは不明瞭です。だから今回の騒動のきっかけがハードオフの問い合わせから始まったのでしょう。
そこで「電気用品安全法施行規則」を見てみると
第二十七条(販売の制限)
電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、第十条第一項の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。
2  前項の規定は、同項に規定する者が次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。
一  特定の用途に使用される電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列する場合において、経済産業大臣の承認を受けたとき。
二  第八条第一項第一号の承認に係る電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列するとき。
と販売が同列になっています。
これで中古品販売でもメーカと同列の検査と保証を義務づけたということなのでしょうか?
であるとすると、これは一種の「書き間違え」じゃないでしょうか?
メーカは新品を作るのであるからデタラメな製品を作ってはいけない、ということでメーカの技量を法的に規制するのは産業革命当時からある概念でこれに異存のある人は世界にもほとんど居ないでしょう。
さらに輸入品だから保証がないでは通用しないですから輸入業者にもメーカと同等な規制をする、これも分かる。
それが販売業者にも同列にかぶせることが出来るものか?当然、国内メーカが保証した製品を改めて販売店などが検査する必要はない
第十条(表示)
届出事業者は、その届出に係る型式の電気用品の技術基準に対する適合性について、第八条第二項(特定電気用品の場合にあつては、同項及び前条第一項)の規定による義務を履行したときは、当該電気用品に経済産業省令で定める方式による表示を付することができる。

第二十七条(販売の制限)
電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、第十条第一項の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。
となっているんですよねぇ。
中古家電品で問題になるのは、旧電取法時代のマークの無いものということなのでしょうか?
そうするとですね、今後も中古の輸入家電品については販売出来ない可能性が続きますね。日本国内で作られる製品にはマークが本体に付けられていますが、輸入品では保証書などの形で付いていることも少なくないでしょう。そして中古品では本体だけになると「マークがない」となるのでしょうか?
どうもこれは法律が世の実態を無視して出来てしまった法律のように見えますね。

3月 22, 2006 at 08:49 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

裁判員制度・意外と難しいかも

最高裁判所の裁判員制度に簡潔に参考になるデータが並んでいますが、その中に「裁判員制度の対象となる事件」に出ているデータが下記です。

総数3308100%
強盗致傷89026.9%
殺人79524.0%
現住建造物等放火2979.0%
傷害致死2778.4%
強姦致死傷2708.2%
強制わいせつ致死傷1414.3%
強盗致死1263.8%
強盗強姦1053.2%
麻薬特例法違反832.5%
覚せい剤取締法違反802.4%
偽造通貨行使792.4%
危険運転致死501.5%
銃砲刀剣類所持等取締法違反401.2%
通貨偽造240.7%
逮捕監禁致死150.5%
拐取者身の代金取得等150.5%
その他210.6%

なんでこのデータを引っ張ったのかというと「時速20キロでも危険運転罪」というニュースが16日に報道されました。この時には見逃していたのですが、先ほどResonce に「危険運転罪も「公判前整理手続き」でスピーディに一審終了」を見つけました。
昨年11月、北海道札幌市手稲区内で、信号無視を起因とした死亡事故を起こしたとして、危険運転致死と覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた41歳の男に対する判決公判が15日、札幌地裁で開かれた。
問題の事故は2005年11月8日の午前6時30分ごろに発生している。
「公判前整理手続き」が採用されたことで、初公判から判決までの所要時間は2週間程度に収まっている。
これを読んで「危険運転致死傷罪」も裁判員裁判になるのだと気づいて、裁判員に選ばれるとどんな事件の裁判に参加すること確率があるのか?を見てみました。
強盗致傷と殺人で50%なんですね。危険運転致死罪が1.5%というのはちょっと意外でしたが、どうも強盗や傷害などでは傷害でも裁判員裁判になるのに対して、危険運転では死亡でないと裁判員裁判にならないようですね。その結果、意外と少ないとなるのでしょう。

わたしは裁判員制度について以前から賛成の立場でした。今でも賛成ではありますが、最高裁などが説明しているよりも意外と難しいのではないか?という印象が強くなってきました。

裁判の傍聴も単に傍聴しているわけではなく、ホームオブハート裁判や平和神軍裁判、中西vs松井裁判とも片方(基本的には被告)を応援する立場として、関係者からかなり詳しく裁判の次の展開の予想などについて話を聞いています。その結果、やはり裁判とはかなり高度に専門化されている世界なのだと理解が進みました。

基本的に裁判は法曹(検事・裁判官、弁護士)以外の被告・原告が関わるので特に弁護士は素人向けの説明をしますし、裁判官も割と丁寧に説明します。他の業界の専門家の説明(例えば医師の説明)に比べると平均的には分かりやすいと思います。

裁判員裁判にはなりませんが、わたしが傍聴している裁判は3つとも名誉毀損の要素がありますが、名誉毀損裁判はとても分かりにくいもので、素人では特に勉強した人以外は名誉毀損裁判を理解していないのではないかと思います。
このような「専門家でないと普通は知らない」ということを裁判に当てはめた場合、一番気になるのが裁判官・弁護士・検事が「同意します」ということを裁判員が理解出来ない場合がありそうだ、ということです。

この「専門家どうしだから特に説明無く常識として分かる」というのは意外と多いのではない?と思うのです。
具体的な例を挙げることが出来るほどまだ考えていなのですが、例えばオートバイの事故を考えると「見えたから避けられる」というのが通用しないことは、オートバイを実際に運転したことがのある方には直感的に分かるのではないでしょうか?
オートバイは体重の移動で進行方向が変わるので、注視してしまうと(下手な場合は)本人の意志に反して見ている方向に進んでしまうことがあります。この場合「見えているか避けられるはずだ」と考えては間違えですが、こんな事を知らない人は多いのではないか?と思います。少なくとも知らない人向けに説明しないと分からないでしょう。
しかしおそらくは裁判官などは幾つも裁判を経験すればこんなことを理解しているでしょう。ここらの知識は「専門家の知識」と言って良いでしょう。

日本では素人に専門家が説明するという文化が無くて「専門家の業界人になれば自然に分かる」といった感じですし、技術的な交渉などだと互いに専門家同士に検討させて決定者(経営者など)は「あいつが良いというのだから」なんて基準で判断しています。
こういう日本文化の中で「法的に専門家の世界に素人を参加させる」というのは他にあまり例がないように思うのです。(学校などでは新入生を学校に合わせてしまう)というわけで裁判員制度は日本文化にあまりないことを行うことになるのかな?と思いついたのです。
そういう点で「意外と難しい」のではないだろうか?と思っています。

3月 22, 2006 at 01:46 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.21

永田議員・始まりが出てきた

Yahoo!NEWS より「野田氏 「堀江メール」経緯説明
民主党の野田佳彦前国対委員長は十九日、千葉県内で講演し、メール問題の経緯を初めて明らかにした。
要旨は次の通り。

永田寿康衆院議員が二月八日か九日にメールの写しを「すごい情報が入りました。見てください」と持ってきた。
「From(送信者)はライブドアの堀江貴文前社長だから消す必要はないのでは」と問うと、
「ごく一部の限られた人に送受信する関係なので(アドレスに)特徴がある。情報提供者が絞られるので消している」との説明だった。
口座送金(の不自然さ)については「そこは堀江前社長だから、ほかの人とは違う」とのことだった。

情報提供者は「ライブドアを辞めたばかりで、ホテルにかくまわれており、とにかく特定は避けたい」というのが永田氏の見解。
情報仲介者については「今は出版社を経営する元記者。長い間お付き合いした同志中の同志。自分の三十数年間の人生経験、人物観に照らして、この人がうそをつくようであれば、自分の全人格を否定するような話だ。全幅の信頼を置いている」とのことだった。

その後、(送金に使われたという)銀行口座情報も入ってきた。
(情報の)ライブドア関連法人名義の口座は存在していた。送金先の武部勤自民党幹事長の二男名義の個人口座も情報が入っていた。

情報提供者が特定されてはいけないので、永田氏が極秘裏に調査して質問するというスタートラインを決めた。

二月十六、十七日の質疑が終わって、これは永田氏個人の問題ではないと判断し、永田氏の議員宿舎で約二十分間、仲介者と会った。
名前は紹介されず、名刺交換もしなかった。
会うと三十代前半で大変に不安げな顔つきだった。「情報提供者を保護したい」と申し入れたが、「提供者に伝える」との回答だった。

メール問題の過失が重過失となり反転攻勢の流れをつぶしてしまっている。その責任を本当にひしひしと感じている。

(産経新聞) - 3月21日3時27分更新
この記事は、弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」さんの記事を見て気づきました。19日(日曜日)の講演での談話のようで、産経新聞が21日午前3時27分更新とのことですが、産経新聞も他の新聞社のサイトを見ても記事がありません。どういう事なのでしょうか?

弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」さんは「野田氏 「堀江メール」経緯説明 」
いきなり「すごい情報が入りました。」ではじまっているところに、この問題の本質が現れているように思います。入ってきた情報について、慎重に裏付けを取り確認後に動く、という、ごく基本的なことが全然行われていません。

また、情報仲介者を過度に信用するあまり、情報に対する最低限必要な確認、裏付けすら怠っているところにも、致命的な問題を感じます。
と述べていらっしゃいます。
わたしも同感です。
私が注目するのは
「From(送信者)はライブドアの堀江貴文前社長だから消す必要はないのでは」と問うと、

「ごく一部の限られた人に送受信する関係なので(アドレスに)特徴がある。情報提供者が絞られるので消している」

との説明だった。については

「そこは堀江前社長だから、ほかの人とは違う」

とのことだった。
これが会話の本筋であれば、「トンデモ本の世界」や「Xファイル」さらには悪徳商法にしばしば登場する「あなただけに教える極秘情報」そのものではないか。
こんな引っかかり方をするものか?落合弁護士は
情報仲介者を過度に信用するあまり、情報に対する最低限必要な確認、裏付けすら怠っているところにも、致命的な問題を感じます。
と述べられていて紳士的表現だと思いますが「こんなバカが国家議員をやっていて良いのかよ」という問題に他ならないだろう。
どうも、民主党の現在の執行部は「こんなバカなこと」ということ自体をいまだに理解していないのではないか?と思います。
問題が分からないから対応が出来ないというのでは話にならない。
今回、始まりがトンデモだったことは明らかになるのかもしれませんが、トンデモをトンデモだと分からない、ということこそが今の民主党執行部の致命的な問題点であると考えています。

3月 21, 2006 at 01:35 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (3) | トラックバック (0)

Winny対策・問題の本質を考える

「愛媛県警事件・どれほどの情報溜めていた?」にコンメントをいただきました。
手に入る限りの情報を溜め込むというのは、適切な検索手段さえあれば非常に便利なんですよ。Google が便利だと言うのと似ているかもしれません。 ですから、この例が特殊な性癖をもつ人間の特殊事例というわけでなく、利便性を追求すれば誰でもやってしまうようなことだ思うんです。 結局、利便性とセキュリティの間でどこに線を引くかと言う、ごく一般的な問題に帰着するのではないかと... ただ、Winny が動いている PC で作業するのは、公開 Web サーバや匿名 FTP サーバ上で作業すると同じか、もっと危険なわけで、そんなところに機密情報を溜め込むのは、どんな基準でも許されないのですけどね。
意見交換に発展するほどのコメントいただけるのは大変にありがたいことです。

kei-2さんのこのご意見はそれほど突飛ではないというよりも新聞社の意見などとあまり変わりがないと感じます。新聞社の記事には出てこないわたしの意見の方が異端の色彩は強いと思います。

注目したいのは「Winny が動いている PC・・・・・・そんなところに機密情報を溜め込むのは、どんな基準でも許されない」の部分で、対策を考えると「Winny を作業用のPCに入れるな」にするのか「Winny の入っているPCで作業するな」の二つの選択肢があることになります。

この二つの選択は実際には「Winny を入れるな」という方向しか働かないと考えます。事実、首相も官房長官も「Winny を入れるな」と記者会見までして言っています。
しかし元々私物のPCがあって、それを業務に提供しているのですから、全て人が「自分から進んで勝手に業務用に私物のPCを持ち込んできた」わけではないでしょう。警察などが組織として「私物のPCを持ってこい」と命令したことはさすがに無いとは思いますが、隣の席の同僚が持ち込んできた時にいつまでも「わたしは持ち込まない」と主張するのは難しくて、「アンタは家でバリバリにPCを使っているのだから持って来いよ」といった軽い圧力も含めれば、私物のPCを持ち込む方向に圧力があったと想像がつきます。

そして私物のPCを持ってきた人の中には Winny を入れているような人物も居た。これは事実だし、さらには家族が知らない間に Winny を入れたという例もあります。
私物PCであるのですから、業務用PCではあり得ないようなことも考えられます。
Winny 以外でも、ウイルスのチェックを全くしていないとか、業務上は考えられないサイトへのアクセス、業務上はあり得ないようデータの蓄積・・・・、「業務上はあり得ない」をキーワードにして幾らでも考えられます。

これは同じPCの中も「私物」と「業務上のデータ」を混在させたら当然起きることで、別に不法でなくても「そんなことを業務用のPCでやるものか!」となるのです。。
しかも「業務用PCでそんな私的なことをするか」と「私物のPCでそんな業務をするか」の両方向があります。
Winny については「映画をタダで見るのだから、そもそも著作権法違反」という意見は大きくは正しい指摘だろうと思いますが、エロ画像のストックなんてものを業務用PCにやったら職場は「いい加減にしろ」と言うには決まっているでしょう。個人の年賀状の宛名のデータとか住宅ローンの計算、家計簿といった具合に「業務に関係ないデータ」はいくらでも思いつきます。

会社が業務に使用するために設置した「会社のPC」にこんな「個人的な情報」を書き込んだら内容に応じて、色々な注意が飛んできて当然です。
それは「会社のPC。業務用」ですから、内容も含めて会社が管理して当然だし使用する個人も業務用と私物ではやることを分けますよ。
業務用のPCで会社の仕事をすることと同様に私物のPCで個人が必要とする作業をするのは当然で、

いったい私物PCの業務利用とはどうあるべきか?

ということの答えは出せるのでしょうか?わたしはムリだと思いますよ。
実際、首相・官房長官が「Winny を入れるな」という話も「Wiiny 自体は悪くない」とか何が何だか分からない話しになってしまいました。

そこまで不明瞭なことを続けるコストは業務用のPCを揃えるよりも遙かに高くなるでしょう。つまりこの問題の根っこは
「私物PCを業務に使うと管理できない」ということになって
「管理しないからから、不法に近いことも起きる」が実態となってしまって
「トラブルになってしまった」という構造であると思うのです。
予防という観点では

「業務用PCだけで作業すれば、ほぼ完璧に防げる」

なのですから、Winny を入れるのは良くないなんてことを言うまでもないです。なんで「業務用PCにするべき」という声が少数派なのかな?

3月 21, 2006 at 10:41 午前 セキュリティと法学 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.03.20

ホームオブハート裁判・今後の予定

「ホームオブハート裁判・2006/03/13」の書き出しは
何度も書いているのですが、すでに2年近く付き合っている裁判ですが、いまだにどんな事件なのかあまりよく分かっていないし、それを説明するのはもっと大変でこういう記事を書いても間違えなく伝えることが出来ているのか自信がありません。
と頼りなく始まっていますが、幾つかわたしが理解していないことがありますが、その一つが今後の裁判の進行がどうなるのかが分かっていない、という面があります。

ホームオブハートとToshi問題を考える会「最新情報」に次回以降の裁判の進行についての説明が出ました。
次回以降は、ホームオブハート側関係者の尋問が当分続きます。
現在のところ尋問が予定されているのは、Toshiこと出山利三、森谷香こと出山香、加田順子の各被告ないし被告会社の代表の他、2名の女性スタッフです。
この裁判の被告は(厳密ではないかもしれないが)大きく、(株)トシオフィスと(株)ホームオブハートに分かれて、実際の法廷でも双方の弁護士が出てきています。
トシオフィスの代表がToshiこと出山利三で、ホームオブハートのリーダー(役職にはついていない)がMASAYAこと倉渕透ですが、上記の説明では倉渕透は法廷に現れないようですね。この点を「最新情報」は次のように述べています。
ホームオブハートの「ゼネラルトータルプロデューサー」を自称するMASAYAこと被告倉渕透氏にも、ぜひ法廷に来て直接証言していただきたいと思います。
前々回、前回と続いた証人尋問ではずいぶんすごいことが起きていたのだな知ったわけで、被告側の主張も聞いてみたいものです。
多くの民事裁判では書面のやり取りばかりで「傍聴しても良く分からない」と言われますが、この裁判は当事者は大変でしょうが、まれに見る変わった事件でもあり傍聴しがいがあります。

今決まっているの裁判の予定は次の通りです。

3月28日(火)午前10時30分~ 東京地方裁判所  611号法廷
5月16日(火)午後 1時15分~ 東京地方裁判所  611号法廷
6月 5日(月)午後 1時10分~ 東京地方裁判所  611号法廷

3月 20, 2006 at 05:08 午後 裁判傍聴 | | コメント (1) | トラックバック (1)

読書・ウェブ進化論その2

「読書・ウェブ進化論その1」の続きです。

「ウェブ進化論」は全体として、Google などを取り上げて「あっちの会社」といった説明をして、あっちの世界がこっちの社会と競争して勝つだろう、というトーンで貫かれています。
これ自体は現実に Google を有料会員制ネットワーク検索なんて仕組みで凌駕することが不可能であることを考えても正しい指摘でしょう。

そしてこの指摘は「今までの社会を壊すぞ」という意味であり、有料会員制パソコン通信が崩壊した例から考えても一部では確実であると思います。

しかし、このようなネットワーク社会が現在のカスケード構造社会を全面的に壊して無くしてしまうことは直感的にはありそうもない。

しかし一部では既存のやり方にネットワークが確実に影響しているところがあって、大企業ではインターネット上の情報や顧客の意見に極めて大きなコストを掛けて対応しています。 わたしが印象的に覚えているのは「HDD付きDVDレコーダーがインターネットを攻めてくる」で紹介した、DVDレコーダーがネットワークの踏み台にされてしまった事件です。これはたまたまブログに書かれて盛り上がったわけですが、メーカの東芝はかなり素早く対処しました。東芝がネットワークをチェックしていたから素早く対応できたといって良いでしょう。

つまり実社会や商品・サービスといった商業・実務活動に個人がインターネットに流す情報は確実に影響しているのです。
これが、直接的に影響しているのが「相談事」で相談を仕事にしている「士業」の方々の業界には多大な影響を及ぼしています。
誰が考えても「悪徳商法に引っかかったのだが」とかだとネットワークに相談するでしょう。この相談を出発点にして裁判になるといったことも当然あるわけで、この間には内容証明がどうのこうの、といったことになっていきます。これらは元々士業(弁護士・行政書士など)の方々が専門に引き受けることであって弁護士法などで「素人はお金を取って弁護士の仕事をしちゃダメよ」と書いてあります。

しかし「法律的な相談を、専門家にしかしてはいけない」でないのは社会的常識であって、たまたま知人にちょっと法律に詳しい人がいたら相談するのが普通でしょう。この「普通のこと」をインターネットを利用することで弁護士さんが個人的に持っているネットワークを遙かに突破してしまう多くの人の回答が出てきてしまいます。
もちろんネットワーク上の特に匿名での回答と契約して回答してくる弁護士さんの回答のどちらが信用できるのだ?ということを比較すれば、普通は弁護士さんの回答ですが中には弁護士さんよりも良い回答があるかもしれません。

結局は新たに出てきたネットワーク構造と従来のカスケード構造社会を比較して、どちらかが取って代わるわけではないというのはこの説明からも明らかでしょう。
では Google とはなんだったのか?これが「ウェブ進化論」の指摘している重大なところで、わたしの理解では「タダ同然でかなり高品質な情報を流通させることが出来ます」から話が出発するのですね。
この出発点を元になんらかのビジネスを考えるというのは分かりますが、それがすべてのビジネスを変えてしまうなんてことはムリで、例えばミスを許されない多くのビジネスや、極めて小さいとか狭い専門的な分野について広く一般に情報を回してもあまり意味がないでしょう。

社会のビジネスなどを中心とする世界はカスケード構造で出来ている方がコストが安いというのは、おそらく確実でそこにネットワーク構造をどう取り入れるのか?ということが今の問題なのでしょう。
まだまだ分からないことが多すぎます。「ウェブ進化論」の指摘は鋭いとは思いますが、すべてに回答しているのではないでしょう。個人がネットワークに関わるだけ、というきわめて小さな力も大きな影響を及ぼしうるという指摘こそがこの本の重要なところかもしれません。

3月 20, 2006 at 12:00 午後 ネットワーク一般論 | | コメント (0) | トラックバック (1)

愛媛県警事件・どれほどの情報溜めていた?

読売新聞より「個人情報延べ4400人、供述調書も…愛媛県警流出
愛媛県警の捜査資料がファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介してインターネット上に流出した問題で、県警は19日、捜査1課の警部(42)のパソコンから流出した被疑者や被害者、捜査協力者などの個人情報は延べ約4400人分に上り、窃盗事件などの供述調書も含まれていたと発表した。

県警が具体的な流出規模を明らかにしたのは初めて。ウィニーによる警察の個人情報流出としては、今回が最大規模になるとみられる。
「愛媛県警・Nシステム情報流出」を書いたのは「こんな情報まで取り込んでいたのか!」という驚きであったのですが、今回の報道で「やっぱりね」と思うところですが弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」さんが「何でもかんでも自分のPCに取り込んで、ため込む人だったのだろうと推測します」とスッパリと書いていらっしゃいます。

こうなると、どんな情報が流出したのか?という興味が出てきますが、これについては県警は
具体的な内容は「情報の拡散を招き、関係者の保護の支障につながる」として公表しなかった。
と当然だろうなという反応でした。
しかしながら、問題の警察官が一人でどれ程の情報を溜め込んでいたのか?はやはり問題でしょう。

これを明らかにするのには溜め込んでいたファイルや元の文書の数、さらには取り上げていた事件数(一人の警察官が関与する事件数を遙かに超えるだろと予想します)といったものが明らかになると分かると思います。

ネットワークを利用してメールのやり取りをしているだけですぐに何万という情報がPCに蓄積してしまいます。それをどう管理するかは非常に深刻な問題で「HDDを捨てるな」なんて話になるのも当然です。
問題の警察官はそういう危機意識が無かったのでしょうが、個人にとって強力過ぎるパソコンの情報蓄積力といったものは「情報を溜め込むとそれ自体が暴走(管理のしようがない情報の蓄積)」になってしまうと思いますから、ここを明らかになると良いですね。

3月 20, 2006 at 10:29 午前 セキュリティと法学 | | コメント (1) | トラックバック (0)

信用保証協会・個人連帯保証を取り止め?

日経新聞より「信用保証協会、連帯保証を原則廃止・中小企業の負担軽減
経済産業省は国が認可する各地の信用保証協会が手掛ける信用保証制度で、「連帯保証」を原則廃止する方針を決めた。
う~ん、どうなんだろう?
基本的に、信用保証協会は貸出の保険だから、その保険について借り手に個人保証を求めるとは保険じゃないだろうという指摘はあって、はっきり言えば審査をロクロクやらない言い訳になっていた面もあった。
しかし、信用保証全体の縮小になると貸出が減ってしまうよね。
いいのか悪いのかちょっと分からないな。ま、不自然であったことは確かで、保険リスクが高いのなら保険料である保証料の引き上げで対処するべきことは確かではある。

3月 20, 2006 at 10:09 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (1)

Winny対策・朝日と産経の社説

今日の新聞社社説で朝日新聞と産経新聞がウィニー問題を取り上げています。

朝日新聞社説より情報流出 ウィニーだけではない
ウィニーだけを悪者にして、使わなければすむという話ではない。情報を勝手に流すウイルスはほかにもあるからだ。これからも新手のウイルスが出てくると考えた方がいい。ここは、ネット時代の情報の扱い方について根本的に考え直すときだ。

何十万人分もの情報でも、膨大な捜査資料でも、今は小さなハードディスクに入れて持ち運ぶことができる。紙しかない時代だったら、持ち出すことさえ考えなかったはずだ。持ち運びの容易さが、取り扱いの安易さにつながっている。

厳重な取り扱いが必要な情報は、私有のパソコンには入れないのが鉄則だ。漏れてはいけない情報を扱う部門では、きちんと予算の手当てをして、業務用のパソコンをそろえるべきだ。

個人でパソコンを使っている人も、ひとごとではない。知らないうちに手元から大切な情報が流れ出ているかもしれない。ウイルス対策用のソフトをいつも最新の状態にしておかなければいけない。

ネット時代はこれまでの常識が通用しない。そのことを一人ひとりが心に留めておきたい。
この朝日新聞の社説の大部分は今後の対策として有力な手法に新聞報道としてようやく言及したと思います。
しかし、最後の一文はそれを割り引いてしまう危険があるのではないか?現実は個人の意識の問題というよりは警察や企業が業務用PCに投資するかという問題であり、警察だけでも数十万台のPCを用意しなければならないということだろう。そっちの方がよほど「個人の意識が」という指摘よりも重要なのではないか?

同時に出た産経新聞社説ウィニー このままではIT途上国」は朝日新聞社説と比べるとずっとひどいと思う。
ウィニーを介した情報流出は三年前から起きている。個人情報や機密を扱う官民の組織では、すでに予防策が講じられていて当然だ。にもかかわらず、どうしてこれほど事故が頻発するのだろうか。

結論から言えば、情報を扱う職員や社員の意識の甘さに第一の原因が求められる。仕事で使うパソコンに、決してウィニーを入れてはならない。これは常識だ。各組織は責任を持ってウィニーチェックを行うべきである。

海外にもウィニーと似たファイル交換ソフトはあるが、日本のような情報流出騒ぎはあまり聞かない。欧米では業務データの自宅持ち帰りなどが厳しく制限されているためらしい。

日本では、そのけじめがついていないのに加え、忙しくて自宅に戻って仕事を続けることも少なくない。職場で支給されるパソコンの数が足りず、やむなく私物を使う例もある。こうした労働のあり方も情報流出を起きやすくしている。
話の順序がおかしく無いか?
労働環境が悪ければ役所から情報流出が起きても仕方ないような国なのか?
なんで予防策が「社員の意識」とか「「仕事で使う私物のパソコンの仕事以外に使ってはいけない」といった論旨になってしまうのだろう。極めて論理展開に無理があるというべきではないか?
両社の社説ともに「私有のパソコンの業務利用」が問題であると指摘したのは正しいのだが、その上で業務用パソコンを緊急で配備する防衛庁の対策に全く言及しないのはどういうことよ?
これには暗黙の内に新聞社などがネットワーク利用の拡大に反発している現れではないのかね?

3月 20, 2006 at 10:01 午前 セキュリティと法学 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.03.19

読書・ウェブ進化論その1

アマゾンの和書で売上ランキング6位(2005/03/19 08:40)の「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」梅田望夫著 ちくま新書 を読了しました。

著者の梅田氏は1960年生まれで1973年に慶應義塾の中学でコンピュータに触れたそうです。
80年代になるとパソコンが実用化されます。その以前の70年代にコンピュータに触れるとは、大型コンピュータでカードパンチやバッチ処理時代を実体験しています。わたし自身も同時期に大型コンピュータを使っていて、自分のコンピュータを所有することにあこがれていて、パソコンの登場に感激した人たちの一人です。梅田氏は「パソコンの登場した時代の人」として代表をビルゲイツであるとしています。

しかし、Google の創業者が1973年生まれだから「コンピュータを私有できること自身には感動しなかった」P219 には「そうかPCの所有そのものに、それほどの意味が無いのか。そらそうだろう」と納得してしまいました。
この本は基本を Google とは何かをベースにして社会を論じています。

わたしは、ネットワーク構造の社会を非常に重要視しています。ネットワーク社会とは元々人類が持っていた社会構造のはずで、近代の社会組織の基本であるカスケード構造が確立したのが近代になってからだろうと考えています。
ネットワーク構造では原理的にノードがありますが、血縁の族長のようなところがノードでもあったのでしょう。それが経済とか法律が出来るに従って、法治や支配として上位下達構造が出来ていきカスケード構造の社会が出来たのだと考えています。

国の運営といったことは上位下達である方が明快だと思いますが、経済はコストの競争で決まりますから自由放任で地方あるいは地域だけの経済が徐々に進歩して全国規模になっていったのでしょう。
これには通信の進歩が非常に重要な意味をもっていて、通信を集中させることで全体を素早くコントロールできることを証明したのが、第一次大戦のプロイセンの陸軍参謀総長モルトケで、計画的に電話網を作り参謀本部が前線を指揮して、能率を向上できることが証明されました。

このことが、全国レベルで上位下達(カスケード構造)を実行できる事を証明しました。企業や学校も軍隊組織をマネし、通信能力を向上させることで、大規模になっていったと考えています。実際に20世紀はカスケード構造で国家も会社も成り立っている社会でありました。
現代人は国家による中央集権的統治をあらゆる面で認めています。商品や技術において「国家規格」があることを当然としています。大岡越前守が大工の尺(モノサシ)を統一して江戸の橋の工事をしたという話(伝説か?)もあります。これはこの当時は日本全国ではモノサシが統一されていなかったことを伝えています。
建築では「京間」とか「団地サイズ」といったローカル規格があるわけですから、全国から大工を集めて橋を作るという工事に規格とか基準といったものに直面した時のとまどいは大変なものだったでしょう。

何を言いたいのか?というと現在の世界標準である国家の国内統治や国際規格といった概念が意外なほど短い期間しか使われていないので、カスケード構造ではない世界観を考えてみることも出来るだろう。ということです。 ところでネットワークは国家レベルのカスケード構造よりももっと身近で日本の会社では会社の指揮命令系統とは別に県人会とか同期会といったいわば横串的な組織があることが多いです。これによって会社の組織にもネットワーク構造があり「あの話は、○○部のAさんが詳しい」なんて話が出てくるのです。

個人が県人会とか同窓会といった個人レベルでの知り合いを作るのに会社の構造と同じことをやるのは、コスト的に個人ではとても出来ない、というのが個人が知り合いを組織化できない最大の理由でしょう。これを無理矢理やっているのが政治で、政治家の組織作りには大変に費用が掛かります。
それがインターネットによって技術的にコストダウンが出来たので、個人がネットワークを作ることが可能になってしまった。
このインターネットがコミュニケーション=ネットワーク構築をタダ同然までコストダウンしたことに着目したところが「ウェブ進化論」の中核です。

しかし、個人がネットワーク利用をすることがタダ同然になったとしても、なんらかの形でビジネス展開をしないと社会に定着しません。これは恐ろしく難しいことで「原価はタダですが、お金を払ってください」と言ってもほとんどの人は払わないでしょう。タダのモノから何らかの価値を生み出すというのは全く別のビジネスを作る必要があるでしょう。
梅田氏はそれを「Google がやっている」として「あっち側の会社」としています。

3月 19, 2006 at 11:27 午前 ネットワーク一般論 | | コメント (0) | トラックバック (2)

Winny対策・教育は決め手じゃない

日経新聞社説より「ウィニー対策へ安全管理教育の徹底を
ファイル交換ソフトの「Winny(ウィニー)」による情報流出事件が拡大している。原子力発電所の保守情報や自衛隊の内部情報に加え、岡山県警や愛媛県警の捜査資料がネット上に流出、首相官邸も問題にし始めた。
その多くは業務用と私用のパソコンの使い分けがきちんとなされていない点に起因する。
問題解決へ企業や国を挙げて本格的な防衛策を導入する必要が出てきた。

まず業務用パソコンと私用パソコンとは明確に区別する必要がある。経費はかかっても、各人に業務用パソコンを配布してファイル交換ソフトの使用を禁じ、個人のパソコンは仕事には使わせないことだ。

パソコンの使い方は多くの組織で指導しているが、セキュリティー教育まで実施しているところは少ない。特にネットで流出した情報は回収が不可能なため、安全管理教育を徹底し、従業員個人の自覚を高めなければならない。
対策を「業務用パソコンと私用パソコンとは明確に区別する必要がある」としているのだが、結論が「従業員個人の自覚を高めなければならない」になるって意味不明に近いではないか。

最近は業務に私用パソコンを使うことを従業員が進んでやる場合はほとんど無いだろう。職場が私用パソコンの持ち込みを認めていて、かつ業務用PCを配付しない場合に限られると言って良いでしょう。
SOHO事業者などでは、業務と私用の区別がついていない場合もあるだろうが、問題になるのは「お役所の私物PC利用の実態」で紹介したように、組織として私用パソコンの使用を認めているところから情報流出が起きているのは事実であって、日経新聞社説も「業務用パソコンと私用パソコンとは明確に区別する必要がある」としているのだから、もし「従業員個人の自覚が高くなれば」、従業員は私用パソコンを職場から引き上げてしまって業務に差し支えが出るのが当然だということになる。

確かに従業員が自覚を高めて私用パソコンを業務にしか使わなくなるというのは可能性としてはあるだろうが、そさでは私物を職場に提供するということになってしまうではないか。
なんで日経新聞社説はこんな分かり切ったことをスッパリと切ることが出来ないのだろうか?
逆に言えば日経新聞ですら言えないから「業務に私用パソコンを使わせない」という当たり前ことが防衛庁でした対策されず、これだけ問題を起こしても対策を進めることが出来ない最大の理由ではないのか?

わたしはネットワーク利用が社会をネットワーク的に機能するようにすると、既存のカスケード構造の社会と衝突すると考えているのだが、このために既存のカスケード構造の社会に無理矢理ネットワーク利用を押し込めようと意識・無意識のうちに考えているからこんな社説になってしまうのではないだろうか?

ネットワーク利用は情報交換のコストを事実上タダにしてしまうから、カスケード構造社会とネットワーク利用社会が競争しないでうまく利用して並存しようとしても、個々の場面で確実に負けてしまう。
おそらくネットワーク構造の社会はビジネスでは過半数を超えるようなことになるのではないだろうか?
しかし、法律の支配といった点は上位構造を認めないわけにはいかないから、すべてがネットワーク構造社会になるというのはイメージ出来ません。
この社説にはこんなところの「闘争」が見えているのかもしれません。

3月 19, 2006 at 08:34 午前 セキュリティと法学 | | コメント (3) | トラックバック (1)