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2006.03.18

お役所の私物PC利用の実態

毎日新聞より「ウィニー問題:防衛庁の公務PC、私物が半数、警察は4割
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介し捜査情報などの重要データがネット上に流出した問題で、毎日新聞は府省庁や地方自治体、警視庁、道府県警など計123機関から聞き取り調査を行った。
防衛庁を除く府省庁や自治体では公用パソコンの配備が進み、業務で使われるパソコン(PC)のうち、私物PCはわずか0.1%だったのに対し、防衛庁では約半数、警察では約4割が職員の私物を使っていた。

調査対象は、内閣府、総務省など15府省庁と47都道府県、14政令指定都市、警視庁など47都道府県の警察。

15府省庁では計約37万4000台のPCを公務に使用していた。うち約7万台が職員らの私物で、そのほとんどは防衛庁で稼働していた。
なかでも陸上自衛隊では公用が約2万台なのに対し、私物は3倍を超える約6万3000台にのぼった。

内閣府、総務省、農林水産省、文部科学省   私物はないと回答。
都道府県や政令指定都市、で私物PCが公務使用されていたのは、奈良、岡山の2県のみ
都道府県警察で私物PCを公務使用していないのは、公用PCを3万5000台導入している警視庁のみ
47のうち4割近い18府県警が公用PC台数よりも私物の方が多かった
「Winny 問題・話が違うだろう」は官房長官が記者会見で「Winny をインストールしなければ問題は無い」と取れる発言をして、マスコミも「とにかく Winny が良くない」といったトーンで統一されているのを批判し、私物のPCで仕事をするのが問題だ、と主張したものです。

毎日新聞の記事は「防衛庁と各県県警が飛び抜けて私物PCを使っている」と明らかにしたのだが、仕事に私物のPCを使用すると現実の情報流出に直結というかほとんど正比例の関係になっているではないか?

予算が足りないとか言っているようだが、自動車一台でPCは10台から30台ぐらいは買えるし、3年ぐらいは使えるだろうから、30~100台のPCを自動車一台で買える。早い話がどうにでもなることで、個人が買える私物PCがあるのに、組織が予算がないから買えないなんて話が通用するわけがない。

PCなんて私物で良いと考えた

に決まっているだろう。Winny 以外の情報流出ウイルスである山田オルタナティブについてもようやく新聞に記事が出た。これだけでも「Winny を入れないのが一番」というわざわざ官房長官が記者会見で発表した内容が吹っ飛んでしまった。

情報流出の定義を考える必要があるだろう。今回の一連の Winny 騒動で、何年も前に業務用のPCの不具合があったので、一時的に私物PCにデータを移して作業し、業務用PCが使えるようになったので私物PCをそのまま私用していてい、だいぶ経ってから Winny を入れたらHDDに残っていた情報が流出した。という事件があった。

この場合、情報が流出したとは「何時だとすれば良いのか?」個人であるからいずれは退職するだろうし、退職しなくても他部署に移動することはあるだろう。その時に私物のPC内の情報はどうするのだ?
個人情報保護法を守ると称して、営業社員が退職するときに営業手帳を取り上げる=営業ノウハウの取り上げ、といったことが問題になっているが、PC内の情報はノウハウといったアイマイなものではなく、名簿とか記録といったもっとずっと危うい(クリティカルな)情報であろう。

事件の実態を見れば私物PCで仕事をさせた場合、その中の情報を管理することが極めて大変でこんなことなら業務用PCを使わせる方が簡単だ、ということになる。
予算がないから私物PCを業務に使ったから後で何倍ものコストが発生する、ということが問題でもある。対応は早ければ早いほど良い、少なくとも防衛庁が一気にPCを導入するのは現時点で取り得る最善の対策でありましょう。

3月 18, 2006 at 08:51 午前 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.03.17

ブログで名誉毀損・

毎日新聞より「ブログ小説:元社員に「名誉棄損」で賠償命令 京都地裁
インターネットのブログ(個人の日記風簡易型サイト)に書かれた小説のモデルにされ、名誉を傷つけられたとして、京都市内のタクシー会社が元運転手の男性(58)に慰謝料など1100万円の賠償などを求めた訴訟で、京都地裁の中村哲裁判官は16日、「社会的評価や信用を低下させた」などとして男性に100万円の支払いを命じた。

判決によると、男性は04年4~5月、24回にわたり同社をモデルとした小説をブログに掲載し、「社内で運転手が飲酒し、管理職も放置」「幹部が会社の金を横領」などと表現。
会社や幹部は仮名だったが、自己紹介で会社や自分を実名表記した。同社は小説掲載を理由に解雇したが、男性が解雇無効を求めて提訴。男性が05年2~3月に全回分を再掲載したため、会社側が反訴していた。

ネット問題に詳しい岡村久道弁護士(大阪弁護士会)は「ブログでの名誉棄損を認定した判決は聞いたことがない。
今後は同様の問題が増えると予想され、警鐘になる」と話している。
わたしが今傍聴している裁判の半分は名誉毀損事件ですし、ネットワーカーとしては非常に身近な問題でもあります。
しかし、報道から見る範囲では「あら、やっちゃった」が感想です。
(被告)男性は判決後、「内容は事実。今後もブログで公表していく」と話した。これに対し、同社側の弁護士は「場合によっては名誉棄損での刑事告発も検討せざるを得ない」としている。
この被告、自分の勤務先の会社の名誉毀損を含むブログを著した。それを理由にして解雇された。解雇無効の訴訟を起こし、同時にさらにブログを発表したから会社は反訴として名誉毀損で訴えた。そしてひこく男性は地裁敗訴した。しかし「事実だから公表していく」ですね。

名誉毀損裁判の被告になるととても大変で、はっきり言えば裁判にならない途を探るべきです。
なにしろ被告側が名誉毀損ではないことを証明する必要があります。これはわたしも2004年春まで誤解していた点で、名誉毀損の原告は名誉毀損に当たることを証明する必要がある、あるいは被害が発生したことを証明する必要があるだろう、と思っていました。
「原告の挙証責任」という観点だと「悪口を言われた(書かれた)ことによる損害の証拠というのはなかなか出せないだろう」と思ったのですが、これが大間違いでした。

よく考えると名誉毀損とは基本が「名誉感の毀損」なのですから、その証明は極めて困難で証拠を要求したら名誉毀損罪のほとんどが成立しなくなってしまいます。

そこで「事実として悪口を言った(書いた)」だけで「とりあえず名誉毀損の条件は満たしている」としています。
だから被告側は「悪口を書いたが、名誉毀損ではないと、証明する」なのです。まず悪口を言っている、だがそれは名誉毀損ではないと主張する。これは難しい。

なんでこんな事になっているのか?は、どうも法律が出来たときに「公然と名誉を毀損した者は」という条文から考えると、印刷するとか雑誌・新聞に掲載するといったことが「公然と」であるから「とてもお金の掛かること」と考えている法律なのではないか?と思います。ところがインターネットによって「お金が無くても公然と意見を発表できる」になってしまったので、被告側の挙証責任が重く見えるのだと思います。

逆に言えば、こういう法律があるのだから「それなりに慎重に発言する」ことが要求されているのですが、今回の事件の被告のように「事実だから続ける」ではなかなか難しいですね。
どういう内容なのかな?うまくやる方法はあったのではないかと思います。

3月 17, 2006 at 11:53 午前 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (2)

弁護士欠席事件・その3

「弁護士欠席事件・その2」は、事件の問題や、死刑の是非といったことよりも法的秩序を弁護士が直接的に破壊することは極めて危険なことだ、という観点で書いたつもりです。

blog を「母子殺害」をキーワードにして検索したところ、キーワードのせいか読んでみた20ぐらいの blog の事実上すべてが、裁判の遅延、死刑の是非、安田弁護士といったところを論じていて、わたしの考えているような問題を論じている blog には出会いませんでした。

安田弁護士の行為は最高裁で行われたのだから、より上位の法律手続きが無い所でやっちゃったことなんですよね。 弁護士欠席事件の法的な正否を決するのは、最高裁を裁くことが出来るところでやる、とか言うのでしょうか?

技術論は別にして、これでは哲学や宗教の領域に入ってしまい、法的な解決が出来なくなってしまいます。 わたしは弁護士が最高裁を舞台にして「法的解決をしない」と宣言したようなものだ、と恐ろしく感じます。

blog を調べているうちに宮崎学氏「弁護士安田好弘を擁護する」を論じていました。
毎度言うのもアホらしいが、大きな刑事裁判のたびに巻き起こる「早く終わらせろ、早く吊るせ」的な世論にまたも迎合する司法官僚とメディアの姿が露呈したと指摘しておく。
宮崎氏が主張としてご自分の考えを述べることは重要だし、最大限の擁護をされるべきことで、かつ裁判制度自体がダメであると主張することも重要な批判であると思います。

問題は安田弁護士は実力行使をした

ことでありましょう。 実力行使つまり暴力では人類社会はあまりにコストが高いということで、法的秩序を守るということを何千年も掛けて作り上げてきたのです。
今も将来もこれは作り続けていかなければならないことですが、実力行使はある意味で簡単に何千年も掛けて作ってきた法的秩序=人類の知恵の結晶を破壊できます。

代表は戦争でしょう。法的秩序に対する実力行使とは暴力や破壊、戦争といったことと極めて近いところにあるでしょう。
政治的な範囲では革命と言う場合もありそうです。

会社内の勢力争いで暴力沙汰になる、といったことはたまにあることで、無くすことも出来ないと思いますが、それらの全てを最終的に社会的にまとめるのが最高裁である、とわたしは理解しています。
それをぶち壊したらどうなるのか?
今回のもっとも重要な問題は、この一点に尽きるでしょう。
「わたしが法だ」と思い込んでいるのではないか?という印象しか受けません。
これでは実務の世界からはお引き取り願うしか無いです。


【追記】
さらにリンク先をいくつか読んでみたら
こういう事情だから、仕方ないと考え直した
として安田弁護士の行為を妥当であるといったご意見を述べている複数の blog がありました。しかし、個々の事件に「事情を考慮すると」といったことを最高裁の開廷にまで及ぼして良いものか?
開廷を延期することが容易に出来るのであれば、いくらでも裁判を引き延ばせることになってしまう。
まして「最高裁の判決が予測できるから」ではどうしろというのですか?
最高裁の判決とは色々文句や問題があっても社会的にここらに落ち着けると決めることでしょう。決めることを延々と延期すること自体は最終的には明らかに許されない。今回の事件は、いきなりドタキャンして最高裁が怒ったのではないです。延期について弁護士と最高裁は交渉した後に最終的に欠席しました。
弁護士は延期について主張しています、そして主張が認められないから欠席した、以外のどういう解釈が出来るのでしょうか?いったいどこが「社会の多くが納得できる、延期する事情」であると言えるのでしょうか?

3月 17, 2006 at 10:07 午前 事件と裁判 | | コメント (6) | トラックバック (2)

アメリカの経常赤字

読売新聞社説より「[米経常赤字]「潜在リスクを未然に回避したい」
2005年の米経常赤字が前年比2割増の8049億ドル(約95兆円)に膨らみ、過去最悪を4年連続で更新した。

ブッシュ政権が発足した2001年から倍増し、国内総生産(GDP)比で6・4%に達した。
ひえ・・・・・、そんなことになっていたんだ。
経常赤字ですからアメリカの輸出入が赤字だとということで、すごい金額ですがアメリカは国債をはじめとして他国に借金が出来る信用がありますから、他国は投資という形で資金をアメリカに戻しています。
読売新聞社説は以下の指摘をしています。
しかし、順調に見える現在の資金の流れが、ひとたび崩れたら、好循環は悪循環に変わる。その時、起きるのは次のような悪いシナリオだろう。

各国が米国への投資を見直し、資金流入が収縮する。その結果、米長期金利が急上昇して、住宅投資にブレーキがかかり、個人消費も委縮して、景気が減速する。米国の輸入減少は、輸出頼みの各国経済に打撃を与える。

不均衡是正には為替調整しかないとの思惑が広がり、ドルの信認が揺らげば、大幅なドル安が進む。為替乱高下は株式市場の混乱も招く――。

もちろん、そうした破局のシナリオに陥らないよう、各国の政策当局は様々な対策を講じるはずだ。

だが、巨大な米経常赤字をいつまでも維持できる、と楽観するのは禁物だ。
ハードランディング・ソフトランディングということなのでしょうか?
「赤字のたれ流しをいつまでも続けるわけにはいかない」に尽きるのですが、今後どういう展開になるのでしょうか?
あれこれ考えると、かなり大変なこともあり得ますね。

3月 17, 2006 at 08:51 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.16

愛媛県警・Nシステム情報流出

毎日新聞より「愛媛県警:Nシステム情報流出か 車10万台ナンバー
「各種事件のN資料」と名付けられたフォルダー内のファイルは、いずれも99年の日付で、ほとんどが1日単位で区分されていた。この装置を設置した愛媛県や香川県、徳島県の国道、高速道路を通過した車のナンバー、通過日時が保存され、記録は約10日分、延べ約10万台に上った。

警察庁はこれまで国会での質問に対し「重要事件で使用された車や盗難車など手配車両のナンバーと照合するために使っている。アクセスする者を制限し、一定期間保存した後に消去される」などと強調したうえで、ナンバーは公開された情報で収集に問題はないと説明してきた。
一捜査員が10日分・10万台の通過車輌のナンバーのデータを持っていて何とかなるとは到底思えないのだが、どうするつもりだったのだ?

問題の捜査員が個人的にNシステムのデータを無理矢理盗み出したということであれば、愛媛県警の情報管理の問題だし、愛媛県警が捜査員の私物のPCに持ち出すことを了解しているのだとすると「10万台のナンバーのデータを個人がどう扱うと考えたのだ?」にしかならない。

警察をことさら貶めるつもりはない(知人もいるし)が、それにしても「どうするつもりだったのだ?」にしかならないぞ。


10万のデータをたのデータと突き合わせをするのには、例えば陸運局のデータと突きあわせないと役に立たないのは自明でしょう。
横浜市青葉区は横浜市長選挙と横浜市議会議員補欠選挙が同時に行われるのですが、わたしは選挙で名簿の整理をしたことがあります。ざっと2万人のデータを点検して重複の無い名簿を作りましたが、その手間は莫大なもので個人の作業としては限界でしょう。
その経験からすると10万台のナンバーのデータを個人が他の支援無く見てもなんの役にも立たないでしょう。
どういうつもりでこんなことをしたのでしょうか?信用低下を推し進めることになりますよ。

3月 16, 2006 at 05:36 午後 セキュリティと法学 | | コメント (4) | トラックバック (0)

弁護士欠席事件・その2

「弁護士欠席事件」では基本的に元検弁護士のつぶやきさんの記事を紹介しましたが、わたしの意見を述べます。

実際に起きた事件は報道の通り、開廷したが安田弁護士が現れませんでした。実際の開廷はずっと以前に決まっていて、さらには関係者が了解すれば開廷延期もできます。
それが開廷したが弁護士が来なかった、というのはアクシデントかドタキャンか?のいずれかだとなります。

今回、安田弁護士は出廷しない理由を「日弁連の裁判員制度に関するイベントのリハーサルに出席したから」となっているようですが、これはアクシデントと言われるような緊急事態ではないでしょう。
ケガや病気、事故といったことなら「仕方ないな」ということになるかもしれませんが、今回の事件は普通に考えてサボタージュの範囲でしょう。


わたしが問題にするのは、これが法律の世界のそれも最高裁の法廷で起きた事件だということです。

安田弁護士は死刑反対論者ですが、だからと言って「殺人事件が無くなる秘策を知っている」ことは無いでしょう。もちろん殺人は重罪であることは確かですし、社会としては教育などを通じて殺人させないことは重要だと思いますが、それでも無くならないでしょう。

殺人被害者が仇討ちをするといったことは、許していたら社会はメチャクチャになってしまいますから、その判断を当事者以外の第三者にゆだねるというのが裁判の基本的な考えでありましょう。
つまり裁判は当事者の意向を社会の意志が上回るということです。ここで当事者と書きましたが、個人ではなく社会の判断に従う、であり裁判官は社会の意志を代弁する、はずです。

もちろん法律も裁判官も神ではないのですから完全無欠ではありません。そういう法の意味を説く言葉として

「悪法も法なり」(ソクラテス)

があります。わたしはこの言葉をとても重視しています。

その理由は、先に書いた通り「法がない社会はメチャメチャになる」と考えるからです。しかし思想としてアナーキズムと言われるような、社会がメチャメチャになっても・・・という考えもあります。社会秩序をぶち壊すのは革命という形も含めて何度も起きていることですが、その過程においては大事では戦争があり、小さい場合でテロリズムとなります。

わたしは全共闘世代で大学紛争時代に大学3年生でした。大学紛争でも、裁判制度も含めて否定した人たちは全体としてはごく少数でした。そこまで極端な人はそうそう居ないものです。


今回の安田弁護士の行為は、わたしにはさっぱり動機が分かりません。
裁判制度を認めないのであれば、さっさと弁護士を廃業するのがスジでしょう。裁判制度を否定している弁護士に依頼した人は立場が無いですよ。
裁判制度を自分の考えの通りにならないとボイコットするというのであれば、法曹を代表する天秤を否定しているのでしょうか?


これが最高裁の法廷でなく、一般のビジネスであったとするとどうかと考えてみます。
関係者が検察・裁判所・傍聴人・弁護士といった4者が居るのでからかなり大がかりな取引の場と言えます。
その取引の場に、現れなかった場合には「事故ですか?」となりますが、それがフタを開けたら「よその仕事が重要だったので」とか言われたら「バカ野郎、二度と来るな」でしょう。
この場合「業界から追放」ですよ。何をするのか分からない相手とは付き合えません。
実際に戦記小説・歴史小説などで「奇策」に人気があるのは実社会ではほとんど使えない策であるからです。

奇策は一度使うと、二度と使う機会を与えられないといった種類の「策」だからなのです。
法曹界はこのような事態にどう対応してどう信用を取り戻すのでしょうか?
「こんな方法もあるのだ」と法律や裁判を侮るような雰囲気を与えたことは、裁判を延期させたこと以上に罪深い行為であると思います。

3月 16, 2006 at 02:29 午後 事件と裁判 | | コメント (5) | トラックバック (1)

Winny 問題・話が違うだろう

産経新聞より「危機意識低く深刻 「ウィニー」情報流出、底なし
なぜ流出被害が止まらないのか。その背景を探ると、国民の危機管理意識の希薄さも浮き彫りとなってくる。

出被害の大半が、ウィニーを介してウイルスに感染した私用パソコンを職場に持ち込んだり、業務データを家に持ち帰り、私用パソコンに取り込んだりしたことが原因となっている。

「私用パソコンでは使用の自粛を求めている」という官公庁が多い。法務省の幹部は「基本的には職員個人のモラルの問題だ。しかし、流出に対する危機意識を一人一人に持たせることは必要」と話す。
特に理由があって産経新聞の記事を取り上げたのではなくむしろ平均値だと思う。
第一安倍官房長官が「Winny を使わないのが一番」と発表している、これについては Matimulog さんが「winny使用自粛呼びかけ」
あまりにプリミティブでナイーブな認識と対策で、開いた口が塞がらない。
とストレートな感想を述べていらっしゃる。
その後さすがに乱暴すぎると考えたのか内閣官房はより細かい情報、「Winnyを介して感染するコンピュータウイルスによる情報流出対策について」を発表した

この記事を読んでいるほとんどの方はよくお分かりのはずで「本質は違うだろう」で、マスコミがここらで納得されても困ります。

そもそも情報流出とは以前からファックスの誤送信とか、郵便の誤配といったことも含めて社会的に「この程度は仕方ない」というものから宇治市の住民基本台帳をMOにコピーして40万人分持ち出したといった極めて意図的なものまであります。

内容については先頃の海上自衛隊の暗号情報が流出に代表される「どう考えても公開するべきでない情報」もあるし、大量に流出したとは言え住民基本台帳の情報は公開されている情報である、といったこともあります。

今、事件になっているのは「業務上の情報」が「個人所有のPC」にある時に「ウイルスに感染」したら「Winnyをインストールしてると」流出することがある。
ということでしょう。そして「業務上の情報が流出」したときに社会的事件になって問題だ。ということです。

情報流出で言えば「Winny・不倫を会社にメールしたのは・・」で紹介した事件など個人的には人生の致命傷といった事件も起きていますが、社会的には個人の問題でとどまります。

しかし業務上の情報となると社会的に非常に困るわけで、これはなんとか止めるべきです。
そこで「元を絶てばよい」ということなら

「私有のパソコンで仕事をするな」

でほとんど解決でしょう。
官房長官が言うべきことは「Winny を使わないように」じゃないですよ。業務(オフィシャル)とプライベートが入り交じっている環境で問題が出ない方が不思議というべきです。

私物のPCで会社の業務を実行していると、Winny だけでなく、著作権法違反、インターネット上の名誉毀損、児童ポルノ所持など個人的犯罪でパソコンを押収された場合に業務が止まってしまうような可能性がある、ということです。
こんな危険を避けるという意味でも、さらには公私混同を避けるという当たり前のことからも、プライベート用のコンピュータで仕事をしてはいけません。というだけのことで「Winny が問題」とか言うよりよほど簡単だと思うのですが。

3月 16, 2006 at 01:14 午後 セキュリティと法学 | | コメント (9) | トラックバック (2)

PS3発売延期記者会見

「PS3・発売延期?」で書いた、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の多良木健社長の記者会見内容の詳細が NIKKEI NET + PLUS に出ました。

「【会見詳報】SCE、「PS3」の発売は11月上旬に」
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の久多良木健社長は15日、東京・港区のグランドハイアット東京で会見し、次世代ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」の発売を11月上旬に延期すると正式発表した。
当初は2006年春の販売予定だったが、内蔵する次世代DVD「ブルーレイ・ディスク(BD)」やデジタル映像の出力方式「HDMI」の規格調整が遅れているため延期した。

会見には、報道陣をはじめ、証券アナリスト、ゲーム開発関係者のほか海外メディアもつめかけ、会場は満席となった。

会見には「PS3」本体は出されず、久多良木社長が檀上で発売延期の理由や「PS3」の主な仕様を説明した。

久多良木社長の主な発言は以下のとおり。
次世代DVDへの責任
規格化の遅れ 想定外
フルHDに完全対応
典型的な「供給側の論理」ですね。
驚くべきことにこんなことを言っています。
次世代DVDへの責任
プレイステーション(PS)3への期待は大きい。たとえば次世代DVDプレーヤーとしての部分。純粋な次世代DVDプレーヤーとして考えると、いきなり年間100万台、1000万台は難しい。ただ、PS2でDVDをサポート、実装したことを思い出すと、規格を立ち上げて3年も経っていて、はっきり言って低迷していた。それがPS2が出たことでプレーヤーがどんどん普及していった。それを機にハリウッドもDVDのリリースを加速し、その結果PS2も買いやすく、PS2のディスクのコストも下がり・・・とさまざまなメリットが出てきた。  ところが、今度のPS3はBDもHDMIも次世代と言われるものがまったく立ち上がっていない。それを牽引するだけでなく、そのビジネスをわれわれの生活の中で当たり前のものにするための大きな責任がある。  これはBDプレーヤーだけではない。これが立ち上がらなければテレビが売れない、と言われる。逆にPS3が立ち上がれば、とてつもないテレビビジネス、ネットワークビジネスなど、さまざまなものが起爆すると言われる。しっかり立ち上げてほしいという熱い期待がある。
そんな大がかりなことを、全部任せるなんて誰も考えてませんて。
消費者は消費者の判断で動くのであって、期待しているモノが出てくるまで永遠に待つわけが無い。
また商品企画をするわけじゃないから「あれも・これも」と希望するのは「希望するだけ」であるのは、マーケッティング失敗の有名例である「エドセルの失敗」として良く知られている。
どこをどうすればこんなことを記者会見で言えるのか?発売延期の言い訳にしてももっとマシな言い方はあったと思います。

3月 16, 2006 at 09:15 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2006.03.15

弁護士欠席事件

朝日新聞より「山口・母子殺害の上告審、弁護人欠席で弁論延期

この問題は、法律や裁判に興味のある人たちの間で大いに議論されていますが、元検弁護士のつぶやきさんの記事「極めて遺憾(光市母子殺害事件上告審)」に詳細な分析と判断が出ています。
モトケンさんの記事は、元文、追記、さらに追記、もうひとつ追記、決定的追記と実に4回に渡って事情を探っています(さすがに元検察でしょうか?)これをわたしの理解でトレースしてます。

元記事
最近、同事件の弁護人に、松本智津夫被告の一審の主任弁護人を務めた安田好弘弁護士ら2人が就任したようです(ニュース)。
松本公判と同様の訴訟戦術と見られるものであり、予想された事態であると思われます。
弁護人としては、選任されたばかりなので準備ができない、という言い分があるかもしれませんが、そのような言い分がいつでも通るとなりますと、被告人が弁護人の解任と選任を繰り返した場合には、いつまでたっても法廷が開けないという事態に陥ります。
これは安田弁護士だということと、一般的な問題点を指摘しています。


追記
「日本弁護士連合会が開催する裁判員制度の模擬裁判のリハーサルで、丸一日拘束される」との理由で、この日の法廷を欠席した。
いずれの予定も弁護人就任の時点で分かっていたことのはずです。
少なくとも最高裁にとっては説得的な理由ではないでしょう。
と理由になっていない理由で欠席したと、見解を述べていらしゃいます。


さらに追記
安田弁護士らは今月7日付で、弁論を3か月延期するよう求める申請書も最高裁に提出しているが、翌日却下されていた。
電光石火で却下されているようです。
やや穏当を欠く憶測になりますが、もし安田弁護士以外の弁護士だったら、最高裁は弁論の延期を認めたかもしれません。
法曹界は村社会ですから、人を見るというところはあるように思います。
かなり思い切り強く非難するトーンで意見を述べられています。
しかし、即時に却下というのは普通の社会慣行として「後はないぞ」というサインであることは常識で、この段階より後でも抵抗すると、交渉ではなく争いとみなすのが普通ですよね。


もうひとつ追記
「被告の言い分に最近変化があり、接見や記録の検討を重ねる時間が必要。」(と安田弁護士は延期の理由にした)
一審、二審では被告人は、「少年時の犯行だから死刑にはならないだろう」とたかをくくっていた。
実際、判決はそうだった。
ところが検察は上告し、最高裁は弁論を開くことを決定。
弁護士から、「最高裁が弁論を開くということは二審判決を変更するつもりである場合が多い。二審判決の変更とは死刑を意味する。」と聞かされて大あわて。

そうなると、被告人の言い分に変化が表れるのも当然ですね。
ここでも関係者が承知していることをさらに延期の理由にしている、と指摘されているのでしょう。
この「承知しているはずだ」ということについては法廷で裁判長は「もっと分かりやすく言うように」といった形でまとめますから、議論のための議論は裁判ではふさわしくないという常識に反しているということでもあるのでしょう。


決定的追記(H18/3/15)
今朝の読売新聞を読んでみますと、本件を審理している最高裁第3小法廷の浜田邦夫裁判長が5月下旬で定年退官するんですね。
弁護側の意図が120%明瞭になりました。
浜田裁判長の定年退官前に結審していなければ、浜田裁判長の後任者を含めてあらたに合議をして死刑か否かを決めることになりますから、死刑に消極的な裁判官が浜田裁判長の後任者になることを期待して、死刑判決を考えている現在の合議体による判決を回避しようとしているわけです。
つまり訴訟遅延行為であることは明白です。
これは「すごいな」と感心してしまいました。
というより事実は、延期を申請を何度も却下されたあげくに、前から分かっていた予定があったことを理由にドタキャンした、というどこでも通用しないような手段で開廷を阻止したことになります。
まだケガでもした方が緊急ということで理由になったでしょう。
最高裁が異例の「見解」を出すことになったのも、下世話な表現をすれば「なめられた」からでしょうが、分からないのが「なぜそこまでして、開廷を阻止する理由があるのか?」になるわけですが、それがモトケンさんの説明で「なりふり構わず、今を遅らせれば良い」というのでは、法的秩序そのものを壊しても良いということになりませんかね?

少なくとも「前から分かっている理由(予定)でドタキャン」というのは通用しないでしょう。
裁判の日程は引き継いだ時点で決まっていたわけですから、バッティングするのであれば引き受けてはいけないはずです。
こんなことが通用するなら、裁判の延期なんていくらでも出来てしまう。
違法ではないが極めて脱法的な行為で、法的な信用性を一気に喪失してまうような事件であると言えるでしょう。

3月 15, 2006 at 02:08 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (3)

第二東京タワー・続報

「第二東京タワー建設にGO」は新聞記事だけで書きましたが、サイトがありました



matsuya_s 動画とか写真とかありますが、東武鉄道が作ったプロモーション・ビデオなどですね。
この風景は隅田川の対岸ですから、浅草駅から見える風景といったところでしょうかね?
すごい風景の変化になりそうです。

こんなものすごいモノが4年半で出来てしまうということに驚きます。

3月 15, 2006 at 01:02 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (1)

政府が「PCの情報管理」を呼びかける

読売新聞より「ウィニー問題、パソコン情報管理の徹底呼びかけへ
政府は14日、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介した情報流出が相次いでいるのを受け、国民に直接、パソコン情報の管理の徹底を呼びかけることを決めた。

安倍官房長官の定例記者会見などを通じ、ウィニーを使用することの危険性や注意事項などを説明する考えだ。
情報管理→PCの管理→ウイルス対策
といった段階になっているんじゃないでしょうか?
例えば電車の中で仕事をするなんてのは、情報管理という点から失格です。
ウイルスなんか入っていないし、ネットワークにも接続していないけど情報流出の危険は極めて大きい。

ビジネスの常識として電車の中でクライアントの名前を出さないなんてのは常識だし、多くの場合はクライアントを訪問した直後にクライアントの構内ではビジネスの話そのものをしないのも普通です。

こういった情報管理について意識している人は、絶対数としては少ないわけで、多くの人たちは今まで情報管理の必要性があるなんてことを知らなかった。
今でこそ、PCにはアンチウイルスを入れるのが常識として知られるようになりましたが、ちょっと前までは「危ないと思ったら線を抜けば・・・」なんて話が真面目な顔で語られていたことを思い出せば「パソコンの情報管理」なんて話が世の中の常識になるためには、ものすごい強力なキャンペーンが必要だしはっきり言えば「Winnyで懲戒免職100人」ぐらいのことをやらないとダメではないだろうか?はっきり言えば

「Winnyで懲戒免職100人」ぐらいことをやらないとダメ

ではないだろうか?

3月 15, 2006 at 09:07 午前 セキュリティと法学 | | コメント (4) | トラックバック (0)

PS3・発売延期?

毎日新聞より「PS3:発売を11月初旬に延期 次世代DVD規格遅れで
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は14日、今春に予定していた新型ゲーム機「プレイステーション(PS)3」の発売時期を11月初旬に延期することを決めた。
15日に発表する。ゲームソフトの記録媒体として採用する次世代DVD「ブルーレイ・ディスク」(BD)の規格作りなどが遅れて量産体制が整わないため。
これではちょっと説得力がないなと思っていたら、記事中に評価が出ています。
片山栄一・野村証券金融経済研究所シニアアナリストは「規格策定が遅れたためではなく売れるソフトとゲーム機の新しい機能が足りないためではないか」と推測する。
PS3はスーパーコンピューター並みの高機能を誇るため発売価格は従来機の3万~4万円という水準より高くなることは確実。このため、目玉になる機能やソフトがなければ一気に販売台数を伸ばすことは難しい。
Xbox360はゲームだけの機械とはちょっと思えないというのが一般的な評価になっていて、例えばテレビをAV機器といったものに取って代わるようなナニかのプロトタイプかもしれない、と言われています。
良く分からないけど、マイクロソフトはナニかすごく大きな計画があるのだろう?だから仕様から見ると考えられないような低価格でスーパーコンピュータを出荷してきた。

これに対抗するには、ごく身近なものでも映画のライブラリーをどう扱うのか?といった巨大ビジネスに回答を出さないといけないし、もし本当にテレビを代表とする家庭内エンターテイメント環境を置き換えるのだとすると、ソニーの仕事の中核に影響してしまう。
ここらへんまでは誰でも見えるから、こんな記事になってしまう。
またソニー本体の業績に影響を及ぼす可能性もある。2000億円を投じて開発した新型半導体「セル」やBDを搭載したゲーム機だけに、「PS3で失敗は許されない」との声は強い。発売延期が消費者の動向にどう響くのか注目される。
どうもソニーは昔の消費者が思いつかないような商品を供給できた時代に「たまたま供給者が消費者をリード出来た」時代だった、ということをまだ理解していないのではないか?
会社が社会で評価される項目の一つは消費者の意向なんだがね。

3月 15, 2006 at 08:49 午前 経済・経営 | | コメント (4) | トラックバック (0)

NYタイムズ・株価欄を廃止

産経新聞より「NYタイムズ、株式欄廃止 ネットに移行
米紙ニューヨーク・タイムズは14日までに、火曜日から土曜日までの紙面に掲載していた株式欄を今年4月から廃止すると発表した。読者が株価情報をインターネットから得る傾向が強まっているためで、株式欄は同社ウェブサイトに移行する。読者にはリアルタイムの相場情報をメール配信するなど、ネット上のサービスを拡充する。

同社によると、これまで6ページを割いていた株式欄を、2ページの市況欄に改編し印刷コストを削減。日曜版には従来通り株価など相場表を掲載する。

同紙によると、既にシカゴ・トリビューン、ロサンゼルス・タイムズなど大手が次々に株式欄を縮小している。(共同)
日報では中途半端すぎますね。
なんのかんのと言ってもアメリカがネットワークの使い方では着実に進歩していると思います。
日本では「既存の社会がネットワークを利用する」という範囲で思考するためか、どうもネットワークが社会と摩擦を起こしがちですが、本質的にはネットワーク利用の方がコストが下がるとなれば結果的に必ずネットワーク利用が主力になります。

既存産業が変化に抵抗した例としては、炭坑が石油利用に抵抗したこと。鉄道貨物輸送がトラック輸送に抵抗したこ。などが有名ですが、これらと同じ事が起きているだと思います。

3月 15, 2006 at 08:33 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

新聞の特殊指定・産経新聞社説

産経新聞社説より「新聞の特殊指定 言論選択の自由に不可欠

新聞社が新聞の特殊指定を否定することは無いだろうから、産経新聞もこんな社説を載せるものかね?というのが感想ですが・・・・。
これが廃止されれば、新聞界は激烈な値引き競争の波に呑(の)まれ、結果的に山間部や離島など配達コストの高いところは宅配制度の恩恵から遠ざけられかねない。

新聞には書籍とともに発行元が小売店に価格を指定できる「再販売価格維持制度」も認められている。特殊指定とともに社会の公器として、その存在意義を認められての措置である。

ところが、公取委は再販制度があるのだからそれで十分ではないかとの見解だ。しかし、二つの措置は車の両輪で、特殊指定が解除されれば再販制度そのものが意味を失いかねない。
いったい何を言いたいのだろう?それとも、誉め殺しの変種か?

再販制度に批判があるのは周知のことだと思う、それを再販制度と特殊指定の両方が必要だ、としては再販制度を批判することはあり得ない、という立場になってしまうではないか。

再販制度や特殊指定を問題にするのは公正取引委員会であるのだから、これは消費者問題であることは明らかだ。
再販制度や特殊指定によって最初に利益があるだろうとされるのは供給者であって、新聞社の論調で「供給が滞る」と結果的に「消費者の損害になる」から「仕組みの変更反対」となっていて、これだけで立派な三段論法だ。

消費者側から言えば「供給者は無料で消費者に提供するべきだ」とするのが一番有利であるが、こんな話が実社会で続くわけがない、供給者側から言えば「消費者は供給されるものを選択してはいけない」となるこれもまた続かない。
実際にはこの間に正解があるわけだ、そしてその実態は時間とともに変化して当然だ。基本は消費者が決めるのであって、NHKの受信料も含めてのことであるが報道の価格を再考する時期になったことを新聞社は直視するべきだ。

3月 15, 2006 at 08:24 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

情報流出・読売新聞社説がようやく・・

読売新聞社説より「[情報流出続発]「『ウィニー』だけが問題なのか」

ようやくまともな社説が出てきたという感じですが、この社説が目立つことが問題だし、社説だから一般論でとどまっていて、今後は報道機関が役所などの個々の対応についての評価を示すかが注目点でしょう。
ウィニーのせいだけにしていては問題の本質を見失う。むしろ一連の情報流出騒ぎで露呈したのは、流出が起きた組織の情報管理のお粗末さだ。

どうして私物パソコンに、重要な情報やデータが簡単にコピーされ、持ち出されてしまうのか。機密を扱う職場なら当然あるべき対策がない。

大量流出したのがパソコンのデータではなく、紙の文書と考えてみれば、事態の異常さが浮き彫りになる。

流出が起きた職場では、重要な文書を職員が勝手にコピーして外部に持ち出せるのか。自宅に持ち帰れるのか。国や自治体には、機密情報、個人情報が大量にあるが、これで管理は大丈夫か。

政府や関係機関は、情報管理体制を根底から見直さなくてはならない。
以前からなんとなくネットワークを社会が利用することが出来ないのではないか?という疑問がありました。
89年にFAフォーラムを作った時にわたしは必ずしもネットワーク万歳と積極的に工業界に売り込むということはしなかったと言えます。
個人間の情報交換にはとても便利だったから、設計事務所の業務などには大いに有効であったしなんと言っても人脈の構築が出来ました。

しかし会社や業界といった組織にネットワーク(インターネット)が影響を及ぼしたのか?というと、本質的には変わっていないでしょう。
コンピュータ犯罪に関する白浜シンポジウムの案内をアップしましたが、わたしが初めて参加した99年には大学のネットワーク管理をしている教員の方が「わたしはネットワーク管理をしているが、本業ではない。にも関わらず責任だけ持たされてはたまらない。責任が無いということにならないものか」と発言されていました。
今では、プロバイダ責任制限法は管理者には管理者としての責務がある、としています。

近代社会は軍隊式の組織が基本であって、責任者(指揮官)・中間管理者(士官・下士官)・一般社員(兵士)といったカスケード構造(枝分かれ構造)で動いています。
ネットワークはネットワーク構造の問題であってインターネットやPCの事ではない。社会に異なる構造がうまく納まるのか?という問題なのだろう。

会社でも同期会とか県人会といった会社組織にとって横串に相当する構造があることが多く、縦のカスケード構造(指揮命令系統)と人的繋がり(同期会など)といった横のカスケード構造が重なるのと、結果的にネットワークのようものが出来ていたのでしょう。
しかしこれはネットワークの形をしていてもネットワークではありません。

形のとしてのネットワークのようなものを持っていた日本の社会構造は最終的には強いカスケード構造で動く、というルールでうまくやってきました。
横からの情報に基づいて一旦情報を縦の構造に通すために「元に戻して」といった手続きが示されることがしばしばありました。

ネットワークがネットワークとして機能するのは、検索するような場合に典型的に現れます。手元に無い誰かの情報を見ることで結果OKとしているのですが、昔は本を所有する必要があったことです。
このようにノードが機能してこそのネットワークですが、カスケード構造とは相容れないのは当然で、これをどうするか?という問題がようやく顕わになってきた、ということでしょう。

3月 15, 2006 at 07:54 午前 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.03.14

オービスに測定誤差ありで無罪

朝日新聞より「速度取締装置の信頼性に言及、有罪判決破棄 仙台高裁
法定速度を32キロ超えて乗用車を運転したとして道路交通法違反罪に問われ、一審で罰金6万円の有罪判決を受けた秋田県男鹿市の自営業男性(40)の控訴審判決が14日、仙台高裁秋田支部であった。
畑中英明裁判長は、速度超過を撮影した速度自動取締装置には測定の誤差が生じ得るとして一審判決を破棄、手続きの不備を理由に起訴を無効とした。
いや~すごい判決が高裁で出たというべきです。面白いのは
県道で、法定速度が時速60キロのところを時速92キロで走行したと測定された。男性は「測定に誤差が発生する可能性を検証していない」などと主張し控訴していた。
検察側は、装置は実速度よりも低い数値になる「マイナス誤差」しか生じないと主張。
しかし畑中裁判長は「プラス誤差がないという客観的な裏付けがない」として、測定値が正確だとは認められないと述べた。
「マイナス誤差しか生じない」という主張であれば証明すれば良いだけの事であったわけで、多分証明する必要がないと結果について錯覚したのではないかな?(それほど検察側はマヌケだったのかな?)
男性の違反は反則行為(30キロ未満の違反)と認定。道交法では、反則行為で公判請求するには反則金の通告などの手続きが必要だが、それがなされていないため起訴は無効とした。
つまり「32キロ」という測定値がきわどかったのです。そこで測定精度を問題にする意味があった。
道交法違反は30キロ以上ですから、32キロという測定値は誤差が10%以下であることが必須条件だが、測定の一般論としても結構厳しいです。
そこで検察側は「マイナス誤差しか生じない」と主張したわけですが、これは日本の自動車速度については伝統的にプラス誤差が出ないようにしています。自動車の速度計は国産車では必ずマイナス表示になっています。

しかし計測器としてマイナス誤差しか表示しないとは、自動車の速度計のように意図的に設定している場合だけであって、それを証明できないのに「マイナス表示しかしない」と主張したのだとするとムチャクチャです。

そこで「誤差1割まではある」とすると、29キロ以下の可能性もあったとなって反則行為に当たるが手続きをしていないから無罪。ですね。

ここからは妄想の領域ですが、この速度取締機が旧設定のままだったのではないだろうか?
今は30キロ以上の速度超過が速度違反ですが以前は25キロでした。
速度自動取締機(オービス)はドライバーを撮影するために、無闇に撮影してはまずいということで確実に速度違反である時に作動するようになっている、と言われています。
つまり、30キロを確実に超えているとするためには35キロ以上で作動するといった設定をするというのです。
32キロで撮影してしまったとは、25キロ時代の設定のままにしていた。だから撮影してしまったのだが、もし30キロ以下だったとすると、撮影したことが自体が正当か?というややこしい争いにもなったのでしょう。
まぁタマタマということでしょうね。

3月 14, 2006 at 09:34 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

第10回コンピュータ犯罪に関する白浜シンポジウム

第10回コンピュータ犯罪に関する白浜シンポジウムのリーフレットが届きました。
今回のテーマは「これまでの10年、これからの10年」だそうです。
まだ、サイトは出来ていませんね。



Scan10006  日程  5月25日(木曜)~27日(土曜)
 場所  主会場/県立情報交流センターBig・U
     サブ会場/ホテルシーモア
 定員  300名(先着順・5月12日(金曜)申込締切)
 参加費 1万円(1名様3日間)
 オープニングパーティー(夕食兼)参加費  別途2千円
 ナイトセッション(夕食兼)参加費     別途2千円




    以下リーフレットより

「これまでの10年、これからの10年」
「コンピュータ犯罪」と世間で言われだしてからおおむね10年が過ぎました。そこで、この10年の出来事を今後の礎とするため、まず振り返ってみたいと思います。こまでの10年では、インターネットの爆発的な発展とともに、それを利用した事件が驚くほど増えました。また、個人情報の流出に関する事件も後をたちません。しかし、Winny,Office氏事件や過去の重大事件について、マスコミは、起こった時点では大々的に報道しますが、その後どう処置したかということはほとんど知られていません。各方面からできるだけ詳細に解説していただけるよう講師及びテーマを選定し、再認識の場にしたいと考えております。
 一方、これからの10年として、まず技術の進展を予測し、考えられる時点・事故とその抑止策を論じてもらう内容にしたいと考えております。

3月 14, 2006 at 08:21 午後 白浜シンポジウム | | コメント (0) | トラックバック (0)

ホームオブハート裁判・2006/03/13

昨日は「ホームオブハート裁判」を傍聴してきました。

何度も書いているのですが、すでに2年近く付き合っている裁判ですが、いまだにどんな事件なのかあまりよく分かっていないし、それを説明するのはもっと大変でこういう記事を書いても間違えなく伝えることが出来ているのか自信がありません。

そもそも「ホームオブハート裁判」は複数あって、現在は二つにまとめられています。
消費者被害による損害賠償裁判と名誉毀損裁判です。
昨日の裁判は「損害賠償裁判」で、原告の証人尋問でした。

原告は消費者側の被害者です、こういう裁判の多くは被告側が会社になりますが「ホームオブハート裁判」では、2004年に春にワイドショーで連日「元X JAPAN の Toshi が・・・」と放送された自己啓発セミナー(株)ホームオブハートと Toshi の事務所(株)トシオフィスの二社を被告会社としています。

ホームオブハートとToshi問題を考える会に説明がありますが、ホームオブハートで自己啓発セミナーを主導していたのはMASAYAこと倉渕透氏です。
しかし、(株)ホーオブハートの経営者は、桃井多賀子会長、加田順子社長となっています。

昨日の原告の証人尋問は損害賠償請求訴訟ですから、基本的には原告が自己破産に至る事情の説明であるべきですが、普通は「どうして騙されたのか?」といったことの真実に近づくための証人尋問であるはずです。

ところが、尋問のほとんどが「ホームオブハートでどんなことが起きたか」に集中しました。
これはわたしは紀藤弁護士ら原告側から直接話しを聞いているので分かっているのですが、自己啓発セミナーについてまとめている「自己啓発セミナー対策ガイド」が指摘してる
自己啓発セミナーがモラルを欠いた心理的な誘導によって、受講生の人間性に干渉したり受講生を勧誘活動に走らせたりしていることは、疑いようのない事実です。
その結果行われる勧誘活動も、消費者に対して非常にアンフェアな内容になっています。
そのものであると思われます。
このため証言が「ホームオブハートでは何が起きたか」に集中してしまうのです。

しかしこうなると、会社のビジネスとしての契約などの問題ではなくて「誰が何をしたのか」というところになっていくわけで、前回裁判では(株)トシオフィス代表の出山香氏(Toshi=出山利三の妻)が被告弁護席に居ましたが、今回の裁判には出山利三氏=Toshiも来ていました。
前回裁判では出山香氏が証人に質問しましたが、今回の裁判では弁護士と証人(原告)以外の発言はありませんでした。

裁判が始まってすでに1年半以上経っているのですから、今になって被告会社代表などが被告弁護席に入るを見ると「なんで今までは裁判に参加しなかったのだろう?」という感想が先立ちます。

裁判全体の進行から言えば、この一年半で被告側の準備書面の遅れなどが極めて目立ち、内容もあまり詳細なものではないので証拠としては弱いのだそうです。
民事裁判の一般的な流れとしては、一番目に準備書面の提出といった書類での事実の確認をします、この時に証拠を裁判所に提出しますが、この時点で原告・被告で争います。 二番目に書類の提出が終わると、その書類の内容について証人尋問を行います。
三番目は判決です。

つまり、前回裁判と今回の裁判は証人尋問であり原則としては原告側の主張は全て終わったとなります。 その後、被告側の証人について尋問が終われば、その次は判決となります。
この時点になって、出山香氏、出山利三氏が弁護人席に入るなど積極的に裁判に関与するのはどういうことか?と思っていると、実に4時間(1時半から5時半)渡る裁判の最後に被告弁護人から

「被告(出山利三氏=Toshi)が書類を出す」と言い出しました。裁判長は「どのくらい(時間が)掛かりますか?」と質問したところ弁護人は「一ヶ月半」といったので、法廷に居たほぼ全員が「え~!?」と声を上げてしまいました。

確かに裁判は双方が十分に主張を尽くして判決するのが道理でありますが、すでに証人尋問まで来ている段階で書類を出すということは、結果的に裁判の段階を前に戻す、つまりは時間稼ぎになると思います。
いまさら何を言い出すのだ?というのが昨日の裁判の最後の感想でした。

3月 14, 2006 at 09:41 午前 裁判傍聴 | | コメント (0) | トラックバック (0)

スカイマーク機の修理

朝日新聞より「スカイマーク機、亀裂修理怠り9カ月飛行 国交省処分へ
スカイマークエアラインズ(SKY)が東京・羽田―徳島線などで使用するボーイング767―300ER型機で、機体に付いた傷を抜本修理せずに、運航させていたことが国土交通省の調べでわかった。同機は今月に運航を停止したが、メーカーが定めた修理期限を9カ月も超過していた。傷は運航前の04年に機体に車がぶつかってできた「へこみ」。応急措置で済ませていたため、機体に新たな小亀裂が生じていた。

機体右側第1ドアの下の胴体に、幅約6センチ、高さ約1.5センチのへこみができ、その部分を切り取って、上から大きなアルミ合金の板で覆う応急措置をしたという。

補強用の合金製板を留めているリベット3本の周辺に、微細な亀裂が新たに見つかった。

SKYは問題の機体について、ボーイング社に指示を求め、胴体パネルを張り替える修理をした。
う~ん、どういう修理をするのでしょうかね?
ドアの下側に車がぶつかったということですから、小さなパネルだったのかな?
修理は9日に初めて14日には定期運行に復帰というのですから作業としては大変というほどのものでは無かったのでしょうが「胴体パネルを張り替えた」ではどうなのよ?です。
詳細を知りたいな。

3月 14, 2006 at 08:40 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (1)

第二東京タワー建設にGO

読売新聞より「第2東京タワー、墨田区に…世界一600メートル級
NHKと在京民放キー局5社で構成する「新タワー推進プロジェクト」は、首都圏の地上デジタル用の電波塔「第2東京タワー」を、東京都の墨田・台東地区に建設することを決定した。

カナダ・トロントのCNタワー(553メートル)を抜いて600メートル級の世界一の電波塔が誕生することになり、2010年末の完成を目指す。

地上デジタルでは、携帯電話やカーナビ向けの「ワンセグ」放送を確実に受信するには、東京タワー(333メートル)の約2倍の高さの電波塔が必要とされる。

行政の支援や住民の同意が確実となったことから、“すみだタワー”(仮称)に決まった。建設予定地は、墨田区押上1丁目。建設費約500億円は東武鉄道などが負担。放送局側は賃料などを支払う。
押上一丁目とはどこだ?としらべてみたら東武線の業平橋駅のあたりですね。

2010年末完成では4年半ぐらいで完成ですか!?すごいですね。
「近未来の出来事」で書いた予定では2011年7月がはアナログ停波予定であって、地上デジタル放送システムを完成させるためには2010年末は期限なのでありましょう。

600メートルのタワーというのはやはり高いですね。最近は秋葉原でも高層ビルが建っていますが、ビルの場合は超高層ビルは240メートル(都庁、サンシャイン60、六本木ヒルズ)ぐらいで、いまだに東京タワーは圧倒的に高いです。
電波障害対策だから高くするのは当然とは言え、倍というのはやはりすごいと言わざるを得ませんね。

3月 14, 2006 at 08:28 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.03.13

朝日新聞のネットワーク利用は?

大石英司の代替空港の記事「朝日新聞の〝変〟 「メールチェック」で記者たちが大ブーイング」経由、毎日新聞より「朝日新聞の〝変〟 「メールチェック」で記者たちが大ブーイング

毎日新聞と朝日新聞はケンカ状態ですのでそれをご理解の上でどうぞ(^^ゞ
社員のメールを保存して、後でチェックできるようにする。「訂正しない」と宣言したはずのNHK特番改変問題の記事を書いた記者を読者サービス部門に異動。高らかに「ジャーナリスト宣言」しているわりには、やることが何だか変だぞ、朝日新聞―。

朝日新聞社によると、3月1日に「ネットワーク記録・分析システム」が導入された。全社員を対象に、会社のサーバーを経由したメール送受信、ウェブサイトの閲覧記録を3年間保存、その記録をチェックできる。
「個人情報や企業に関する情報が社外に漏洩するなどネットワークが不正に使われたり、当社のシステムやサーバーが外部から攻撃を受けたりした際に、危機管理上、通信内容を調査し、対応措置を整えるのが目的です」(広報部)

しかし、社員、特に記者たちの中から大ブーイングが起きているのだ。
「情報源と微妙なやり取りもある。会社に見られる可能性があれば使えなくなりますよ。自由な言論を掲げる報道機関が検閲まがいのことをするのかと、みんな呆れてます」(中堅記者)
まったく別のところでも、自衛隊・警察などの情報流出をきっかけにして色々な議論が起きています。
匿名性についての議論 Winny について簡単な説明が必要とする議論 Winny の作者がウイルス対策が裁判中なので出来ないという議論 などなど
昨日買ってきた「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」梅田 望夫・ちくま書房新書は、落合弁護士や町村先生が注目している本で、後ほど読んでから書きますが、読み始めでもかなり注目するべきところがあります。
(日本の若者が)ショックを受けた米国の「インターネットの中」とは何なのか。
それはネット社会という巨大な混沌に真正面から対峙し、そこをフロンティアと見定めて新たな秩序を作りだそうという米国の試みが、いかにスケールの大きなものであるかに対する驚きだったのである。
日本の場合、インフラは世界一になったが、インターネットは善悪でいえば「悪」、清濁では「濁」、可能性よりは危険な方ばかりに目を向ける。良くも悪くもネットをネットたらしめている「開放性」を著しく限定する形で、リアル社会に重きを置いた秩序を維持しようとする。

この傾向は、特に日本のエスタブリッシュメント層に顕著である。「インターネットは自らの存在を脅かすもの」という深層心理が働いているからなのかもしれない。 米国が圧倒的に進んでいるのは、インターネットが持つ「不特定多数無限大に向けての開放性」を大前提に、その「善」の部分や「清」の部分を自動抽出するにはどうすればいいかのかという視点で、理論研究や技術開発や新事業創造が実に活発に行われているところなのだ。
この本が述べている「ネットワークが作る社会」と「リアルに出来ている社会」との摩擦といった面が実は極めて大きいのではないか?と強く思います。

Winny+ウイルスで起きた情報流出で、愛媛県警は「Winnyをインスートルしない・誓約書」を取ることをしましたが、問題は「情報流出を防止すること」であるはずなのに「流出後に処罰できる根拠を得る」しか出来ないというバカなことをやっています。

これは、警察も含むリアル社会にある指揮命令系統によってネットワーク利用を制御しようというのものですが、指揮命令系統はカスケード構造であって、ネットワーク構造と相容れません。
ネットワーク構造ではノード(結節点)があって、情報はバラバラに蓄積されています。その情報はどこからもアクセスできるからネットワークであって、セキュリティ対策はすべて一様に対策しなければ意味がない。
カスケード構造であれば、上流の一点を絞るとか緩めるとかで以下の組織に一度に影響します。
これを取り違えているところに問題があるのですが、じゃあネットワーク構造の会社が成立するのか?と言えば現時点では無理でしょう。

その無理なことをやっているから、警察も自衛隊も朝日新聞もトンチカンになってしまうのでしょう。

3月 13, 2006 at 11:19 午前 ネットワーク一般論 | | コメント (5) | トラックバック (0)

ライブドア上場廃止問題

FujiSankei Business i より「ライブドア きょうにも上場廃止決定 残る東証の課題
証券取引等監視委員会は十三日にも、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、ライブドアと同社の前社長、堀江貴文容疑者(33)らを東京地検に告発する見通しだ。
これを受けて、東京証券取引所は同日中にも、同社株(新興企業向けマザーズ市場)の上場廃止を決定する見込みだが、ライブドア株式が引き起こした波紋は、東証の今後の経営に重い課題を残す。
なるほど、証券取引法違反で告発されたら上場廃止ということですね。
とは言っても、上場廃止にすると一般株主が多いからかなり広範囲に影響が及ぶし、ライブドアがこんな状態になるまで放置していた東証や証券等取引監視委員会の責任はどうなのさ?と誰でも思うところでしょう。
記事には幾つかのポイントを示して解説しています。
東証は、ライブドアへの強制捜査以降、監視委の告発など捜査状況が進展し、同社の証取法違反が濃厚となっても、上場廃止には一貫して慎重姿勢を保ってきた。

二十二万人(二〇〇五年九月時点)にも上る個人株主への影響に対する懸念や、当初の逮捕・起訴容疑が東証の定める上場廃止基準には直接該当しない偽計取引・風説の流布だったこともその理由だ。

証取法違反による最近の上場廃止事例である西武鉄道やカネボウの場合、過去の経営・財務の問題点を両社が自ら洗い出し、業績の訂正報告書を提出したことが上場廃止への大きな判断材料となった。
これに対し、ライブドアは東証からの再三の情報開示要請にも回答できず、直近の決算発表でも決算内容を監査する監査法人が意見表明を回避。
投資家に対して説明責任を果たせないために、東証は、捜査当局の事実解明を待って上場廃止を判断せざるを得なかったという事情もあった。

問題は、企業統治や内部管理の未熟な新興の上場企業では、今後も当事者能力の機能不全が起こり得る点だ。
どう考えても、新規上場企業がすべて何十年と実績のある企業と同等の管理能力などが備わっているワケではないから、市場のために情報を開示させたり警告したりするのが市場や証券等取引監視委員会の仕事でありましょう。
ところが、ホリエモン逮捕に至る証拠集めを証券等取引監視委員会が調べていたから逮捕できた、というのですね。
それは事実でありましょう。

しかしこれでは証券等取引監視委員会と、市場でウソついてることが分かっているライブドアを泳がせていて、それが被害を拡大した、というの何が違うのでしょうか?
市場でルールを破っても、投資家はその情報を得ることが出来ないのでしょうか?

証券等取引監視委員会は監視し・証拠を集めて告発するのが仕事、と言うのであれば投資家に情報を開示する仕組みが無いわけで、一般投資家なんてのは居てはいけないとなります。
これでは投資後進国でしょう。今回の事件で一番問題なのはこのことではないか?と思います。
なんか、麻薬の輸入を察知してもそれを追跡して一網打尽にする、といった発想と同次元の仕組みしか無くて、今後は複雑になる証券市場などを育成できるものなのでしょうかね?

3月 13, 2006 at 10:28 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

新しい裁判とその実態

nikkansports.com 阿曽山大噴火の「裁判Showに行こう」より「これが新しい裁判の形、分かりやすく迅速に

阿曽山大噴火の「裁判Showに行こう」は裁判を傍聴してその様子を記事にしているものです、今回の記事は裁判員裁判のために導入する「分かりやすい裁判」「裁判期間の短縮」といったことについて着目している記事です。
1つめは、3月7日に行われた三田武敏被告人の初公判。罪名は傷害致死。自宅で4歳の長女に暴行を加え死亡させたとされるもので、被告人は自宅居間で娘の両足を持って振り回し、左側頭部をタンスにぶつけたという。被告人は「娘が冷蔵庫から勝手にアメなどお菓子を出して食べたので、しつけのためにやった。やりすぎた」と逮捕後、容疑を認めている。

検察官がプロジェクターとパソコンの電源を入れると、スクリーンに映し出されたのは、部屋の見取り図。
次にスクリーンに映し出されたのは、被告人と長女、整理タンス。そして、その距離。
事件の内容が残酷なんで生々しく感じたところもあったけど「分かりやすい」という点で見れば、口頭だけで説明されるより、視覚に訴える方がいいかもしれないですね。

プロジェクターを使用するのは、去年から少しずつ増えてきてるので、裁判員制度が始まるころには主流になってるのかもしれないです。
なるほどね、と思います。
日本の裁判では情報の基本が紙であって、実際に裁判を傍聴すると「(証拠書類の)原本を示します」といった言葉が出てきますが、これも「紙を複写」していた時代の名残なのだそうです。
だから「デジタルの複写」といったある種のワケの分からないことになるのでしょう。

次は裁判員裁判で裁判期間の短縮のためにすでに導入されている「公判前整理手続き」と「連続開廷」についての記事です。
公判前整理手続き”っていうのは、初公判を開く前に証拠などを整理して、争う内容を絞ることなんだけど、これを適用して連日開廷するのは、初めてのケースです。
で、裁判はスケジュールが前もって決まってるためか、目まぐるしいほどに証人が出廷しました。
弁護士も検察官も、時間に追われてる感じでピリピリしてる印象を受けました。

特に印象深かったのが、裁判官の一言です。
3月10日の公判で証人が出廷した時、弁護士に向かって「え~、時間が5分オーバーしてますので、焦点を絞って質問お願いします」と。
5分くらいと思うんだけど、よほど時間に追われてるんでしょうね。

そして、公判の最後にはピリピリと張り詰めた緊張の糸が切れたのか、弁護人と検察官が大ゲンカ。
公判前整理手続きはわたしの自宅から4駅ほどのところにあるサレジオ学園の高校生の列に100キロ越え(検察の主張)で突入した事故の裁判でも採用されたと聞いています。

詳しくは本紙記事を読んでいただくとして、あらかじめ争点を整理しておく、連続して開廷するとなると、今までの攻撃・防御といった手法を変える必要があるのでしょう。
この公判前整理手続き・連続開廷を実行している法廷を傍聴する必要がありますね。

3月 13, 2006 at 09:59 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.12

情報流出・特効薬は無いのでは?

北國新聞社説より「情報のネット流出 「公私混同」体質が危ない
システムの構築には熱心でも、パソコンを取り扱う社員への教育や、情報を扱う際のルールづくりなどがおろそかになっていた。こうしたケースはまだまだ多いのではないか。

自民党は、業務上知り得た個人情報を漏らした民間企業の従業員に懲役や罰金を科す個人情報保護法改正案の今国会成立を目指している。
個人情報の保護は、法的な措置やシステムの整備より先に、個人情報に接する社員教育がまず重要である。業務で取り扱う情報を私用のパソコンに保存するなどの行為については、例外を設けずに禁じるべきだろう。
なんかなぁ、いささか乱暴な意見だと感じますねぇ。

情報流出と個人情報保護法改正案の従業員が金銭目的で故意に情報を持ち出した例はほとんど無いことは分かっているので、わたしが社説を書いたとすると個人情報保護法改正案はスジが違う、と書くでしょう。

しかし、この社説の意見などが世間の中心的な見解かな?と思うと、そりゃ「社員教育」なのか?と強く思います。
お役所を批判している見方は「管理がどうしようもない」であって、社員じゃなくて管理者・経営者教育でしょう。
最近でこそコンプライアンスなどと「法令遵守」を言いますが、ちょっと前まで大企業の経営者が法的知識が無いことを当然とし「我が社の法律は」などと都合良くやっていくのが当然としていたのですから、かなりの力を注がないと正常な状態にはならないでしょう。
その点で社説のような「これで、解決」的な表現は間違えを拡大する心配があると思います。

3月 12, 2006 at 10:38 午前 セキュリティと法学 | | コメント (2) | トラックバック (1)

新聞社が宅配にこだわっている

東京新聞社説より「新聞宅配をやめよと?
西日本新聞社説より「見直しは国民の利益を損なう 新聞の「特殊指定」

「特殊指定」というあまり聞き慣れない言葉が出てきますが、東京新聞社説に説明があります。
新聞など七業種には「特定の不公正な取引方法」が特殊指定され、新聞の場合は新聞社と販売店が、地域や相手によって異なる定価を付けたり割引販売することなどが禁じられているのです(教材用や大量一括購入向けを除いて)。

同じ新聞はどこでも同一価格だからこそ、値引き競争などの混乱に巻き込まれずに販売店の経営、戸別配達が安定して維持されてきたのでした。情報(新聞)はあまねく公平に同じ条件で提供されることが公共の利益、民主主義社会の基盤であるとの考えが基本にあります。

昭和三十(一九五五)年に新聞業の特殊指定が決まった時、公取委は「新聞のような文化的に崇高な使命を有する商品は値引き販売すべきものでは断じてないということが常識である」と解説したそうです。
わたしにはいくら説明を読んでも完全には分からないのですが、将棋倒しというか風が吹けば桶屋が儲かる的な強引な論理構成かと思います。
新聞を宅配するために新聞販売店が必要 新聞は売店は弱小企業だから競争できない だから値引きしないで良い
ということだと思いますが、特殊指定を外すと販売店ごとに競争して良いということなるようです。
この点について西日本新聞社説が解説しています。
もし特殊指定が廃止あるいは縮小されれば、行き過ぎた価格競争や激しい販売競争を招き、新聞の宅配制度が崩れかねない。

配達コストがかさむ離島や過疎地を数多く抱えている九州では、同じ価格では配達できなくなる地域が出てくる恐れがある。国民もそんな事態は望んではいまい。
簡単に「国民もそんな事態は望んでいまい」と書いてますが、そうでしょうか?
そもそも特殊指定されたのは50年以上前の話であって、50年間変わらないと考える方が無理だ。少なくとも「50年間でこんなに変化したが、宅配は必要であり」とやらないと宅配の必要性自体が決めようがあるまい。

直感的に分からないのが「特殊指定」=「価格競争無し」と宅配が直結する理由です。
西日本新聞社説では「離島・過疎地では宅配必須」と書いていますが、どう考えてもヘンなのは離島・過疎地の人が新聞だけ宅配されれば、それでOKなワケがない。食料・燃料・銀行・郵便・・・・とキリがない。それが社会です。そこに新聞だけ宅配が50年前と同じく宅配が必要というのは、あまりに暴論ではないか?

山間僻地といった正に人口が極めて少ないところ以外は、スーパーやコンビニといった他品種の商品を扱っている商店があるのだから、新聞の宅配をしないからと言って「新聞が読めなくなる」とは言えまい。

そういう面が透けて見えるから新聞社の主張がヘンテコに見えるのだ。東京新聞社説は次のように終えています。
規制緩和は絶対的な善ではありません。守らなくてはならない規制もあるでしょう。民営化も弊なきにしもあらず。耐震強度偽装事件は検査の民営移管に問題ありと気づかせました。郵政民営化だって効果となるとまだ疑問がたくさん残ります。

何が本当に大事なのかを鋭く見抜いて、基本的な対応を決めたいものです。何事においてもです。
そりゃそうだ、その通りだと思う。
しかし新聞にとって最大の重要点は「読んで貰う」ことであろうが、宅配にこだわるのは「供給者の論理」でしかあるまい。市場をみていない業界は衰退して無くなってしまうものなのだが、こういうことを言い出すと先が長くないのが世の常ですな。

3月 12, 2006 at 10:09 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (1) | トラックバック (0)

Winny・不倫を会社にメールしたのは・・

たぶん本当なんだろうな、という事件です。

「不倫妻なおみwinnyで証拠流出!まとめサイト」

2ちゃんねる情報で知ったのですが、
「浮気は絶対バレない!」宣言の不倫妻(34歳・元ミス鹿島)が
winnyで違法ダウソし「仁義なきキンタマ」ウイルスに感染

OEの2000年以降の受信、送信済みメール全て(含:不倫メール数千通)
特定できる個人情報・会社資料・本人や身内、ご近所さん画像等が流出

VIPPERが不倫妻と浮気相手のブログへ凸

鬼女板住人 会社にメール→エリート旦那の出世コース終了

3/9、23:30頃、両者のブログが同時に閉鎖→連絡を取り合ったようだ

3/10、過去のものも含めると不倫相手は4~5名はいると判明

不倫妻、友人ブログに被害者ヅラで書き込みし友人を巻き込む
今ここ。 証拠隠滅にやっきな不倫人たちと不幸な旦那。
なにがすごいって「2ちゃんねる住人が会社にメール」というところでしょう。
会社も社員(夫)もあずかり知らないところで情報が増幅(?)されるし、自らのミスでもないからコントロールのしようがない。

情報化社会とは社会なのだから自分に有利な面も不利な面もある、という当たり前の話が極端な形で出てきているのだ、と解釈するべきなのでしょうか?
個人レベルで情報化が大きく有利になったのはデイトレーダーでしょうか。
逆が情報流出ですかね。

これらはコンピュータが高くて企業でなければ使えない時代には個人ではあり得なかった事件で、プライバシーというか個人的な秘密流出と言えば、イギリス国防相のプロヒューモ事件、ウォーターゲート事件といった国際政治級の事件しか無かったように思います。

政治家、芸能人の不倫の話題なんてのは昔からあるわけで、それでも本人の情報がネット上に流出するなんてことは全く無かった。
それが一気に庶民レベルですからね。これを旧来の状態にコントロールしようとするとインターネットの管理を中国のようにするしかないでしょうから、トータルでは良いことかもしれませんね。

3月 12, 2006 at 07:38 午前 セキュリティと法学 | | コメント (2) | トラックバック (1)