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2006.01.07

人口問題・新聞の意見

「人口問題・合計特殊出生率をどう計算する」でちょっと紹介していますが、わたしは30年ぐらいシミュレーションで将来を予測することに興味を持ち続けています。
STELLA なんてソフトウェアを持っているのもこのためですが、表計算ソフトを使ってもある程度のシミュレーションは出来ます。

そうして幾つかの検証をしてみると、シミュレーションでは前提や固定しておくデータによって結果は変わるのですがそれでも「そりゃこんな風になるのは当然だ」と見えてくることがあります。

その代表が少子高齢化の問題だと感じます。 新聞の論調などでは「少子高齢化がズーと続くから問題」と読める記事ばかりですが、今の高齢化問題の原因である団塊の世代は今後20年から25年ぐらいで寿命を迎えるのですから、高齢化問題はある意味では我慢の問題です。

少子化問題というのはわたしには何が問題なのか良く分かりません。
現在のところ先進国で人口が自然増になっている国は無いのではないか?と思います。アメリカは人口増加ですが移民とその子供による増加であって、移民が無いと人口増加にはならないでしょう。
良く「合計特殊出生率が1.3を切るようだと・・・・」という言い方をしますが、じゃあどの程度なら良いのか?どの程度の人口減なら許されるのか?という話は聞いたことが無いです。

年末年始の新聞記事は「いよいよ人口減」ばかりでした。人口増でなければ人口減ですから、人口増加は話題にならず人口減だと記事になるということでしょうね。
しかし、合計特殊出生率が2を下回った時から将来の人口減は分かっているので実は1975年から合計特殊出生率は2を下回ったままなのですから、30年前には予想されていました。
そのために「いよいよ人口減」は正しいのかもしれませんが、ニューオーリンズを襲ったハリケーン被害のように「前から分かっているのに対策しなかったのは」という以上の意味は無いでしょう。

ハリケーン被害は一年単位の問題ですが、人口問題は100年単位とかになるのは明らかです。ハリケーン問題でも「堤防の工事予定が・・」といった原因と対策が記事になるのに、少子化問題では「問題が何で、どうあるべきか」という議論すらほとんど出てきません。
それなのに「問題だ!」と新聞は続けています。日経新聞社説は
人口減に克つ(1)成長力を高め魅力ある日本を創ろう(1/1)
人口減に克つ(2)「女性が辞めない会社」が飛躍する(1/3)
人口減に克つ(3)IT活用で生産性の引き上げを(1/4)
人口減に克つ(4)アジアと共存共栄の道を築こう(1/5)
人口減に克つ(5)ナショナルミニマムの再定義を(1/7)
と連日社説で特集しています。
まるで政策の全ての舵を方向転換するべきだ、といった印象ですがある意味では25年も我慢すれば先の展開は否応なしに決まってしまうのです。
正しい事かどうかは分からないですが、単に我慢するとか経済を減速する、といった手段でも継続出来るのであれば舵を切るほどのことでもない、とも言えます。

人口減が問題であるのならばとりあえずは静止人口を目標にするべきでしょう。
静止人口の日本は「人口問題・静止人口の形」で試算した通りで
(女性は現在の出産率に比較して)20~24歳台で1.5倍、25~29歳台が1.5倍、30~34歳台が2倍の出産をすることになります。
そのような現実があるのに日経新聞社説の「人口減に克つ(2)「女性が辞めない会社」が飛躍する(1/3)」は成立するものか?と思います。現時点で子供を育てながら職に就くのが難しいのは事実でしょう。だから職場や会社を整備して・・・というのは、現状の安定にはなるかもしれないが事実上出産率を倍に引き上げる役に立つとは思えないです。
もし出産率を倍に引き上げるのであるなら、出産適齢期の女性が出産・育児だけに集中しても経済的にも社会的にも問題なく、就職する必要は特には無いという社会しか無いでしょう。

静止人口を維持するという目標にするだけで、こんなことが見えてきます。
「人口減が問題」「少子化対策を」という意見の多くが「こういう目標にするから」という前提抜きに出てきているのはどうにも役立つアイディアにすらならないと感じています。

1月 7, 2006 at 10:22 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.01.06

飛鳥から飛鳥2に

神奈川新聞より「クリスタル・ハーモニー入港、飛鳥2に化粧直しへ/横浜
横浜港を母港とする豪華客船「飛鳥2」として生まれ変わる日本郵船グループの客船「クリスタル・ハーモニー」(四八、六二一トン)が五日、横浜市中区の三菱重工業横浜製作所のドックに入った。二月二十六日に横浜港・大さん橋で華やかなデビューを果たすため、最後の化粧直しが施される。
日本郵船の郵船クルーズ株式会社なるサイトを見るとASUKA CRUISEというおしゃれなページになっています。 つまり日本郵船の客船クルーズがそのまま飛鳥なんですね。
その飛鳥が飛鳥2に替わるのだそうです。

ASUKA 左の写真が飛鳥です。上部構造物が非常に前の方にあるところが近代クルーズ船な感じがして、きれいな船だなと思っていました。
全長・全幅193m×24.7m
総トン数28,856t
定員一人あたりトン数48.7t
喫水6.7m
航海速力最高21ノット
客室数/乗客数296室/592名
乗組員数270名




ASUK2-2 右の写真が飛鳥2ですが、有名なクリスタル・ハーモニーが生まれ変わるものです。
全長・全幅241m×29.6m
総トン数48,621t
定員一人あたりトン数67.5t
喫水7.5m
航海速力最高23ノット
客室数/乗客数400室/720名
乗組員数約400名












同時に横浜港を母港にすることが決定しました。
飛鳥に比べると上部構造物が後ろに寄った感じでちょっと古くさく感じますが、逆に上部客室部分の高さは高くなってますます海上のホテルといったイメージですね。
2隻の船の仕様を並べてみると、飛鳥が意外と小規模だったのだなという印象です。
わたしは旅行は興味がない人なので(^^ゞましてクルーズなんてのは知らない世界だったのですが、たまたま「世界時計」を探していて飛鳥クルーズの世界時計・スクリーンセーバというのを見つけて、以来愛用しています。

ssnavi_r3_c1
「飛鳥」の現在位置と関連ニュースのヘッドラインが表示される、世界時計機能搭載のコンテンツ配信型スクリーンセーバー。ランドサット画像を用いたクールなデザインで、パソコンをドレスアップします。クルーズの期間によっては白夜航路上の「飛鳥」をご覧いただけます。


いままでスクリーセーバは色々なものを使いましたが、やはり変化がないと面白くないのですが、だからといってもニュース画像のようなのは「セーバじゃないだろ」といった感じもありました。
この「飛鳥クルーズ・スクリーンセーバー」は世界時計ですから、ここ数日のアメリカでの炭鉱事故やイスラエルの首相入院ニュースなどの時に「現地はどんな感じ」と見るのはとても良いです。(ただし、PCに触ると消えてしまうが(^_^;)

飛鳥2のデビュークルーズは3月17日(金曜)15時・横浜発~3月19日(日曜)16時・横浜着の2泊3日で三宅島(八丈島かも)あたりを周航するようです。
とは言えリーズナブルな料金でも十数万円(当然お一人様)以上のようでやっぱり豪華客船の旅ですね。
スクリーンセーバで喜んでいることにしよう。飛鳥2になってもこのスクリーンセーバは続くのだろうねぇ?

1月 6, 2006 at 10:48 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.01.05

親指シフトキーボード・ワープロソフトの凋落

何回も紹介していますが、わたしは親指シフトキーボード・ユーザーです。USBコンパクトを4台も持っています。(PCが5台あるから)

元は25年ぐらい前に販売するソフトウェアのマニュアル作成のために当時ようやく商品化され始めたワープロを使うためにワープロを選定していて、入力の容易さの観点でオアシスを使い始めたのがきっかけです。

ワープロ利用は最初からやっているようなもので、今もワープロにはある程度以上の興味はあり、毎年「一太郎」を買っています。
ところがネットワークでの情報互換性の点からはマイクロソフト・ワードが標準になっていて、使い分けているのですがどうもマイクロソフトワードはワープロと言えるのか?という印象を受けます。

このことを友人に話すと「確かにヘンだと思うが、一太郎はズーッと前のバージョン」という話になって、その先に続きません。
これはどういうことだ?と考えていたら先日「ワープロなんて使わないじゃない」と言われてしまいました。

ネットワーク時代になって、パワーポイントかテキスト・メールばっかりだ、というのですね。
確かにわたしも一太郎とマイクロソフト・ワードを重要視してはいますが、現実に使う機会は一月に一度も無いです。
そんなことを考えると、ワープロソフトなのか?と首をひねってしまうマイクロソフト・ワードのあり方も正しいのかな?と思えるようになってきました。

表現手段がワープロから html に移行すると、レイアウトが読み手の環境に依存することになりあまり緻密なレイアウトをしても使い物にならないので、ワープロが得意としていたレイアウトの扱いやすさが用無しになってきました。
同じ事がDTPソフトの没落という形で起きています

その反面、画像や音声などで表現することが出来るので文面のレイアウトは無視しても他の手段で表現すれば良いし、写真・ビデオといった素材から表現にまで持ち込むためには文章をレイアウトすることとは比べものにならない手間が掛かりますから、文章レイアウトはますます後回しになっていきます。

親指シフトキーボードは慣れてしまうと非常に楽なのでローマ字入力するのはやむ得ない場合だけで、わたし自身は今後も変わらないと思います。
しかし文章による表現がいつの間にか最上位ではなくなったことは、キーボードの使いやすさもあまり問題にならないのかな?という気にもなってきました。
これからどう変化するのでしょうか?

1月 5, 2006 at 10:51 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (16) | トラックバック (3)

人口問題・年金と健康保険

大石英司氏の記事「国民健保は公平なのか?」にトラックバックします。
組合に入れる入れないで、なんでこんな差が付くの?と思った。
結局、国民健康保険料というのは、そういう組織や団体に所属出来ない人々で支え合うせいで、高齢化を加速する社会では、当然掛け金は跳ね上がる一方になる。
こんな制度は果たして、公平と言えるのか?日本は長らくサラリーマン社会で、国民全員が、何らかの組織に属していることを前提に来たけれど、もうそんな時代じゃない。
組織から独立した人々にも差別の無い制度が必要ですよね。
年金制度と同じで一元化すべきだと思う。
この問題は誰かが言ってましたが、若くて医療費をあまり使わない人も歳を取って医療費が増えるようになると、健保組合から国民健保に追い出している構造だ。というのですね。

つまり国民健康保険の赤字体質、組合健保の黒字体質は比べようがないわけで、全然公平ではないです。

さらに言えば、どう負担して、どのようなサービス(給付)が受けられるかは、人口構成や就労者=所得のある人、といったことによって変わるのだから、どういう人口構成を前提に仕組みを組み立てるのか?ということを明示しないかぎり、ねずみ講の説明と同じだ。

先日、破産配当が完了した熊本の天下一家の会の内村所長は
あなたの上には会員が居る、下にも会員がいる、その会員にも会員がいる、こうして無限に会員が居るからお金が途切れることはない。
と説明していました。これではすぐに全人口が会員になって無限ではない。と反論されてしまいました。

年金と健康保険についての政府の説明は「危機的だけど大丈夫」という話に終始していて、今や大石氏の指摘のように公平でないし、継続できるかも分からない。
不安があるからお金を出さないというのはねずみ講ではないか。
まともな説明が必要だし、研究もするべきだろう。
少なくとも、人口構成の変化についてもっと研究するべきだ。

1月 5, 2006 at 12:17 午前 人口問題 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.01.04

炭坑事故誤報

CNN.co.jp より「米炭鉱事故で12人死亡、生存者1人も予断許さぬ状態
2006.01.04 Web posted at: 21:35 JST(日本時間)
米東部ウェストバージニア州東北部のトールマンスビルにあるセーゴ炭鉱で起きた事故で、同炭鉱を経営するインターナショナル・コール・グループの関係者らは4日未明、坑道に閉じこめられた作業員13人のうち12人が死亡し、ただ1人の生存者も予断を許さない状態であると発表した。

先立つ報道では、作業員13人のうち12人の安全が確認されたと伝えられていた。
一時は喜びに沸いた作業員の家族らは、新たな情報で一転悲しみと怒りに包まれ、待機場所の教会から立ち去り始めた。ある女性はCNNの記者に対し、やり場のない感情を吐露した。
CNNテレビは炭鉱事故の誤報問題を延々とやっています。

いまだに「誰が誤報を知らせたのか」「なぜこれほども誤情報が急速に拡大したのたか」が問題になっているようです。
会社から州政府まで言い訳に終始しているとされ、遺族がマスマス怒るといった情況のようです。
ブッシュ大統領がコメントを出すという話も出てきました。

13人の被災者の内で12人が生存していたという情報が流れて教会の鐘が打ち鳴らされて、住民は感激してCNNのインタビューに応じていますが、その数時間後に12人の死亡を確認し一人が重体で収容された、と180度ひっくり返ってしまいました。

住民への誤報であったという知らせは州知事の謝罪という形であったとのことで、元の情報は救急隊員が呼吸器ごしに無線で報告したものを、受信機のそばで聞いていた担当者では無い人物がしゃべったことが公式の情報であるかのように流れたらしい、となっています。
その一方で、誤報であることが20分後には確認されたのに、会社が公式に発表したのは数時間後であって、その遅れについて会社は非難されています。

今回の誤報事件は、BCM(事業継続管理)の失敗例として情報セキュリティの勉強会で取り上げられる重要な実例として研究されるだろうと思います。

1月 4, 2006 at 11:43 午後 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

人口問題・静止人口の形

人口が静止するにはどうなるのか?を考えてみました。
2003年の0歳~4歳までの5年間の人口のままであるとして、各年代ごとの死亡率を掛けて年代ごとに減っていくとします。

xx1

総人口1億420万人の静止人口になります。
この静止人口を維持するためには、年間116万人の出産が必要になります。
2003年当時に母親となった世代の女性の総数は、4124万人ですが静止人口を想定した場合のこの世代の女性の総数は2814万人に減ります。
従って、1.46倍の出産数が必要となり、20~24歳台で1.5倍、25~29歳台が1.5倍、30~34歳台が2倍の出産をすることになります。
こうして静止人口が成立すると、人口構造はこのような茶碗をひっくり返したような形になるようです。

1月 4, 2006 at 01:13 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.01.03

人口問題・人口構成の形から考える

日本が超高齢化社会になりつつあり、その理由が少子化問題であり、その理由が晩婚化(非婚者の増加)であるというのは分かるのだが「だから問題だ、大変だ」として「年金などの崩壊」と言われている。
もっと抽象的な国力の低下とか地方の集落の無人化が問題という意見もあるが、とりあえず年金の崩壊の方を考えてみる。

年金の問題については、現役世代が減って年金を支払う者の数が減るから問題だという。
しかし、これは明らかに相対的な問題で年金を受け取る側が支払う者よりも早く減るといったことでも回避します。
本質的な問題は年金支払い者が増えるつまり人口が増加するという前提にあるわけです。

一国の人口が増え続けるというのは無理があると思うし人口政策はそのような無謀なものではない、と思いたいところですが人口問題の本では「人口ピラミッド」という概念がさほど問題視されずに使われています。
国立人口問題研究所の少子化情報ホームページに人口ピラミッドが1930年~2050年の間でどう変化するかをアニメーションで示しています。
これを見ると釣鐘がひっくり返るように見えます。つまり1930年には子供の方が多かったのに2050年では老人の方が多いのです。

子供ばかりの世の中というのは団塊の世代には経験してきた社会そのものですが、老人ばかりの社会というのは見たことが無いですね。
過去にこどもばかりの時にうまくいった政策を老人ばかりの社会で実現しようとしても無理があるのですが、それを「子供が減るからいけない」と言っているのではないか?という政策の基本をチェックする必要があります。

現在の年金政策は若い世代がその時の老人世代の年金を負担するというものです。<だから若い世代が常に老人世代よりも多い釣鐘型の人口構成であることが必要なのです。
人口構成が釣鐘型であるためには若い世代ほど多くが死ぬことが必要でしょう。
そうでない場合は、常に子供が増え続けるしかありません。

医療技術・公衆衛生の向上は人が天寿を全うすることを目指しているはずです。つまり人口構成は限りなく生まれてから死ぬまで真っ直ぐで年代間の人口にほとんど差がないような形を目指すのでしょう。
そのような社会では、どう考えても若い世代が老人世代の年金を支払うなんてのは無理です。

2003年の0歳~5歳世代が人口の増減無しに90歳まで生きて人口構成が直線の棒状になったとすると、総人口は1億1千万人ぐらいで静止します。
20歳~65歳の労働可能な全人口は5800万人です。この5800万人が5200万人を支えることになります。つまり一人が一人の面倒をみる社会です。
もちろん現実には生まれた子供がすべて寿命を全うするという社会はあり得ないですが、労働人口数人で一人の面倒をみるといった社会は、とても成立しないことは確かです。

このように明らかに無理な人口構成の設定を放置した結果は「年金危機だ」となっていますが、もう一つ大きな現象が起きています。
生命保険会社の大儲けです。生命保険は30年・40年後の人の死の確率を予測するのがビジネスの基本であったのですが、今から35年前の契約などが人が死なないから保険金の支払いが大幅に予想外れとなってしまって大儲けの形になってしまいました。

こうして人口構成のつまりは死亡率の予測が外れたから、年金危機が顕在化したというべきですが、これは生命保険会社が保険金の支払いが予想以下で儲かってしまった時に年金体制は無理だ、と判断するべきでした。

少子化問題が年金の危機だけの問題だとするのなら「年金は仕方ない」とすれば、人口減や少子化は問題にならないのでしょうか? 何が問題なのか分からなくなってきます。

1月 3, 2006 at 11:30 午後 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

和歌山毒物カレー事件・上告審の裁判団が変わる

読売新聞より「毒カレー事件上告審、真須美被告の新弁護団結成へ
和歌山市の毒物カレー事件で、1、2審で死刑判決を受けた林真須美被告の上告審で、安田好弘弁護士中心の弁護団が結成されることが2日わかった。
林被告の黙秘で捜査段階での被告調書がなく、捜査側の状況証拠だけで有罪認定されている、極めて異例の事件だけに、新弁護団には、1、2審の弁護人のうち2人も加わる。
この話で思い出すのが、江戸時代の裁判の記録で「こいつが犯人としか思えないのだが、どうしても自白しないから無罪にした」という記録があるという話です。
この話はラジオで聞いたとかで文献をチェックする機会が無かったので「江戸時代の裁判」で検索してみました。なんと東京高等裁判所の部内広報誌のコラムで取り上げている裁判官がいらっしゃいました。

「江戸の刑事裁判」 小坂敏幸(前第12刑事部判事
取調べは被疑者の自白を得ることを目的とし,役人が自白調書を作成する。この書面を口書という。
自白しない場合は拷問して白状させることになるが,吟味の役人自体は,「拷問」を嫌ったようである。
巧な吟味役は拷問を使わずに,なだめたり,すかしたり,脅したりして自供させることができるので,拷問までするのは,その吟味役の能力がないことを示すものだとされていた。

自白しない場合,無罪放免となるのではなく,「察度詰め」と称して,自白以外の証拠から有罪を認定したようである。
自白しないことが公儀の威光に反するとの考えがあったようである。
なるほど、これも一理ある。 現代の刑事捜査で自白偏重が問題になるが、拷問についても自白を重視していたというのは日本の文化的な背景なのだろうか?


和歌山の毒物カレー事件では、被告は捜査段階から裁判に至るまで何も述べてないというのは、江戸時代にあったという「自白しないから」と同じなのだが、なぜ釈放したのか?というと江戸時代には科学捜査の手法が確立しておらず証拠力として自白の証拠能力が高く評価されていたからだと解説していました。

小坂判事のコラムで
「察度詰め」と称して,自白以外の証拠から有罪を認定したようである。
と書かれているのですが、単純に「じゃあ無罪認定はどうしたのだ?」ですね。
わたしはこの点は、目撃証言はもちろん日々の生活態度などから「こいつは十分に怪しい」という認定をしていたのではないか?と思います。

そうなると新参者の多い江戸では「どういう人だか良く知らない」という証言も多かったでしょうし、結果として「分からない」「自白もない」というケースはあったでしょうね。

現代の捜査・裁判で自白偏重が問題になるのは被告が捜査側に迎合してまるで正反対の自分に不利な自白をしてしまう、ことが知られているからですが、もう一つは科学的な証明などで裏付けをしないというか、別物として扱っているようなところがあるのだと思います。
和歌山毒物カレー事件の上告審ではここらがハッキリすることを願うものです。

1月 3, 2006 at 04:38 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.01.02

相鉄線・東横線が新横浜に停車?

神奈川新聞より「相鉄と東急, 新横浜経由で直通/2015年度開通へ

横浜市の住人にとっては正月早々のビッグニュースです。

東急電鉄・相模鉄道・JR東日本三社と国・県・横浜市が新横浜駅経由で東急東横線と相鉄線を相互乗り入れさせる方向で最終調整に入った。先行するJRと相鉄の乗り入れ計画で相鉄線西谷駅~JR羽沢貨物駅間が整備予定となっているが、さらに羽沢から新横浜方向に路線整備し、東横線日吉駅につなぐ方針。
横浜の電車に詳しい人でないと直感的に分からないと思いますが。横浜駅に東横線、相鉄線、JR、京浜急行、横浜市営地下鉄、みなとみらい線が集まっています。つまり横浜駅はハブの中心であって、例えば相鉄線の西谷から新幹線に乗ろうとすると、横浜駅で市営地下鉄に乗り換えることになります。同様に渋谷などとの交通も横浜経由になります。
地図を見ると西谷(地図の左端)と新横浜(地図の上側右)のちょうど中間の「第三京浜」と書いてあるあたりが「JR羽沢貨物駅」です。
横浜駅は地図の右下ですから、三角形の一辺を通って近道しようというのが直感的に分かります。

地図の右側を立てに横浜、東白楽、菊名と通っているのが東横線で、地図の上に外れただいぶ先が日吉駅です。
実は、JR貨物線が相鉄線、東横線を横切っているので相鉄線・東横線の接続と新横浜駅への線を作ればよいということのようです。

これだけなら消費者としては「めでたい!」と言えますが、横浜市の住人としては横浜市営地下鉄問題というのがあります。
横浜市営地下鉄は横浜市の北側のあざみ野から横浜駅を通り抜ける地図上では右下にほぼ45度で抜けた後に大きくUターンして、藤沢市の湘南台に至っています。
問題はこの電車は側線式の地下鉄で銀座線のように架線が無い鉄道なのです。その結果相互乗り入れは出来ません。

そこで市営地下鉄のネットワーク化の計画があって、現在進行中の工事が「日吉・中山」というほぼ既存の地下鉄に直交する線を建設中です。
こちらに市営地下鉄の路線図(PDF)があります。
さらに、川崎市の縦断鉄道やあざみ野からさらに北側への延長などの計画や構想がありますが、問題は大赤字で
収入が計画を下回るなか、支払利息が経営を大きく圧迫しており、経常損益は、平成14年度▲140億円と大幅な赤字を計上している。年々赤字額は減少しているものの、累積欠損金は増加に歯止めがかからず2,700億円を超えている。
そこに、相互乗り入れという強力なライバルが実現したら、横浜市営地下鉄はとてもこれ以上の拡大が出来ないでしょう。
どういう展開になるのでしょうか?

1月 2, 2006 at 06:05 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (12) | トラックバック (1)

2006.01.01

人口問題・合計特殊出生率の推移から考える

合計特殊出生率が1.26になるかと新聞にも記事が出ています。
以前にも説明しましたが、一般には「一人の女性が生涯に生む子供の数」とされていますから、常識的に2.0以上じゃないと人口は減少すると理解できますが、実際の計算ルールはもっと大ざっぱというか簡単で、15歳から49歳までの女子の年齢別出生率を合計したものとされています。

1970年から1995年までは5年おき、1998年から2001年までは毎年の5歳区切りの出生率を現しているデータを見つけました。

母の年齢1970197519801985199019951998199920002001
15~19歳0.020.020.020.020.020.020.020.020.030.03
20~24歳0.520.510.390.320.240.20.190.190.200.20
25~29歳1.050.930.910.890.70.590.530.500.500.48
30~34歳0.430.360.350.440.470.470.470.460.460.44
35~39歳0.10.080.070.080.110.130.150.150.160.17
40~44歳0.010.010.010.010.010.010.020.020.020.02
45~49歳0.000.000.000.000.000.000.000.000.000.00
合計特殊出生率2.131.911.751.761.541.421.381.341.361.33


sb1
これをグラフにするとこうなります。1970年(昭和45年)頃には25~29歳の女性(戦中生まれの方たちですね)は全員が子供を産んでいた計算になるのですね。
他の年代の人たちの出生率はそう大きな変化は無く、20~24歳台と25歳~29歳台の方々が子供を産む率が半分以下になったから、合計特殊出生率も半分になった、というのが良く分かります。

このデータからは、この年代で子供を産んだ場合には児童手当を3倍にする、といった施策が人口減の速度を減速させるのには有効かもしれません。

1月 1, 2006 at 11:34 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)